小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

池上正樹『ひきこもる女性たち』-「栄養剤」のラベルを貼った青酸カリ-


ねほりんぱほりん
こもりんこもりん。

池上正樹『ひきこもる女性たち』(KKベストセラーズ 2016年)の話をさせて下さい。



【概要】

表面化しない、ひきこもる女性達のリアル

これまでの子的調査によると、「ひきこもり」をしている人のうち男性が7割、女性が3割という結果だった。しかし、その数字には「主婦」や「家事手伝い」などは含まれていない。女性には、疑似的に「ひきこもりつつ、ひきこもりと呼ばれない」という逃げ道が用意されているのだ。

長年ひきこもり問題を追ってきた著者が、そんな彼女達の実態に迫る。

カバー裏より

【読むべき人】
・ひきこもりに興味がある人
・ひきこもってない人

【注意すべき人】

・引きこもっている人
・の、家族




【感想】
女性の引きこもり。
「あ!!!一歩間違えたら僕のことだ!!!」
※2018年年末現在
容赦なく素早く手に取った。

けれどうんまぁどうだろう。

今まで取材した女性達を挙げている本ではあるんだけど・・・。
まぁ見事に挙げているだけ。

でもまぁ一人ひとりの例は多種多様。

例えばAさん。
引きこもりのきっかけは不登校
その後大学に進学するも要領の悪さで勉強に追いつくので必死、
就職しようにも面接で嘘が付けずありのままを話してしまう。
家事手伝いをしながら3年過ごしてようやく就労しても強めの恫喝で弱ってしまい、
サポートステーションに頼ればそこで語られるのは精神論ばかり。

例えばEさん。
母のイライラのぶつけどころになり毎日怒鳴られ、
高校時代までお小遣い貰えず、
今でも「お金を貯められない。ママに使われると思ってしまうから」
大学は無事卒業するものの、新卒3カ月でやめて結婚。
しかし一気に重度のうつ病を患い離婚。
支払われていた慰謝料も
離婚するときに決めていた。
「再婚したらやめようね」
月6万の収入を3年前に失う。
そして9年ずっといたウサギが死に、
立ち直れず、土産物屋のバイトもやめて
もう一度、「引きニート」へ。

とまあアレなのである。
「私かわいそうでしょ?被害者なのよ。かわいそうでしょ?ねぇかわいそうでしょ?」
が聞こえてくるような、
ぐーぱんで殴りたくなるような、
ハッピーエンドで終わっていない事例が延々続く。

じゃあ彼女達はどうすればいいのか、
というと筆者が挙げているのは
「ひき桜」等のサポート団体。

いやいや、
お前Aさんの事例のときにサポートステーション批判しとったやんけ!!!!!
なのに無責任にここで薦めるのかい!!!!!
ってか、サポート団体問い合わせようね〜くらい小学生でもわかるわ!!!!!!!!

馬鹿なんだと思う。

もしくは、
女性を馬鹿にしているか、
本当は「引きこもりの女性を救える」なんて一切思っていないんじゃないか?

うつ病精神疾患者だから引きこもりは治せません」
そう思っているんじゃないか?




うんまぁよく見れば
「引きこもり脱出へのヒント」
とかどうこう一切書かれていない。

「ひきこもる女性」がこの本読んだらどう思うのか。
うつが悪化するんじゃないか。

劇薬。
まさしく「栄養剤」とラベルの貼られた青酸カリ。

以上である。
嫌いな本。
図書館で借りて良かった。



ただまぁこういう本をこれだけ元気よく批判できるというのは、
それだけ僕が立ち直っている、
というか元気、っていう証拠なんだろう。

己の健康確認という意味ではこの本は読んだ価値があったのかもしれない。