小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

「&Premium 2019 OCT.」-誰が何の本を読んでいるかということには永遠に興味がある。-

 

 

 

数冊の制限の中で誰かがお勧めする本は絶対面白いはずなのである。

 

 

 

「&Premium 2019 OCT.」(マガジンハウス 2019年)の話をさせて下さい。

 

 

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【概要】

これまでの読書が、いまの自分のある部分をつくってきたと思いませんか。

著者の深い思考や知恵、豊かな感性に本を通して触れ、

それを吸収することが自身の人格を作っていく、と感じたことがある人は少なくないと&Premiumは思います。

その体験を数多く積み重ねてきた人は、読書がより豊かで深い人間性を育てることを知っています。

今回はそのような人たちに、もう一度読みたい本を教えてもらうことにしました。

素敵な大人になり Better Lifeを送るための読書案内です。

p.26より抜粋

 

【読むべき人】

・良い読書ガイドが欲しい人(漫画特集もあるよ!)

・雑誌が好きな人(各界の著名人が「捨てられない雑誌」を紹介するコーナーがあるよ!初めてこんなコーナー見た!!最高だな!!!さすが「マガジン」ハウス!!!!)

 

【感想】

週末限定の古本屋で買った。

雑居ビルの二階にあるけれどドアを開ければ、そこで美しい女性店主がカウンター越しに読書をしている。店。

 

一通り見て、「古書店で一度に使う金額は1000円以内」という自分で決めたルールのもと、

悩みに悩んで悩みに悩んで悩み悩んだ結果、

購入した3冊のうちの1冊である。

2019年の&プレミアムの読書特集。

去年新刊書店で立ち読みして買おうかどうか悩んだ一冊で、それが古書価格で手に入るならと手に取った。

内容は、値段以上のすばらしさ。昨年新品で買ってマガジンハウスにお布施しても良かったなと思うくらいには良かった。

 

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まず特集は、女性が古書店で本を購入し、カフェで読む複数枚の写真から始まる。

冒頭見開きの二ページが素敵。この時の古書店が本物の古書店で所謂ブックカフェのようなおしゃれな感じではない。ただその武骨な感じが逆に凄いお洒落。

そしてそのお店以外にもイギリスの哲学書が充実した飴色の手すり付きの螺旋階段の古書店や、デザイン書中心の古書店、最後には新刊書店も登場する。書店の個性が見えて面白い。

そしてその合間合間に彼女はカフェで読書をする。古風であったり洋風であったり・・・「さぼうる」は僕も行ったことある。

本を愛する女性を、魅力的に撮影したグラビアは、

これから読書案内に一歩踏み出そうとする僕達に対する最高の賛辞。

 

そしてはじまる、メインの企画。表紙に書いてある「あの人が、もう一度読みたい本」になぞらえて、「私が、もう一度読みたい本」と題して各界の著名人のインタビューが収録されている。

名著であったり、近年刊行された単行本であったり、絵本であったり、児童書であったり、種類は様々。

特に憲法学者がお勧めする本の中に、富士見ファンタジア文庫があったのは驚いた。本棚の前で何やら高そうな椅子に座り読書する横顔にも、ライトノベルを愛する少年心が今でも灯っている。

あと書籍として、ムーミンが挙げられているのも珍しい。フィンランドの作家は、あのカバの要請のようなキャラクター達を登場させて何を書いたのだろうか。いつか読んでみたい。

 

次は「世代を超えて読み継がれる、20世紀の良書。」と題して、超有名な20世紀の名著1冊をそこそこ著名な2人が読み、その感想を書いている。選ばれているのは6冊。

そのなかでも特に岡映里さん「センス・オブ・ワンダーの感想文が印象的だった。

困難を乗り越えられると信じている人、信じられない人の違いには、「自分自身を取り戻すツール」の数があるという。多ければ信じられるし、少なければ信じられない。

僕にとっての「自分自身を取り戻すツール」って何だろう。

ブログ?文章を書くこと?人形?ぬいぐるみ?読書?漫画?写真?本屋?古書店?何。

「つまり、世界と自分を接続させること。そうすることで本来の自分自身の心の輝きやしなやかな強さを思い出すこと」p.62

多分思いついたものすべてがそうで、それらの濃度を濃くしていくことで、世界との繋がりをより強めていくことで、

僕は、錠剤なしでも生きていくことができるようになりますか?先生。

 

TBSラジオ「アフター6ジャンクション」がここで唐突に流れる。本を好きな3人が語る本の話である。

ここに挙がる本は名著や90年代を感じさせるような本が多くて、全体的になんだかロック。「アイドルを探せ!」なんてタイトルの漫画なんて素敵だ。

「もう一度読みたい本」でも挙がっていた田辺聖子がここでも挙がっている。ジョゼと虎と魚たちしか読んだことなかったけれど、もっと読んでみようかなあ。

 

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「捨てられない雑誌」では著名人が、未だに持っている雑誌を紹介するコーナーである。

最高かな。

雑誌というものは基本棄てることが前提とされた媒体の節がある。僕も結構ファッション誌とかはある程度期間とっといたら捨ててしまう。

それでも、捨てられない雑誌を紹介するというコーナー。

雑誌というのは、編集者作家写真家デザイナー、限られたページ数でプロが集まって作る情報媒体。その濃度はインターネットより段違いに濃くて、本来「捨てる」にはもったいないくらいの尊い存在なのである。まあ捨てるんですけど。

例えばこのコーナーに僕が「まぐろどん(ブロガー)」として登場して1冊挙げるなら、入院中に読んだSPRiNGかなぁ・・・。

インタビューの言葉が未だに心の支えになっている。「20代は失敗する期間で・・・」みたいな内容だった。支えになっている割にほとんど覚えてないな。

 

「キッチンで読み返したい、料理の図鑑」。では図鑑風の料理本があがっている。

西洋美術も書籍も好きなのに、いまいち図鑑というものに惹かれないのは何故?

あとグルメ本通りに作るほど僕は未だに食にこだわりが持てない。

もう27になるというのに。

ナツメグとか使ったことない。

もう27になるというのに。

 

「夏の終わりの、大人の読書感想文」では、まじの「傑作」に対するまじの「読書感想文」が書かれた特集である。同じ感想文でも縦書き横書きに分けて編集してあるのは面白い。

これであらすじを知った話がいくつかある。

例えば武者小路実篤『友情』とか。著者の名前に気をとられて中身のことなんて考えにも及ばなかったわ。

宮沢賢治銀河鉄道の夜とか。え、ジョヴァンニって死ぬんだ。

あ、でも『モモ』はこの前ワタクシも、嗜ませていただきました。

こういう特集に必ず挙がって、必ず誰かおススメするんだけど、

なんかな。気に食わないんだよな。

「ミヒャエルエンデを好きな私お洒落」「児童書を心の拠り所にする私素敵」が透けて見えるような気がして。もう何度も何度もレビューは読んだので、そろそろ別の本の話をしませんか。

 

そしてお待ちかねの漫画特集。各界の著名人が好きな漫画を上げている。

少し前のBRUTUSでは「マンガが好き」よりも「自分、これだけ有名なんすよ」みたいななんちゃって漫画好きが目立ったけれど、この特集はそんなことはなかった。やっぱり紙幅が狭いからだろうか。余計なものを入れる隙間はない。

動物のお医者さんは小学校の時に親が持ってた文庫版を、拾い読みしたなあ。確かに滅茶苦茶面白かった。一通り通して読んだことはないから、実家に戻って1-2巻だけでも誘拐してこようかしら。

『僕と君の大切な話』はこのブログでも感想書きましたが、近年まれにみる最高の少女漫画だったよね。分かるよ。1冊挙げて下さいと言われたら、僕も挙げちゃうかもしれない。

そして、これから読んでみたいなと思ったのは以下の二冊。

『棒がいっぽん』『雑草たちよ 大志を抱け』

 

本特集は以上である。

 

&Premiumは連載企画のページ数が多く、世界のお洒落な町々を訪ねる企画や、売一章手が出そうにない高級な服を紹介する企画(ブラウスに7万円だせますか?)、お金持ちなエッセイスト(アルゼンチン生まれの香水店のオーナーとの繋がりはありますか?)の企画等々。

そして今号はなぜか最後は居酒屋特集。個人の居酒屋についての対談やエッセイ、お勧めのメニューが掲載されている。

27にもなれば「いつも行く居酒屋」1軒は持っておきたいところだけど、

そこに割く時間も金もなく、

錠剤飲んでいる以上「お酒は避けて下さいね」薬剤師のお姉さんの笑顔キラキラしてたな。

 

以上である。

非常に楽しめた。

新品で買ってもいいと思えるくらいには楽しめた。

とりあえず、「センス・オブ・ワンダー」と漫画の「雑草よ 大志を抱け」は読んでみようかな。あとムーミンの単行本とか古書店で見つけたら買おうかしら。

 

ちなみにこの&Premiumの本特集は買ったのは初めてではない。

 

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「&Premium 2018 OCT.」(マガジンハウス 2018年)

たくさんの著名人がたくさんの書籍を紹介する特集がメインである。

本書はさらにそこから一歩踏み込んだ内容といっても過言じゃない。

ただ、素晴らしい企画が2つあって、「7歳から45歳、そして人生最期。そのときに読みたい本」では、7.17.20.27.35.45.最期に読みたい書籍を本好きな人々が薦めている。

そう27、27という数字がある。

とりあえず2人もこの年齢でお勧めしている1冊は買った。近くの古本屋の100円コーナーにあったので。

 

それと「5人、それぞれの転機。」

各界極めに極めて一流の仕事をしてきた5人の女性たちの転機について語られた特集である。非常に硬いコーナーではあるが、読むとそれだけで背筋が伸びる。

この特集自体が優れた読書体験なのかもしれない。

 

あとこの本自体は2018年当時新品で買ってもらったのだけれど、勝手に捨てられて絶望した経緯がある。「ずっとリビングにあったから・・・」母親に買ってもらい母親に捨てられたので何も言えないのであった。

「これだ」

ところがこの前、近所の古本屋に行ったらなんと再会を果たすことが出来た。運命。

本とは流転するもの。

ありがとう、古書店。ありがとう、古書。ありがとう、これをここに売ってくれた名前も知らない素敵な人。

 

本特集・・・本当に弱い。あるとついつい買っちゃう。

けど読んでいるとき一番ワクテカする雑誌内容なのも事実。

これからも見つけたら買う、のペースでどんどん遠慮なく買っていこうと思う。

もちろん紹介された書籍もほどほどに読みながら。

 

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LINKS

かなり昔に行った「さぼうる」。

tunabook03.hatenablog.com

 僕の「捨てられない雑誌」。

tunabook03.hatenablog.com

近年の僕の中での最高の「少女漫画」。

tunabook03.hatenablog.com

 この特集、コピーに偽りあったな。

tunabook03.hatenablog.com

 これは良かった。

tunabook03.hatenablog.com

 

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