4巻出てたのかよ。
にざかな『4ジゲン 4』(白泉社 2015年)の話をさせて下さい。
【あらすじ】
青葉高等学校定時制にはさまざまな生徒が集う。
思春期の少年少女、教育の機会を得られなかったおじいさんおばあさん、
ヤクザ、やべー女、
シングルマザー、おっちゃん、
感情表現をスケッチブックを介してしか行わない無口な少年、
宇宙人・・・。
なんでもありのシュールギャグ学園コメディ!!!
長い沈黙を破りめでたく4巻!!!!
【読むべき人】
・言葉遊びが好きな人
・ギャグ漫画が好きな人
・シュールな漫画が読みたい人
【感想】
気楽に読めるギャグマンガ、4ジゲン。
めでたく4巻が出ていたので、ブックオフオンラインにて買ってみた。
そもそもこの漫画は、TSUTAYAのレンタル落ちで見つけた。
2冊で100円。
ヤスゥイ。
絶対面白クナサソォウ
と思った覚えがある。
だってこの表紙でこのタイトル。
絶対面白くないでしょ。
今見ても、センスがない。絶妙にセンスがない。
なかなかこんなダメ表紙ないと思う。
でも後日、「面白い漫画教えれ」みたいなスレのまとめサイトで、
「4ジゲン」
この名前を数回見た。まじかよ。
あの表紙で?
え、あの表紙で?
アマゾンの評価★3つですけど?(面白かったり面白くなかったりする一番大博打な数値)
どれ。
と思っているうちに、再びTSUTAYAのレンタル落ちコーナーにて並ぶ2冊。
2冊で150円。
ええい、先行投資!!
購入即日2冊連続読破した大学時代の夏休み。
確かに、
まぁ、これは。
「面白い漫画」ですわな。
今作は定時制高校を舞台とした漫画である。
定時制高校。いくらでもシリアスが書けそうな舞台だけれどもところがどっこい今作は全力でギャグに振り切っている。
結構そのギャグも特徴的で、「言葉遊び」が多い。
え?言葉遊び?
言葉をどう遊んでいるの?という訳だけど、
例えば
「ノロい」が「呪い」p.19とか。
「歯向かう」が「ハム買う」p.93とか。
「教われる」が「襲われる」p.94とか。
・・・。
・・・。
・・・。
・・・伝わらない。
いやまったくもって伝わらない。
けどこのしょうもない言葉遊びがこの漫画にかかると滅茶苦茶面白いのである。
キレッキレなのである。
いやまじで。
以下簡単に今巻で好きな言葉遊びだけ簡潔に記しておく。
第三位 「出欠」→「出血」p.54
素直なしょうもなさがいいですね。
第二位 「オススメ」→「オス住め」p.110-111
発想の意外性を突くところがいいですね。
第一位 「劇団四季」→「激男子期」p.69-70
激男子期というしょうもない造語のしょうもない感がたまんないですね。
キャラも個性豊富。
まぁまず他では見ないようなエグい個性を持ったキャラが多い。
エグい個性って何と言われれば難しいけどまぁとにかくなんかエグい。エグみがパない。
ギャグありきの個性というか、
まぁまず他の漫画出てたら一切活躍しないでしょうね・・・というかなんというか、4ジゲン。4ジゲンキャラなのである。
以下簡単に好きなキャラを記しておく。
第三位 宇宙人
宇宙人出てくる回に外れは無し。
今まで読んだ中で一番面白いSF漫画かもしれない。
第二位 一ノ瀬あやめ
しょうもない下ネタの言い回し担当。
特に今巻では「まわす」pp.21-22がキレッキレでしたね。
第一位 死にかけの爺
この爺が出てくる回は間違いなく当たり。
爺を看病する医療関係者たちも良いキャラをしている。
番外編 数学教師
今まで影が薄かったけど「素数」pp.35-36「グラフ」p.99のくだりで、
一気に好きになった。
唯一の欠点と言えば漫画編集者という職業のでぃすりネタくらいかしらねぇ・・・。
2ページくらいそこに割かれていたけど
全然面白くなかった。
そもそもにざかな先生自体あんま有名じゃないから
内輪ネタやられてもキツいーんだ。
以上である。
とにかく、この面白くなさそうな表紙からは想像できないくらいめちゃくちゃ面白いのでおススメ。
絵もとても見やすい所謂レディースコミック風イラストなので、
結構老若男女問わず面白く読まれる漫画なのではないか。
テレビ東京とかで深夜ドラマやってほしいわねぇ・・・。