小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

大今良時『聲の形 1-2』-再読すれば「胸糞」以外に見えてくる。-


「障害」って、うまくいかないことが多いから「障害」って名前を付けたんだろうね。

大今良時聲の形 1-2』(講談社 2013年-2014年)の話をさせて下さい。



【あらすじ】

●1巻
「俺は彼女が嫌いだった」
明るく!楽しく!大冒険!
がモットーの少年、石田将也。

耳の聞こえない転校生の少女、西宮硝子

2人の出会いが、教室を、学校を、
そして将也の人生を変えていく―――。

(裏表紙より)

●2巻
「西宮、逃げないでくれ!」
耳の聞こえる少年・石田将也
耳の聞こえない転校生・西宮硝子

5年後、将也は人生の最後に、
西宮硝子に会わなければいけないと決意する

初めて伝わる2人の「こえ」

そして物語は、幕を開ける
(裏表紙より)

【読むべき人】
・障害を抱えた人が周囲にいる人
・いじめられた経験のある人
・手話に関心がある人
・日本全国の中学生、高校生




【感想】
僕が本作に関心を持ったのは言うまでもない。
2016年の秋に公開された京都アニメーション制作の映画である。
映画館でぼろぼろ泣き、
その帰りに1巻と2巻購入した。
この度続きをブックオフの100円コーナーで見つけ全巻揃えたので、
久々に再読した次第。



1巻はほぼまるまる小学生編。
所謂胸糞展開が詰まった部分でもある。
特に担任。
初読の時僕はもうちょームカついて
「なんなんだ!!!この担任は!!!!」
ぎりぎり歯を食いしばってみせたものだった。
けれど2回目読むと、
彼が生徒から見た「嫌な先生」で、
慕われていない部分が印象的だった。
というか、
そういう先生、いたよな。
この先生ほど酷くはないけれど、
いい加減さを見抜かれて
生徒にも保護者にも信頼されていない先生。
描写が過度ではあるけれど、
この担任にリアルさを見いだせたのが再読の発見。
なんか、やるせないね。

あと、p.181-182の人生まるごとシーン
見るだけでが出る。
案外ここがこの巻で一番刺さったシーンかも。



2巻は高校生編序盤。
まぁ1巻よりは救いがある。
永束くんという親友が出来たり、
西宮の×こと結弦が場を荒らしたりする巻である。

将也・・・お前なんて不幸な奴なんだ・・・と思った記憶があるけれど、
冷静になって読み返してみれば、
結弦も含め友達が2人も出来たという地点で
不幸でも何でもないかもしれない。
特に永束くんがいるとその場が明るくなる。救い。

印象的なのはこの2つのシーン。
p.38-40 硝子の母親による強烈な一発のシーン
スピード感、
あとどうなるのかわからない期待感を読者に抱かせての、一発。
巧いなぁと思った。
p.152 将也が何故硝子に執着するのかを叫んだシーン
結弦にでけでなく読者にも明確に理由が提示される。
ここがなければ、何となくふわふわしたままで流してしまいそうな部分。

「俺は西宮に会ってその全部を強烈に感じたからこそ人生から逃げずに済んだんだ!」p.152

以上である。
3巻から7巻もまた読んだら感想書こうと思う。

ちなみに大今先生が今描いているのはこちらの作品。



大今良時不滅のあなたへ』(講談社 2016年-)
これも面白いんだが、
何にせよ、重い・・・。
登場人物がばったばったと死んでいくのである。
そこが苦しくて、3巻で止まってしまっている。
完結したら考える。
ファンタジーが好きな人は響く作品なのかもしれない。

あと、大今先生って、女性なんですね。
最近動画見てびっくりした。
荒川弘星野桂PEACHPIT
少年青年雑誌で活躍する女性作家は確実にいるわけで・・・。
やっぱ、昔SNSで話題になった某編集者の言葉は僕もいただけないんだよなぁ。