2018-01-01から1年間の記事一覧
僕も失格だよね、はは。 太宰治『人間失格』(集英社 1990年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 私の元に、三枚の写真と手記が届く。 そこには一人の男・大庭葉蔵の半生が描かれていた。 女、酒、薬、自殺、そして自らの憎むべき性質。 作品感性の1か月後…
疾走する中学生小説。 犯罪小説。 森絵都『つきのふね』(角川書店 2005年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 1998年冬。ノストラダムスの大予言まであと1年。 女子中学生・さくらは、親友・梨利を裏切ってしまった。 寂しさを埋めるかのように、24歳の智さ…
透明感あふれる読み切り集。 タカハシマコ『乙女座・スピカ・真珠星-タカハシマコ短編集-』(集英社 2009年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 星座好きの水香は、ある日、電車内で乙女座の男の子から声を掛けられる。 なんでも、占いで”糸目座のラッキー…
最高すぎて、ライブとかフェスとか行かなかった四半世紀が悔やまれる。 マグロック&フジソニック 2018 2日目(10月7日)の話をさせて下さい。 【行くべきだった人】 ・静岡在住でライブやフェスに関心がある人 ・マグロ食べたい人 ・好きなアーティストが出…
透明感あふれるホラー。 山白朝子『山白朝子短編集 死者のための音楽』(メディアファクトリー 2007年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 「婆ちゃん、どこ行くの」p.124 孫の阻止を振り切り、川へ向かう老婆。 あの子の名前を呼ぶために。 人と鬼の物語。…
と・・・ととと、 とんこつだぁ〜!!!!! 「替玉屋」の話をさせて下さい。 【行くべき人】 ・豚骨ラーメン好き ・替え玉はいつもする ・長崎ちゃんぽんも好き(食べてないけど) 【感想】 時はさかのぼることお盆。 夏真っ盛りニート真っ盛りの僕は悩んで…
青春×ミステリ×エンタメ。 初野晴『初恋ソムリエ』(角川書店 2011年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 進学と同時にフルートを始めた高校生・チカは、 幼馴染のホルン奏者・ハルタと幼馴染。 二人は吹奏楽部(部員10名p.128)に所属している。 顧問の新…
しおれた恋愛談。 岡部えつ『枯骨の恋』(メディアファクトリー 2009年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 男との関係が長続きしない、 独身の中年女・真千子。 彼女の部屋に、背の高い骸骨がぶら下がっている。 それは、かつて若かりし日に体を交わし、愛…
人から聞いた怪談は、 面白い。 立原透耶『ひとり百物語 怪談実話集 悪夢の連鎖(幽ブックス) 』(メディアファクトリー 2012年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 霊感のある作者・立原が、 知人・学生・作家・親族・そして立原自身の 体験した、 百の実話…
委員長が一番エロいんだよ。 なんてね。 槙ようこ『14R』(集英社 2007年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 委員長の川村珠希(8月23日おとめ座)は、 まわりからは「真面目」「委員長」と呼ばれるけど、 真反対で女好きな神谷が好き。 「私と皆に 差なん…
地元民だって、 一度は泊まりたい。 日本平ホテルの話をさせて下さい。 【行くべき人】 ・静岡市に観光に来た人 ・富士山が望めるいいホテルに泊まりたい人 ・ドライブ好きな人 【感想】 七月某日。 絶賛静岡でプーさんをしている僕なんだけど、 訳あって母…
2回目読むことってめったにしないんだけど、 この本は3回目だ。 松浦弥太郎『もし僕がいま25歳なら、こんな50のやりたいことがある』(講談社 2013年)の話をさせて下さい。 ガチャしたら2人出て来た十四松 【概要】 雑誌「暮しの手帖」の編集長である松浦弥…
新型うつとは何なのか。 傳田健三『若者の「うつ」 「新型うつ病」とは何か』(筑摩書房 2009年)の話をさせて下さい。 【概要】 若い人たちに見られる「新型うつ病」とはどのようなものか。 「新型うつ病」になりやすい体質や性格があるのだろうか。 思春期…
真面目なオネショタ オバショタ ベルンハルト・シュリンク 松永美穂訳『朗読者』(新潮社 2000年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 黄疸で倒れた15歳のミヒャエルを乱暴に世話見たのは、 ほぼ母親と年齢が変わらない女性・ハンナであった。 そのうち彼女…
響け!!ユーフォニアム、 というけれど、 響かなくても面白い吹奏楽小説はある。 初野晴『退出ゲーム』(KADOKAWA 2010年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 進学と同時にフルートを始めた高校生・チカは、 幼馴染のホルン奏者・ハルタと幼馴染。 二人は…
この女、クズ!!! 映画「後妻業の女」(監督:鶴橋康夫 配給:東宝 制作:ROBOT 主演:大竹しのぶ)の話をさせて下さい。 後妻業とは:資産家の年寄りを狙い、結婚し、遺産をまんまと頂く仕事。ドン・ファン。 【あらすじ】 武内小夜子(大竹しのぶ)は 結婚…
うーん。 コケたとは漠然と聞いてたけど・・・ なんか2017年に発表する作品ではないよね。 2007年位だったら評価されてたと思うよ。 「ひるね姫~知らないワタシの物語~」(監督:神山健治 制作:シグナル・エムディ 配給:ワーナー・ブラザーズ映画 主演:高…
三浦しをん『ふむふむ おしえてお仕事!』(新潮社 2011年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 作家・三浦しをんが、 15の職業に就いた16の女性にインタビュー。 仕事に就いたきっかけや楽しみ、やりがい・・・等々、 タイトルの「ふむふむ」は、いろんな…
機嫌がいいことにこしたことはない。 トーン・テレヘン 長山さき訳『きげんのいいリス』(新潮社 2018年)の話をさせて下さい。 表紙可愛いんだよなぁ。 【あらすじ】 きげんのいいリス、引っ込み思案のアリ、 夢見がちなゾウ、考えることの多いカブトムシ、…
芥川賞をニートが受賞した。 っていうのは、うっすら覚えている。 ニートの僕は、躊躇いなく、手に取った。 田中慎弥『共喰い』(集英社 2013年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 大きい川が流れる下町で育った遠馬は、 同じくその町で育った幼馴染の千種…
うーん。 20世紀の傑作。 フランソワーズ・サガン 河野万里子訳『悲しみよ こんにちは』(新潮社 2009年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 もうすぐ18を迎えるセシルは、 プレイボーイ気質の父親とその愛人のエルザと 南仏の海岸へヴァカンスへ出掛ける。…
好きな洋食屋さん。 Demi の話をさせて下さい。 まぁ行ったのもう3カ月くらい前になるけど。 【行くべき人】 ・一人で静かにゆっくりご飯を食べたい人 ・待ち時間で雑誌や新聞などを読む人 ・一人時間を持て余すおじいさんおばあさん 三角屋根。 【感想】 良…
バッドエンドじゃない。 デッドエンド。 よしもとばなな『デッドエンドの思い出』(文藝春秋 2006年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 仲良い家族でお金にも困ることのなかった、ミミ。 しかし彼女は遠距離恋愛中の婚約者に、酷くフラれてしまう。 ショッ…
ゾンビローンの再来にはならなかったか。 PEACH-PIT『ワンダリングワンダーワールド1-2』(KADOKAWA 2015年)の話をさせて下さい。 上:1巻。主人公サイが表紙。 下:2巻。イブキが表紙。 【あらすじ】 日本最大・最高のテーマパーク、ワンダリングワンダー…
僕達はどうやって生きていけばいい? 石井ゆかり『選んだ理由。』(ミシマ社 2016年)の話をさせて下さい。 シンプルな表紙。 【概要】 インタビュイー(インタビューを受ける人)についての情報を一切開示されない状態で、 様々な職で生きている人々にライ…
あなたがいい。 紅玉いづき『ミミズクと夜の王』(アスキー・メディアワークス 2007年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 夜の王が鎮座する、魔物がはびこる夜の森に、 一人の少女が現れる。 「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」 愛の物語。 第13回電…
おちこんだときに、これを一冊。 九井諒子『ひきだしにテラリウム』(イースト・プレス 2013年)の話をさせて下さい。 よく僕は「てのひらにテラリウム」と間違えます。 【あらすじ】 漫画界の新星、九井諒子による漫画ショートショート集。 動物園のゾウが…
欅坂46の気になるあの娘について、 読もうか。 『IDOL AND READ 013』(シンコー・ミュージックエンターテイメント 2018年)の話をさせて下さい。 【概要】 アイドルへの長文インタビューを収録した、 読むアイドルマガジン。 013掲載アイドル ・土生瑞穂(…
注目すべきはモチーフだけでない。 宮下規久朗『しぐさで読む美術史』(筑摩書房 2015年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 西洋美術に描かれる人物は、 表情だけでなく、しぐさも使って全身で己の感情を表している。 「服をはだけさせる」「指をまげたピ…
身について身について困っちゃうぜ!!!! 宮下規久朗『モチーフで読む美術史2』(筑摩書房 2015年)の話をさせて下さい。 【あらすじ】 西洋美術に出てくる数々のモチーフには意味がある。 子羊はキリスト、林檎は原罪といったように・・・・。 モチーフ1…