小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

齋藤孝『コメント力 「できる人」はここがちがう』-一言で、全てが変わる?-


「おいしい」「絶品」「幸福」「美味」
の表現からそろそろ僕は抜け出したい。

齋藤孝『コメント力 「できる人」はここがちがう』(筑摩書房 2004年)の話をさせて下さい。



【あらすじ】
発した一つのコメントが、
部下の成長に繋がったり上司からの評価をぐっとあげたりする。
キャリアを左右しかねないコメント力を鍛える方法を、明治大学文学部教授である齋藤孝が教える!!

【読むべき人】
・語彙力の欠如を感じる人
・コピーライター目指す人
・お笑い芸人、コメンテーター、「宝石箱や〜」言う職等日々コメントが求められる職業についている人

【感想】
僕はこの本買っていない。
貰ったのだ。
残念ながら転職先が決まらず、横浜から静岡に帰る際その挨拶もかねて
行きつけの喫茶店(そうこんな僕でも「行きつけの喫茶店」とかいうオシャンティー極まりないスポットがあったのである)
行った際に本棚から「一冊記念に貰っていいよ」といわれ手に取ったのがこの本だった。

何故この本を手に取ったかというと、まぁ著者名である。
齋藤孝
僕は前職塾講師で国語も担当科目に入っており
もうそりゃぁ星の数ほどの説明文・物語文・小説文読んだわけなんだけれども
この人の説明文はわかりやすいなー、
何言ってるか明確だなー
でも説明文とか書いてるから変態だなー

と漠然とふわふわ思っていた。
それでまぁ手に取った次第である。
でもまぁ、あのよくわからん古書のラインナップにあったからで、
特段「斎藤さんだ!!!ひぃやっはーーーー!!!大好き!!!斎藤さん!!!だいすきぃぃぃぃ!!!はげらっちょ!!!!!」ではなく
「あ、この人そういえば」
みたいな感じて手に取ったのである。うむ。

ようやく読破したわけなんだけれども、
ふむ。面白い本だった。


この鳥さん、めっちゃ気に入ってる(小声)

第一章実践的。
コメントする際のp.30「それをやっている人がどこにエネルギーを一番注いだかに注目すればよい」ポイントや
p.34「お得感をもたせるには具体的な引用が必要」
p.46「トレードマークとなるセリフの重要性」
読んでいて勉強になる。
特にp.38のコメント分析表は、フリートークがいまひとつ苦手な芸人さんには必ず読んでもらいたいくらい。
そしてそれら全部踏まえての
p.49「自分はどの立場で言っているのか、誰に対して言っているのか、その立場性を頭に入れながらコメント」するという原則は常に僕も頭にいれとこうと思った。
例えば面接のときは僕は半年者無職経歴のあるしがない転職者であるし、
スイパラのときはいきなり「会おう」と言った女友達、
バイトの登録会では無職のあほそうな20代女
そしてここでは一人称「僕」とか使っちゃう痛いラーメンバカ
他人からの視点を大事にしてこそコメントをしていきたいですね。

で、第二章は、コメントクイズ大会。

例えば:ちりも積もれば□となる □に入る言葉を考えてみよう!

といったようにコメントの一部を空欄にしたページが続く。
様々なコメントが抜粋されている。
メダリスト、映画評論家、立川談志の食後のコメント、エトセトラエトセトラ。
それぞれのコメントにくっついている齋藤さんの解説も丁寧。
類似した他のコメントをたくさん「具体的な引用」をしていて説得力がある。
特に印象的だったのはpp.84-86「去るも地獄、残るも地獄」
誰も聞いたことあるであろうこのセリフ。
こんな状況で発せられたものだったのか・・・。
ちょっと驚いた。まさかプロじゃない人が発したものであろうとは。

第三章は発展編。
第二章より長いコメントを解説しながら、ポイントを提示。
内容も少し難しくなっている印象。コメンテーターや評論家の人が読むといいのかもしれない。
最後には初心者でもすぐ実践できるフレーズ集も。
p.169の味に関するコメントは参考になる。
やはりラーメン大好きまぐろどんとしてもだな・・・。

第四章は個性の強いコメント集。
エースをねらえ!」「スヌーピー等作品(の作者)の顔が見えるような
素晴らしいコメントを紹介。
特に天才バカボンのパパのpp.194-204「〜なのだ」力は、
僕もぜひ身に着けたい。
うーむ。
僕も自分の生き方を暗示できるようなコメントをできる大人になりたいなーと思いました。
3文字で、生き方が変わりそう。

以上である。
第一章でコメント力の説明と身に着け方、第二章はクイズで例示、第三章第四章は発展編。
みたいな感じ。
文章自体も読みやすく非常に面白い本ではあったのだけれども、
この本を読んだところで「コメント力」が身につくかというと
まぁ微妙である。
第一章はそれこそ実践的であるが、第二章からはメインがコメントの紹介にすぎない。後半は発展編。
第一章の最後にコメント力を身に着ける際のポイントをまとめるページがあれば
まだ身につけられるより高度な内容になったとは思うのだけれども・・・。
正直第二章からはエッセイ成分も多く含んではいるので、
自己啓発」の延長で買う際にはぜひ注意してもらいたい。


木の枝のとこがマグネットになってるんすよ。

ちなみにこの本シリーズらしい。
「段取り力」「質問力」。なるほどなーー。
目にしたら買おうかな、とは思う。
僕力ないへにゃへにゃなので。