小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

星野源『いのちの車窓から』−思ったより綺麗だった。-


うーん。
別に僕は君のそーいうところを見たいわけじゃないんだな。

星野源『いのちの車窓から』(KADOKAWA 2017年)の話
をさせてください。



【あらすじ】
歌手・俳優・エッセイストエトセトラとマルチな才能を発揮し続ける星野源
病み上がりの2014年から恋ダンスが流行した2017年まで、
ダ・ヴィンチに毎月掲載された、エッセイ集。

【読むべき人】
星野源の正体を知りたい人
・傷つくことを恐れ妄想に逃げる青き若者
・趣味、仕事共に自らの「好き」に疲れた人

【感想】

地元に戻り、テンシュツトドケウンヌンよくわからんことをシヤクショで手続きをし、ついでだからとついつい寄ったTULLY'S COFFEE。
ここあらて!甘い!ホイップ!ちょこれーと!
心中わくわくしながらオーダーを待っているとふと目についたのは、
店内のど真ん中に位置する本棚。
そこに立て掛けてあったのが本作。
ヒットした、知ってる。星野源、知ってる。エッセイ書く、知ってる。読んだこと、ない。
2時間弱で、読みきった。

面白い。ヒットしたというのもわかる。
でも僕の期待通りかというと微妙である。
「なんでもこなすさわやか好青年だが、下ネタがえぐい」
という僕のイメージよりかなりこの本かけ離れている。
なんというか、思ったこと以上に「綺麗事」が多い。病み上がりから始まったエッセイなので仕方ないが、ちょっと肩透かしを食らった。
あとがきで星野さんはp.195「これを伝えることで、こう思われたい」というエゴやナルシズムを削ぎ落とした文がプロ中のプロ(要約)と述べているが、
じゃあこの人はプロではあるが、プロ中のプロではないんだなと僕は正直思ってしまった。

読んでてとにかく、息苦しいのだ。
例えば「電波とクリスマス」の貧乏時代。hotelでの両親の会話の描写。「人見知り」における羊との関係性。
なんかどうも綺麗事だけ抽出したようにしか思えない。
僕は正直
電波とクリスマスにおける貧乏アパートでの分のめ方だとか
hotelでささやかにしかし確かな熱情もって交わす両親のピロートークとか、
人見知りにおける羊との下ネタの交わしあいだとか、
そういった下ネタを期待してたんだな。
細かいところまで綺麗事が詰まっていたから、正直息が詰まった。
ぜえぜえである。下ネタisどこ。

その一方で魅力的な部分も多い。
「人間」における死生観。よく聞く言葉を一歩踏み込んだ内容にはハッとさせられた。
「yellowVOYAGE」における物事に取り組む時の価値観や音楽愛。
「恋」における季節感「人見知り」の言葉「いのちの車窓から」の意味エトセトラエトセトラ。
うんうんなるほどと、音楽を仕事にしていない99パーセントの読者も共感するような、惹かれる綺麗事も多い。きっと書き手がが日々の出来事に丁寧に向き合い、丁寧に文章を書いているからなんだろうな。
多分この人は真面目なんだろう。よく見りゃ顔もそんな感じだしうんうん。真面目はスケベだっていうしうんうん。
でも僕が読みたかったのはしもね(ry


この下のごちゃごちゃした部分かわいくない?かわいいよね

結論、丁寧で面白い文章であったけれども、綺麗事が多すぎてちょっとうんざりした。
・・・まぁなんだろうな。下ネタ下ネタ言ってるのは星野源ではなく僕だったという事だ。20代半ばで下ネタ下ネタ言ってる無職。ぱねぇ。
ちなみに僕が好きな章はこの3つ。

いち。「柴犬」。どこが好きかというと、冒頭の柴犬の描写。可愛い。とにかく可愛い。僕もパスタをつるーんと一本、落としたくなる。つるーん。
に。「怒り」。オカモトズのハマ・オカモトが出てくるのだが、二人が怒る内容が下らなくて好き。ちぎりパンの考察が特に良い。ちぎちぎ。
さん。「夜明け」。夜更かしの圧倒的肯定は月曜から夜ふかしどころか月曜も夜ふかし」の夜派の僕の胸に響いた。

また、「SUN」の制作秘話や「寺坂直毅」さんとの紅白裏話等
星野源についてさほど興味な・・詳しくない僕でも興味深い内容は多かった。
イラストは、ちょっと表紙と中身の印象が違いすぎるので気になる人はぱらぱらめくった方がいいかもしれない。表紙は好き。表紙は。
1200円でここまで星野源を堪能できるのであれば、良質なエッセイ本ではなかろうか。
「2」は下ネタ入りVerも出してくれないかなー。1500円までなら出す。無職だけど。

 

***

 

2021210

社員を経て今僕はフリーーーーーターーーーです。クソ。社会適合できない。

のは僕だけではなく、店もだったのか、この清水駅前のタリーズは3年くらいでつぶれてしまいました。

静岡で唯一本棚があるチェーン店カフェだったのに。(コメダを除く)

この頃がっきーと結婚するなんてみじんも思ってなかったんだろうなぁ。僕もまさかこんなに社会に不適合だなんて思っていなかったよとほほ!!!!

あと文庫化が発表されたってね。

星野源の他の本は全然読んだことないので、読んでみようかなぁ。これを機に。

最近だと売れてるからか100円コーナーにあることも多いし。