小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

大今良時『聲の形 3-4』-空回りは痛くて痛くて、かわいいね。-


過去と今が交錯して大きく動き出す。

大今良時聲の形3-4』(講談社 2014年)の話をさせて下さい。

※1-2巻の感想はこちら。



【あらすじ】

●3巻
「怖いのか?西宮のことを知るのが」

かつて、奪ってしまった
硝子の幸せを取り戻すために
生きると決めた将也

硝子のために、将也っは
断ち切ったはずの過去と向き合う。

旧友たちとの再会は、
将也とガラスの関係にも
変化をもたらしーーーー

(裏表紙より)

●4巻
「西宮には西宮のことを好きになってもらいたい」
耳の聞こえない少女・西宮硝子

彼女と再び交流し始めた石田将也は
硝子の失われた人生を取り戻そうと
奔走する

佐原、上野、河合、真柴、永束ーーー

硝子のために広げていった世界は
将也自身にも運命の転換をもたらそうとしていたーーー

(裏表紙より)

【読むべき人】
・過去にトラウマがある人
・日本全国の中学生、高校生

【感想】



●3巻
は言わずもがな猫耳植野の回である。

映画公開当初は、
「なんだこの女!!!ふざけやがって!!!!!性格悪いのう!!!!!!!!「境界の彼方」の先輩みたいなルックスしやがって!!!かぶるんじゃボケ!!!!!」
とか思ってたけど、
まぁ今見ると
一途なこと一途なこと。

そして不器用なこと。

3年間、ずっと心の片隅で忘れられなかった相手に、
どんどんどんどん立ち振る舞いがおかしくなって
どんどんどんどん空回りしていく。
昔のようになりたいけど、
なんかうまくいかない。
うまくいかない。

今見ると、本当リアル。

「植野だけ小学生まんまで涙でますよ」

まとめサイトで書かれていた作品の感想。
的射てるな、と思った。

彼女が好きな「将也」は過去の将也で、
現在の将也ではないんだろうね。
薄々感じつつも気づきたくないから無理矢理目をそらすように、
空回りしていく。

かと思えばさいごは西宮の告白!!!!!
ほんっとう・・・可愛いというかなんつうか。
あれよね。
手話を使わず、に出しているところが、
本当に本当に好きなんだなって、
思わせられるよね。

アツい。


硝子の表情のつけかたがいいよね。

●4巻
前半は遊園地。
なんだけどまぁね、植野の空回りが決定打されてしまうという回。

「私は 昔 あなたに抱いた感情は 間違いだと思ってない」p.79

思春期特有のガラスのような一言。
初恋の男の子とられたらまぁそりゃそうなるよねぇ・・・。

かと思えば後半はそれを上回る、
祖母の死から始まる結弦編。
彼女のセーラー服姿が拝めます。

「はぁっ!?」p.169

でもそのなかで特に読み逃せないのが第32話 ガムシロ
硝子の母親が何故、
時折必要以上と思えるくらい、
彼女に厳しくあたるのか。
その理由がまるまる1話に描かれています。
もうこれ読むと、
今までの母親の行動すべてに合致が行くんですよね。

映画ではまるまるカットされてましたがまぁ尺がね・・・。
でも原作読んで良かった!!!とすごく思える回なので結果オーライ!!!

今まで
障害を抱えても生きる、等身大で魅力的なキャラクターっていなかったと思うんですよ。
それを、
「漫画」というメディアを活かして描いているのは
すごいなぁ…と思います。



以上である。
3巻4巻も楽しく読めた!!
やったね!!!

あとやっぱ「ガムシロ」は内容思い出すだけでも泣けちゃうという・・・うう。
全国の若い人には絶対読んでほしい漫画。