小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

ろびこ『僕と君の大切な話7』-分かり合えないから、僕等は話そう。-

 

とうとう完結・・・ですか。

 

 

ろびこ『僕と君の大切な話7』(講談社 2020年)の話をさせて下さい。

 

 

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【あらすじ】

「今の僕はまだ逢沢さんに交際を申し込めるような男じゃない」

 

同じ学年の東くんに片思いしてきた相沢のぞみ

一方、東くんも相沢さんへの気持ちを自覚し、デートに誘い・・・ついに告白した!

ようやく2人の気持ちが通じ合う・・・かと思いきや

なにやら一筋縄ではいかない気配が!?

 

かみあわない2人の恋がいよいよクライマックスへ!?

 

笑いもニヤニヤも止まらない!

すれ違う男女の新感覚”トーキング”ラブコメディー、完結巻!

 

裏表紙より

 

【読むべき人】

・全国の「小説家志望」高校生君

・少女漫画が読みたい人

・少女漫画特有の男女のわちゃわちゃ感が好きな人

 

【感想】

いや~おわっちゃったね!!ぼくきみ!!

一番オネツあげて読んでた少女マンガなので寂しいと言えば寂しいのだけれど、

もう正直描ききった感じはあるのかなぁ・・・って。

もうこれ以上描いても蛇足になるのかなぁ・・・って。

ならば7冊で終わって神作で終わった方がいいのかしらねぇ・・・って。

 

7冊・・・7冊かぁ。

今見たら4年くらい連載してるのね。

4年前・・・4年前かぁ。

なんか長いような短いような絶妙な期間だわね。

なんかもうことあるごとにしみじみしちゃうなぁ・・・。

 

結局、僕(東くん)と君(相沢さん)の話、で

「僕」が初めに来ているように、

結局最後まで東くんがちゃんと主人公だったのは良かったなぁ。

小説家志望の彼が、デビューする、とかではなくて、

小説を完成させるで終わっていたのも良かった。

 

「僕と君の大切な話」の「話」が、トーク内容だけでなく、

完成させた作品自体のことを指していることに気づく。

一つの作品を完成させる。

それがどれだけ大変なことで、そして素晴らしいことか・・・・。

「小説家になりたい」「漫画家になりたい」と思う人は数多くいれど、完成させた作品が一つでもある人はその内いったいどれだけいるのだろう。

僕も中高時代大学時代漠然と「小説家になりたい」とは思っていた。

だが完成させた作品は中高大ときてひとつもなかった。

友達もいて不毛な恋愛もしてきたけれど、

それらを筆に載せて作品を書くことはなかった。

そして今も漠然となりたいとは思っているけれど、最後に完成させた作品は昨年・・・。

書こう。

東くんが懊悩しながら一つ完成させたように、

僕も、そりゃ東くんのようにキラキラした環境ではないが・・・日々はぜえぜえで地獄で苦しいが・・・それでも、書こう。

多分完成させた話はどれだけ拙いものであろうとも、僕にとってすべて「大切な話」になる。

 

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全巻。7巻で終わるマンガは良作が多い気がする。

 

以下簡単に各話の感想を書く。

前の巻くらいから線太くなったのが気になったけれど、

作者が描きなれたのか、僕が読みなれたのか、

だいぶ馴染んできましたね。

 

ep.32 宇宙戦争

「・・・あたしだっているのに 2人だけ先に仲直りして」p.34

九藤さん回。我らが愛すべき脇役。

可愛いですね。目つき悪いのも背が高いのも素直になれないのもネガティブなのも。

彼女主演で一冊描けるんじゃないか?ってくらい。

多分今作で一番共感する読者が多かったキャラなんじゃなかろうか。

ただ正直、最終回目前に来て彼女の話より環の話とか挟んだ方が収まりは良かったのかもしれない。

 

ep.33 相談男、ふたたび

「何それ 高橋くんてへんなこと言うなあ」p.58

カフェインと部長の話ですね。

この2人の話はすっごいキュンキュンしてた。

付き合った後でも部長が凄くどぎまぎしているのがいい。

そして終盤カフェインがきゅんとくるところにクライマックスおいているのもいい。相思相愛感がっょぃ。

東くんもすっかり大人になったなぁ・・・恋が人を変えるのか!!恋が人を変えるのか!!!(2回目)

 

ep.34 ボーイズ・ラビリンス

「バーカ。私の城にお前なんか入れるか」p.87

所謂鈴・アフロ回。

この2人の恋愛は正直描写が足りなかったように思うんですよね。なんか唐突感が否めない。

となりの怪物くん」の朝子さんとささやんの時もそうだった。

ろびこ先生は「登場人物全員くっつけばいい症候群」の割に、

結構サイドがおざなりになる傾向がある。

多分「怪物くん」で2人の反省があったからこそ、

はまりんとカフェインは丁寧に描こうと心掛けていたと思うんですよね。

まだ甘い。といったところか。

ちなみに「宇宙戦争」は映画パロの名前なのは分かるんだけど、「ボーイズ・ラビリンス」も「バンズ・ラビリンス」のパロだったりするんだろうか。

 

ep.35 僕と君の大切な話

「だってそんなの 返事はもう 決まっているもの」p.128

前半3話にこまごま目をつけていても、「今巻良かった」と思えるのは、

この話が滅茶苦茶良かったから。

初期を思い出す、ホームでの会話場面がくるのはぐっときた。

そう、すっかり忘れていたのだけれど2人はここから始まったのだったわ。

そして、背景を初期と合わせることで、

東くんがめちゃくちゃ成長していることに気づく。

 

さすが主人公。

 

ep.36 それから これから

「願わくば ずっと同じ星にいたいものだ」p.160

この一言に尽きる。凄く良かった。

分かり合えないから僕たちは会話する。

本当・・・凄く良かった(2回目)。

「怪物くん」では結構な未来までやっていましたが、

近日の後日談で終わっているのもこの作品らしくて良いですね。

 

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2人よ・・・・永遠に。

以上である。

なかなか素晴らしい最終巻だった。

特にラスト2話の畳みかけは神。

そしてこの話にはいろいろ大切なことを教えてもらった。

僕にとっても大切な話。

そんな感じ。

 

ちなみに、ろびこ先生はこの作品を機に、

となりの怪物くん」からの付き合いの編集者と契約終了させるとのこと。

う・・・うーん。

どうなんだろう。

子の編集者が離れてから「好きっていいなよ」葉月かなえ先生の新作も微妙っちゃ微妙だったしなぁ・・・。うーん。

でも次作にも期待したいところ。

のんびり新作待ってる。

 

「あ アズマだアズマだ

あーびっくりした 等身大パネル作ったかと思った」p.132

 

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LINKS

意外と1-3巻は感想書いてなかったな。

またいつか読み返してもいいのかもしれない。

tunabook03.hatenablog.com

 

 

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