小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

槙ようこ『14R』-りぼん特有のキラメキの眼差しで、鋭利に-


委員長が一番エロいんだよ。

なんてね。

槙ようこ『14R』(集英社 2007年)の話をさせて下さい。



【あらすじ】
委員長の川村珠希(8月23日おとめ座は、
まわりからは「真面目」「委員長」と呼ばれるけど、
真反対で女好きな神谷が好き。

「私と皆に 差なんてありません」p.24

「愛してるぜベイべ★★」「きらめきのライオンボーイ」
りぼんの最前線を走り続ける漫画家、槙ようこの短編集

【読むべき人】
委員長キャラが好きな人
・君と僕の大切な話のような、ちょっとちゃらけた学校の雰囲気漫画が好きな人
小5、小6女子
思う存分、中高生にあこがれを抱け。

【感想】
初めて読んだのはかなり昔。
中学生の頃である。
「14アール」というタイトル、
10年前には超絶珍しかったこのデザインチックな表紙。
そして作者はベイべ★★」槙ようこ
僕の手が伸びたのも頷ける。

再読したのも、深い意味はない。
ああこういう漫画があったっけな。
ふと思い出して、手に取っただけ。

今作は所謂女子高生中学生が主人公のよみきり集。
槙先生の描く女子は、
スカート短くてどこかかったるげ、
けれど瞳は大人を射貫くよう。
りぼんの中でも大人びていた。
10年たった今では・・・近年の作品を読んでいないのでわからないけど、
なんかとにかく大人。だった。

20代半ば乗り出した今読んでも・・・彼女達はやっぱり大人だったし、
そして、いい女だなと思った。
そう、いい女。
槙先生の描く女は、いい女が多い。
タバコの代わりにスカートを。
バーの代わりに机の上で足を組んで、
けれどけだるげな眼差しはそのままに。

以下、各話簡単な感想を。

・14R
委員長による委員長のための委員長の漫画。
珠希は一つの委員長キャラの頂点。境地。神髄。

niccoとかいう消えた歌手の「委員長」という消えない名曲があるけど
まさしくそんな感じ。
♪あたしーが制服脱いだら、
もうこんなっにおっとななのにー


・真昼に翔けだす
ギター女子の漫画。
この漫画は全国の女子小学生、中学生に読んでもらいたい。
心底で本当はやりたいことはあるけど、
親に言えず、
言い訳をして、
ただただしおれていくのを眺めていることしかできない愚かな君へ。

・ワタクシサマ
所謂「キョロ充」漫画。
初めて読んだ中学の時は、
「ゆり・・・なんて酷い奴なんだ」
って思ったけど、
再読した今は
「ゆり・・・なんていいヤツなんだ」
こうやって、感想が変わるのが楽しいから、
再読ってやめられないよね。

・恋をはじめる僕たちに
ルーズソックスが時代を語る。
なんかこの短編だけ、ちゃんと中学生してるな。
よかったよかった。

・デイリーニュース

双子の話。
あぐりちゃんが典型的「ダメ男に引っかかり女」で笑ってしまった。
この話は、3話くらい出すべきだったんじゃないかと思うけどどーだろーね。

ちなみに、
この漫画の舞台は全部中学生なんだけど、
まぁ・・ちょっとさすがに無理がある。
高校だろと。
あと、ろびこ先生の描く学校の雰囲気が好きな人は絶対ハマる。

ろびこ『君と僕の大切な話4』の感想はこちら

以上である。
槙ようこの漫画に出てくる女は、いい女。
その魅力が、
久々に読んだけど、
色あせてなかった。良かった。万歳。

ちなみに、僕が槙ようこ先生の作品で当時大好きだったのが、
こちら。



槙ようこ『STARBLACKS』(集英社 2005-2006年)
今のりぼんでは考えられないような世界観の漫画である。
2999年ってもっと進化しとるやろ、とか
終盤どうなったの意味わからんねん、とか
題材でかすぎて料理しきれてないやろ、とか
そもそもこの頃槙先生絶賛スランプ中の作品では、とか
いろいろあるけど、
当時僕の心を掴んで離さなかった事実は変わらない。から。