小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

いがらしみきお『ぼのぼの10』-ぼのる。-


哲学だなぁ。

いがらしみきおぼのぼの10』(竹書房 1994年)の話をさせて下さい。



【あらすじ】
何かを探すんだったら?
道をまちがえちゃあいけないよ
ひとつでもまちがると
もう見つからないよ
でもまちがっても大丈夫
別なものが見つかるから

(カバー裏より)


【読むべき人】
・哲学が好きな人
読んで終わりのギャグ漫画じゃぁな人

【感想】
今やみんな知ってるぼのぼのである。
ぼのぼの
駅前の古本屋で100円の箱のところにあったので、
前後も全く持ってないし、
ぼのぼの自体も良く知らないけど
ぼのぼの買ってみた次第。
そしたら初版だった。
すご!!

ストーリーは、
どうやらあらいぐまくんぼのぼのリスくんが、
色が変わる石を探して、
結局見つからなかったよ!!
って感じ。

なんだけれども・・・
すごく深い。


100円で入っていた箱がこちら。

なんかギャグなんだけど、
セリフ回しとかが深いんですよ。
ちょっと難解。

例えば
毎回、扉絵に詩が入るんですよね。
「オンセンはいいよね
あったかいだけで
そこに入るだけで
なにかしたつもりになって
帰る時には
また来ようって思うんだよ」

p.23

「誰かのところに行くと
ああなってこうなってしまう
そんな風にするつもりは
なかったのに
誰かのところに行くと
ああなってこうなってしまう
誰かのところに行くって
おもしろいなあ」

p.31


深い・・・のか?
とにかく独特な言葉回しを、
ぼのぼのリスくんあらいぐま、
可愛い動物たちがぺちゃくちゃやるので、
すごい不思議な世界観。

特に好きな四コマが掲載されていたのはこのページ。

「そんなことあたりまえだよ
オレがこうやってあたまをかこうとするだろ?

手をこう動かすじゃん

その時だって滝は落ちているんだよ

う〜ん 滝ってスゴいなぁ」

p.81


滝という存在のすごさを再認識できた。
ありがとう、アライグマくん。

あとなんか当時にしてはかなりぶっとんでます。
キャラクター紹介の紹介が、
まぁ作者の思い出語りだったり。
雌雄共にお湯がでるおっぱいをもつお湯虫が出て来たり。
哲学にカオスが加わって、
絶妙なバランスの上を、
ぼのぼのは歩いてます。


雑誌の写真はもうないので、
私が描いたぼのぼのを見て。

ちなみに最近のぼのぼのもちょっと読んだことがある。

まんがくらぶ 2018年 11月号」(竹書房 2018年)
ここにぼのぼのの番外編、
「いぬぼの」が掲載されてます。

「ニオイをかぐのは
楽しいよ
自分の好きな
ニオイもあるよ」

p.119


内容は変わらず、
哲学的なんですけど、
かなりわかりやすくて、
うーん。
僕は今のぼのぼのの方が好きかなぁ・・・。
特にp.121「にている にていない」のくだりは、
そのページだけやぶって永久保存したいくらい好き。

ギャグだけどギャグじゃない。
かわいいけどかわいいだけじゃない。
奥行きのある言葉。
だから人気になったのかな。
他にこういう空気感の漫画知らないし。


この漫画は雨の日に読みたい漫画だよね。

以上である。
なかなか味わい深い漫画だった。
ぼのぼの
これは好まれるのがわかる気がする。

ちなみに。
ぼのぼの
僕が知ったのは大学入った後だった。
というのも、
アニメがやっていなかったからである。
関東ではなんかやってたらしく「え?おまえぼのらないの?田舎者だな。」と馬鹿にされたものである。
地方と都市でかなり知名度が異なるぼのぼの
でもかわいいよ、ぼのぼの