小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

ムーミン展 THE ART AND STORY-物語から見るムーミン。-

 

 

一生分のカバの妖精見てきた。

 

 

ムーミン展 THE ART AND STORY(巡回・静岡県立美術館1月23日~3月14日)の話をさせて下さい。

 

 

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【概要】

これまでにないムーミン原画展

 

フィンランドを代表する芸術家トーベ・ヤンソン(1914~2001年)が生み出した、

愛らしい姿とユーモアあふれる言葉で世界中のファンを魅了するムーミンとその仲間達。

本展ではその多彩なアートと奥深い物語の魅力を約500の展示品で紹介します。

 

公式ホームページより 要約

 

【行くべきだった人】

ムーミンの原作ファン

ムーミンガチ勢

ムーミン過激派

 

【行かないべき人】

・子連れ:キャラクター展覧会ですが、メインは原画(ペン画)なので、子供半本当につまらないしぐずるし周りにも迷惑をかけるからマジで連れてこないで。

 

【感想】

 

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ライト層なので家にあるムーミングッズがこれくらいしかない。可愛さの割に安かったけど買ったその日に壊れた。

 

行ってきました。ムーミン展。

ああだこうだしていたらもう終わってしまうやんけ!と慌てて行ってまいりました。

まあまあ良かったです。まあまあ。

思ったより、ガチ勢向けの展覧会でした。僕みたいなムーミンライト層がメインのターゲットではどうやらなかったようだぜ・・・。

 

ムーミンは、一番好きなキャラクターものです。

スヌーピームーミンかと言われれば即座にムーミンをとりますし、

ミッフィームーミンかと言われれば即座にムーミンをとりますし、

キティ率いるサンリオ軍団かムーミン率いる少数精鋭かと聞かれればちょっと悩んでムーミンをとりますし、

ミッキー率いるディズニー帝国かムーミンかと言われれば、まぁまぁ悩んでムーミンをとることでしょう。

人生で初めて買ったマグカップムーミンで、ヒビ入るまでだいたい15年くらい使っておりました。

ただガチかと言われると、そうでもない。

名前といえばムーミン」「ムーミンパパ」「ムーミンママ」「ミィ」「スナフキン」「ニョロニョロ」くらいしか知らないし、

後は「前髪」「ミィ(大)」「カンガルー」くらいの認識しかない。

原作も無論読んだことがない。人生においてムーミン接触してくることもなかったし、読もうと思ったこともなかった。おしゃんだけどなんかつまんなそうだし・・・。

埼玉飯能の所謂「ムーミンランド」も行ったことがない。行ってみたいけどコロナだし、アベックの巣窟になっていそうで飯能彗星直下祈願不可避になりそうだし・・・。

フィンランドが原作であることくらいは昔から知っていたけれど、原作者の「トーベヤンソン」氏が女性であることを知ったのは最近。まじで最近。今年。

あ、でもアニメ版のムーミンの声が高山みなみであることも知ってる。見たことないけど。

まぁ、それくらいのライト層である。

だから行って初めて原作の流れを知った。ええ・・・お前たち最後移住するのか・・・。

 

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原作ファンからしてみれば、非常に見ごたえのある展覧会だったと思う。

というのも、展覧会の約半分が原作原画を占めており、さらに残りの半分はヤーベの他作品の原画、そして残りの四分の一がムーミンイラスト他・・・といった具合で構成されているからである。

なのでまぁ、びっくりした。

イラストとかポスターとか広告とかそういうカラームーミン期待してたら、ペン画の白黒ムーミンメインだったので結構初めは面食らった。

あ、そういう感じ?ってなった。そういう感じ?

 

ところがまぁ実際に見てみるとなかなか面白い。

ムーミンは1巻から9巻で完結しているらしいのだけれども、その9冊総ての原画がやって来ている。数に多少差はあれど(1巻にあたる「彗星」は比較的少なく感じ、「仲間達」はとても多く感じた)なかなかこんなに揃えて展示って、ない気がする。

そして各巻のあらすじを1冊ずつ丁寧に入れて、「1→2→3→4→・・・」といった具合に順番に並べてくれるから、ムーミンの大まかなストーリーは初めて来た人でも把握出来るつくりになっている。

だからまぁその・・・「ミィ(大)」とか「カンガルー」「しましまのヤツ」とか、ここ10年くらいで追加された新キャラかと思っていましたがそうではないんですね。いたんですね、初めから。

そしてムーミン達はずっと谷にいるわけでもないし、ムーミン「前髪」と結婚するわけでもない。

何なら「前髪」は、スノークのお嬢さん」と名前ですらないんですね。初めて知った。誰だよスノーク

 

なのでまぁ、思ったのは・・・原作小説1冊くらい読んでから行っておけばよかった。これに尽きます。

読まなくても十分楽しめる展覧会ではあったけれども、読んでた方が間違いなく楽しめる展覧会であった、そんな印象。

でもこの展覧会きっかけに、原作に興味沸いたので見かけたら買って読もうと思う。

そして万が一子供が生まれたら、積極的にムーミンをそいつの人生に積極的に接近させてやろうと思う。それくらい物語、意外と面白そうで良かったので。

 

 

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「前髪」ってこいつな。

 

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2.5次元ミュージカル図解。え?そこ切り抜いちゃうんだっていう

 

でもまぁ一番良かった展示物は?と言われると、

カラーのポスター原画だったんですけど。平和活動のやつ。

やっぱ色ついた方が可愛いわ~。

あと一番衝撃的だったものは?と聞かれると、

昔のムーミン2.5次元ミュージカルの写真ですね。

着ぐるみじゃなくて、人間の目元むき出しムーミンやるんですよ。なのですっごいシュール。当時フィンランドでは凄い人気だったらしいんだけど、喜劇なのか本気なのか何なのか本当意味が分からないレベルのシュール具合。

PCで「ムーミン ミュージカル」と幾度検索しても出てこない、あのえげつない写真を見られただけでも行った甲斐はあったかもしれない。

 

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図録。右端に「ミイ(大)」と、ムーミンの背後に「カンガルー」がいる。

 

あとその他トーベ・ヤンソン氏の作品が展示されていて、彼女自身・彼女の生涯についても紹介するコーナーがあった。

アトリエの写真や老後の写真、ムーミン以外に手掛けた作品や来日した時のエピソード、翻訳者達との交流について等々。日本のホテルのメモにささっと描いたムーミンの原画も展示されていて、あれはちょっと凄かった。だって当時のホテルのロゴが入ったままだったもの。

彼女のアトリエは広々していた。そこで四つん這いになり笑顔で映っている彼女の写真が印象的だった。原作は小説もイラストも彼女が手掛けている。原作が完結した後も、積極的にムーミンのメディア展開に積極的に関わる。ポスターや広告の原画を手掛けたり、人形の監修をしたり、ムーミンオペラのパンフレットの原画を描いた、アドベントカレンダー、その他諸々。ついでに長寿も全う。

あー。いいなあと思った。

大抵こういう有名作品の作者って短命であったり戦争で喪失経験があったり何かしら辛いバックボーンが期待されるけれども、彼女の生涯は幸福感に溢れていた。それが良かった。

 

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美術館全景。結構古く、ガタがきている。展示室の壁紙ボロボロなのはマジでなんとかしてほしい。

今回股間大好き美術館長でおなじみの、静岡県立美術館に行った訳なんだけれども・・・混んでましたね。

3月7日(展覧会終了一週間前)の11時くらいに到着したんだけれども、既に人がいっぱい来てて、1時間くらい待たされたもんね。椅子に座って番号で呼ぶ病院方式なのが本当助かった。寝られるので。

こんなに県立美術館に人が集まるの初めて見たかもしれない。バウハウスミュシャ行った時は絶対間違いなくこんなに、人、いなかったて!!

いやぁー・・・それにしても、良くも悪くも「バウハウス」「ミュシャ」「ムーミン」と、かれこれ20年以上は行ってなかった美術館に、3回は足を運んでいる。

股間大好き美術館長発信かどうか知らないが、今年度は特にメジャーな芸術を扱って来客数を増やそうとする意思がひしひしと感じられた。今までは、一体誰が行くんだ・・・と言いたくなるような結構謎な展覧会ばっかやっていたのだけれども、今年度のラインナップはなかなか良かった気がする。ミュシャムーミンの合間にガンダムなんかもやっていたし。

股間大好き美術館長率いる静岡県立美術館、どれどれ。来年度の展覧会はどうだろ・・・と期待込めて年間スケジュールを探す。けど見当たらなかった。

でもああ、どうか頼みます。股間大好き美術館長!なんか今年度みたくちゃんと来る人がいそうな展覧会をまたどうか、来年度もよろしくお願い致します!!

 

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昨年の五月に行ったバウハウス展。すっごいすいてた。僕はこの展覧会で「バウハウス」が人名でないことを知った。

 

以上である。

なかなか良い展覧会であった。混雑を除けば。

でもまぁそれは展覧会末期の週末という日程にしてしまった僕が一方的に悪いわけだし、ムーミンの物語も大まかに把握できたし、

あとまぁやっぱりいくら点と線のイラストといえども生で見るとやっぱ興奮しちゃうよね。カラーは無論もう股間ばっきばきですよ神。

 

 

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LINKS

静岡県立美術館長が「股間若衆」という造語を作り長年芸術作品の股間研究やっている方だと芸術新潮で知った。なんだそのネーミングセンス。

tunabook03.hatenablog.com

 

他に静岡県立美術館で開催されたミュシャ展の感想。何度見てもミュシャはいいよね~。

 

tunabook03.hatenablog.com