小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

「POPEYE 880 Magazine for City Boys 2020 AUGUST」-なぜだれも「なんか今回のポパイ薄くない?」って言ってないの、謎。-

 

真夏のクールな読書ガイド。

 

「POPEYE 880 Magazine for City Boys 2020 AUGUST」(マガジンハウス 2020年)の話をさせて下さい。

 

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【概要】

夏は長いようで短いから

何を読むか考えておくといいね

いま読みたい200冊。

 

公式ページより

 

【読むべき人】

・夏に何読むか考えている人

・読むからにはちょっとクールに読書したい人

・夏になると各出版社が文庫本のフェアをやるけれど結局どれも手にすることなく気づいたら夏が終わっている人

 

【感想】

こういう、「ブックガイド」系に僕はめっぽう弱い。

読むかどうかは別として、誰かが本をお勧めしている文章を読むのが非常に好き。とてつもなく好き。

ポパイという雑誌も・・・このブログに感想は未だ書いていないけれど、結構好きな雑誌で気になる特集だと迷わず手に取る。年に2冊くらいは買っている。

ブックガイド×ポパイ。

最高の、真夏の方程式ってわけ(ポパイ風)

 

ただ・・・手にとって思ったのは、

「薄っ!!!!!!!!!!!」

いつもの号と比べて表紙の紙がとても良いのは分かるんだけど・・・まぁとにかく雑誌自体がいつものポパイと比べて薄い。とにかく薄い。どうして・・・ドウシテ・・・。

正直この厚さで860円(税込み)なのは、まあ出版不況の波押し寄せてまんなあ!!と思う。押し寄せてまんなあ!!

くそ、やっぱりコロナの影響か。コロナが憎い。コロナが、憎い・・・っ!!!

 

でもまぁ・・・開けば・・・

夏の読書時間が始まる。

 

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はじめのはじめは、今話題のお洒落アイテム紹介。

外国人モデルではなく、坊主の日本人(?)なのが印象的だった。

確かに、イケメンではないけれど、小物に気を遣う彼の写真は非常に魅力的に見えた。これが「シティボーイ」?

 

特集冒頭はまさかのよく分からん男性モデル東出昌大にちょっと似ている)のグラビアで始まる。

真夏の休日、一日中読書をするグラビアである。

読んでいる本も全て渋くて、古本じゃないと手に入らないような名著ばかりで、それがとても良いなと思った。

新刊も気になるけれど、読書は時間に縛られたくない。自由でいたい。

関東のグラビアくらいは新刊のコマーシャルから抜け出していたい。自由でいたい。

雑誌は自由であるべきなので。

 

その後は「SUMMERREADING 2020 ポパイの読書案内」と称してお勧めの30冊を紹介するコーナーである。

さすがはポパイ、どの本もクールに魅力的に語るものだから、どれもこれも読みたくなってしまう。

特に気になったのはインターネットの小説と、耳聞こえない方のエッセイと、スナップ写真のエッセイかなぁ・・・(ネタバレになるのであえて書籍の名前はぼかす)。

逆に、ポパイのように魅力的な雑誌を快活に継続的に刊行し続けるには、これだけの本を知っている教養が必要なんだと思った。やっぱ編集者って頭が良いに越したことはないな。

 

「夏に読みたい本。」

と冠したコーナーでは、各業界のスペシャリストにお勧めの本を紹介してもらっている。柄本佑さんは最近こういう特集になると必ずいるよね。

堀田真由さんが意外とコンスタントに本読むタイプでビビったなぁ・・・。多分このセレクトは、「読書家!!」ってほどでもないけど、継続的に本を読んでいる人のセレクトだと思うんだよね。

あと山中瑤子さん。やっぱり若くして映画界・・・・サブカルに名前を轟かせている人は様々な本を読んでいるのだと思った。多和田葉子先生の本は昔から気になっていたのだけれど、積ん読解消したら一冊手に取ってみようかしら。

 

READINGSTYLESAMPLE1 著名人が本を読む横顔。デビットボウイ素敵。

 

「ThinkWeekやってみよう!」では、ビルゲイツの習慣を各界著名人がやったレポートである。

Thinkweek、考える一週間、というのはビルゲイツが実践する習慣で、一週間、外科医の情報を遮断して静かに読書をして考えるというもの・・・なんだそうだ。気分をリフレッシュさせ、新たな思考も取り組めるのだそうだ。p.44

まあいわゆる、男性にありがちな「ちょっと難しい読書」のコーナーである。誰が何読んで何考えたかよりも、イラストの池松壮亮の髪の長さに驚いた。今そんなルックスなんか・・・池松・・・!おいどうしたその長さ・・・!!どうした池松!!どうした池松!!!

 

READINGSTYLESAMPLE2 著名人が皆寝ながら本を読んでいる。マリリンモンローの部屋が可愛い。

 

「もしあの子の実家が本屋だったら。」のコーナーでは、若手女優小宮山莉渚ちゃんが町の本屋の娘だったら・・・という4ページにわたるグラビア、そしてエッセイ。

最近の若手女優は、こういうちょっと芋っぽい可愛さが重宝されている気がする。80年代の若手女優のような、素朴さ。上白石姉妹がその筆頭かな。

やっぱり化粧ばっちり系は韓国アイドルが占めちゃったからかなぁ、それとももう日本全体が疲れていて自然とこういう子に惹かれるのかもしれない。

花屋のバラより、道端のタンポポに微笑むように。

 

READINGSTYLESAMPLE3 著名人が椅子に座って本を読んでいる。部屋に本棚がないと落ち着かないのは僕も。

 

「またブックストアで待ち合わせ。」別冊付録である。70-80年代の連載になぞらえて、各界有名人が本屋にまつわるエッセイを書くというコーナー。

くどうれいんの「ラブリーという女」のエッセイが一番良かったけれど、果たしてこんな女実在するのだろうか随筆ではなく小説なんじゃないのなんて意地悪になる。

岩井勇気は人間としては面白いと思うけれど、エッセイとしては微妙。穂村弘さんのエッセイに読みなれていると、やはり文章に突っかかりを感じる。隠れて多少は本を読むべきなんじゃないかと思う、隠れて。

 

「Summer Reading Times」では、「タイムズ」の名の通り、今気になる本の情報をお届けする新聞形式のページである。

最近よく見る個性派本屋の特集を冒頭に・・・アーティストのタトゥーした文章の出典や、ラテンアメリカ文学特集、読書グッズ紹介、悩み相談、ビブリオバトル、歩く哲学者等・・・ジャンルは多岐にわたっていて、なかなか読んでいて面白い特集だった。

特に面白かったのは、本屋じゃない店の本棚の特集。

接骨院やチェーン喫茶店ルノアールの本棚の特集なのだけれど、店主の嗜好が反映されていてとても面白い。良いと思った。

正直、この薄さで800円かあ・・・と本屋で見たとき購入をためらっていたけれど、「ポパイの読書案内」と「Summer Reading Times」だけでお釣りがくる。買ってよかった。

Tシャツの販売というのも新しいと思う。既に完売しているらしい。この特集を面白いと思っている人々が多くいることに、勇気を貰う。

 

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二階堂ふみからいつのまにか池田エライザに、連載のヴィーナスが変わっていた。崎山蒼志と藤井聡太は永遠に15歳かと思っていたけれど、どうやら違うらしい。

音楽の話では、英語の訳し方について書かれていて、初めて「英語勉強しよかな」と思った。肝心の音楽についてはまあうんいいかな。ようわからん。

台湾と日本にルーツをもつ作家の「本と映画のはなし。」「青いパパイヤの祈り」は面白そうだと思った。これについて語れたらなんと格好いいことか。

しまおまほさんの放屁の話にはしびれた。あんな綺麗な人が放屁についてこんなにアツく語るから良いのであって、今の僕が放屁について語ったらもうそれは世紀末である。ちゃんとしなくてはならないと思う。ちゃんとしなくてはならないと思う。

聞こえるニューヨーク。アルファベットが並んでいる。さっきの「英語勉強しよかな」がたちまち消え失せる。

 

その後は4ページにわたり、ポパイがお勧めする商品(白Tと短パンとその他)(おしゃれ)(質が良い)(でも5万くらいする)ガイド。

グッチの黄色いあの時計が掲載されいてるのは笑った。

 

徹の部屋。男の子ってこういうの好きそ~(笑)

坂口恭平さんのコーナー。躁鬱が赦される作家・ブロガーに僕もなりたい。

のみ歩きノート。安酒場は僕も憧れがある。最近躁鬱気味なので、一人でふらっと行ってみたい。

「二十歳のとき、何をしていたか?」この前ムック化された連載が再開らしい。冒頭は千原ジュニア。ジャックナイフ以外にもいろんな刃物が当時いたんだ。

味な店。平野紗季子さんの連載である。チェーン牛丼店「松屋」も選考対象内に入っているとは思わなかった。まつわるエピソードも素晴らしく、あと松屋で食べている平野さんの写真も愛らしく、結構「当たり」回だと思う。

ポパイフォーラム。何やらお洒落な人たちがお洒落なことについて語っている。

大根仁の東京タイアップデート。みんなきちんとメイクして髪型拘ってアクセサリーつけていてすごいなあ。僕もちゃんとしなくてはな。

青春狂の歌。染物作家。OLしながら染めていて、プロになったらしい。こういう体験談は勇気を貰える。

中年の作家がおいしい老舗の蕎麦を紹介しているページ。たいてい東京なんだよな。滅びよ。

Tシャツ一枚一枚に思い入れがある人って本当凄いと思う。

写真2ページ。こどもかわいい。

本、映画、CD紹介のコーナー。この「アングスト」という作品は気になる。グロいらしいから映画館で見るのはちょっと怖いけど・・・。

ポロシャツ、Tシャツ、ミリタリーシャツ、靴の紹介。こういう明らか広告の巻末のページってどの雑誌にもあるんだけれど、なかなか嫌いになれないんだよな。力抜いて読めるので。

シティボーイの憂鬱のエッセイはなかなか面白かった。分かるよ。趣味が読書って言いづらい。蛭子さん、頼む。この連載は続けてくれ。

 

以上である。

薄!!!と思ったけれど読んだらなかなか面白かった。

次号はインターネット特集のこと。気になるっちゃあ気になるけど・・・立ち読みして購入は検討かな。

 

 

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あれ、いつの間に数字の位置変わってる?厚いのは「二十歳のとき何をしていたか?」の号。