小さなツナの缶詰。齧る。

小説・漫画・雑誌の感想が主です。

「mina12月号」-令和の雑誌は「ピンク文字系」「黄文字系」を提唱したい。-

 

 

 

黄文字系雑誌という概念を提唱したい。

 

 

 

mina 12月号」(主婦の友社 2020年)の話をさせて下さい。

 

 

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【概要】

mina12月号のテーマは「居心地のいいお部屋づくり」。センスのいい人のお部屋や、TOKYOのインテリアショップをたっぷりと特集しています。他にもファッションは、秋のご近所服というテーマで、今欲しいコートやジャケット、旬のブラウンコーデなどにフューチャー。

 

公式ホームページより

 

【読むべき人】

・お洒落な人の部屋のインテリアが気になる人

・スタンダードを愛する人

・だけれども、外国人モデルの雑誌はちょっとためらいがある人

 

【感想】

夏に買って結構良かったのと、「インテリア」というのは引っ越ししたばかりの僕にとってアツい話題だったので買った。

 

 

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早く整理してインテリアしたみ。

 

結構満足。

以下満足した理由を簡単に挙げる。

 

 ・追われない

熱狂的MORE読者だった私が最近離れた理由として、まずこれが挙げられる。今まで結構頭ほんわかぱっぱな内容が多かったのに、ここ1-2年で一気に「ワークライフ」「働く女子」「結婚」の文字が増えた。やめてほしい。そんなん普段から考えているし、そんなん真面目に取り組む人は「MORE」なんて買わずに「ゼクシィ」「月刊WOMAN」買うんじゃないのか。

このminaでは表紙を20代女子、本田翼や多部未華子(新婚)を起用してるにもかかわらず、内容では結婚の「け」の字も出さない。読んでいて疲れることがない。

あと、今は無縁の仕事についているので、ページの無駄だった「オフィスカジュアル」の特集もないのが嬉しい。「仕事でもお洒落で綺麗な私!」を強要されない。

休日と帰った後の時間、ここにフューチャーしているので、読んでいて肩の力が抜ける、リラックスして読める。

 

 ・勉強になる内容が多い

ブランドの歴史革靴の磨き方について特集していて、読んでいて結構勉強になる部分が多い。わざわざそういうコーナーを設けず、ファッションページにナチュラルに入っているのも好感度高い。

いや、聞いたこともない英国のブランドの服なんて多分一生買わないし、革靴も持っていないのだけれども、でもこういうのは読んでいて楽しいのだ。

且つ知っていたらなんか格好いいし。3万5万するスウェットはまぁ無理だけど、仕事着に着るスウェットはユニクロで次こんな色にしようとか思っちゃうし。ドクターマーチンやっぱ買ってみよっかなとか思っちゃうし。

ちなみに、夏に出ていた号で、本誌の読者は意外と正社員労働者が多いことが発覚している。正社員≒大卒。これを当てはめて考えると、もともと勉強好きな読者が多いのかも。

 

・表紙が良い

シンプルに。

雑誌の表紙は雑誌の顔。

今手元に前買った夏の号、この号、今月号3冊そろっているわけだけど、どの号も結構いい表紙だなぁと思う。どのモデルさんもいい表情をしている。やっぱファッション誌だから基本は女の子表紙がいいよね。MORE初め最近のファッション誌はジャニーズばっかでうんざりですよ神。

 

 

マイペース。

以上が最近minaminaしている理由である。あとまぁ、勉強になる内容で、表紙がいいとやっぱ捨てづらいしね。捨てづらい雑誌は良い雑誌。

 

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この号と今月号の表紙。どちらもいい表情をしている。

 

そして僕はこのmina「黄文字系」と呼称したいと思う。

 

まず聞いてほしい。

青文字系は、「zipper」「mer」「soup.」ほとんど死に絶えてしまった。唯一残っているのは「mini」くらいか。

メインストリームである赤文字系大手から発行されていることが多いものの結構瀕死。光文社の「JJ」月刊行をやめることを発表している。「with」「MORE」もこの系譜であるが、最近では毎号のようにアイドルの表紙が目立ち、「アイドルのファンという固定客を確実につかまないとヤバい」状況が伺える

なのでそそもそもそも、もう「赤文字系」「青文字系」が死語となりつつある令和。

 

その中で頭角を現し始めた雑誌を「ピンク文字系」と呼びたい。

「ar」「LARME「bis」等、自分の中で自分らしい女の子を突き詰めていくスタイルの雑誌である。特に「ar」は非常に幅広い年齢層をカバーしているのと、「雌ガール」という言葉を無理矢理作ったという点で、このくくりの代表的存在と言える。

ある意味では「an・an」このくくりに入れてもいいのかもしれない。毎週刊行される内容はコスメや手土産かと思えば、アニメコンテンツやアイドルまで。年に2回のセックス特集は続行。「週刊」という強みを生かして、様々な話題を手広くカバー。幅広い読者一人ひとりの、「理想の女」を決してこぼさない。

自分の中での最上級の理想の女の子・女を目指す。いわゆる「自分ウケ」万歳。これを「ピンク文字系」と呼称したいと思う。

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そしてそれに対抗するのが、minaをはじめとする「黄文字系」である。

mina」「FUDGE」、廃刊したが「ONKUL」「あお」等、等身大の自分をアップデートさせるスタイルの雑誌である。minaは「ar」同様幅広い年齢層のカバー・日本人女性の表紙・今も月刊誌(大事)という点で、このくくりの代表的存在と言える。

等身大の自分をアップデートさせる。というのは、例えば、ちょっといいセーターを買ったり、食べるものにこだわってみたり、「ご近所服」という言葉を使ったりと、普段からの実現可能範囲で、より良い自分に近づけていくこと。理想の自分になる!と目標が具体化しているよりかは、自分の周囲を整え続けることによって進化していく。

ピンク文字系がガツガツであれば、黄文字系はマイペース。扱う物もスタンダードが土台。また、「CLUEL」のように一部個性的なファッションも含まれる。

年齢層離れるが、「LEE」もこれに近いのかもしれない。配偶者有・もしくは子持ちの環境の中で、無印やユニクロ、GUを駆使することで低コストで周囲は常に素敵にしておく。

理想はないが、自身をアップデートし続けることで、チャーミングな女の子・女を目指す。理想を掲げずマイペースに手元のものから整えていく。これを「黄文字系」と呼称したいと思う。

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今や紙媒体の女性誌の王道を歩き始めている「ピンク文字系」にアンチするのが「黄文字系」。そしてその最前線に立つ勇敢な女戦士の名前こそ「ミーナ」なのである。

ちなみに、ピンク文字・黄文字それぞれ代表的存在として挙げた「ar」「mina共に主婦の友社刊行の雑誌である。編集は確かどちらも外注の編集プロダクションではあったはずだが・・・。

もしかして5年後10年後、女性誌を覇権しているのは、マガジンハウス・大手三社(小学館集英社講談社)でもなく、意外と主婦の友社なのかもしれない。

そして、雑誌の読者が減っていくにしたがって恐らくこの会社のように、雑誌の編集は出版社ではなく外部が請け負うケースが増えていく気がする。「LARME」の復刊がそうであったように。

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長くなってしまった。

思い付きの概念だから、荒い所は多々あると思う。

だが、概ね外れたことは言っていないように確信はしている。

 

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以下簡単に、本誌の特集の感想を述べていく。

 

Maison de mind:

エルエルビーンのワンショルダーはちょっと気になってしまった。

 

COSME CALENDER:

ここにも掲載されてる!!

色んな雑誌で白鳥の絵がパッケージの、赤口紅が5本のコフレがあるんだけど、そんなに赤いる?と思う。職場につける色でもないし、絶対余ると思うんだけど。

 

週末女子の冬支度:杉咲花

なんか一気にグッと大人っぽくなりましたね。セ・・・恋愛したのかな。

おちょやんってそうか・・・朝ドラのヒロインだっけか。どうも「朝ドラ出身の女優」のイメージがあって、これから主演を務めることに違和感。

 

秋のご近所服でいいモノ探し

1.ハンサムジャケット

3つのジャケットを扱っている。CPOジャケット。オイルドジャケット。モッズコート。ダブルジャケット。ジャケットがゲシュダルト崩壊。

チェックやら何やら色々扱っているけれど、どうやらCPOジャケット。これをアパレルは本気で今年流行らせたいようだ。ユニクロでも見た。

確かに見た感じ非常に気やすそうだしなんにでも合いそう。妙にミリタリーなところもたくましくていいですね。

次に扱うオイルドジャケット・・・これこそmina編集部の本命かな?手入れするのが大変そうなジャケット。でもこういうのを楽しんでこそ大人ってことなんだろうな。(笑)。

モッズコートは最近見ていないけど、ようやく一周廻って逆に「おしゃれ」になったのだろうか。MHLのはアメリカ海軍のパーカーがベースになっていてかっこいい。ドラゲナイ(死語)。

ダブルジャケットはボタンが2つ横に並んだジャケットのことですね。Pコートみたい。これはちょっと難しそうだなぁ。

2.4GIRALS AND 4BROWN

ブラウンはなんだかんだもう2年kる愛前からずっと流行ってますね。可愛いからね。仕方ないね。

ちなみに僕は今年ブラウンのコートをフリークスストアで買いました。20000円近くしてひえぇ・・・になったけど仕方ないね。可愛いからね。

3.HIGH GAUGE KNIT

ジョンスメドレーというブランドの存在を知る。はえー。ニットで3万円凄い。着たらどうなってしまうんだろう。乳首立ちそう。着てみたい。

ただこれは私が馬鹿なのか何なのか、「ハイゲージ」の言葉の意味が書かれていなかったのが残念。普通のニットと何が違うの。

4、SWEAT STYLE SNAP

言っちゃあ悪いが、minaスナップはあんまり質がよろしくないと思う。スタイリストさんの凄さを思い知る。

八頭司さんだけ結構良かった。けど他はなんか・・・ベストとは言えないしコーデが多い気がする。そこにその靴いるかね?そのパーカーの丈でいいのかね?その髪型でいくかね?みたいな…欠点が目に付く。

5.SHOE CARE

2ページ丸々革靴の手入れについて書かれていてびっくりした。この2ページがために、ちょっとこの1冊は捨てずにとっておこうと思った。

6. THE SNEAKER

ニューバランスのスタンダードは何故グレーなのか。番号の意味は何なのか。

ちょくちょく文字だけ見るブランドムーンスターが国産であること。

革靴ケアの話に続いて、ここのページも非常にタメになる。特にニューバランスの話なんて知ってるか知ってないか、買う行為ひとつとっても全然違ってくると思う。

 

週末女子の代官山ガイド

代官山。初めて行った時は結構普通の住宅街でそこに店が点在していて、所謂ショッピングセンターが乱立する「都会」を期待していた大学一年生の僕は絶望したものだった。でもそれ以来、関東にいた6年間はちょくちょく行った。蔦屋書店があったからね・・・ちかたないね・・・。

「ハリウッド ランチ マーケット」は行ったことこそないけれど、この前は何度も通ったことがある。スチームパンクの動物が飾られているんだよね。知ってる。あれ服屋だったんかい。

他にも色々な種類の古着屋さんがあっていいなぁ・・・と思う。静岡は所詮地方都市。choosyさんはうっかりすると全身で固められちゃうくらい行ってるけど、他はあんまり行ったことないなぁ・・・。富士に一軒、沼津に大きい古着屋があると聞いたけれど行ってみたいわね。

あと地味に気になったのが「ホロル・インターナショナル」。海外から仕入れたアンティークの時計を販売しているんだそうだ。気になる!!!アンティーク!?アンティーク!!西洋史学専攻卒業の僕はそのカタカナに弱いのです。

うわ~・・・5-6マンするんだろうなぁ・・・ほすぃー・・・。

 

カフェの彼女は「ハウディーマリー」が好き

マックハウスが手掛ける新ブランドだそうな。値段はアースミュージックエコロジーと同等くらい。見た感じもほとんどアース。アースで良くない?

 

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居心地のいい、お部屋づくり

そう!僕はこの特集が読みたくて買ったの!!というかせっかく引っ越したからには素敵なお部屋にしたいーんだと思ってるんですがまぁ・・・現実は厳しいですよね。

なのでこのクローゼットをちょっと前からほんの少しずつでも毎日毎日片づけているわけだけど・・・いつになるだあ。

掲載されているどの部屋も素敵でうっとり憧れる。特にやっぱ最初の稲垣夫妻の家は本が雑然と置かれているのにすっごくなんだかおしゃれなのだ。グリーンの配置も良いしアンティーク等が馴染んでいるのもとても素敵。絵が飾られているのも良い。これ目指したいですね・・・。

ただちょっとこの特集で残念だったのは、どの部屋も当たり前のように広かったこと。当たり前にソファーが置かれている。当たり前にトイレと風呂が別になっている。一つでもいいから8畳のワンルームいれてほしかったわね・・・。

 

TOKYO インテリアショップガイド

多種多様のショップが紹介されていて行けるか行けないか行けないわそらコロナだしなぁとかそういうの関係なしに読んでいて面白いページ。

特にmina世代を「住環境が変わる可能性が高い」としたうえで、注目する物品を「部屋に置いていてもいやじゃない日用品」「素敵なインテリア雑貨」p.77に絞っているのは素晴らしいと思った。

特に気になった店は「リカシツ」。フラスコ、試験管、植物。の世界観を極めたかのようなお店でこれは是非行ってみたい。

「PUEBCO」。店がこっちこそまさしく理科室のよう!戸棚一杯に揃えられたインテリアってはなんだか誌面越しに見ているだけでもわくわくしてくる。15坪に700品が並ぶそうな。凄くない?あとしっかり可愛くて値段も手に入りやすい値段なのが良いわね・・・。

そして「memo」。渋谷駅徒歩9分の、一足が途絶えない中古家具店。って行ったことない!どんな店なんだろう?どんなかわゆいものがあるかしら。

「POINT No.38」も気になる。というより、パソコンをやる机に置くライトがないんですよね・・・。欲しいんですよ。そこにこんなお洒落な照明があったらなぁ・・・なんて(照)

でもまぁまずは・・・。

 

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片付いてからですよね。分かる。

 

MASUDA LOVES CLOTHES

相対的に高感度爆上がりした男・増田特集。minaに連載持っているのは知っていましたが、もともと服好きななのですね。知らなんだ。そして妙にだぶついた服が多いなと思っていたけどそれにも理由があったのですね。知らなんだ。

奇抜な恰好が多いけど、なんか似合ってるに嫌じゃないのはジャニーズだから・・・よりかはやっぱ長年磨き続けたセンスによる賜物なんでしょうね。

 

スペシャルコフレで気分を上げて。

今年こそ、人生初コフレと思っていたけれど、買わずになんだか過ぎそうです。いざこの時期になると結局、衣替えだなんだといってそこに回すお金がないんですよね。あと本買っちゃう。買っちゃうよ~。

今月だけで20冊くらい買ってる。買っちゃう。買っちゃうよ~。

積読が恐ろしいくらいにたまっているので、今度実際に積んでみようと思う。

 

”短めヘア”にしてみない?

ボブ提案のページですね。しません。

前髪はちょっとまた眉上に切らなきゃな・・・。

 

Holiday mina December

mina女子に合う自転車探しに行ってみた:夏も自転車推してましたね。どうなんだろうね。コロナ流行ってから自転車業界ってやっぱり盛り上がっているのだろうか。そういった話耳にしたことないのだけれど。

わざわざ映画:十二単衣を着た悪魔」三吉彩花×伊藤健太郎黒木瞳自監督の邦画である。本当の悪魔は十二単衣着てなかったね・・・。

どこでなに聴く?:星野源のベストアルバムボックスが23000円らしい。すげえ。景気いいなおい。

でぃーーーーぷな韓国:レトロが流行ってるんだそうな。QBビールのクマさんかわE。

大人女子のマンガ道:和山やま『女の園の星』はとても良い一冊でしたよ。

全国お洒落なサロンはそはれな場所を知っている説:宇都宮編。行ったことない街に駅があり、人が住み、一定のおしゃれな街があることを不思議に思う。餃子。

のんべえ女子の週末ほろよい雑学:言葉の語源。「居酒屋」「お開き」「十八番」等の言葉の語源が乗っているが、結構参考文献丸写しで読みづらい文章なのが気になる。

数珠繋ぎ晩餐肉:ローストポークだって。うまそー。

わたしの偏愛!:家電をフューチャー。ホットクックは気になるんですよね。でも炊飯器でもいいっていうしね。でもニトリの炊飯器は耐えられるのか・・・?という葛藤をしているうちにやっぱり買わずに見逃すんだろうなあ。

 Interview

1.有村架純のん、武井咲千眼美子剛力彩芽西内まりや・・・僕と同年代。この世代の女優は結構穴が空いてしまったけれど、彼女だけは昔から変わらないですね。頼む。電撃結婚は30直前くらいで・・・頼む!!頼む!!!川栄や志田の結婚で結構もうこっちはギリギリなんだ・・・!!!!

2.瀬戸利樹またイケメンが出てきた・・・。なんだかんだ20代俳優で覇権をとっているのって菅田将暉だけですよね。伊藤君には期(ry 「35歳の少女」見てるんですが、竜星涼はもっと出ていい気がするんだけど、菅田将暉と同じ顔の系統っていうのがこれまたね・・・。

3 .宇垣美里:毎日コスプレするくらい、もっとオタクにこびてほしい。もうインターネットのマジョリティーが「オタク」なのだから。

 

mina総研「読書事情」:このmina自体が、読書好きの女子に向けて作られた雑誌感あるよね。その雑誌で読書に関するアンケートやっても資源の無駄。

SPBS:最近はめくるめく「新しい本屋」が出てきて困っている。改革改革改革。つまりそれだけ出版業界・本屋業界がヤヴァイということなのだろう。ロベスピエールは誰だ。

 

週末メンテ:冬のマスクケア。にんじんとブロッコリーが良いらしい。なるほど。大切なのはお風呂と睡眠。なるほど。

ムーン・リーのハッピーな1日ホロスコープ僕はこのコーナーの天秤座の「アウターは早めに手に入れて」表記で、フリークスストアのコートを買うふんぎりがつきました。

 

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裏表紙はが逆に外国人モデルが多い



 

以上である。

この号も良かったです。

 

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そしてすでに次の号(今月号)も買って、発売日から早3日、読了総量2割と僕の割にハイペースで読んでいるという・・・。

再来月号も買うことになったら本格的に定期購読について考え始めなければならない。

 

***

 

LINKS

夏の号の感想。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

これは既に読んでる。最近はこの作家さえ押さえとけばOK感すらあるよね。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

唱えたい、「黄文字系雑誌」

 

tunabook03.hatenablog.com

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そういや「SPRiNG」はどうだろ。青文字系の生き残りにも見えるし、黄文字系にも見える。

 

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F『20代で得た知見』-真夜中メランコリック・シンドローム、イエス、アンタイ・モーニング。-

「「朝が弱い人は夜が強いからいいと思います」て推しも言ってたから。 」

 

 

 

 

 

 

午前一時半。

コートを着る。

ビン・カンを出しに行く。

 

 

 

 

F『20代で得た知見』(KADOKAWA 2020年)の話をさせて下さい。

 

 

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【概要】

 

人生は、忘れがたい断片に幾つ出会い、心を動かされたかで決まる。

夜は永い。そして、私たちに時間はない。

 

帯より

 

 

 

「僕達に時間はない・・・」

 

 

 

【読むべき人】

・夜行性の20代

・八本脚の蝶の夢を見る人

・FさんのTwitterが好きな人

・深夜、ふと部屋で一人で切ない気持ちに胸が締め付けられる人。原因が恋でも仕事でも未来のことでも何でもいい。部屋の隅で震えている人。

 

【先程】

午前一時半にもなると、治安の良さで名高いこの町は静寂。歩行者も自転車も誰一人いない。時々通る車の多くはトラックで、誰かが誰かに物を届けている。健全に。

その中を一人ぽつぽつ歩く。

住宅街。明かりがついている部屋すら少ない。この家一軒一軒に人間が一人もしくは数人眠っているのかと思うと、不思議な気持ちになる。

静寂の中をぽつぽつ歩く。

明日は月に一度のビン・カン回収日だった。

 

昔から夜は強かった。

今でこそ厳しくはなったものの、徹夜をしろと言われればいつでも出来たし、受験期はほぼ毎日午前3時くらいまで勉強していた。大学時代もその時間をスマホを見るのにアニメを見るのに本を読むのに延々と費やした。

朝は弱かった。

授業中はほとんど眠っていたし、それは4時間の睡眠時間を時間8時間に変えたところで大きくは変わらなかった。大学の一限はほとんど出られたことがないし、必修は落とした。学年が上がり選択科目が増えても、1-3限は極力避けた。内容より始まる時間を重視した。

新卒は塾講師に就職した。仕事量に圧殺されて結局一年半でやめてしまったが、11時ごろから稼働し夜12時に終わるその勤務体制は楽だった。

今も小売りの遅番に入ることが多く、昼過ぎから夜10時半ごろまで働くことが多いが、やはりその時間帯が一番働きやすく感じる。

 

けれど、こうやって肌寒い夜に一人歩いていると、ふと得体のしれない寂しさに襲われることがある。

皆が寝て当たり前の時間に私はこうして起きている。皆が起きだす時間に僕の睡眠は一番深い所を漂う。私が見るツイッターのタイムラインにも誰もいなくてこうして外に出ても誰もいない。友達も少なくて一人で街に出ることが多いしそれは寂しくないけれど突如そうやって過ごした一日が空虚に感じて寂しくなる。今まで彼氏も出来たことがないし、友達も少ないし、仕事がすこぶるできるというわけでもない。生きるのに不器用で、こんな時間に起きていて、大丈夫?大丈夫なの?

カランカン・・・。

カンを黄色いカゴに入れると乾いた音がした。中身は空。

ビンはそっと横たえた。まるで遺体をそっと横たえるかのように。

職場で取り扱うワインのラベルが既に捨てられていた。やけにキラキラした明るいラベルが、今の僕には眩しすぎて思わず顔をしかめる。明日の昼になればそんなの気にせず「セール価格ですよ」「おいしいですよ」「湯戦で温めるのがおススメぴょん」と売っているというのに。

Uターンし、部屋への帰路を踏み出す。

 

今日は休日だった。

夕方母と食べたチェーンレストランのパスタを想う。美味しかった。900円を超えるパスタにはイクラがたくさん載っていてとても美味しかった。店内は明るく、パスタがおいしい。ドリンクバーのココアもあわあわしていて美味しい。母が祖父母の生活に対する愚痴を言う。うんうんそうだね、と話を聞くだけを求めていることを知っている。「そんなんおじいちゃんデイサービスにいれればいいんだよ」「早く親戚が多くいる広島に引っ越すべきだよ」なんて言葉を望んでいないことを知っている。けれどついつい言ってしまう。話を聞くことだけが出来る人間は絶滅危惧種なのである。母の癌は一進一退しながら転移が進んでいる。母が亡くなったら、私は一体何を指針に?でもその愚痴が実はとてもしんどい。だからもっと聞いてあげなきゃと思うけどすると首が閉まる感覚。一瞬イクラの味が空虚。でも母は大事。私を基本肯定してくれるし何より生まれた頃からあれやらこれやらずっとしてくれたしいたし大事だし。そんな介護やら看病やらに費やすつもりはないが母の病で上京は諦めた。でも癌患者だからといって全てを受け入れられるほど私神聖じゃない。この母がいなくなったら私は一体何を指針に?

孤独。

ああ孤独なんだわと思った。

耐えられない。

大丈夫、錠剤を飲んで寝て御膳0時40分になれば私は孤独ではないし仕事のことを一生懸命に考え笑顔で接客しなんとか無事一日を終えることが出来るだろう。

でも今は耐えられない。

寂しい。

突然ひたすらに寂しい。

 

 

 

「夜行性の人間の弱点は、真夜中がもたらす巨大なメランコリックに襲われ、時には殺されること・・・

 

 

寂しいのです。

恋愛のパートナーもいない、友達もいない、信頼出来る唯一の家族も近いうちいなくなるかもしれない。そうしたら私は。私は。

一体何を指針に生きて行ったらいいのでしょうか。

私のしたいこと・・・文章を書くこと。今のように仕事をしながら文章を一字二字三字十字千字一万字書いたところで所詮は自己満足に過ぎない。何かで満たしてくれと叫ぶ「需要」に文章を書くことで自己満足の「供給」のサイクルを回しながら生きていくことしか生きていくしかないのでしょうか。寂しい。私はとても寂しい。

 

元々そこにあったものがなくなると「悲しい」。

なくなったはずのものがそこにあるように感じると「切ない」。

元々なかったものがやっぱりないものだと分かると「寂しい」。p.160

 

そういった時に、1ページ1ページの毒にもならない薬にもならない後世に残る詩にもならない。

多分明日にはそのほとんどを忘れている軽さの、ベストセラーとしてたくさんの人に消費されて尽くしているこの断片で、口の中をいっぱいにする。いっぱいにする。

レモン、恋愛、イチゴ、メロン、仕事、ブドウ、人生、ハッカ、ミカン・・・。

まるでサクマドロップで口の中をいっぱいにするかのように。

忘れてしまえ忘れてしまえ忘れてしまえ・・・。

 

たった今、午前3時27分の今、起きているのは僕だけではないはずで。

この今感じている「寂しい」も永遠ではなく明日には忘れてるはずで。

だから悲観して悲観して悲観して、カッターを手に当てたり、ネクタイでドアノブにわっかを作ったり、人が死ねる高さの階数を夜道で数えたりする必要は無い。この寂しさを抱きしめて、眠れ。眠れ眠れ・・・・。

 

部屋に戻ると、つけっぱにしていた暖房で部屋が暑い。

リモコンの「停止」を押す。ココアスティックがあと一杯分残っていたことを思い出す。錠剤もそれで。

流し込んでしまえ。

 

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僕のような、孤独寂しさ自己嫌悪「死にたい」に極端に弱い夜行性の20代に、向けて書かれた本のように思える。

夜行性の人が夜行性の人に向けて書いた本。

多分逆に、しっかり朝7時に目が醒めて、昼12時にご飯を食べて夜11時には寝る人にはこの知見は非常に怠惰なものになりうるだろう。ただのおセンチな散文にしか映らないと思う。

前作同様発売早々ベストセラーになっているようだし、だからこそFさんはKADOKAWAから本を3冊も出すことが出来た訳だけれども、

ここに書かれた知見が刺さるのは、購読者の10パーセントにも満たないような気がするのだ。

ベストセラーにならざるべくしてなるベストセラー。

いや、それとも、僕がさっき歩いてきた路地の家々の暗い部屋の中で、スマホをいじっている若者がたくさんいるとでも・・・?

 

ココアはみたいに甘かった。

 

 

 

 

「僕の寝起きが悪いのは、昨晩のメランコリックを忘却しきれていないからだよ」

 

 

 

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【感想】

本書はFさんのラインのタイムラインで知った。

彼のTwitterは大学時代フォローしていてその言葉の鋭さに一喜一憂したものだった。どこかのタイミングで、それが何だったかは忘れたけれどフォローを外し、前作前前作も手が伸びることはなかった。

ところが何気なく開けたタイムラインでふとそそれが目に入ったのと、且つタイトル。「20代で得た知見」。僕もかれこれ27歳。20代のクライマックスに差し掛かろうとしておりどう過ごすのかどうすればいいのか未だに心の奥で燻ぶったままでいる。

何か、何かないかと手に取った。

 

果たしてそれは、正解だった。

1-3ページで書かれた183の断片。その多くがまるでガラスのように、僕の心に刺さった。

でもそのうちの何が刺さったかは、これを今読んでいる君には書かない。数ある断片の中で何故それを選んだのか何故刺さったのか、それらを言葉にすると全て泡沫となって午前5時の夜空に、吸い込まれそうな気がするので。

そしてページに残ったのは抜け殻となった文字の羅列・・・。

朝日に照らされてキラキラと眠る、僕の遺体・・・。

 

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以上である。

夜行性の人間。最大の弱点、寂しさ・孤独感・「死にたい」に突き刺さる200近くの断片集。

真夜中メランコリックを抱える私達に。

朝から一日が始まる人には残念ながらこれはただの「痛いポエム」にしか映らないように思うけれど、昼から一日が始まる人にはこれはただの「心のコンパス」

 

例えば、二階堂奥歯『八本脚の蝶』が、「死への記録」であるのならば、この『20代で得た知見』は「生への記録」だと思う。恐らく奥歯ちゃんの日記が好きな人は、この「20代で得た知見」も好きになりうるのではないか。

深夜に摂取する文章としては、どちらも非常に適しているはずである。

 

 

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「朝は眩しすぎて何も見えません。だから朝型人間は頭がおかしく、心身共に健康でいられるのでしょう」

 

 

***

 

LINKS

 

tunabook03.hatenablog.com

 

 

***

 

午前11時50分、私は昨日出したビン・カンが黄色いカゴごと回収されているのを遠目で確認し、一瞬湧き上がる寂しさを、今日から始まるキャンペーンのこと・セールのことで一気に、塗りつぶして、職場への通勤路を歩き出す。

 

「GINZA11月号」-その虫になれない、ギリギリ人間でいたい-

 

 

 

 

果てしなくファッショナブルな雑誌による「読書案内」。

 

 

 

 

「ギンザ11月号」(マガジンハウス 2020年)の話をさせて下さい。

 

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よく見ると下の「GINZA」の文字の配置もこだわりが見られます。Aがでしゃばってる。

 

【概要】

本のおしゃれ虫になる

GINZA読書案内

 

「空想の館」という題名の、古本を使って創られた家の模型展示を見たことがある。

矢ね、天上、窓枠すべて本(床だけは無数の栞が敷き詰められていた)。

扉を開けると6畳ほどの広さで、壁の一部の背表紙を抜くと読書できる仕組み。

佇んでいると誰かがそばにいるような感覚。本の気配が感じられた。

 

さて、今月号は187冊の本をいろんなアプローチで紹介します。

活字大好き、本のおしゃれ虫たちが大量発生中です!

 

p.32より

 

恐らく編集者が書いてた文章であろうが、前半のセンスの良さに対して最後の「活字大好き、本のおしゃれ虫たちが大量発生中です!」の投げやりはどうにかならなかったのか。あと前半と後半文体違うけどそこはどうなのか。そんな敬語でハイテンションな雑誌なのかギンザって。学校のおたよりみたいなテンションだけどそれでいいのか。

今月号では、187冊の本を多様なアプローチで紹介。

【速報】活字好きな本のおしゃれ虫たちが大量発生中

とかでよくない?

 

【読むべき人】

・本好きな人

・普段GIZNAを読まんくとも、本好きな人

・「ダ・ヴィンチ」読者

 

【感想】

GINZAといったらおしゃん・ハイセンス・チョー攻めてる・凄い高い割にTPOが分からない服ばっか・パリコレのイメージがあった。間違いなく読者は人生カースト上位。僕のようなじめじめした人間には無縁の雑誌かと思っていた。

が、なんとまあ、そんなGINZAが突如掲げたのは「本特集」。

本特集、というのはまぁ所謂「本を紹介する特集」なのだけれども、僕はこれがだぁ~いすきなのである。だぁ~いすき。

だから人生カースト上位に対するひがみだぁ~いすきの間に挟まれてあばばばしていたけれども、僕は意を決して手に取った次第。

 

結果、まぁまぁ良かった。僕でも楽しく読めた。

というか、中身のお洒落度がぐっと上がったくらいで、中身はほとんどダ・ヴィンチやんけ・・・と思った。あのKADOKAWAの。あの元オタクがこぞって読むというあの雑誌。

何故そう思ったのか。理由は主に2つ。

 

・話題の書籍の作家のインタビューをがっつり掲載

本書では、恩田陸と遠野遥のインタビュー記事が掲載されている。が、もうこの陳腐な発想がダ・ヴィンチというかGINZAがやらんでも多分この2人、既にダ・ヴィンチが取り上げている気がする。もっとGINZAらしく捻った鼻につく作家を取り上げてほしかった。

・本物による書籍紹介

著名人による本の紹介、というのはマガジンハウスの本特集の十八番である。が、大抵においてここにおける「著名人」達のほとんどを僕達は知らない「なんちゃって著名人」だったりする。ところが本書では、又吉直樹満島ひかり・長濱ねる・岡山天音夏帆等マジの著名人・・・特にテレビで活躍する著名人を多く呼んでいる。「なんちゃって」も多いが、それでもマジの著名人の度合いの高さが目を惹く。もうそこがダ・ヴィンチ

 

また、他の特集も「本屋さんでのグラビア」「書籍を持ったモデルの撮影」「新刊の翻訳を手掛けた女性翻訳家へのインタビュー」等、無難なものが多い。発想が新しいものがない。そりゃそうだ。普段ファッションをフューチャーしちえる雑誌なのだから、斬新な発想を求めるのは酷な話だ。それにマガジンハウス・・・雑誌の家だけ名乗る分、出来も良い特集が多いわけだし。

ただまぁとにかく、読んだら結構ダ・ヴィンチだった。僕はとにかくこれが言いたい。

 

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以下簡単に、本におけるページ・・・「THE BOOKS LOVERS GUIDE」内の特集の感想を書いていく。

 

034 本とコート、未来のカノン

将来「名作」として語り継がれるであろう書籍を、外国人モデルがおしゃれなコートを着込んでおしゃれに読んでいる写真群。

当たり前だがどれも10万円越え。脳汁ぷしゃーっ!!

p.34に出ているシスターのようなコートが可愛いと思ったけど身長154センチ(短足)の僕が着るとこれはこれは・・・になるんだろうなぁ。

取り上げられている書籍の中で気になったものはスティーヴン・ミルハウザーエドウィン・マルハウス』。あらすじ見る限りみんなだいちゅきエーミールが出てくる「少年の日の思い出」に近いものがあるように感じるが、どうなんだろ。文庫本にして1500円・・・脳汁ぷしゃーっ!!

気になった本: スティーヴン・ミルハウザーエドウィン・マルハウス』

 

041 恩田陸『スキマワラシ』上質なファンタジーに耽る

恩田陸さんの和風なんだかアロハシャツなんだかよく分からないダサいシャツで脳が再構築される・・・・ッ!!!

恩田陸は活躍するレーベルこそ一般書籍と言えど、日本一のラノベ作家だと思うのだけど、そこんとこどうですかね。GINZAがラノベを扱う・・・逆におしゃん。

多分編集部のなかで恩田陸好きがいたのかなぁ・・・。もっとGINZAっぽい作家って山程いると思うのだけれども。皆川純子とか。

 

044 デザイナーたちから言葉の贈りもの

所謂ファッションで第一線で活躍すr人による本から明言を抜粋といういかにもGINZAらしい鼻につく特集である。この特集だけ、ダ・ヴィンチとは距離を置老いていた。

そしてたとえどんなに良いことをその人が言っていたとしても、その言語が英語であるならば、その威力は半減されてしまう。まぁ僕がブランド云々にそんな興味ないといいうのが根底にあるんでしょうけれど。

 

048 満島ひかり×又吉直樹共感よりも、不可解こそ恍惚 ふたりが本に惹かれる理由

二人がお気に入りの本各々二冊持ち寄って対談している。言葉の距離感云々について語っているがまぁ常人には理解できないことを云々語り合っている。まさしくこの2人こそ「本のおしゃれ虫」といったところか。

そんな2人が協力して小説の連載をするんだそうだ。

満島さんが回文を考えて、それに沿って又吉さんが小説を書くという物。圧倒的負担・又吉!と思ったけれど、満島さんが考えた回文も意味こそないが長く美しく、これを考えるのもなかなか大変そうである。

小説は結構面白かった。最後のたった二分。たった二分だがその内容が気になる。

まぁ、又吉が齧っているのだから、いつか書籍化するんだろうなぁ・・・。

気になった本:萩原信一郎『歌集 滑走路』

 

054 朝吹真理子 ニットの肖像

女性作家のニット×古書店のグラビアである。さすがは女性作家と言ったところか。たたずまいが慣れている。あとちょっと、小池栄子に似ている。

あえてなのか、周囲にある書籍のタイトルがほとんど分からないのが残念。そのため朝吹さんのグラビアがメイン。

ううーん。朝吹さんも悪くないんだけど、どうせ写真がメインになるなら、そこに長濱ねるちゃん欲しかったなぁと思う。古書店×長濱ねる。知らない作家よりこれ見たかった。

あと「日記専門のZINEを扱う店」「店主の問いによって書籍が並べられている店」「100年以上の歴史を持つ店」等、東京はさすが。面白い本屋が多いなぁ。いいなぁ。

 

061 ロゴ、書体、フォントを調査!おしゃれ業界と”文字”

書体に注目した一ページである。上半分はブランドのロゴに注目。確かにブランドごとによってだいぶ字体違うよね。

下半分は資生堂花椿に使われている文字に注目。なんとまぁ、この書体、「資生堂書体」というものがああって、入社したデザイナーには約3か月それを習得する期間が設けられるんだそうな。意味わからん。てか化粧品会社が書体を持ってるってどういうことやねん・・・どういうことやねん・・・。

 

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062 いつもそばに、物語とジュエリーを。

女性の生き方が書かれた本と、ジュエリー写真のコラボである。別に書籍紹介必要なくない?逆にジュエリー紹介必要なくない?2つの関連性も薄く、手掛けている人は一流と言えど正直企画自体が微妙な特集。

ただムーミンの作者「トーベ・ヤンソン」が女性であることには驚いた。フィンランドっていうからお爺さんだと思っていた。

気になった本:トゥーラ・カルヤライネン『ムーミンの生みの親、トーベヤンソン

メイ・サートン『独り居の日記』

 

063 岸本佐知子ワールドへようこそ 海外文学のおもしろさを教えてください

金魚を抱えている子供の絵が表紙の本。

最近色んな本屋で平積みされているから内容が気になってはいたのだけれど、まさか短編集だったとは。『内なる町から来た話』、ショーン・タン。名前も覚えた。今最大に積ん読がたまっているため厳しいけれど、この翻訳者の話を読んでぐっと読んでみたくなった。ただの絵本かと思ったらどうやら違うらしい。絵を主題にした短編集みたいな感じだそうな。

他にも、この岸本さんが訳してきた女性作家の本が紹介されている。どの本もあらすじが独特でなかなか興味深い。

いやしかし、サガン『悲しみよ こんにちは』サリンジャーナイン・ストーリーズどちらも難解で面白くなかった覚えがある。

今読んだら、違うのだろうか。

気になった本:ショーン・タン『内なる町から来た話』

ショーン・タン『セミ

リディア・デイヴィス『ほとんど記憶の無い女』

ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』

 

070 24人の愛読書 私のいちばん好きな本

24人の本物の著名人・なんちゃって著名人が一番好きな本を紹介するというコーナー。誰が何を紹介したか全て書くと、本書のネタがバレ過ぎていまいちだと思うので、著名人の名前と「僕がその本を読みたくなったか度」★5つで判定していきたいと思います。

1.夏帆:★★★☆☆  2.清水奈緒美:★★★☆☆ 3.井野将之:★★★★☆ 4.井之脇海:★☆☆☆☆ 5.吉開菜央:★★★★★ 6.近田まりこ:★★☆☆☆ 7.宝健吾:★★☆☆☆ 8.平野太呂:★★★★★ 9.松田ゆう姫:★☆☆☆☆ 10.鈴木みのり:★☆☆☆☆ 11.落合宏理:★★★★★ 12.佐久間宜行:★★★★★ 13.DAICHI YAMAMOTO:★★☆☆☆ 14.岡山天音:★☆☆☆☆ 15.仁村紗和:★★☆☆☆ 16.秋元才加:★★★☆☆ 17.間部百合:★☆☆☆☆ 18.ユザーン:★★★★★★ 19.白武ときお:★★☆☆☆ 20.荒神明香:★★★★☆ 21.南雲詩乃:★★☆☆☆ 22.牧野圭太:★★☆☆☆ 23.芋生悠:★☆☆☆☆ 24.荒内佑:★☆☆☆☆

気になった本:★5つついているものすべて

 

076 長濱ねると小川洋子作品 密やかな読書

「密やかな」「小川洋子」・・・そう、小川洋子「密やかな結晶」を主題に撮られた写真・エッセイ。ところがどっこい、小川洋子先生大好きなんですけど、僕これ読んだことないんですよね・・・。

他に5冊まとめて紹介されているのですが、でもこちらの本よりかは別の3冊のが気になるかなぁ。

そしてねるちゃん。雑誌という媒体で彼女を見るのは久しぶりです。あんだけダ・ヴィンチ言ってたけど読んだことないので。

ただ、長濱ねる×小川洋子がジャストフィットかというと、そうでもない気がする。

ねるちゃんには例えば・・・「第六官界彷徨」尾崎翠さんがピッタリなんじゃないかなぁ。今で言うと綿矢りさとか。

小川洋子はちょっと彼女の童顔には似合わない。

小川洋子は、同窓の三白眼の少女・影山優佳のが似合う気がする。櫻でいうと顔面だけで言うと渡邉理佐大園玲(でも多分彼女達は本を読まない人であろうからダメだ)。乃木でいうと鈴木絢音金川沙耶。女優で言うと二階堂ふみとか。

まぁ好きな作家さんとのコラボと言われればもうどうしようもないんだけどさ・・・。

気になった本:紹介されている緒が陽子の書籍6冊全部。

 

083 GINZACHARMINGBUSTERS 本棚からのお気に入り

GINZAのモデル、GINZAガールズ達お気に入りの本と本棚を紹介する特集。

面白い。

写真集ばっかり。意外とガチな文庫本と単行本。流行りのエッセイ。洋書。創元推理文庫。母国語(韓国語)。人によって結構違って面白かった。

特に「お気に入り」として、村上龍五分後の世界を挙げているサクラマヤミチキさんは気になりますネェ・・・。あれ、「お気に入り」として挙げるのか?普通「コインロッカー・ベイビーズ」じゃないのか?そこも含めて気になる。

 

088 読んで味わう本と料理

僕は読書においてグルメのジャンルはそんな好きじゃない。漫画もしかり。

何故ならお腹がすいて集中できなくなるからです。

 

 

本をもっと好きになる!GINZALIBRARY

32冊まとめて編集部がGINZA読者に向けて本を薦めるという雑なんだか丁寧なんだかよく分からない重みのある2ページである。見たこともある本もあれば見たことのない本もある。ベストセラーもあればベストセラーじゃないものもある。

「高学歴」の「良い趣味」をしたマガジンハウスの編集部が薦めるのだから、おおかた外れはないのだろうけど、とちょっと意地悪くも思う。ちなみに僕が読んだことある書籍は1冊もなかった。

気になった本:

島本理生『ファースト・ラヴ』:この前島本デビューを果たしたので2冊目に。

角田光代『私はあなたの記憶のなかに』:角田先生の短編中編は外さない。

山内マリコ『あのこは貴族』:かれこれ3年くらいずっと気になっている。

松田青子『持続可能な魂の利用』:欅坂のにほひがするので。

藤野可織『来世の記憶』:『爪と目』は今でも覚えているよ。

小山田浩子『庭』:『穴』は読んだ。

女性作者の書籍が多すぎるのが気になる。

だがそれもGINZAらしさといえばらしさなのかもしれない。

だからこそ、やっぱりあのゴリゴリの『5分後の世界』を挙げた彼女が気になるのだ。

 

092 最新BOOKTOPICS8

あの外国書籍シリーズを新潮社が刊行し、「身長クレクレクレメンス」「新潮クレストブックス」と名前がついていることを初めて知る。『双子のライオン堂』は本特集にあるとすぐに出がち。出すぎだぞ。『B&B』は本特集になるとすぐに出がち。出すぎだぞ。BIBLIOPHILICのブックダーツ。ラッパーが哲学書やビジネス書を読んでいるのは知的。コ本屋一時期ツイッターフォローしてた。古典芸能にかまっている暇は今はない!!!

気になった本:エトガル・ケレット『突然ノックの音が』

 

095 GINZA HARUKA COLUMN

遠野遥『破局』についてのインタビューだけれども、まあページ数割いてた「ケトル」のインタビューのがそらその分内容深堀出来ていいインタビューできるわな。

 

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本特集以外にも結構面白い特集があった。

 

TOD’S 新しい”T”との日常:公衆電話で話しているというシチュエーションでのファッショングラビアである。公衆電話、いいよね。本当僕大好きで。道端にあるとついつい写真撮っちゃうくらい好き。それで電話をかけているというシチュエーションに特化したグラビアとかもう最高だよね。格好いい可愛い揺さぶられる服がほしくなる撮られたい。

吹真理子のデザイナー訪問記#18森永邦彦:アンリアレイジの人である。平手友梨奈の存在を通して知ったブランド。そしてこの社長がまさあのドロップアウトのえらいひと」の森永博志の甥だとは思わなかったな。その一点において。

急企画これなんなん!?ニッポンを席巻中 岡山の逆襲:なぜ朝吹真理子先生のグラビアがあって、岩井志麻子先生のグラビアがないのか。そこがダメ。岩井志麻子にファッショナブル・オシャンティーな一面を切り取ってこそGINZAではないのか。正直このコーナー単体でもPOPEYEにあっても「an・an」にあっても何ら不思議ではない。GINZAらしさがない。ダメ。GINZAの岡山特集ならば、岡山デニム履いた岩井志麻子に桃太郎の本持たせて岡山について品よく下品に語らせるくらいしろ。雑誌のアイデンティティーを見失った瞬間その雑誌の寿命は短くなる。

までにしたい5つのケア 理想の質感に近づける「肌のフィットネス」:意外と現実的な値段のコスメも多く特集していて驚いた。

 

G'sentertainment 

YUKI'swonderland松田ゆう姫って結構千秋に似ててる気がする。あとこの女結構嫌いじゃない。ハロー!世界のガールフレンド何このフレンド。かっこいー。神木隆之介になりたいの:え、これ第20回とか今まで19回も神木隆之介になったあれこれしたいという妄想をしてきたということ?頭おかしすぎるでしょ。一刻も早く書籍化しろ。

 松尾スズキ「人生の謎について」:この人のエッセイ本はいつか読んでみたいンゴねぇ・・・。

 

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以上である。

今までおしゃんな雰囲気に遠慮してきた雑誌だったけれど、大好きな本特集だったからか比較的楽しく読めました!!!

でもところどころ「おいおい・・・GINZAでこんなんやってていいのか??」と思うようなところも多々あったので、多分この雑誌も10年は持たないと思います。

 

でも、普段ハイセンスはファッションばかり取り上げているような雑誌が「読書」を人と津のコンテンツとして取り上げるということは、つまりそれは「読書≒お洒落なこと」と見なされうるということ・・・。なんか、そこに一つの意義がある気がする。「普段ハイセンスなファッションを取り上げる雑誌が読書を話題に取り上げました」

いやないかもしれん。

 

ここまで持ち上げといて7000字も感想書いといて、最後ディスると見せかけて褒めると見せかけてやっぱディスるこれが私のファッショナブル。終わり。

 

 ***

 

LINKS

記事内で書いた書籍の各感想文。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

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この2冊は背伸びして読んだ。サガンはまだおもろかった覚えがある。

 

 

tunabook03.hatenablog.com

 

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龍は春樹より好き。この2冊しか読んだことがないが。なんたらかんたらのブルー読んでみたいわね。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

この特集の蛾内容は充実してた。てか全体的に「マガジンハウスへの挑戦状」という感じすらした。

 

***

 

ちなみに、この前ブックオフオンラインで買った書籍群。この中に、本書を読んで買った書籍も数冊。

 

 

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マキヒロチ『スケッチー3』-新しい世界への扉を叩く時について。-

 

 

 

 

 

寂しい夜にはうってつけ。

 

 

 

 

 

マキヒロチ『スケッチー3』(講談社 2020年)の話をさせて下さい。

 

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【あらすじ】

初心者の壁に苦戦する憧子。

志帆に上達で遅れをとりながらも、彼女はひたむきに練習を続ける。

一方、めきめき上手くなる志帆には久々の恋の予感?

スケボーに恋、進む速度は違くとも、いつかはーーー。

 

ガールズスケーター群像劇、全身の第3巻。

 

帯より

 

【読むべき人】

・日頃の生活に何か物足りなさを感じている人

・何かを始めたいと考えている人

・スケボー文化に関心がある人

・20代-30代女子:君が今足りないと思っているものがこの夜にはある。

 

※足りない夜に、一話ずつ読むことをお勧めします

 

【感想】

待望のスケッチー第3巻である。

1-2巻は、なんとなく20代-30代女子が感じがちな、「足りない」を埋めるような内容だった。彼氏もいるし働いているしお金ももらっているけれど、心から湧き上がるものがない。何かが足りない。僕達は年を取ってしまったのか?

そんな中、思い切って始める趣味、好きなもの同士で集う文化、そこから広がる緩やかな人間関係、そして疾走するスケボーのスピード感・・・。

仕事、友達、彼氏、忘れられない過去・・・夜だけはそのしがらみをすべて解き放って、ほら、ボードに足を乗せれば疾走。

僕達は自由。

 

1-2まきのあらすじでも書かれていた「群像劇」が、本作ではより本格的に展開される。1話ごとに主人公が変わり、時系列も変わる。

冒頭と最後は我らがぼんやり女子・憧子が出てきてくれるが、中盤は志帆・かりん・まりりんと主人公が変わる。

そのためか・・・、一話一話区切って読まないと、若干内容が把握しづらい。時系列も場所もかりん・まりりんは違うからますます混沌。ぼんやり読んでいると「あれ?今の主人公誰だっけ?あれ?今いつだ?あれ?誰だこいつ?あれあれ?Aare?ARE?ここはどこ、私は誰???」になってしまう。

一話一話区切りをつけて、別の時に読むことをお勧めする。

深夜ドラマのように。

寂しい夜に寄り添う。

 

でも、わかりづらいからといって、登場人物評や年表を冒頭に持ってくるのはこの漫画は何か違う気がする。書籍としての一冊の出来がかなり欠ける気がする。

「考えるより感じろ」の空気感がこの作品のベースとなっているから、冒頭にそういう図とかチャートとかに会わない。

なんか、専用のインスタがあるならそっちに掲載してほしいと思う。

実在するスケッチーやスケボー野郎を紹介してくれるのもありがたいけど、スケッチーに登場するスケッチーやスケボー野郎も紹介してくれ。ドラマが作中ではなくサイトで人間関係図を掲載しているように。

 

 

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以下簡単に各話の感想を述べていく。

 

冒頭:転んでも、立ち上がれ。

 

 

#11 こんな夜

憧子「じゃあ・・・私は誰のためにいるの?」p,35

アスカの衝撃的なテレビの発言を受けて、アスカとアコの二人の過去の断片が垣間見える第11話。憧子は何かにずっとずっと憧れているが、その「何か」の片りんが見える。

でもそれよりも、やっぱりこの回一番ぐっときたのは、アコと彼女が短く語り合った「こんな夜」のシーン。まさか「カーストの一番上の嫌な女」ポジだけかと思っていた彼女が、こんな意思がある存在感あるキャラクターだったとは。意外すぎて、はっ!!??となった。しかもホームページ見たら「財前琴子」という凄い名前でますますふぁあ!!!???となった。財前琴子。すげー名前。

 

本作の根本ともなるこの憧子の物語は何処に着地するのだろうか。

そして、憧子はずっと憧れていた、「何か」を、如何にして手に入れるのか。

スケボー自体はまだまだ下手だし・・・スケボー界隈に彼女と付き合いそうな男子はいないし・・・僕と似てマイペースでぼんやりしているし・・・。

その過程はなんとしてでも追ってこの目にしなければならない。今作が今の僕に必要だと改めて確信させた一話。

 

#12 男嫌い

たいと「『スケート・キッチン』のレイチェルみたい」p.77

志帆の恋愛観もわかりみが深いんだよな~~~~~!!!!

分かるよ!!!自分のコンプレックスそうやって褒められたらもう好きになっちゃうよね!!!ただのフォロー返しにキュンキュンしてしまうんだよね!!!25超えてても男性経験少ないとそうなってしまうよね!!!わかるわ!!!すっごい分かる!!!!ああ~~~~~になった。なってしまった。

もう最近遥か年下の女子高生が主人公の少女漫画についていけなくなった、27歳僕の心にぐっさぐさ刺さる。ぐっさぐさです。もうぐっさぐさ。

 

憧子の過去の友情カースト縛りといい、志帆の年齢の割に幼稚な恋愛観と言い、

なんでスケッチーはこんなに「リアル」を切り取るのが上手いんだろうか。

それはまるで使い捨てカメラが命かけて渾身のシャッターを切っているかのような。

いや・・・実際に彼女達は実在していて、そのカメラで撮影しているカメラマンが「マキヒロチ」なのかもしれない。

そう思わせてくれるような冒頭2話。

あ、あとミニチュアのスケボーの文化は驚いた。そんなのあるんだ。いくらくらいするんだろ。3000円くらい?

 

#13  Do you like skateboarding?

かりんの祖母「かりんちゃんにはかりんちゃんにしか ないものがある

それには「次」はないんやで」p.110

これさらっと書かれているけれど至言だと思う。コンプレックスを抱えて悩んでいるすべての人にこのおばあちゃんの言葉が届いてほしい。

いまいちこの「かりん」が誰なのか分からない。志帆・憧子の先生の過去編ということでOKなのだろうか。にしてもインスタはあるし、同級生の娘達の名前はやたら今風だし。ちょっとここだけ時系列が良く分からん。もしかしたらわらわらいたスケッチーのなかの一人なのかもしれないし。

いや、表紙も飾ってるし冒頭滑ってるのは彼女だとは分かるんだけど・・・。

でもこの話はこの話で、「趣味を仕事にするな」を証左するストーリーとなっていて面白かった。好きなものがあれど、それを自身が稼ぐ手段してしまうと、好きなものが好きだった理由を見失い始めて、やがてそれが好きじゃなくなっていく・・・。

志帆・憧子とは違って、第一線で活躍するスケッチーだからこその葛藤や悩みが描かれていてそこが良かった。群像劇ならでは。やっぱオリンピックとか日本代表とかで活躍する人たちって裏ではこうやって涙流してる瞬間って幾度もあるんだろうなぁ・・・とも思ったり。

いや、スポーツとは限らない。

それは漫画かもしれないし、イラストかもしれないし、小説かもしれないし、食べ物かもしれないし、洋服かもしれないし、無数。人の数だけ「好きなもの」はあるはずなのだから。

けれどそれを仕事にした途端、それが自身が自身に与える最大の苦痛になりうる。「好きを仕事にする」って響きはいいけれど、中身はきっと超ハード。

 

#14 女子だからこそ

さっちゃん「ちょーう 気持ち良かったです!」p.160

女性初のフィルマー(スケボーのプレイを撮影する人)を目指すまりりんの物語。

確かこれ、過去編ですよね?#13同様時系列が遡ってたよね?

ここでは「好きを仕事にする」に加えて、「女子ならでは」に悩むまりりんが描かれている。終盤答えをみつけかけたけど・・・ってところでしょうか。

ワンピースや水着等外面ではなく、内面から溢れ出るものに答えを見つけたのが良かったですね。外面からガッチガチに作る「女子らしさ」は見ていて結構キツいものがありますからね。某寿司屋のように。

あとさっちゃん。なんかはじめ、階段等使ったプレイ中に転倒したのかと思ってたけど普通の平場で倒れてるんですよね。なんか病気だったりしたのかなぁ・・・。

あと2巻から始まったこのまりりんの物語は青春王道一直線という感じで結構好き。

 

#15 めぐりあい

憧子「ここに集まった人たちは好きなものが同じで繋がった人たち・・・・スケボーの話しかしない・・・・」p.190

今まで出てきた登場人物達大集合といったところでしょうか。憧子・志帆は無論まりりん、かりん、そして今巻出番がなかったいずみが出てきます。

そしてここでまさかの新キャラ登場。叶崎蒼太。かなさきそうた。もう名前からしてイケメンのヤリ●ン男。だがお前、まさかそこにときめくのか・・・。意外と年上の経験はないのか?え?やっぱこの軸の物語も気になるなー。4巻には収録されているかな。

そしてさらに終盤追加で新キャラが登場・・・長野の女子高生。若い。しかしその容姿はアスカに似ており・・・!?どうなるんだ。憧子にとって彼女はどういった存在になっていくんだろうか。

てか、この子#13の終盤に出てきてたな。ということは「かりん≠スケボーの先生」ということか。じゃあわらわらいたスケッチーの内の一人・・・?

正直、登場人物が多いわりに描き分けが出来ていないところもあるので(例えば志帆とアスカが髪型違えばほとんど似た顔しているように)、もうちょっとそこは趣向を凝らしてほしいところ。

でもまあその先の展開への期待が膨らむ一話だった。4巻冬発売?買うよ!!

 

ラストページ、蒼太、志帆、憧子の3人の顔が映り、

蒼太「なに・・・・この感じ・・・・」

志帆「ドキドキ・・・・」

憧子「ドキドキ・・・・する」p.182

というシーンがあるのですが、

最後に僕がドキドキしたのはいつだろう・・・。

なんか常にドキドキ、よりはビクビクしている。

ドキドキ・・・・したいなあ・・・・。

 

ちなみに、各話の台詞を抜粋していて気づいたのだけれども、この漫画における「てんてんてん」は、「・・・」3つではなく「・・・・」4つで表されている。

・・・だけだと沈黙として完結してしまうが、・・・・だと何か言いかけた末の沈黙という感じがする。

それは、常にぼんやりしていて常に何かに憧れている憧子を主人公にした本作における、作者のこだわりだと思う。

 

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以上である。

今巻も面白かったが、一気に読むと時系列が混乱してそっちに気がとられるので、次回は一話ずつ丁寧に読む。

 

世界が広がっていくというのはなんて爽快で・・・「ドキドキ」するのだろう。

最近の僕は新しいことに対する怯えが強くて、そういう感情忘れていた気がする。

 

ドキドキ・・・ドキドキしてぇ~!

 

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***

 

LINKS

1-2巻の感想。

tunabook03.hatenablog.com

 

 

 

 

 

モンズースー『発達障害と一緒に大人になった私たち』-君だけではないことについて。-

 

 

 

君だけじゃないよ。

そして未来は決して暗いものではないと思う。

 

 

それが言いたいがために世に出された本だと思う。

 

モンズースー『発達障害と一緒に大人になった私たち』(竹書房 2020年)の話をさせて下さい。

 

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【あらすじ】

ADHD当事者であり、発達障害を抱えた子供2人を育てる著者が、

発達障害の子供たちがどのような大人になりどのような仕事をしどのようにして困難を乗り越えたのか・・・閲覧者にエピソードを募集。

そのうち作者を含め9名のエピソードを漫画化。

 

※本書で出てくる発達障害ADHD(注意欠陥・多動症障害)、ASD自閉症スペクトラム)、LD(学習障害

 

 

【読むべき人】

・上記の発達障害にあたる人

・が、身近にいる人

・と、思われる人が身近にいる人

・特に、家族内にその発達障害と思われる人がいる人。問題を家庭内で抱えている人

・そのうち、未来に対して希望を抱きたい人

・そのうち、孤独感を感じている人

 

※専門家による発達障害に関する解説はなされていないため、発達障害に関する一般書籍・専門書を読んだことない方は併読することをお勧めします。

 

【感想】

かくいう僕もこの前ストラテラを処方された、ADHDASD疑惑のある人間である。

職場でリスカ騒動を起こした旨を伝えたら、前から飲んでた抗うつ剤に加えて、処方された。どんなもんかと思っていたが、前よ人に対してうまく感情を表せるようになった気がする。職場でのコミュニケーションがうまくとれるようになった。疲れやすいのは変わらないが・・・。

それでも、一か月飲むことで「死にたい」と思うことはなくなったし、パートでもアルバイトでもまあいいかなと思えるようになったし、親の病気のことも自分の中で過度に悲観することも少なくなった。

イデアが出にくくなる、創作意欲がなくなると言った言葉はよく目にするが、ブログの更新の頻度はそう変わらない。確かに、アイデアが出る頻度は少なくなった気がするがその多くが形にならず脳内完結するものだった。実際に行動に起こそうと思うような実践的なものだけ考えるようになって、クリエイティブの無駄が減ったように思う。

ただカサブタをめくるという行為が耐えられず、全身にカサブタが出来るようになってしまった。ストレスによるものなのかもしれない。皮膚科にも行くことを考えている。

何が言いたいかと言うと、僕も所謂「発達障害」当事者であり、ストラテラを飲んで約1か月。幸運なことに、それなりに効果を感じている人間であるということ。

 

それでも時節不安になることはある。生きていけるのだろうか。この先。人生幸せにしていけるのか。この先。

分からない。

そういう時にこういう本を手にすることが多い。

発達障害について書かれた本である。

本書は特に、発達障害を抱えたまま成長して生きている人々の生活に迫った、という点で関心をひかれ本屋で手にした。

 

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概ね満足ではあるが、若干物足りない。

物足りない理由は2つある。

 

まず1つ目は医者・臨床心理士等専門家による解説がないこと。

「昔は発達障害で困っていましたけど高高校でこうなりましたー」の体験談だけで終わっている。

ちょっと残酷だと思う。

例えば、描かれている人と似た症状で悩んでいる人がいたとする。体験談だけだと一瞬「自分だけじゃなかったんだ、良かったー」と安堵するだろう。

だが安堵して何になるというのか。

じゃあどうするべきか。なぜそうなったのか。どのような対応が必要だったのか。

そういった解説も含まないと、その読者の未来に繋がらないのではないか。

その場限りの安堵で終わってしまわないか。

 

本書は大判で1100円・・・結構お高めではあるが、それでも、+300-500円してでも、専門家の解説は入れるべきのように思う。

確かに作中で発達障害を取り巻く環境の解説等が時々入っているが、全話ではない。そしてモンズースー先生は当事者ではあるし、発達障害に関して十分勉強もなされているが、決して専門家・プロではない。

読者の未来を紡ぐには、やはり専門家の解説が必要だったのではないかと思う。

本書を「発達障害」の入り口として読むのであれば、似た話題を取り扱った一般書籍・専門書と併読することをお勧めする。

その点、「明日もアスペルガーで生きていく」等は巧く出来ていた。西脇先生が絡むと基本神なんだよな。

 

もう一つは、一番読みたいところにページが割かれていない点。

発達障碍者の内、いったいどれだけの人々が仕事を順調にこなすことが出来ているのだろうか。僕はほんの一握りだと思う。

例えば指示を2つ以上されれば一瞬頭はこんがらがるし、ちょっとした物音・もしくは視界の隅に映るものが気になるし、うまく相手の目を見ることが出来ない。コミュニケーションとることが出来ない。

将来への貯金どころか、日々の暮らしの小銭を稼ぐことすら一苦労。

だからといって、発達障害障がい者雇用を考えるほどでもない。己の症状は其処までではない気がするし、何より自分を「障がい者」と見なすのに抵抗がある。可能であれば、一般枠で雇用されたい。

そういった人がほとんどなのではないか。

そして恐らくそういった人がこういった本を手に取るのではないか。

 

本書では「おわりに」のところで、メモでコミュニケーションをとり別室で仕事をしている人や、イヤーマフを職場でつけて仕事している人、「薬はもはや私の一部!」(それ分かるわ~)とポジティブに断言する人々が出てきている。

そういう人の経験談こそ、しっかり描いてほしかった。

メモでコミュニケーションをとるに至った経緯はどうだったのか。カミングアウトしたのか。それとも自然とそうなっていったのか。周囲の人々はどう思っているのか。

イヤーマフをつけることを赦してくれたのは誰だったのか。どのように申し出たのか。いつ頃からつけ始めることが出来たのか。お勧めのイヤーマフとかあるのか。

「薬はもはや私の一部!」と断言しているが、薬を飲んでいる旨を職場に伝えたことはあるのか。発達障害であることを周囲は知っているのか。雇用枠は何なのか。何の仕事をしているのか・・・。

コミュニケーション力をあげるという点鼻薬も気になる。

 

作者が主婦なせいもあってか、本書は正直子供が発達障害であったり親が発達障害であったり、家庭内の問題で帰結しているケースが多い。

だが、多くの人は職場で仕事でどうするべきかを悩んでいるのではないかと思う。というか少なからず僕がそう。

 

その2つが不満だった。

専門家の解説がないこと、話題が偏っていること。

なので、「専門家の解説つき」で、「職場・社会でどのようにして仕事をすることができているのか」について描かれた続刊が出たら購入しようと思う。

そのどちらか、もしくはどちらもつかないのであれば、まあわざわざ1000円出して買う必要はないかな…とも思う。ブログやってるみたいだしそれ見ればいいかな…って。

 

それでも、発達障害の方の話を真摯に真剣に聞いて丁寧に描いているのは分かるし、作者も日々勉強しているのはとても分かる。発達障害を主題にしてエッセイ漫画を描くというのは大変なことだとすら思う。

発達障害の名を冠しながらも、発達障害者は周囲から理解を得られるのが非常に困難で生きるのが難しい」と断言するクソみたいな専門家が書いたクソみたいな書籍もいっぱいある。そんな紙屑に比べたら何百倍も良い。

特に「おわりに」で描かれる、発達障害者に関する将来へ明るい展望は素晴らしいと思う。というか、上記の職場での様々なケースが描かれていることも加味して、この「おわりに」の章があるだけでも本書は読む価値があるかもしれない。

 

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よく見ると、みんな困っている。

 

以下簡単に、各ケースについて思ったことを述べていく。

 

モンズースーの場合:本人がなぜここまで当事者目線で丁寧に描くことが出来たのか。本人も自身の抱えるその性質で物凄い苦労をしてきたからだ。自分のことで1人分割くのはいかがなものか・・・と初めは思ったが、通して読むとこの章は必須。

 

はいろーどさんの場合:更にきつい二編目。疑問に思うのが、勉強は出来たのに就業所で働くにあたって、どのように折り合いをつけたのか。もう少しその内面を深く掘り下げてほしかった。高学歴発達障害を抱えた人も多くいると思うので・・・(僕もそっち気味)

 

いくさんの場合:この人には結構共感するところが多かった。ADHDASDを併せて抱えているところも、ストラテラでコミュニケーションがうまくとれるようになったところも。こうやって共感するケースが一つでも当てはまれば・・・と9つのケースを収録したんだろうなあと思った一編。

 

田舎のはなこさんの息子・たろうさんの場合:問題児がどのようにしてその性質を受け入れて中学高校と進学していったのか、を描いた話。親が気づくといいよね。当事者の人生がかなり拓ける。発達障害を抱える子供の親御さんは、「発達障害を抱える子供の親」という自覚がある点だけでかなり素晴らしいと思う。そういった人には響くであろう一編。

 

松ぼっくりさんの場合:なんかちょっとまあ結構重い一編。いや明るい終わり方はしてるんだけどさ・・・。

 

まむさんの場合:家庭内問題が多い中で、唯一どのようにして発達障害者が働いているのかに触れられた一編。もうちょっと多くそのライフハック知りたかったな~と思う。恐らくこの人のケースを読んで実践している人は多くいるのではないか。でもやっぱ障がい者雇用枠なんだよなぁ・・・。そうするしか僕達に道は残されていないのだろうか。だいぶ職業の幅も狭まるけれど。

 

リサさんの場合:母子家庭のケース。ハッピーエンドで終わらない、中途半端なところで終わっているのが妙にリアルで良かった。

 

ユウトさんの場合:これも思い当たる節が多い一編。僕の父親もこの傾向にあったんですよね。でも10年前20年前「発達障害」という言葉すら認知度低かったじゃないですか。しゃーないといえばしゃーない。でも、今現在も発達障害のパートナー、発達障害の子供がいる家庭って多くあると思うんですよね。そして思い描く「家族の幸せ」がどんどん遠のくことに絶望している人も多くいると思います。そういう人向け。

 

よしこさんの場合発達障害の人がそれを活かして支える側に立つ話。弱みを強みに、といったところでしょうか。最後にこの話を持ってきたのは正解ですね。恐らく発達障害当事者、発達障害の人を家族に持つ人が将来に向けて希望を抱ける一編。

 

おわりに:これは作者の最後の言葉も含め、ページ数こそ少ないが、一番読み応えがある章のように思える。

 

薬は合う合わないがあるし 副作用もあるので 気軽に手は出しづらいけど

少し希望が持てたし

いつか視力が悪い人がメガネやコンタクトを使うように 発達障害の困りごとを改善するアイテムがでてきて

それを使用することが「特別」でなくなる社会になればいいのになんて思えた p.160

 

ただこの言葉の説得力は9つの物語を読み終えてからじゃないと、真の効力を発揮しない。少しでも気になるのであれば手に取ることを勧める。まあ専門家の解説もないし、話題も偏ってはいますが・・・。

 

 

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以上である。

概ね良かったが、不満点もあった。

そこを改善された続編があったら、2000円までなら出そうかなぁ・・・と上から目線で思える一冊。

僕は違うけど、発達障害について家族で・家庭内で悩んでいる人にはもっとビシバシ響くんじゃないかなぁ。

 

ちなみにネットで適当に齧った情報ではあるが、発達障害というのは10人に1人だそうなんだそうな。

AB型の割合と一緒じゃん、と思った。

悩む僕達は孤独になりがちではあるけれども決して一人ではない。悩んでいる人は数多くいる。たくさんいる。いっぱいいる。

その孤独感を解消するという点でも、本書の存在意義はあるように思った。

 

 ***

 

LINKS

 

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2冊は普通に実家にある。

 

これは漫画ではなく小説版。また、リアルなケースではなく創作ベースではあるが、ひとつひとつ丁寧に医者の解説がある点で優秀。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

悪い専門書の例。

 100円コーナーで買った記憶があるのだけれどまあ分かる。この作者自身がアスペルガーの人々の気持ちを想像できていない。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

ジャンルは若干異なるが、これも突き放した酷い書籍だと思った。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

 

 

「静岡市美術館開館10周年記念 生誕110年 没後30年 赤羽末吉展」-あの馬に、あのスーホに会いに行く。-

 

 

 

あの白い馬を生で見てみたくて。

 

 

 

静岡市美術館開館10周年記念

生誕110年 没後30年 赤羽末吉展 の話をさせて下さい。

 

 

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【概要】

スーホの白い馬」をはじめ、

「桃太郎」「舌切り雀」「さるとかに」「ほしになったりゅうのきば」・・・

皆が知っている「むかしむかし・・・」から始まる絵本の挿絵を多く手がけた赤羽末吉の作品群をおよそ300点展示。

 

【行くべき人】

静岡県に住んでいる人:1200円であのスーホに会えるよ!!

・キャラクターデザインを手掛けている人

・モンゴル好きな人:赤羽さんもモンゴル結構好き好きだったみたいだ!

 

【感想】

まぁ行けたら行くかくらいの感じである。

というか基本西洋美術以外の展覧会はそう。静岡市美術館でやっていたから行ったけれども、これが新国立美術館だったら行ってなかった。

ただ市内にで行われる展覧会であれば、それ以外のジャンルでも少しでも興味あれば積極的に行くようにしている。西洋美術以外にも色々見ておくに越したことはないのと、養われそうな気がして。養って本物のみを狙う。キャッツアイ目指してるんで。

今回は、あの小学生の時教科書で見た「ばとーきん」の可哀相な馬と、あの全身真っ赤のモンゴルのカズレーザー・スーホが生で見られるというので、あとちょっと今見とかないと一生見ない気もすると思っていたので、行くことにした。

そしてたまたま午前中静岡駅に用がある日があったので、さくっと行ってきた次第。

そしたらなんか、馬以外にも色々会えた。

桃太郎、スズメ、見たことあるじーさん・ばーさん、龍、地蔵、雪景色、その他諸々・・・色々会えた。結構会えた。めちゃくちゃ会えた。

なんかこう・・あれである。気分はミッキー見にディズニーランド行ったらアリエル・アラジン・トイストーリー・シンデレラ等々色々いましたみたいな。あんな感じである。

 

本展は大きく3つに分けて展開されている。

基本は赤羽さんの作品を時系列ごとに並べる。2章に「スーホと白い馬」を置き、1章はそれ以前、3章はそれ以後。

全体を通して、赤羽さんについていしっかり説明しながらも、あくまで彼が手掛けた絵本をメインに据えている。満州引き上げ・昭和・モンゴルの今は亡き王朝云々、いくらでも掘り下げられそうな赤羽さんの一生であるが、必要以上にそこにキャパシティを割かずあくまで彼の手掛けた作品を中心に展開していたのが良かった。

展覧会見に来ている人は、彼の手掛けた絵を見に来ているのである。赤羽さん個人云々については興味は二の次なのである。

ここが若干ごっちゃになっていた展覧会といえば、まぁ悪評高いギュスターヴ・モローもそうだし、あと最近県立美術館でやっていたバウハウス展もその傾向があった。

本展は、多分見に来た人のほとんどが満足して帰ったのではなかろうか。僕もその一人だど。

あと展示している多くの作品が、幼き頃絵本で誰もが見たことある絵、という点で美術館普段いかない人にも大いにお勧めできる。

 

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舌切り雀のじーさんと雀

 

第一章

ここでは赤羽さんの絵本挿絵デビュー作、「かさじぞう」をメインに「したきりすずめ」「ももたろう」等の原画が展示されている。

「かさじぞう」の背景はで描かれた雪景色である。赤羽さん自身が東北の雪に魅せられた人で、冬に10日ほど休みを取っては東北に行って写真を撮ってを繰り返していたらしい。やべー人である。

雪・雪景色は、デビュー作の「かさじぞう」から彼の晩年の作品までずっと出てくる。墨と絵具で、ここまで雪を表現できるものなのかと驚く。水色の水彩絵の具の点は降る雪の影、薄く伸ばした墨は積もりに積もった真っ白な雪・・・。

しかしまあやはりデビュー作の「かさじぞう」の背景が、最初にして最高。赤羽さんの雪を一番堪能できる作品。

 

あと、「ももたろう」「赤羽 ももたろう 挿絵」と検索してほしい。絶対ほとんどの人が「ああ~~~!!」ってなるだろう。僕はなった。てかあの絵を描いている人がスーホ描いてたんか~い!になった。

彼の作品は桃太郎のデザインにも大きく影響を与えた。以前までは桃太郎と言えば鎧をまとった姿であった・・らしいのだけれど、彼の作品からあの桃が描かれたださいベスト・旗のスタイルになったらしい。

他の作品の説明で、「赤羽さんは女家族の中に生まれていて、特に女性の登場人物が待とう着物には非常に注力を払っていた」みたいな記述があったのだけれど、その眼差しはここにも活かされている。

今の定番スタイルを作り上げたという点では、キャラクターデザイナーとしても非常に優れていると言える。

 

顕著に分かる作品として他に挙げられるのは「したきりすずめ」。これも見たら「ああ~~~!!」になる。

愛らしいすずめの姿も多くの人の記憶に残っているのではないか。あと、あの見たことあるじーさん顔のじーさんも・・・・。

あとは「さるとかに」猿。あの憎たらしい顔・・・。

 

僕等の「むかしばなし」の礎のほとんどが、赤羽さんによって作られていることを知る。

 

あと、「「したきりすずめ」の箱の模様は型紙とって作られたんやで~」という豆知識や、赤羽さんの東北取材ノート等も見られるので、もう正直この章だけでめちゃくちゃ満足度が高い。スーホ?何それ?になる。

 

絵本の挿絵意外で印象に残ったものは、自身の持つおもちゃを水彩絵の具で描いた絵巻物である。満州引き上げ時に持って帰られなかった物を記録するために描いた。本当に大切にしていた気持ちが伝わってきて、見ていて心が豊かになった。

 

 

 

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伝われ。

 

 

第二章

でもやはり生で見られるとなると「スーホぉぉぉぉおおおお!!!」になるのである。

しかもあの表紙絵だけではなく、一通り中身の絵が見られるという贅沢仕様。

これは非常に凄いことなのである。

原画展とか行っても大抵ワンシーンで終わることが多いのだけれど、静岡市美術館10周年記念なので全部見られる。全部見せちゃいます。

これはめちゃくちゃ凄いことなのである。

なのであれですね。静岡市民は全員行きましょう。税金のリターンを享受しましょう。そしてみんなで童心に帰って「なんでおうまさんはがっきにしてほしいといったのか」「ばとーきんのおとはどんなおとがするのか」とかについてディスカッションしませんか。

まぁとにかく、一通り見られたのには本当驚いた。

 

表紙の絵。見た時思ったのは「案外空、紫だな」である。え、もっと藍色じゃなかった?思ったより結構紫だったんだけど。まぁ紫でもいいんだけどさ。ちょっとそこびっくりした。

あと「馬可愛いな」である。目のデザインがぐうかわ。シンプルにして究極ぐうかわ。あと無表情。ぐうかわ。無表情ぐうかわ。

 

ちなみに彼の作品を一通り見て思ったのだけれど、「かちかち山」ウサギ「ほしになったりゅうのきば」の嫁さんが乗ってる等、基本的に味方の動物は皆無表情なのである。あれは、なんでだろ。

正義が悪を成敗することに動物は関心を抱かないということか。人間の傍にいる限り動物に感情は宿らないということか。それともフェチか、ごちうさだとチノちゃんみたいなのが好きなのか。誰か論文書いてほしい。

 

表紙以外の絵も結構「懐かし~」の連続だった。

そうだった、王様はハゲに三つ編みがくっついていたのだった。懐かし~。最後「ばとーきん」を鳴らすスーホを囲ってみんなで耳を澄ませたのだった。懐かし~。そーだそーだ、スーホの白い馬ってこういう話だった。懐かし~。

 

ちなみに、なんであんなに作品が横に長いのかというと、モンゴルの広原の広さを表現するためにあの長さなんだそうな。なるほど。

 

そして衝撃的事実。赤羽んが2年かけて作り上げたこのみんなだいすきスーホの白い馬、なんと第二作なのである。

数年前にごく短期間で仕上げなくてはならなかった第一作があって、それを手掛けなおしたのが僕等の知ってるあのスーホと馬なのである。

そしてその第一作も・・・なんと・・・これはごく一部だけど・・・展示されてます!!!ちゅどーん!!!

こういう第一作が見られるのってなかなかないのでもう半端ない。半端ない。さすが10。10周年。

そして見比べると、第二作の方が圧倒的に良いのは素人目にも明らか。

この「見比べ」は行く人がいたら是非やってほしい。

 

そして、赤羽さんが撮った今は亡きモンゴルの王朝の写真群も展示。大パネルで展示。

見ててなかなか面白かった。僕達とあんまり変わらない顔の人々が全く違う文化のもとで暮らしている写真というのはなかなか揺さぶられるものがある。

特に王妃の写真。写真嫌いの王妃が、照れ臭そうに笑って映っている一枚。なんか、すごいなぁ・・と思った。何十年前の異国の人でもやっぱこうやって照れ臭く笑ったりするんだな。当たり前体操だけど。

男性達が並んで写る写真も印象的だった。佐川急便のおっちゃん3人の写真ですと言われても信じてしまいそうな。けれど彼等と僕が話す言葉は違い、彼等は宅配便のシステムすら知らないのである。そして僕も彼らの文化における■■■■のシステムすら知らない。時代と文化の厚い壁が僕等を隔てているというのに、写真でこんなに親近感がわくのは不思議だ。

 

 

 

第三章

スーホ以後~晩年の作品群である。

スーホ以後は絵柄のタッチがより細くなり、題材もより幅広くなる。

幼少期読んだ「ほしになったりゅうのきば」の原画が見られたのはちょっと感動した。あの龍の顔もそうなのだけれど、3人娘が見られたのは感動した。特に2番目の娘の碧い水牛・・・「そう!!こんなのいたわ!!」になった。そして3番目の娘の白い羊の顔・・・白い馬同様のあの愛らしい無表情には懐かしさで胸がいっぱいになった。そうだった、3人目の娘と主人公は結婚するのだった・・・。

この作品はどうやら中国の言い伝えを作品化したものらしい。初めて知った。その他にも同じく中国言い伝えを絵本化した作品群が展示されている。

「言い伝え」を「絵本」に変換する赤羽さんの想像力を見せつけられる。キャラクターデザインもとい、外面の見せ方もとい、取材もとい・・・。

幼少期何も考えずぺらぺらめくってた絵本の凄さをいまさらながらに知る。

 

「鶴の恩返し」の展示も素晴らしかった。初期から東北の雪に魅せられていた作者が再び雪景色を描く。

確かにボードの説明で書かれていた、塗れた墨で描かれた鶴の影も素晴らしかったけれど、最後の最後に飛び去って行く鶴の白き後ろ姿が点・・・なのだけれども切なさ極まって美しかった。さようなら・・・鶴・・・。

改めて見ると、主人公の男の顔もこだわって作られていることに気づく。確かにこいつすっごい良い人そうだけれども、どうにも決断力弱そうで流されそうな奴である。

初期の作品は、人間の顔も勢いある筆遣いで善悪を表現していた。しかし晩年の作品は、顔・表情の微々たる繊細な表現で人間性を表現している。どちらも見ていて飽きない。

 

そして彼の想像力・・・創造力は年齢による衰えを全く知らない。

題材はより幅広くなっていく。

鳥獣戯画が題材。シンプルな蛙のキャラデザの裏にマジの蛙のスケッチがあった。

戦国時代。細かく書かれた矢、鎧は平安・鎌倉時代の絵巻物のよう。

文章も手掛けた絵本。ピンクの何やらでっかいいきものが出てくる作品である。芋らしい。「おおきなおおきなおいも」。最後子供たちはオナラで空飛ぶのだけれども、戦国時代・日本神話を考えるのと同時にこんな話も考えられる、その脳みその柔軟さに驚く。初期からそこそこ思ってたけどやっぱりやべー人である。

 

宮沢賢治彼が描く宮沢賢治の世界は静謐で、キラキラする画材を使っていて、綺麗。展覧会の幕を閉じるのにふさわしい静寂。

 

彼は何かの授賞式(覚えてない)で、「私は加齢とともにますます作りたいものが増えてきた」みたいなことを言っていたらしい。80で亡くなった際も、机の上には風の又三郎の作りかけの原画が3枚残っていたそうである。

僕もこうやって死ねたらなあと思った。70、80、90・・・年をとっても貪欲でいたい。「×××をしたい」と思っていたい。そしておおむね満足しながらも、最期に出来なかったことをちょっと名残惜しく思いながらも死ぬのである。

死ぬとき僕の机上には何があるだろうか。

読みかけの本か?手書きかけの手帳か?パソコン画面に映るは未完成の小説か?

それとも書きかけのブログか?

 

 

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買ったポストカード。そういや四つ足の動物の上にあぐらかいてたなぁ・・・。



 

非常に満足したのだけれども、

なんと図録がまだ未完成で「予約販売」なのは参った。

10月下旬にはできるそうなので、また駅近に用があったら美術館寄って購入しようと思う。

 

以上である。

結構満足度高い展覧会だった。

何より幼少期に見た絵本の絵を生で見られるというのは、感動がひとしお。

スーホの白い馬も感動したけれど、一番ぐっと来たのは「ほしになったりゅうのきば」だったかなぁ・・・。動物に乗った三姉妹を初めて見たときの衝撃はかすかに憶えてる。

 

教科書で、白い馬に出会った人は絶対足を運んでほしい展覧会である。

 

***

 

20201108

 

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サイズ感が良い。

 

図録買った。行ったら無事にあった。

表紙とサイズなかなか良い感じなんだ。

でもやっぱり並行して絵本も買いたくなるなぁ・・・。特に宮沢賢治のやつが欲しいかもしれん。

 

展覧会ももう残り3週間を切っている。行ってない市民は是非行こう!!!

 

***

 

LINKS

今まで行った中で一番最悪の展覧会の感想です。

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小澤征爾『ボクの音楽武者修行』-スクーターに乗って、国を超えて、時を超えて。-

 

 

 

 

クラシックが時を超えて永遠に愛されるように、

本書も時を超えて。

 

 

 

小澤征爾『ボクの音楽武者修行』(新潮社 1980年)の話をさせて下さい。

 

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【あらすじ】

「外国の音楽をやるためには、その音楽の生まれた土地、そこに住んでいいる人間をじかに知りたい」という著者が、スクーターでヨーロッパ一人旅に向ったのは24歳の時だった・・・・・。

ブザンソン国際指揮者コンクール入賞から、カラヤンバーンスタインという世界的指揮者に認められてニューヨーク・フィル副指揮者に就任するまでを、

ユーモアたっぷりに語った「世界のオザワ」の自伝的エッセイ。

裏表紙より

 

【読むべき人】

・毎日に鬱屈を感じている人

・未来に明るい希望を持ちたい人

・音楽に興味がある人

・ない人

・20代後半

 

【感想】

本書を知ったのは、&Premium2018年の本特集だった。

そこでは各年齢ごとに読んでほしい本を各界著名人が挙げていた。「5歳で読んでほしい本」「10歳で読んでほしい本」「30歳で読んでほしい本」・・・の具合に。

そこで、僕等めでたき27歳に読んでほしい本として、2人の著名人が挙げていたのが本書だった。

2人が薦める本が被るという現象は、他の年齢のところにはなかったため、妙に印象に残っていた。どれどれまったく。いつかは読んでみたいわねえ、とうすらぼんやり思っていたところ、なんと近くの古本屋の100円コーナーにて発見。これはこれはと手にとった。

 面白かった。

そしてこれを著名人が「27歳で読んでほしい本」とプレゼンする理由も、よくわかった。

 

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小澤征爾といったら僕が物心ついたころから

白髪のおじいさんで、

めちゃくちゃ凄い日本一の指揮者で、

「世界のオザワ」とマジで呼ばれていて、

世界中をまたにかけた凄い人、だった。

ところがこの随筆に出てくる小澤征爾違う。

黒髪だし若いし、24歳。音楽大学を卒業したばかり。しかし行動力や軽やかさ、しなやかさがあって(それは写真に写る表情からもうかがえる)、留学すら珍しかった時代にスクーター一つでヨーロッパに行くと計画し、ひょいと、ひょーいと行ってしまう。

無論、日本を出るのに色々な手続きがあったりするのだけれども、

それらを障害ともしない身軽さ、音楽への情熱、そして若さも相まって、

あっという間に船で彼は外国へ旅立つ。

そこで出会う人々、困難、楽しみ・・・等々様々あるわけだけれども、彼の文章からは気苦労や疲れのようなものは一切見えない。そこからあふれるのは情熱と親愛と軽やかさ。瑞々しい文章・・・。

 

一通り読んで、僕はこの先の人生を悲観するのはやめようと思った。

そして己の信じるままに、やりたいことを胸に、そして直感を信じて歩んでいく。

 

27歳の誕生日、2020年9月26日、僕は職場でリスカ未遂を起こした。

とても辛かった。

母親の癌は一向に良くならない。職場では頑張れば頑張るほど浮きまくる。家に帰れば一人で、寝ても覚めても鬱屈した気持ちは変わらない。友達はみんな関東にいて静岡に友達と呼べる人はいない。同期は同期他の2人で仲良くなってしまった。一人で抱えるしかない。一人で何とかするしかない。仕事をして自立して生きてかなければならない。しかし仕事を覚えるのが一向に遅くコミュニケーションもうまくいかずもう自分はダメだダメだダメだしんでしまいたい。しんでしまいたい!!!!

上司の叱責の間、頭が問題でぐるぐるぐるぐるして、気づけばもう嫌になって、手首に、カッターを、当てていたのであった。

嘘。部屋では常にあてていた。そしてふと外し、「うっそぴょーん。生きててよかったー」と一瞬思うことでなんとか耐え凌いでいた。

限界がその日来ただけだった。

 

その旨を、夏の終わりから通っていた心療内科の先生に告げた。3回目の通院にして3人目の先生である。心療内科は常に混んでいて毎回先生が変わる。

不愛想な先生で、「■■先生でしたら予約が取れます」と受付に張り紙がされる程不人気の先生だったが、

それは彼自身の個性にすぎず、心療内科医である以上最後までしっかり話を聞いてくれた。せかさない点で、むしろこの先生の前の2人の先生よりも良いと思われた。

そして、

アスペルガーの傾向があると自身で言っていましたが、ADHDの傾向も見られますね」

ストラテラを処方されたのだった。

「十の環境の内、九合わなくても、一合えばいいんですから。」

 

本当は検査やらなにやらを経てから与えられるべきものなのかもしれないが、そこらへんは良く分からない。

しかしこの青い錠剤のおかげで、浮き沈み激しかった感情の波が一定に収まり、なんとかコミュニケーションもとれるようになった気がする。目の前の仕事を一生懸命にやればいい。そのことに集中できるようになった。

結局仕事はこれからパートになろうと考えている。週5・8時間月々13万円。手取り。副業も可能である。一人暮らしが不可能ではない金額だと考える。

 

そのさなかに出会ったのがこの一冊なのだった。

鬱病心療内科云々とは全く無縁そうなしなやかで、フレッシュな文章。

普通そんなの読んだら「こんなに人生なんてうまくいくかばっきゃろー」とでも思いそうなものであるが、本書の文章は読んでいると「行動で人生は変わる」とぽっと明るい気持ちになるのだった。

そもそも、心療内科に行こうと決めたのは僕だ。

そもそも、そこでためらいなくADHDの薬を了承したのも僕だ。

そもそも、その後10月1か月は何事もなく仕事を完遂出来たのは僕だ。

僕だ。僕だ。僕だ。

そもそも、その時本当に手首を切らなかったのは僕だ。

未遂に終わらせたのは僕だ。

僕はまだ僕に絶望したくないんじゃないか。

 

3か月飲み続けてきた鬱の治療する錠剤の効果もあってか、最近は心は安定している。リスカ代わりにカサブタをめくる行為をしていたら全身カサブタまみれになってしまたけれど・・・皮膚科に行こうと考えられる程安定している。

分からない。また、これから人生辛いことが詰まっているのかもしれない。もっとつらいのかもしれない。死にたいと思うことなど何度これからあるだろうか。分からない。

分からない。

ただ今はそれ程悪くない。

パートになったら夢だった小説の新人賞にも応募してみようと思う。

人生はそれ程悪くない。

それを、確証させてくれたのがこの1冊なのである。10月に読んでよかった。この時読んでおいてよかった。

分かっている。小澤には才能が有り行動力があり今まで培ってきた努力・経験がある。能力がある。それでも読後感は僕の生存を肯定する。

27になった。この先どう生きていこうか。

 

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以上である。

音楽好きも無論楽しめる内容である。生前のカラヤンバーンスタインが出てくる。当時の音楽祭の様子が書かれているが、音楽好きにとってはそこは垂涎ものなのではないか。

だが、音楽好きじゃない人にも読んでほしい。

特にまぁやっぱり「27歳」

多分27歳の僕達は、5年前まで予想していた「27歳」と違うことがほとんどなんだと思う。結婚してると思ってた人はしてないだろうし、仕事に生きてると思ってた人はそうでもないだろうし、夢を叶えてると思っていた人は挫折しているのではないか。

そこからどう生きてくのか。

そう思ったときに「人生は悪くない」と保証してくれる本書が手元にあるだけでも、かなり心強いのではないか。

 

20代の死因の一位は自殺だという。

絶望が蔓延した世界で僕達生きてる。自殺。それは絶望の窒息死。

でも待ってほしい。君の人生は自らを殺すほど絶望するに値するものなのか?

クラシックが何十年も何百年も時を超えても愛されるように。

60年の時を超えて本書は今愛されるべきである。

 

2020年の若者を救うのは、1962年に世界のオザワが書いた文章である。

 

しかしぼくは今までの三年間をふりかえってみると、そのさきどうなるかという見通しがなく、その場その場でふりかかってきたことを、精いっぱいやって、自分のできるかぎりのいい音楽をすることによって、いろんなことがなんとか運んできた。これから、あと五年さき、十年さきにぼくがどうなっているかということは、ぼくにはまったく予測がつかないけれども、ただ僕が願っていることは、いい音楽を精いっぱい作りたいということだけだ。pp.229-230本書最後の文章。

 

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紹介されていた2018年刊行の&Premium。2019年のは感想書いた。

 

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