小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

小説

小川洋子『いつも彼らはどこかに』-【錠剤:ピカレスクコート】5錠-

・・・抱きしめる。 小川洋子『いつも彼らはどこかに』(新潮社 2016年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 たっぷりとたてがみをたたえ、じっとディープインパクトに寄り添う帯同馬のように。 深い森の中、小さな派手大木と格闘するビーバーのように。 絶…

曽根圭介『鼻』-くっせえくっせえくっせえわ!!-

ちぎってやるよ。 ちぎり散らしてやる。 曽根圭介『鼻』(KADOKAWA 2007年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 人間たちは「テング」と「ブタ」に二分されていた。鼻を持つテングはブタに迫害され、特別区に送られている。外科医の「私」は、テングたちを救…

福澤徹三『怪談歳時記 12か月の悪夢』-僕達に出口はない。-

12の月には12の怪談が相応しい。 福澤徹三『怪談歳時記 12か月の悪夢』(角川書店 2011年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 初詣の夜に妻を見失った男。帰ってきた妻は、以前とはなにかがちがっていた。老人の語りが戦慄を呼ぶ「鬼がくる家」。 女子大生…

遠藤周作『なんでもない話』-僕達人間の延長線には猫、ATM、ぬいぐるみ、そして同じく罪を犯した人間が立っています。-

別に怖くもなんともないさ。 なんでもない、話さ。 遠藤周作『なんでもない話』(講談社 1985年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 心臓の凍るような恐怖と、絶妙のユーモアを織り交ぜた十編の小説世界。何気ない平凡な日常生活のかげに、人知れぬ秘密を隠…

遠藤周作『新装版 怪奇小説集「恐」の巻』-幽霊がいたんだ!!まじで!!そこにいたんだよ!!!!いたんだって!!!まじ!!!-

【ホラー好きあるある】ビビり 遠藤周作『新装版 怪奇小説集「恐」の巻』(講談社 2000年)の話をさせて下さい。 【概要】 ルーアン、リヨン、熱海で起きた怪異現象御綴った「三つの幽霊」をはじめ、とっておきの怖い話が九編。人一倍怖がり屋だった作者の恐…

櫻井まゆ『トランス・トランス・フォーエバー』-僕達の心の表面温度は灼熱で、絶え間なく爆発音が響いてる。-

ねぇ。死にたい。 僕は僕のままで生きていけなさそうだし、 大人が言う「正常」に陥るくらいだったら 僕は僕のままがいい。 僕は、僕のままで死にたい。 このまま朽ちていく身体と、ますます離れていく「正常」「普通」、お薬を飲んで調整した僕はねぇそれは…

朝宮運河編『家が呼ぶ 物件ホラー傑作選』-頼む毎年続いてくれ・・・!!!!-

家に来られたらもうないんですよ。 逃げ場が。 朝宮運河編『家が呼ぶ 物件ホラー傑作選』(筑摩書房 2020年)の話をさせて下さい。 - 【あらすじ】 おそろしい家、奇妙な家、住みたくない家、不思議と惹かれてしまう家ーーー 「家」にまつわるホラー作品は古…

朝宮運河編『宿で死ぬ 旅泊ホラー傑作選』-今このホテルがアツい!令和最恐☆ホテルガイド!!!-

無事に帰れると思うな。 朝宮運河編『宿で死ぬ 旅泊ホラー傑作選』(筑摩書房 2021年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 ひっそりとたたずむ老舗の旅館や、どこか懐かしいグランド・ホテルーーー。 非日常に飛び込む旅の疲れを癒し、心やすらぐべき「宿」…

朝宮運河『再生 角川ホラー文庫セレクション』-ホラーは、何度でも再生する。-

2021年8月某日、私、まぐろどん(28歳地方在住フリーター)は、本書を発端として、令和・ホラー宣言を発表致しました。 朝宮運河『再生 角川ホラー文庫セレクション』(KADOKAWA 2021年)の話をさせて下さい。 【概要】 1993年4月の創刊以来、わが九人緒ホラ…

吉本ばなな『哀しい予感』-重度の希死観念により曲がったスプーンは、砂漠の夢を見、哀しい予感に閉口。-

2021年最後に読んだ本が、多分これだった。 吉本ばなな『哀しい予感』(角川書店 1991年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 弥生はいくつもの啓示をうけるようにしてここに来た。 それは、おばである、ゆきのの家。 濃い緑の匂い立ち込めるその古い一軒家…

梨木香歩『りかさん』-いつだってお人形は、優しいんだ。-

お人形、すきですか。 梨木香歩『りかさん』(新潮社 2020年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 リカちゃんが欲しいとたのんだようこに、おばあちゃんから送られたのは黒髪の市松人形で名前がりか。こんなはずじゃ。確かに。だってこの人形、人と心を通わ…

綿矢りさ『意識のリボン』-傷だらけの脚を抱きしめ眠る。-

短編小説、よりかは、 どこかの世界のどこかの人物の随筆、に近いものかもしれない。 綿矢りさ『意識のリボン』(集英社 2020年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 「私は絶対長生きするからね」母を亡くした20代半ばの真彩は、父にそう誓ってすぐ交通事故…

山白朝子『私の頭が正常であったなら』-それでも、僕は眠れない時があるんです。朝子先生。-

2か月延滞してる。(読むと辛くなるので) 山白朝子『私の頭が正常であったなら』(角川書店 2018年)の話をさせて下さい。 【概要】 例えば、この世に生を受けずにそのままふっと消えてしまった子、とか。 例えば、当時は無力で助けることが出来なかった幼…

角田光代『平凡』-「もし」なんていうのは、超リアルな御伽噺にすぎない。-

人生は分岐する。 人生は一つしかない。 角田光代『平凡』(新潮社 2019年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 妻に離婚を切り出され取り乱す夫と、その心に甦る幼い日の記憶(「月が笑う」)。 人気料理研究家になったかkつての親友・春花が、訪れた火災現…

恩田陸『私の家では何も起こらない』-うるせえその屋敷俺がぶっ壊してやろうか!!-

何も起こりません。 簡単に言えば、幽霊屋敷のプロによる同人誌。 だから本当に、何も起こりません。 恩田陸『私の家では何も起こらない』(KADOKAWA 2016年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 小さな丘に佇む古い洋館。 この家でひっそりと暮らす女主人の…

綿矢りさ『蹴りたい背中』-さびしさは鳴る。-

教室の10分休みの空気は、 寝たふりをして机に臥せって、 ただ過ぎるのを待つしかない。 さびしさは鳴る。p.7 綿矢りさ『蹴りたい背中』(河出書房新社 2007年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 ”この、もの悲しく丸まった無防備な背中を蹴りたい” 長谷川…

角田光代『あしたはうんと遠くへ行こう』-たすけて。-

「たすけて」 主人公は時々だれもいないところで、そのように呟いたり、思ったりする。 そしてその度に、僕は、震えるのだった。 ああ、彼女は僕だ。 その瞬間だけ僕は野崎泉なのだ。 角田光代『あしたはうんと遠くへ行こう』(角川書店 2005年)の話をさせ…

筒井康隆「くたばれPTA」-童貞(メス)の僕は今日も夜明けのワンルームで喘ぐ。「ア」「ア」「ア」「ア」-

うおおおおおおおおお!!!!!!!!! くだばれくたばれPTA!!!!!!!!!!!!! くたばれくたばれPTA!!!!!!!!!!!!!!! 筒井康隆『くたばれPTA』(新潮社 1986年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 マスコミ、主婦連から俗悪の烙印…

小川洋子『不時着する流星たち』-ロマンチックに狂う。-

10の物語。 静謐に幸福静謐に不幸。 小川洋子『不時着する流星たち』(KADOKAWA 2019年)の話をさせて下さい。 ヘンリーダーガーを意識した表紙の絵。 【あらすじ】 盲目の祖父の足音と歩数のつぶやきがひとつに溶け合い、音楽のようになって僕の耳に届くー…

筒井康隆『自選短編集 鍵』-あけるな。-

まぁ若干SFチックになるのはしゃーない。 あとブラックジョークになるのもしゃーない。 筒井康隆『自選短編集 鍵』(角川書店 1994年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 かつての住居で、放置された机から見つかった古い鍵束。 その中に、見覚えはあるが何…

小川洋子『偶然の祝福』-小児科のにおい。-

キリコ。 小川洋子『偶然の祝福』(角川書店 2004年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 お手伝いのキリコさんは私のなくしものを取り戻す名人だった。 それも息も荒らげず、恩着せがましくもなくすっとー。 伯母は、実に従順で正統的な失踪者になった。前…

島本理生『大きな熊が来る前に、おやすみ』-ロマンティックじゃない。-

ロマンティックじゃないラブストーリー。 この後どうなるのかしら。 私のことどう思っているのかしら。 恋には常に恐怖がつきまとうもの。 島本理生『大きな熊が来る前に、おやすみ』(新潮社 2010年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 きっかけは本当につ…

畠中恵『アイスクリン強し』-明治を舞台にした、「少女向け」キャラクター小説。-

江戸から明治へ変わる激動の時代を、 若者達は生きていく。 いや、生きていかねば。 畠中恵『アイスクリン強し』(講談社 2011年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 お江戸が東京へと変わり、ビスキット、アイスクリン、チョコレイトなど西洋菓子が次々お…

小川洋子『最果てアーケード』-そこはどこでもない。いつでもない。心の最果て。-

そこは最果て。 貴方の心の最果て。 僕の心の最果て。 小川洋子『最果てアーケード』(講談社 2015年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 使用済みの絵葉書、義眼、微章、発条、玩具の楽器、人形専用の防止、ドアノブ、化石・・・・・・。 「一体こんなもの…

吉本ばなな『TUGUMI つぐみ』-ページをめくれば広がる夏で笑う、君が。-

彼女の生命力の爆発を思い描くとき、 瞼の裏で彗星爆発。 輝き煌めき光。 光。 その光は海の水面を反射する、同じ光。 吉本ばなな『TUGUMI つぐみ』(中央公論社 1992年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 病弱で生意気な少女つぐみ。 彼女と育った海辺の…

中村文則『教団x』-せいしょ。-

現代性聖書。 小説じゃない。 中村文則『教団X』(集英社 2017年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 突然自分の前から姿を消した女性を探し、 楢崎が辿り着いたのは、 奇妙な老人を中心とした宗教団体、 そして彼らと敵対する、 性の解放を謳う謎のカルト…

小野不由美『鬼談百景』-切ない、胸に迫るような。切ない。-

はえ~怖いンゴ。 小野不由美『鬼談百景』(角川文庫 2015年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 学校に建つ男女の生徒を象った銅像。 その切り落とされた指先が指し示す先は・・・(「未来へ」) 真夜中の旧校舎の怪談は”増える”。 子供たちはそれを確かめ…

朝井リョウ『世にも奇妙な君物語』-何がえ?何があ?何がえ?何があ?拙僧おこなる一遍也-

なんだろうな。 ファンなのはわかるんだけど、多分アマチュアに書かせたほうが「ぽい」もの書けるんじゃないかな。 ていうか、こんなもんしか書けないのか・・・軽く失望なんだが。 朝井リョウ『世にも奇妙な君物語』(講談社 2018年)の話をさせてください。…

貫井徳郎『慟哭』-悲痛。-

仰天はしない。 悲痛。 貫井徳郎『慟哭』(東京創元社 1999年)の話をさせてください。 【あらすじ】 連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判を受けて懊悩する。 異例の昇進をした若手キャリアの社長をめぐり、 警察内に…

三浦しをん『あの家に暮らす四人の女』-ある程度草むしりしながら天海祐希を嗜みませう。-

女達の日常は、 本人も気づかないくらい濃いのだ。 三浦しをん『あの家に暮らす四人の女』(中央公論新社 2018年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 ここは杉並の古びた旅館。 父の行方を知らない刺繍作家佐知(さち)と気ままな母・鶴代、 佐知の友人の雪…