小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

中山昌亮『後遺症ラジオ 3-4』-ムチっとバリバリ。-

 

 

 

 

なんだろうなぁ・・・不安の種は一話一話で不安の種だったじゃないですか。

これは6冊まとめてまるごと超絶巨大の不安の種。

って感じかな。

 

 

 

 

 

 

いや、ラジオなんですけど・・・もしもし、きこえますか?

 

 

 

 

 

 

中山昌亮『後遺症ラジオ 3-4』(講談社 2015-2016年)の話をさせて下さい。

 

 

 

 

 

 

【あらすじ】

『不安の種』なら・・・まだ手に負えた。

鼓膜を破ろうが・・・眼球を抉ろうが、

この放送から逃れる術はもはやない!!

3巻帯より

 

日常の罅割に・・・・・・滲み出る

無窮の暗闇を・・・・・・這いまわる

化膿した患部から・・・・・・迸る

眼球の裏側で・・・・・・北叟笑む

ーーー人外の遺物が齎す”何か”を『不安の種』の中山昌亮が描く・・・。

4巻帯より

 

【読むべき人】

・髪フェチ:アクティブな髪の毛(なんと頭部つき!文字通りの出血大サービス!!!)が見られるよ!!!

 

 

3巻(2015年)はバーコード在りますが、4巻(2016年)は消えてます。
講談社がシールバーコードはじめてもう6年たつのか・・・。

 

 

【感想】

どんどん物語があっちこっちで繋がり始めて面白くなってきましたね。確かにこれは時系列順に並べたくなる。並べてコンビニコミックで出版してほしいわ頼むよ講談社

そして当たり前だけど、巻を重ねるごとにどんどんどんどん現象が悪化していく。多発していく。

この2冊から、ピクミンみたいな小さいのがわさわさ出てきます。ピクミンは可愛くて無害だけど、でもこれらはかわいくなくて結構有害だから困る。

 

あと2冊読んで思ったのは、やっぱり中山先生の真髄は顔芸にありますね。いや怪異現象自体も怖いんですよ。当たり前ですよ。ド派手にしかも画力高くバーンバーン結構な頻度でやってくれるんですから。

でもその中でも、一通りぱっと浮かぶのは、不気味な顔のドアップなんですよね。1-2巻の全部髪の毛ブシャーの人形といい。あとつるっぱげの眼球ぎょろぎょろのあの顔といい。

なんだろうなぁ・・・表情が上手いのかなぁ。多分人間単体の画力で言えば、そこまで優れている訳では無いと思うんですが、でも怯える人間の顔も凄い表情が豊かなんですよね。

「恐怖のにらめっこ漫画」て言ってもいいと思います。まぁラジオ、ってタイトルに憑いちゃってるけど。「後遺症ニラメッコ」の方が内容的には合ってると思う。

 

 

この表紙は手描きなの、地味にすごいと思う。画像じゃわかりにくいかもだけど。

 

というわけで、この2冊で好きな顔のドアップランキング、発表します。

 

第一位 3巻p.56の女の顔

こういうぱっちり目、無理。口元も何気にポイント高い。なんでそんなに歯がちいせぇんだよ。鮫か?

第二位 4巻p.158の寝顔

4巻最後に収録されている顔です。入る、んじゃなくて出てくるってもう手遅れじゃん。人間は寝ている間にゴキブリを何匹か食べてるだの食べてないだのって言う話を思い出した。

第三位 4巻p.101の日本人形

まぁこの後へんがお・・・怖い顔になる訳ですが、勿体ない。そのままの君でいいんだよ。

第四位 3巻p.100の村人の顔

顔が血管浮き出て、バッチバチに割れているのが怖かった。引っ張られる系より、割れる系の方が僕は個人的に、すこじゃないですね。すこじゃない、もっとやれ。

第五位 3巻pp.6-7の包帯男の顔

予想外だった。絶対血で汚れてこっち眼球ぐりぐり見てるんだろ~?と思ったら違った。この2ページで一気に引き込まれた。順番びいきも多少入りながらのランクイン。

 

番外編 ちょっとびみょーで冷めた顔

4巻p.18から出てくる笑っている白い顔

これはネットのある有名な怖い画像にそっくりですね。特に口元が。オリジナリティが他の顔と比べて感じられない。ましてや、「不安の種」含めてここまでオリジナリティあふれる怖いの生み出し続けてきた中山先生がこんな・・・こんなネット画像を想起させる顔を作るなんて・・・とちょっとがっくりきた。

確かに、1-2巻で出てきた目ばっちり顔も、立花夕子氏の作品を想起させることもないことはないが、あれはあれでつるっぱげ虚空の目あとつるっぱげという強烈なオリジナリティがあったから良かった。けれどこの顔はちょっと・・・あまりにも似すぎてない?

 

 

 

 

以下簡単に各巻の感想を記しておく。ねたばらすかもしれない。

 

 

 

まさかの裏面群青色なんだっていうね。

3巻。

どうでもいいけど表紙かなりセクシーだと思う。

一番の見どころは、やっぱり、33.95NHzで、坊主3人と神主の話が繋がっていることが判明する部分かなぁ。言われてみればそうなんだけど、あっ!!って思った。まさか1巻で衝撃的に死んだ神主が巻き戻って元気な姿で現れるとは思わなんだ。あと顔全体割れてるお人形とも再会できたのでそれは良かったです。

それと、後半の65.03NHz。これも1巻のそことそこが繋がるぅ~?!ってなった。あと呪いが物騒過ぎてちょっと草。みんな死んでんじゃん。あと、1巻で出てきた飛び降り自殺がどうやっておぐしさまに関連するのかな?とは思っていたのですが、ああそういうことだったのかぁと謎が解けてすっきりした。

 

不安の種のように、一話単体で読める話も結構ありましたね。

一番ぐっときたのは26.92NHz。最後ちょっとぞっとした。これ、彫られてるところって学校ですよね。ということはこのエピソードが時系列の最後の方にくるってことかな。廃村となった村を訪れて・・・ってことですよね。

あと、75.32NHzも実話怪談みたいで良かった。あとゴリラ顔。特にpp.110-111の2ページは圧巻。ただこのエピソード、どうやっておぐしさまと関連するのか皆目見当がつかない。ゴリラとおぐしさまの関係とは!?

あと53.78NHz、これも実話怪談として成立しそうな単体でも楽しめるタイプでしたね。出てくるのが髪の毛どふっさーなことから、まだおぐしさまとの関連性が深そう。最後の一ページが切ないよぉ。

1-2巻と比較すると結構ぐいぐい読めたかな、感。恐らく上記のように単体で楽しめる話が散らばっていたからこそ、読み易かったってのもあると思う。

 

あと1ページ目の片目隠してるねーちゃん美人過ぎ。

 

 

 

やっぱり帯が良い。

4巻

一番表紙がグロテスクですね。地味に右のねじのぶつぶつ感が気持ち悪い。ニキビか?

 

特に気になったのは以下の二部分。

一つ目は、57.48NHz、49.11NHz。中山先生の絵の欠点のひとつに、人物の書き分けが出来てないってのがあるんですよね。3巻に出てきたゴリラのように主要人物を分かりやすく記号化してほしかった。この話に出てきた男が誰か全然分かんないんですよ。そもそも同一人物なの?違う人物なの?すら分からない。多分1巻2巻で彼女ともめていたヤツだとは思うんですが・・・。え?だとしたらヤツは死んだってこと?となると、ちょっと衝撃的。そして登場人物が死んで来るとあれだな・・・一気に邦画ホラー感でてきたな・・・。それと、目と口にゆで卵ツッコんだようなあの顔は、「不安の種1巻」の表紙を思い出しますね・・・ちょっとノスタルジー

二つ目は37.61NHzまさか寺社関連のハゲ二人目と会えるとは思わなかったぜ・・・!そしてハゲってことは多分3巻にも出てきたあの3坊主のうちの一人、ってことかな。それがちょっと気になった。

 

単体でぐっときたエピソードは72.56NHz。お人形が可愛いんよ。でも話の内容もなかなか不気味。ええ・・・どんだけ主人のこと好きやねんとはなったけれども。あとやっぱ、人形が可愛い。

あと46.54NHz。これも怖くないことはなかったけど、なんかめちゃくちゃ汚い夏目友人帳やんってなった。友人でも何でもないけどさ。

 

 

 

ちらっ★

 

 

この漫画には、1-2巻き同様随所随所にポエムがある。本シリーズの根幹となる謎を解き明かしてくれるかもしれない、と言う訳で、今回も律儀にここにメモしておく。

 

3巻

低くそびえ立つ塔を仰ぎ

広く閉じた両の腕で

澄みわたる曇天を泳いで渡る

鉛の窓に広がる光景は

下へ下へと立ちのぼる紫煙に似て

山の浅瀬を寄せては返し

崩れては粗合われる人形を映す

冷たく湯立つ釜の水

黒く爪先を温めて

頭上高く滴り落ち

間近の遠くを照らして

遥かな目先を失わせる

覆い隠して明らかにする月明かり

欠けては満ちるに飽いている

誰ぞ止めてはくれないか

誰ぞ止めてはくれないか

空に隠くるには忍びない

 

4巻

闇夜のカラスを目印に

踵から前へと歩を進め

傷一つ見えない戦地にて

一粒の米に七つの領地を奪い合い

神の意を説いて廻る泥棒達と

降り止まぬ教祖たちが川となり異臭を放つ

呪いの地と毒づきながら、その地に棲みつく赤ん坊

無限に続くおかわりは

イタダキマスもゴチソウサマも響くことなく

穀倉を汚す悦びだけを糧に

怒りの表情で笑っている

剥き出しの汚らしい歯からは

臭い息と偽の正しき行いが吐き出され

他人の家を売る妄執にに飽く日は来ない

 

1-3巻の途中まで、一行で矛盾する言葉が続いていましたが、どうやら3巻の「誰ぞ止めてはくれないか」の反復法を用いた地点でひと段落、といったところでしょうか。

4巻からは新しいポエムが始まっている気がする。矛盾する言葉がないから。でも4巻単体で見てもポエムの意味は今ひとつ分からないですね・・・どうやら農地と赤ん坊が関係してるっぽい?

4巻の後半、黒いページとなっている所謂「過去篇」みたいなのがあるのですが、そこに根付く詩ということでしょうか。

 

ちなみに黒いページ・・・といえヴぁカラスヤサトシ先生の「いんへるの」思い出して懐かしくなっちゃった・・・2巻電子書籍でしか出てないんだってね・・・どうしようかなあ。どうしようかなあ。

 

 

 

 

 

エロい(確信)

メガネかけたら一気にうぜぇ学年主任感でてきたな

 

 

 

 

以上である。

3-4巻はスピーディにしゅるるるるっ!!!って感じで読めた。

意外なところと意外なところが繋がるエピソードが多かったりしてそこも楽しめた。

5巻も楽しみ。なぜならメルカリで1-5巻のセットでしか買ってないので。最終巻の6は未だに手元にない。

 

 

 

 

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そういえばこの前ANNのスペシャルウィークがあって、三四郎のANN0はゲストが星野ディスコと四千頭身・都築と聞いて「絶対微妙じゃん~」と思ったらめちゃくちゃ神回で驚きました。逆にマヂカルラブリーのANN0はゲストがZAZYときいてめちゃくちゃ楽しみにしていたのですがめちゃくちゃ微妙で驚きました。そういうラジオ話をしている記事一覧ですね。

 

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