小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

綾辻行人『十角館の殺人』-はえ〜トリックびっくりくりっくりとしか言えない。-


小6の僕にこれを手渡しても、
「分厚いよ。あと絵がかわいくない」
すぐ突き返しただろうね。



綾辻行人十角館の殺人』(講談社 2017年※読んだ限定愛蔵版の発行年数の話をさせて下さい

【あらすじ】
エラリイ、ポウ、ヴァン、アガサ、オルツィ、ルルウ、カー
推理小説研究会に所属する7人の大学生は、
角島(つのじま)と呼ばれる孤島を訪れる。

そこにはかつて殺人事件が発生した青屋敷跡、
そして綺麗に10角に分かれた十角館が聳えていた。

一方、同じサークル員の大学生、江南孝明(ドイル)のもとに不可解な手紙が届いており・・・。

【読むべき人】

「ミステリ」をとりあえず1冊読んでみたい人
・館ものが好きな人
・読み易く、トリックも明白な小説を好む人

【躊躇うべき人】
・トリックに重きを置く人



【感想】※ネタバレ有
辻村深月先生『作家の履歴書』で述べていた。

「小学校高学年の時にこの小説を読んだから、作家になろうと決めた」

みたいなどうたらこーたらを。
そして辻村は、
綾辻先生から一字頂いたのだと。

以前からなんとなく関心はあったけど、手を伸ばさなかった一冊。
図書館になんかすごいバージョンがあったのでさくっと手に取ってさくっと読んだ次第。

感想としては
「・・・・いやはや、なるほど」

これはすごい。


所謂叙述ミステリものである。
まぁその張り方も美しく、
叙述ミステリいくつか読んでる僕でも、
そしてこの作品を「叙述ミステリだ」前知識があっても、
終盤まであっさりと騙された。
まさかそことそこだったとは。
そして終盤に一気にまくしたてられる、
トリックの解説、回収の鮮やかさ!
これが不朽の名作と言われるのも頷ける。

雰囲気だっていい。
ミステリー作家の名をもつ大学生、
九州の外れに佇む孤島と謎めいた館、
そして終盤、
つまびらかになった事実への衝撃と胸をしめつけるような切なさ。

そっと瞼を閉じると、あの夜のあの炎がいまだ鮮やかに蘇る。
p.424

全てが帰結する。


中身。

ただ、最後の最後、瓶のくだりはなんかよく分からなかった。
解説もないしあとがきもないし・・・。
検索してもいまいちわからないし・・・。
分かる人にはわかる、
「最後の一文がすごい!!!」
とか煽ってるのはとても目にするんだけど・・・。
誰か教えてちょんまげ。


スペシャルブックレット」とある。

今作は「限定愛蔵版」とあるように、
ついてきたのがこの1冊。
中身をあけると、
「まぁまぁ、これはすごいや!!!」

現代の日本の文壇を支える多種多様の作家たちの、
今作をテーマにした随筆が収録されている。

我孫子武丸有栖川有栖伊坂幸太郎乾くるみ恩田陸北村薫辻村深月西澤保彦似鳥鶏初野晴はやみねかおる東川篤哉道尾秀介皆川博子宮部みゆき、米澤穂積・・等々。
朝霧カフカ
文豪ストレイドッグスの原作者まで名を連ねていたのは笑った。

ただまぁどの作者もそろいもそろって
「衝撃を受けた」(いい意味で)
っていうのはご愛嬌。
33人の作家の文章が収録されているけれど、
内容はまぁほぼ一緒。

そのなかで目を引いた作家は、乾くるみ先生かな。
ネーミングについてひたすら語ってるのが良い。
そこひっかかるのかよ。

あと初野晴先生。
こんなとこで作家志望者にアドバイス
逆に最高か。



ちなみに僕が綾辻先生で読んだことある本と言えばこちら。



綾辻行人『眼球綺譚』(角川書店 2009年)

面白かった。
後半ちょっとダレた印象あったけど。
多分読書好きの高校生には絶対大きい影響及ぼすんじゃないかな。



綾辻行人『フリークス』(角川書店 2011年)

特に「四〇九号室の患者」が印象深い。
これもなかなか壮絶なトリックが含まれた小説が収録されている。
そのトリックは難しくない、多少本読んでりゃ見破れるけれど
その真相の壮絶さに舌を巻く。
高校生には薦められない。
ホラー小説好きにはちょうどいいのかもしれない。
夜にも妙な物語らへんで実写化してくれないだろうか。

そして綾辻先生から影響を受けた辻村先生の作品と言えば、



辻村深月『ふちなしのかがみ』(角川書店 2012年)
これは拙作も多い短編集。
世にも妙な物語で実写化された「階段の花子さん」はまぁまだ面白いけれど、
他はうーん。
ね。

うん。

まぁ短編向いてないの・・・かな。
てかジャンルが?
ん?

うーん。
表紙は100点なんだけれども。



以上である。
トリックすげえ!!さすが!!!としか言いようがない。
他の作家もやっぱそんな感じのこと述べてた。
こんな感じ。