主人公の暴走が心地いい。
尾崎あきら『さよならロッキンホース』(集英社 2007年)の話をさせて下さい。
※2013年にオザキアキラに改名

【あらすじ】
山田若菜ことフランソワは、ロリータファッションが大好き💛
いつかステキな王子様が迎えに来てくれるはず・・・と全力でオシャレに励む日々。
そんなある日、若菜を「バカ菜」と呼ぶバリバリヤンキーな転校生・中井瑛太があらわれて・・・!?
(さよならロッキンホース)
へっぽこバンドの紅一点&ひきこもり系音楽教師がタッグを組んだ!?
目指すはワールドワイドな音楽戦士!!(BUZZ MAKER)
ほか2編収録のハイテンション読み切り集💛
裏表紙より
【読むべき人】
・元気系ヒロイン少女漫画が好物な人
・ついつい恋愛になっちゃうと暴走しちゃう人
・落ち込んでいる人(主に恋愛)
【感想】
再読。
でも多分・・・3回か4回かは読んでいるんじゃないかな。
かなり好きです、この漫画。

簡単に各編の感想を。
やっぱ表題作が一番好きです。僕は。
・さよならロッキンホース:
60ページ強の読み切り。
なんですけど、出来が素晴らしいと思います。
周囲のキャラクター配置が絶妙なんですよね。
親友グループが3人とも読み切りとは思えないくらい個性的で、
各個人活躍するシーンも収録。
暴走しまくる若菜を突っ込む叔母のツッコミもこれまた冴えわたり、
読んでいて非常に楽しい。
満足感がある。
充足感がある。
一つの、読み切りの完成形だと思います。まじで。
映画化するならこれくらいのがいいよなぁ・・・とか思ったり。
・BUZZMAKER:高校3年の葵はメジャーデビューを志しバンドをひきつれ日々ステージに上がるが・・・
ロッキンホースと同じく60ページほどの中編。
よくある音楽教師×生徒ものですね。
それでも主人公だけでなくバンドメンバーが奔走してるのがいいですね。
主人公と相手が無理矢理くっつかないのも良かった。
ただまぁロッキンホースのがキャラクターの個性が強くて読んでいて爽快感あったかな。
・333:彼氏とラブラブのマチコに、3の不吉なジンクスが襲い掛かる!!
40ページほどの短編。
今作で一番共感する主人公はマチコでしょうね。
彼氏が大好き彼氏とうまくいっている彼氏と幸せ!だからこそ、ついつい不安で縛ってしまうという。
できれば主人公の成長をもちっとわかりやすくしてほしかったかな。
ただのメンヘラエンド感もあるから。
・CHERRY MEETS BOY;バスケ一筋だった青木桃子(大1)は、彼氏がほしい!!!!
30ページほどの短編。
珍しく大学が舞台の読み切り。
タイトルのように、恋が始まる瞬間を描いた作品。
新鮮味があってよかった。
僕的には、奈良君がこの短編集では一番好みです。
どの短編の主人公も、暴走してます。すっごく。
その振り切った感じが心地よく、
支持されて、
後の「ハル×キヨ」長期連載に至ったんでしょうね。
以上です。
やっぱ表題作が読み切り作品として、
最高の形になっていると思います。
あらゆる漫画家志望は読んだ方がいいと思います。まじで。
ちなみにオザキアキラ先生の作品で僕がもっているのはこちら。

オザキアキラ『不思議の国の有栖川さん』(集英社 2017年-)
こちらもヒロインが暴走系という。
実写化すんじゃないでしょーか。そのうち。中条あやみあたりで。
冷めてるクールだと言われる今だからこそ、
誌面上で全力で走り切るオザキ先生のヒロインが支持されるのかもわかりませんねぇ。

ちなみに今月の漫画記事は、
集英社少女漫画を集中的に読むがテーマでした♡
槙ようこ『14R』
村田真優『ドクロ×ハート』
タカハシマコ『乙女座・スピカ・流れ星』