小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

清野とおる『ゾクッ東京怪奇酒』-僕だってあわよくば壇蜜と結婚したいよ!!!-

 

 

1巻と比べて神道要素が多いですね。

なんで「ゾクッ東京怪奇酒」よりかはヤオヨロズッ東京怪奇酒」の方がいいかもしれない。

 

清野とおる『ゾクッ東京怪奇酒』(KADOKAWA 2021年)の話をさせて下さい。

 

 

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【あらすじ】

心霊現象や怪奇現象が起こったとされる現場で、

感情を派手に揺さぶられながら飲酒するエクストリーム行為。

それが「怪奇酒」。

ドキドキわくわくビリビリざわざわ・・・

キュンキュンぞくぞくムラムラぽわぽわ・・・

え、怖くないかって?

そりゃもちろん怖いですよぉ~!!

 

カバー裏より

 

【読むべき人】

・1巻読んで面白かった人(ただし前述したように、結構神道的要素が今回は多いです。心霊スポット、自体に魅力を感じて読んでいる人にとってはちょっと物足りないかもしれない)

・神社の参拝の仕方に関心がある人

・現代の「陰陽師」に関心がある人

・狐に関心のある人

・実話系怪談に関心のある人

・熱海行きたい人(今巻初の県外・熱海編が収録。普段町商会のエッセイ漫画を描いている人なだけあって、読んでいてなかなか熱海、行きたくなってきます。スパ、したくなってきます。)

 

 

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【感想】

1巻が非常に面白かったので、2巻も買いました。

1巻と出会ったのは、丸善ジュンク堂 新静岡セノバ「スタッフおススメ本紹介フェア」である。もともとこの静岡駅マイ最大級の書店はオカルトコーナーだけやたらめったら力入ってることから、そういうのが大好き店員が在籍していることは知っていたので、そういうのが大好きな店員が何をおススメするかどれどれ・・・と見たのですが、多分そういうの大好きな店員が選んだのがこれの1巻。

そういうの大好きな店員がおススメするんだから、「こりゃあ面白いに違いないぜぇ・・・」安直にそのままレジに持っていったのですがこれまた大正解。めちゃくちゃ面白かった。そういうの大好きな店員さん、まじでありがとうございます。

そしてその1巻の感想を書いているときに知ったのが・・どうやら2巻となる本書が出ているということ。

もうこりゃあ買うしかないと思い、通院の帰りセノバに寄って購入した次第。

ちなみこの2巻も大判コミック棚に表紙をでかでかと表向けて数冊棚に置かれていました。そういうの大好きな店員さんに導かれた人達が勝っていくのでしょう。僕のようにな。

いつかあれですね。そういうの大好きな店員さんを崇める会をやりたい。名前すら知らんけど。

静岡駅前最大級書店のオカルトコーナーを常に充実させている。というのは、今現在静岡のオカルト文化を常に盛り上げている行為と同義だからね。静岡のオカルト文化第一人者と言っても過言じゃない。

男なのかな~女なのかな~。僕の予想では30代の女性だと思うんですが。まぁ本当はそりゃあね、イケメン書店員、できれば岡田将生のような書店員だったら嬉しいけど。でもお亜kると大好きな岡田将生は嫌だ。ちょっと譲歩して、オカルト大好き野田クリスタルくらいがいい。でもわざわざPOPを作る器用さと、エドワードゴーリー好きな感じは女性なような気もする。でも女性がこんな「東京怪奇酒」なんてお勧めするかね?というとやっぱり野田クリスタルなのかなあ・・・。

 

閑話休題

そして今巻もまぁ、面白かったです。

ただ、1巻と比べてその面白さはちょっと違うかなと言った印象。

というのも、2巻は神道的要素が強い。

例えば「1杯目」で出てくるスタジオを除霊するのは現代の陰陽師だし、生霊関連の話で出てくるのは「縁切榎」という所謂縁切りスポットの話。筆者の唯一の体験談も掲載されているのですが、それもがらみ。

これはこれでなかなか読んでいて面白かったのだけれども、1巻のノリを期待しすぎるとちょっと肩透かしを食らうかもしれない。注意。宗教上の理由で「神社とかちょっと・・・」という人も注意。

それさえ気にならなければ、この2巻も君を東京怪奇酒の世界に誘ってくれるはず。ゾクゾクビクビクキュンキュンギュインギュイン。ほら、一緒に夜に境目に飲もうやあ・・・え?僕・・・?僕はまあ・・・いいです・・・お酒弱いので・・・。

 

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以下簡単に各編のあらすじと感想を書いていく。

一番印象に残ったのは「縁切榎」かなぁ・・・。話自体の面白さ、よりかは非常に実践的な内容だったので。あと僕もこういう街の神様は信じちゃう人なので。

 

1杯目 東京都S区Y町幽霊スタジオ

清野「オバケ出るぅーん」p.5

ある出版社が保有するクッキングスタジオ(雑居ビルの一室)では不可解な現象が続くという。一度「陰陽師」にお祓いをしてもらったものの、再び起こるようになり、「陰陽師」をもう一度呼ぶことに。その場に清野も「目立たない」という約束で居合わせることを赦してもらうが・・・?

今回はそのバケちゃんとの宴会よりかは、そのオバケちゃん達を取り払ってくれた現代の陰陽師を中心に描かれています。しゃーない。心霊スポットは数あれど陰陽師は多分そんないないから。

陰陽師」・・・といったらあれですよね。あのなんか長い帽子被ってオア内裏様みたいな恰好をしてそしてお札もって「やーっ!!!」としているあのイメージ・・・。でもあれって令和に通用するのか・・・?

と思ったら、凄いですね。

現代に順応してやはり実在するんですね。陰陽師」。

しかも除霊だけではなく、身体の不調を直したり開運するまじないをかけられたり・・・。読んでいて「え~~!!すご~~~い!!!」になります。え~~!!すご~~~い!!!僕もお会いしたい。

イメージとしては、「占い師×整体師×除霊師」といったところでしょうか。しかもその3つ総てが凄腕で、しかも3つ総てが本人の中で1つに繋がっている・・・というかなんというか。だから占い施術除霊どれをとってもうさん臭さがない。

陰陽師」って凄いんだなあ・・・某動画よろしくCG化して歌って踊るイメージしかなかったからびっくりだあ・・・。

ちなみに「陰陽師」と「」がついているのは、陰陽師という職業は明治政府によって廃止されたから。p.34だそうです。はえ~。ここで廃止しなかったらどうなっていただろう。絶対おもろい世の中になっていたと思うわ~。

ちなみになんですが、ここで清野さんが飲んでいるのは水曜日のネコ。清野さんも絶賛してますが、フルーティーで美味しいよね。コンビニビールサーの姫感はあるよね。

 

2杯目 東京都T区H町「ケガの多い居酒屋」

清野「・・・同じ店に居合わせた3人が24時間内に右手をケガする確率ってなかなかありえないよな・・・?」p.44

話は凄いシンプルで、マスターをはじめ来た人までもがケガをしちゃう居酒屋の話。マスターが良い人そうなのに、ケガのせいで休業がのびちゃったり、生傷が耐えない。

かわいそう。

え、でも多分店が続いてきた、ってことは初めからそういう訳じゃなかったということでしょ?多分「普通の居酒屋」が「ケガの多い居酒屋」に変わるきっかけが何らかったと思うんですよね。

そこをもう少し追究してほしかったかなぁー・・・。まぁ多分ほかのエピソードの追求具合見る限り分かんなかったんだろうなぁー・・・。

僕は土地、ではなくマスター自身に憑いているのではないかと予想!

 

3杯目 東京都板橋区本町「縁切榎」

清野「僕はこの参拝から半年後に壇蜜さんと結婚出来ちゃいました♥ ラッキ~」p.66

クソっ!!!!そのラッキーを呼び寄せる参拝の仕方を教えてくれ!!!!!

教えてくれてる!!!!めちゃくちゃ丁寧に教えてくれてる!!!ありがてえ!!縁切った後はそこ行けばいいのか!!ありがてえ!!!!ありがてえ!!!!

よ~し!!!!僕もこの本片手に東京行って参拝して野田クリスタルと結婚するぞ~~~~!!!!!!!

 

 

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4杯目 東京都T区K町「別れる家」

清野「・・・僕も「妻」とここの物件で暮らしたら別れることになるのかな・・・?」p.78

建売のなんことないこぎれいな小さな一軒家。ところがそこに既婚未婚問わずアベックが住むと次々別れる。

体験談がなかなか気味悪い。やっぱ「残穢」よろしくそいう場所ってあるのねとか思っちゃう。まぁ多分この家は歴史、よりかは一人の女、によって呪われている印象も受けますが・・・。

こういう不吉な場所って行くと「ちょっと暗い印象を受けた」とか言うじゃないですか。僕多分そういうの全然鈍くて。だから将来万が一結婚して否未婚でも、こういう物件知らず知らず住んでたら・・・って思うと怖いですね。

あと結婚直後にここで怪奇酒をする清野先生のガチ具合には素直にドン引きですね。

 

5杯目 静岡県熱海市A町「山道の怪音」

清野「おいしすぎて「ひゅ~どろどろ」とかどうでもよくなってきましたよ」p.91

山道でそのまままさしく「ひゅ~どろどろ」という音が聞こえたという体験談。

これは興味深い、「東京」怪奇酒ルールを破っても行くべきだと、清野先生が県境をまたいで熱海上陸した話。

なんとこの「ひゅ~どろどろ」、大辞林で調べると「幽霊の出る時の形容」「芝居の下座音楽の一。笛を高く吹き大太鼓を小刻みにうつ。それの出没の場に使う。」等に並んで「幽霊」という意味があるそうです。p.86 えこっわ。シンプルに怖い。

その「幽霊」が聞こえたという山道を検証しに行く・・・という話なのですが、なんですか、こう、銭湯とか三色丼とか釣り上げたものを出す居酒屋とか海と空の境目が見えない絶景嗜みながらの天然温泉とか・・・熱海滅茶苦茶行きたくなってきますね。何回か行ってはいるんですが、温泉に入りに行ったことないからな~・・・特に最後に出てきた「fuua」は滅茶苦茶気になる。僕も行ってみたい。あと駅前で食べられるという3色丼。

清野「「厨房に海あるっしょ?」ってくらい新鮮で旨かった」p.87

勿論そのひゅ~どろどろの現場に行って酒を飲む「怪奇酒」もやっております。その他にも怪奇現象に度々襲われているのですが・・・なんで熱海だけこんなに音がらみの怪奇現象が多いんだ。シャイなのかな。観光の人いっぱいきちゃうから・・・。

 

6杯目 東京都北区滝野川「白い美女と狐」

バーのお婆さん「あなたたちが今日ウチに来たのはお狐さまに導かれたのかもしれないねぇ」p.118

筆者の唯一ガチofガチの体験談の話です。

夜の住宅街に突如現れる白い着物を着た妙齢の美女(井川遥似)。道に迷った筆者達には道を教える親切な行為をみせたのに対し、地元のバーの息子へはまるで愚弄するかのような不気味な行為。ところがどっこい、白い着物どころか顔・年齢の特徴までしっかり合致していて恐らくは同じ人。

興味深い。ワンチャン生きている人なのかな~・・・?とも思いますが、でもまぁやっぱりお婆さんのように狐、というのが僕も一番しっくりくると思います。そうすれば人に対してくるくる変わる対応にも説明がつく。感じがする。悪戯が好きだから時々人間をからかって遊んでいるのだ。親切にする人、からかう人、どこで線引きしてるのかはすっかり謎ですが。

その後狐にあやかっていなり寿司をもって、歩き日本酒&墓場での飲酒はなかなか楽しそう。「怪奇酒-ズハイ」p.125があれば夜の墓場も怖くない!心霊写真も撮れちゃう!!それがカラーでカバー裏に収録されているのですが・・・マジの火の玉じゃん。まじじゃん。

 

7杯目「恐怖の303号室・・・・・・からの」

1巻1杯目で登場した某アパートの303号室。取り壊し直前に怪奇酒をしにいった清野だったが、そこで仏教の教本を見つける。それ挟まっていたのは、とある田舎の「村」で身体が不自由な老女が離れで焼死したという50年以上前の新聞記事で・・・?

その「村」に行った記録が、全2巻となる本シリーズの最後のエピソードになります。303号室に始まり303号室に終わる。

・・・いいですね。最後の最後に、死者より怖いのは生者ってか。

具体的にどこだか知りたいわね。

「つけび」の事件といい、まだまだ文明的には拓けていても「未開」の村っていっぱいあると思うんですよね。それぞれの土地にやっぱ文明・文化があって・・・・。全部知りたい。行きたい。まぁ行って何をするってわけでもないですが・・・。

 

東京都S区O町 再訪・幻の大仏

1巻で出てきたありがたい(?)心霊スポット、というかパワースポットに行ってきた話。

いいなぁ~。僕も最近お疲れ気味だからこういう露骨に効果ありそうなパワースポットに行きたい。そしてテラテラありがたいパワー浴びてちょー元気になりたい。ちょーげんきうーまんまぐろどん。

縁切峠と東京大神宮のコンボで野田クリスタルと結婚して「こらこら」とかいいながらハムハム*1を愛でつつちょー元気になりたい。

 

インタビュー・怖すぎる怪奇現場でお酒を飲むワケは・・・?

清野「なんなら僕は描きながら「読者に、洒落になる程度で怪異が起これ!」って強い念を込めてるので、そのせいもあるかもしれないです(笑)」p.157

こめなくていいです。

 

 

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あとがき

現時点での僕の結論は・・・

それがオバケなのかどうかはわからないけど、

この世には未知なる「なんか」がある。

この世には未知なる「なんか」がいる。pp.158-159

本編通じてずっと「幽霊みたぁ~い★」みたいなことを言ってきた清野さんですが、どうしてそんなに見たいのか。の理由が書かれています。

僕は凄いこれに納得がいった。

同時に、僕は幽霊信じる派ですが、この2ページ読んで、あ~だから自分信じてるんだなって思った。幽霊信じる派も信じない派も是非読んでもらいたい2ページ。多分このあとがき読む限り、漫画じゃなくて随筆でも、清野先生は面白いものが書けるんじゃなろうか。壇蜜さんとの夜の生活について書いてほしい。壇蜜さんのセッは全人類が気になっていることだと思う。僕も万が一野田クリスタルと結婚したら夜の生活について書くから・・・。

 

 

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御朱印帳を最近やっと買いました。

 

 

以上である。なかなか面白かった。

1巻と内容の傾向が違うため、多分肩透かしを食らう人も多いだろうが・・・まぁこれはこれでといったところか。逆に2巻のが良かった1!て人も多いと思う。

僕は・・・どっちも好きかな。1巻の心霊スポットものも好きだし、2巻の神社・占い系も好きだし。

にしても・・いや~、是非続きが読みたい。やっぱ結婚しちゃったから、不吉なこと呼び寄せそうなこんなスリリングな行為はもうしないのかな・・・。壇蜜の蜜の味知っちゃあもう怪奇酒なんてかすんでしまうもんなのかな・・・しらんけど・・・。

 

***

雑記

・この前パート先で「壇蜜と結婚できるという縁切りスポットと縁結びスポットのコンボをやりたい。いやだって壇蜜だよ!?壇蜜!!!!壇蜜っつたら日本の女性のセックスシンボルじゃないか!!!」と言ったら女子大学生の子に「まぐろどんさん、しーっ」って言われた。わかる。

・実際夏に実践しようと思ったけどスーツケース壊れてあきらめろんした。冬こそは!!!

 

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1巻

tunabook03.hatenablog.com

 

*1:ハムハムとは、野田クリスタルが飼っているキンクマハムスター(メス)。最近夫人家計の病気をやってしまってクリスタルを心配させた。