小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「三度目の殺人」-不透明な理不尽を、映画で切り取る。-

美しく、深く。 「三度目の殺人」(監督:是枝裕和 配給:東宝、ギャガ 主演:福山雅治 2017年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 弁護士・重盛(福山雅治)は同じく弁護士の摂津(吉田鋼太郎)とともに、 三隅(役所広司)の裁判を担当することになった。…

池上正樹『ひきこもる女性たち』-「栄養剤」のラベルを貼った青酸カリ-

ねほりんぱほりん。 こもりんこもりん。 池上正樹『ひきこもる女性たち』(KKベストセラーズ 2016年)の話をさせて下さい。 【概要】 表面化しない、ひきこもる女性達のリアル これまでの子的調査によると、「ひきこもり」をしている人のうち男性が7割、女…

内田樹『下流志向 学ばない子供たち働かない若者たち』-生臭くなるほど鱗が落ちる。-

本屋が薦める本に、外れなし。 内田樹『下流志向 学ばない子供たち働かない若者たち』(講談社 2007年)の話をさせて下さい。 【概要】 当時小部女学院大学教授を務めていた内田が、 「学びからの逃走 労働からの逃走」を主題に行った講演を、 文字に起こし…

綾辻行人『十角館の殺人』-はえ〜トリックびっくりくりっくりとしか言えない。-

小6の僕にこれを手渡しても、 「分厚いよ。あと絵がかわいくない」 すぐ突き返しただろうね。 綾辻行人『十角館の殺人』(講談社 2017年※読んだ限定愛蔵版の発行年数)の話をさせて下さい 【あらすじ】 エラリイ、ポウ、ヴァン、アガサ、オルツィ、ルルウ、…

阿川佐和子他『作家の履歴書 21人の人気作家が語るプロになるための方法』

作家はなぜ作家になったのか。 阿川佐和子他『作家の履歴書 21人の人気作家が語るプロになるための方法』(KADOKAWA 2014年)の話をさせて下さい。 【概要】 21人の作家が ●志望動機 ●転機 ●作家にした経験 について、各々のキャリアについて 簡潔に(5ペ…

いがらしみきお『ぼのぼの10』-ぼのる。-

哲学だなぁ。 いがらしみきお『ぼのぼの10』(竹書房 1994年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 何かを探すんだったら? 道をまちがえちゃあいけないよ ひとつでもまちがると もう見つからないよ でもまちがっても大丈夫 別なものが見つかるから (カバー裏…

大今良時『聲の形 3-4』-空回りは痛くて痛くて、かわいいね。-

過去と今が交錯して大きく動き出す。 大今良時『聲の形3-4』(講談社 2014年)の話をさせて下さい。 ※1-2巻の感想はこちら。 【あらすじ】 ●3巻 「怖いのか?西宮のことを知るのが」 かつて、奪ってしまった 硝子の幸せを取り戻すために 生きると決めた将也 …

大今良時『聲の形 1-2』-再読すれば「胸糞」以外に見えてくる。-

「障害」って、うまくいかないことが多いから「障害」って名前を付けたんだろうね。 大今良時『聲の形 1-2』(講談社 2013年-2014年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 ●1巻 「俺は彼女が嫌いだった」 明るく!楽しく!大冒険! がモットーの少年、石田将…

鹿島田巻希『冥土めぐり』-女が女を描いた小説っていいよね。-

回顧。 過去はいつまでも色褪せない。 すべてすべてしんだんだ。 鹿島田巻希『冥土めぐり』(河出書房新社 2015年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 ●「冥土巡り」 子どもの頃、家族で行った海に臨むホテル。 そこは母親にとって、一族の映画を象徴する特…

森博嗣『「やりがいのある仕事」という幻想 人生を抜群に楽しむための、”ちょっとした”アドバイス

「仕事」の価値観揺るがす新書。 森博嗣『「やりがいのある仕事」という幻想 人生を抜群に楽しむための、”ちょっとした”アドバイス』(朝日新聞出版 2013年)の話をさせて下さい。 【概要】 仕事に勢いが持てなくても、 すごいせいかが残せなくても、 人が羨…

原田宗則『劇場の神様』-因縁の小説-

因縁の小説。 僕はこの小説をどうしても好きになれない。 原田宗則『劇場の神様』(新潮社 2002年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 もともと、手癖が悪かった一郎は 中高時代から母親を何度も泣かせていた。 高校卒業とともに追い出されるようにして東京…

森見登美彦『夜行』-図書館で借りて良かった、そう思える一冊。-

なんだろうなぁ・・・この人の小説は世界観が命であって、 そこが揺らぐと駄目だと思うんですよ。 駄作になっちゃうと思うんですよ。 森見登美彦『夜行』(小学館 2016年)の話をさせて下さい。 表紙は、いいんだよなあ。 ※酷評記事になります。 本作が好き…

中沢孝夫『就活のまえに -良い仕事、良い職場とは?-』-職場の専門家がいまの若者につたえたいこと-

就活の前に、大学生に知っておいてほしいこと。 中沢孝夫『就活のまえに -良い仕事、良い職場とは?-』(筑摩書房 2010年)の話をさせて下さい。 【概要】 郵便局に勤めた後、 約20年間労働組合に勤めて、様々な労働に従事する人を見て来た。 現在執筆業の傍…

櫻井秀勲『「適職」に出会う5つのルール 自分に会う仕事に就くことで人生は開ける!』

川柳読みますね。 適職 ああ適職 適職 まぐろどん 櫻井秀勲『「適職」に出会う5つのルール 自分に会う仕事に就くことで人生は開ける!』(きずな出版 2017年)の話をさせて下さい。 【概要】 文芸書を数多く手がけ『女性自身』の編集長も務めたことのある筆…

Coco壱番屋-絶対HAPPYになれる!!!けやき坂キャンペーン!!!!!!!!!!-

こーこいっちー、こーこいっちー!!! じーんせにかいめーのこーこいっちー!!!!!! Coco壱番屋 大曲店の話をさせて下さい。 【行くべき人】 ・カレー好き(当たり前) ・けやき好き(当たり前) ・あたりまえ体操 【感想】 時は一昨日、12月4日。 …

窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』-僕等は「母親」「父親」になれない気がして、-

家庭をもったばっかの僕らのささくれは。 窪美澄『水やりはいつも深夜だけど』(KADOKAWA 2014年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 幼稚園を出て小学校に通い中学受験をし大学までストレート。 マンションで専業主婦をする主人公だったが、 息子・有君の…

福澤徹三『盛り塩のある家』-後味悪き実話怪談-

福澤徹三『盛り塩のある家』(メディアファクトリー 2012年)の話をさせて下さい。 【あらすじもしくは概要】 『幽』に連載していた、 実話怪談集を単行本化。 家の中で・・・会社で・・・心霊スポットで・・・ 近所で・・・公園で・・・ あらゆるところに恐…

小山田浩子『穴』-嫁ぐ。-

嫁ぐ。 小山田浩子『穴』(新潮社 2013年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 夫の実家の隣の一軒家に、 引っ越すことになった私。 人の好い姑、 呆けているが優しい養祖父、 良い関係性を築いている夫、 そして派遣社員からの専業主婦、 コンビニまで歩い…

倉狩聡『かにみそ』-現代版カニ小説。-

かにが嫌いな人はいない。 倉狩聡『かにみそ』(KADOKAWA 2013年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 職に就いていない青年である私は、 流星群の翌朝、ごみと海藻が産卵する浜辺で蟹を見つけた。p.7 砂から始まり、野菜、魚、肉と食べる蟹に 私はあること…

京極夏彦『虚談』-小説上に虚ろな話を成立させる必要性はあるのか。-

虚の話をしようか。 京極夏彦『虚談』(KADOKAWA 2018年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 私は高校の同級生大垣に呼ばれ、 久々に居酒屋に足を運んだ。 彼が口にしたのは、卒業直前に火事で亡くなった清美の話で・・・(「レシピ」) 「幽談」「冥談」「…