うーん。だいたい15年ぶり？
【概要】
名古屋にある空港。
なんか僕（２８ちゃい）が小学5年か6年くらいの時できた。
【行くべき人】
・名古屋の人
・名古屋に行く人
【感想】
僕が初めてセントレアに行ったのは、小学校6年の修学旅行の時だった。毎年、僕の小学校ではディズニーランドが小6で行く修学旅行の定番だったのだけれども、僕の年だけイレギュラーで名古屋になった。みんな喜んだ。あの、「愛・地球博」に行ける！よく分からないけれどもテレビであの盛り上がっているイベントに行ける！！ということでぼくたちはとても盛り上がった。しかし2日間まるまる愛と地球、というわけではない。1日目そう修学旅行は一泊二日。一日目が肝心なのである。
そこで行ったのが、名古屋港水族館と当時建設されたばっかで新しくて希望でキラキラしていた「セントレア」だった。
セントレア。カタカナ語文字のその響きはとても洗練して聞こえて凄いと思った。凄い。名古屋凄い。都会は凄い。セントレア。セント・レア・・・。実際行って凄いと思った。ここが空港なんだと思った。（覚えている限りの）人生で初めていった空港だった。こんなに大きいんだと思った。外で飛行機を見た時は感動した、はずだ。（うろ覚え）
ところが現実と言うものは非情で現在28歳フリーター（喪女・アイドルオタク）の僕は「セントレアに行った」ということしか覚えていない。その他をほっとんど覚えていない。何なら愛・地球博の小学校単位の抽選で当たってん全員で見ることが出来た「冷凍マンモス」すらうろ覚えだ。一番記憶に凝っているのは、宿ホテル部屋で「電車男」のドラマを見たことだ。にんじんを腰にたずさえたニーナが動き回るOP。ドラマでのアニメのOP起用と言うのは当時はとても新しくて、僕は息を呑んで見入った。あ、あと名古屋港水族館はなんかすごいってことは覚えてる。
「誕生ーセントレア」（0歳-12歳。12年間）期間より長い「セントレアー喪女」（12歳ー２８ちゃい）のノン・セントレア期間の方が長い。だからもう一生行くことないのかなぁと思ってたけどまさかこれだけの長い期間を経てセントレア・アンコールをぶちかますとは思っていなかった。
櫻坂のツアーの愛知公演が当たったのである。
しかも会場はセントレア横のホールというではないか。
このノンセントレアの16年間・・・・思いは募った。セントレアはどんなにキラキラしていることだろうどんなに大きくなっているだろうどんなに素晴らしいものになっているだろう。わくわくした。何せ東名阪の一つを担う空港である。成田羽田空港のように大きくなくてはならない。ワクワクさせるものでなくてはならない。
だから、正直今のセントレアに行ってがっかりした。こんなに、こんなに小さい空港であったのか。
改札から空港に直結していた時の興奮は凄かった。もう空港の中に駅がある状態で衝撃だった。でもここがピークだった。
午前10時とは言え閑散としている。
受付のお姉さんに話しかける。
「買い物のエリアとかはありますか？」
「あのエスカレーターを昇った先にありますよ」
デパートの1フロアにも満たないスペースだった。10分で回れた。
約一時間の班行動で全部回り切れるかなぁ！！と思った覚えがあるけど、今じゃそれだけの時間があれば五周はできる。匍匐前進で回っても1時間で回り切れる自信がある。
でも始発で来てしまった。午前10時。
もっと・・・もっとでっかい空港かと思っていたのである。
ライブは夕方である。それまで時間をここで潰さなくてはならない・・・。
とりあえずひととおりまわった。（外国）観光客向けのお土産屋のサンプル屋があった。ひとつひとつきらきらしていたけどなんてことはない。とか言いながら、自分の土産用にお土産のマグネットを一つだけ購入。
スタバがあった。テーブルとイスがフロントラウンジに置かれていて僕は座ってしばらく本を読んで時間を潰した。途中居眠りもした。覚めると12時、結構人が来ていて安心したけれど、でも僕の期待する程ではない。コロナ禍か。
ええ～他に時間潰せるものないのとマップを見ると温泉、の文字がありおおこれはと思ったが営業休止中のことだった。コロナ禍か。コロナ死ね。
TSUTAYAがあった。一周する。当たり前だが静岡の本屋と大して変わらないラインナップ。空港に付随しているためかむしろバランスの良さを重視していて、どの分野の本も満遍なくある。特に目を見張るような本はなかった。飛行機好きの乃木坂の鈴木絢音の写真集あるかなと期待した。まぁ、なかった。
ついでに無印良品で買い忘れた下着類と途中でなくしたヘアゴムを買う。
ああそうだご飯を食べていなかったわ。ロビーに出るとピアノが鳴っている。よく駅のホームとかに置かれている「公共ピアノ」とかいうやつだ。櫻坂の「なぜ恋をしなかったんだろう？」が永遠に流れている。
「すごいですね」
旅先特有のハイ・コミュ力で弾き手に話しかけると、藤吉夏鈴推しとのことで頷けた。だから藤吉センターのその曲永遠に弾いてるんだね。
一曲「Nobody’Sfault」をリクエストしたけれど確かにそれもハイクオリティだったが「なぜ恋」と比べるとかなり落ちる。まぁあの曲藤吉ＭＶでもあんま目立ってなかったしな。3rdシングル「流れ弾」が発表された今では、藤吉の初・ユニット曲「ジャマイカビール」を猛特訓中なのかもしれない。
フードコートのような場所があり様々な店が並んでいるがどれも静岡にもある店でうーんと思いながら見まわすとココ壱があった。「日向坂」も嗜んでいる僕は一直線にそこに向かい久々にココ壱のカレーを食べた。昨年は、キャンペーンやらなかったな。何なら今年もやらなかった。日向坂が大きくなりすぎてしまったのか。単にココ壱の方向転換なのか。当時のおまけのコースターは今も持っている。井口が2枚でた。井口は元気でやっているんだろうか。
通常の店舗では1辛～10辛まで小刻みに選べるのに、ここでは甘口中辛辛口しか選べなかった。中辛にした。美味しかった。普通だった。
本を開く。喧噪。勤務先のショッピングセンターの喧騒と何が違うんだろうか。
小さい。
小さかった。
痴呆のショッピングセンターのフードコートより小さい。
小さい。
小さいなー。
ＬＩＮＥ：ねぇ、なつみ、きいて。今ライブで愛知来てる。ここどーこだ？
ＬＩＮＥ：え？どこ
ＬＩＮＥ：セントレアでした～修学旅行以来行ってないよね！！？？
ＬＩＮＥ：へー
ＬＩＮＥ：なんか今見るとねー規模めっちゃ小さい！！！びっくりする。エスパルスドリームプラザみたいだよ。
ＬＩＮＥ：そんなことはないでしょ
ＬＩＮＥ：写真もちょっと送るね。
ＬＩＮＥ：あ、ふーちゃんじゃん
到るところにいるこのキャラクターの名前を、友達は明確に覚えていて僕はビックリした。右脳がキッコロ、左脳モリゾーの要領で僕はこいつの存在自体をすっかり忘れていた。
やっぱ国立大理系の頭脳と私立文系の頭脳ってココが違うんだなぁと謎の学歴コンプレックスを発症した。
気分転換に外に出る。すると飛行機が見えるようになっている。コロナでも飛行機は運航する。様々な飛行機が動いている。着陸、離陸は案外しない。動いている。
肩車をされた子供がはしゃいでいる。老夫婦が肩を並べて見ている。コロナでも人々は飛行機を見にデッキに行く。まぁ僕も何ですけど。
空は快晴。晴れている。9月。風が強い。
僕は2－3分で飛行機から目を離すとスペースの真ん中にあるベンチに腰を下ろして文庫本を開く。
誰かが歓声を上げる。誰かが誰かを呼ぶ声がする。子供が飛行機のおもちゃを持って走る。外国人の妙齢の女性が通り過ぎていく。おっぱい。風が強い。
集中はあんまり、できなかった。
けれど気づいたら時計は15時を指しておりああそれならと空港に戻るとちらほらとTシャツを着た同志が目に付いた。
「櫻坂46ライブ会場はこちらです」赤い矢印に向かって、人々はゆるゆるとその方向へ向かっていく。
「僕も！！！！」
心の中で叫びながら僕はその流れに緩やかに乗る。
エスカレーターを降りて、改札の前を通る。会場へ向かう連結通路へと向かう・・・その間多分5分にも満たなかった。
小さい。
小さい。
なんて小さいの、セントレア。
もっと大きくなると思っていたのに。
ああでも、違う。違うんだ。
多分僕が大きくなってしまった。
ええ！！？？サンプル屋さんがある！！！外国人さんの御土産用かなぁ！！！わぁすっごい‼‼‼売られてるのアンなんて初めて見た！！！！わぁ！！！スタバ！！！ふらぺ・・・ふらぺなんとか！！！！女子高生が飲んでる奴頼んでみようかなぁ・・・でもうまく頼めるかなぁ・・・緊張するなぁ・・・！！！！！無印良品！？大人のお店だ！！！！え！？？待って何あのかやらくたー！！！！「フーちゃんかわいいね！！！」え！！？ピアノにも描かれてるの！！！お兄さんピアノ上手いねすんごいね！！！ピアニストにならないの！！？？どうして！？？？あ！！！あ！！！！空港だ！！！そうだ！！！！飛行機、初めて生で見た！！！すっごい！！あ！！！嘘！！！！2歳の時乘ったらしいから初めてではないかもしれない！！！でも！空の下動いててすっごい！！！なかなか見れない！！！びっくりした！！！え！！！カレー屋って初めて来た！！辛さが選べるの！？すっごい！！！！
きっとこれからたくさんの人が来てどんどんどんどん大きい空港になっていくんだろうなあ！！！夢と希望のセントレア！夢と希望のセントレア！！
12歳の僕だったらきっと大興奮してたと思う。
当時静岡県には空港が無かった。多分空港ってだけで超興奮してた。
でもセントレアは今の僕にとってはもはや、普通の空港だった。中規模の、普通の。後の州っ学旅行卒業旅行で死を運んだ成田・羽田空港を、僕は知ってしまった。
セントレアは、残念ながらもはや「地方空港」の一つとなり果てていた。コロナ禍なのかあいているテナントもいくつもあった。スチュワーデスもいなくてグランドスタッフもいなかった。
閑散としていた。
抜け殻のようだった。
それは、まるで今の僕みたいだ、って思った。
多分12歳の僕は普段のテストで勉強しなくても90点100点叩き出せることに自信を持っていたんだろうノリで中学受験をした。テレビを観ながら勉強した。初めての面接は緊張した。まなちゃんは落ちたけど僕は受かった。６年間公立の中高一貫教育を受けた。高校受験ではなく目指すは大学受験だった。中学１年の初期のテストでも僕は何もしなくても1ケタの順位をとれたからそれをキープしないといけないって思った。完璧主義だった。怠惰なのに完ぺき主義だった。それを無理矢理6年間引き延ばした。最後の1年間なんて夜勉強して授業中撥ねるもうよくわかんない生活だったけれども親を絶望させたくなかった。いや僕は僕に絶望したくなかった。だからMARCHの一般で引っかかった時は本当に心から安堵したし国立大落ちた時はもうずっと引き篭もって泣いた。なつみが旧帝の一つに受かったという話も聞いてますます凹んだ。無事私立文系キャンバスライフは十分に満喫できたものの社会にうまく適合できず結局パートで静岡に戻ってぜえぜいいながら心療内科の薬を食べながら生きてる。
いい大学いったらそれなりに働けてそれなりに恋愛できて30までには結婚できると思ってた。処女かよ。
ああ。
12歳の僕が抱いた夢と希望にみちみちたセントレアが存在しないように、
12歳の僕が抱いた夢と希望にみちみちた僕は存在しない。
幸運なのは、セントレアが今の規模で満足しているように、僕も薬をぼりぼり食べているからか今はさほど悲観をしていないところだ。お金はないけどまあまあ幸せ。ひとりだけれどまあまあ幸せ。精神不安定だけどまあまあしあわせ。時々死にたくなるけど。
あの時夢見た「■■年後の僕」は、あのマンモスと共に冷凍されました。なのでこの時代には実在しまs年。
ああ。
あのOPの中で人参ターボを担ったニーナは一体どこへ向かったのだろう。
ねえ、僕をその背中に乗せてくれないか。重いというなら、何も食べないから。錠剤しか食べないから。ぼりぼりぼりぼり食べるけど多分それはカロリーないから。
セントレアが小さく感じたのは僕大きくなったからじゃない別に僕は今も小さいままで、愛にあぶれて、地球で一人ワンルームで一人、まなちゃん結婚報告のインスタグラムを見て、眠れない31時半、要約僕は布団にもぐる。なつみはバリバリ働いてる。アイドルがk好きと言う共通項でぎりぎり保たれた関係。宮廷院卒業界大手の研究職っていったいお給与いくらなんだろう。僕（10万円強）の3倍は貰ってそう。
あの時僕達は同じ冷凍マンモスを見たはずだったのにね。
以上である。
飛行機乗って、どっか行きたい・・・夢を抱きながら、墜落するように僕は本日も怠惰なる無意味なる一日を無理矢理幕ひくように眠る。
もう二度と行くことはいかもしれないけれど・・・なんか久々の君を見たら寂しくなったよ。
とか言いながら30枚以上の写真・・・めちゃくちゃ空港というものに興奮していたことが分かりますね。
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その時言ったライブのレポート。こっちはまぁ最高でした。
