小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

岩本ナオ『マロニエ王国の七人の騎士3』(小学館 2019年)

 

なんかいまいち難しいんだよな。

 

岩本ナオマロニエ王国の七人の騎士3』(小学館 2019年)の話をさせて下さい。

 

 

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【あらすじ】

”眠くない”をかけて敵と対峙するエリーは・・・!?

 

長男編完結&新章スタートの第3巻!

 

裏表紙より

1-2巻きの感想はこちら

 

【読むべき人】

ファンタジー小説が好きな人

ラブロマンス←この単語にキュンと来る人

・純度100%の王道ファンタジーが読みたい人

 

【読まないべき人】

・物語のあらさがしをついついしちゃう人

 

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2パターンとったけど、どっちかは裏表紙にすればよかったな。

【感想】

気づいたら3巻が出ていた。

ああ確かに、1-2巻間は、「ヒロイン・エレオノーラの生か死か!?」みたいなすごく気になるところで終わってたから、1巻読了2巻刊行後即購入していたのだけれども、

2巻の最後は「まぁ多分・・・退散して終わるだろう」と結末が読めたため、最新刊に関するアンテナは非常に低い状態なのであった。

てか前2冊の感想の記事2年前かよ。まじか。

 

2年前にもなると、内容はほとんど覚えていない。

3巻読んで「こいつ誰だっけ・・・?え?え?」になったので、

1-2巻をざーっと読み返し、3巻もざーっと読み返したが・・・。

それでも「え?え?」になる部分が多い。

僕の理解力が至らないのか・・・。

 

例えば3巻

p.100-105:エレオノーラがペレグリナスにドレスを見せるシーン。

え?何?その場にペレグリナスはいたの?いないの?過去に出てきた姿より年取ってるから実在した?え?いない?どっち?

p.169-170:城代と男の会話シーン

え?なんで兄弟に国に帰ってほしくないの?てかお前誰だっけ?冒頭の登場人物紹介ページを見るも描かれてないやん。

ていうか、登場人物紹介ページも顔写真並べただけで、こんなんであらすじ思い出せると思ってんのか。不親切な。せめて家系図とか国ごとに分けるとか工夫しろよ。顔写真て。卒業アルバムかよ。よく見りゃ裏表紙の「あらすじ」も短いし。寄せ書きじゃないんだぞ。

こういう、読者に伝わりきらない難解な部分をついばむのって、編集者の仕事だと思うんだけど、多分何も仕事してないパターンだな。

作者の岩本先生の世界観をそのままお届けだのなんだの言ってさ。

うっせー。

編集者の仕事は作品を産地直送するのではなく、作者読者間の共通言語化することだろ。産地直送は同人誌で間に合ってるんだよ。

演出や絵が上手い分、ストレスがたまるところが多い。

 

あとキャラクター・・・、7人兄弟のキャラクターはいいものの、その周囲がどうも弱い。

例えばヨアン。父親と違っていい奴、長男の勉強熱心なところを羨んでいるのは分かるものの、「なぜ勉強ができる友人を羨むのか」の部分が全然描写されていない。非常に薄っぺらく感じる。容姿もただロン毛なだけで特徴がないから、存在を認識したのは2回目に読んだ時だった。

カステヘルミ。顔が特徴的だからヨアンと違って登場は認識してたものの、中身は「精霊と会話できる」「幼い」の2言で説明できてしまう。物語にそもそも必要か・・・?女王が精霊と交信できる設定であればそもそも存在自体いらなくないか・・・?てかヨアンとくっつくなら女王の娘の設定で、20歳前後くらいの「王女」で良くないか・・・?

名前がないもの。こういうキャラクターはもう正直うんざり。てか「不滅のあなたへ」そのまんまじゃん。

ミカ隊長も描き分けがいまいちできていないから、マロニエ側か夜側かいまひとつ分からないし(登場人物の説明で知る)、いきなりフクロウ載せた老人でてきてもさぁ・・・。何お前・・・インディアン感ありすぎて今一つ夜が長い国になじめてないぞ・・・。

どうもキャラクター造形がひとつひとつ弱い、気がする。

良いのは容姿だけで、中身は何もない。

 

ストーリー展開も「またかよ・・・」と思った。

夜の長い国ではエレオノーラが行方不明になったが、今度はハゲか。てか人が行方不明にならないと物語進まないわけ?おいおいブリーチか?

ハゲが7人にとって大事な人物どうこう説明されていても、それまであまり目立って登場していなかったから、今一つ実感伴わないしさぁ・・・。

 

用語もどうなんだ。

当たり前に「城代」とか出てきてるけど、みんな理解してるのだろうか。

中途半端によくわからない単語が当たり前のように登場してくるのもストレス。てか城代という単語自体がそもそも世界観に合ってないのでは。

 

なんか、雰囲気、画力、演出、設定。それだけで作品作ろうとしてない?

ファンタジー物やるんだったらストーリーこそ要ではないの?

王ではなく教皇に権力を握らせたり天文台を国の施設として登場させたり、作者がすっごいノリノリで存在しない国を作り上げているのは分かる。

エレオノーラの決闘シーン等描きたいシーンをすっごいノリノリで描いているのも分かる。

7人の周囲の人物の髪型容姿多種多様さから、すっごいノリノリでキャラクター作ってるんだろう。0から設定こねくり回して人型にするのは楽しいもんな、分かるよ。

ただ、その「やりたいこと」を無造作に詰め込んだ感が強い、というのが3巻まで読んでの感想だ。

設定であったりそのシーンであったりひとつひとつが高い技量で描かれるからこそ、今作は「名作」と呼ばれるのだろうが、

その割には物語の軸がない。気がする。

 

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それでもメイン7人のキャラクターは良いし、インコの正体は女の子かおっさんか気になるから続きは買うんだけれども・・・。

原作補助をつけるなり、もしくは章と章の間に休載を挟むなりして、

もっと濃い物語にしてほしい。

イラスト演出他が高いレベルな分、余計に僕は気になった。

結構やってることは勢い任せだと思う。

普通こういう修正って編集がやるんじゃないのか・・・。

 

アマゾンでこの作品に星たくさんついているのは甚だ疑問。

ハンターハンターのように、名作でも僕と決定的に合わない、ってことなのかもしれないけど・・・。

 

以上である。

結構勢い任せな部分が顕著になっている気がする。

4巻は買おうと思うけど、その先買うかはとても微妙だ。

 

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なんか線ががたがたに写ってるな。なんでや。



 

LINKS

1-2巻は絶賛してたと思ったんだがなぁ・・・。

tunabook03.hatenablog.com