アラサーがとまらない!!!
サブカルチャーが止まらない!!!
「しかし大人ってなんだ 果たして私は大人なのか」p.154
タカノンノ『ショートショートショートさん2』(KADOKAWA 2020年)の話をさせて下さい。
【あらすじ】
褒められたい‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
アラサー女子のセキララな本音を描く話題作、
待望の最新刊
帯より
【読むべき人】
・サブカルクソ女
・20代後半のサブカルクソ女
・女性誌に掲載されているエッセイ漫画的なのが好きな人。
「an・an」の近年カオス極まる白黒ページ連載によく馴染むと思う。
・インドア派
【感想】
漫画を齧る。映画を齧る。書籍を齧る。
それでもずっと寂しいのは何故。
みんな大好きアラサーサブカルクソ女日常漫画・ショートショートショートさんの2巻である。待ってた。
救済。救済の漫画である。
サブカルクソ女でいていいんだよ・・・。ツイッターしててもいいんだよ・・・。
肯定。肯定の漫画である。
彼氏がいなくて貴女が楽しければいいんだよ・・・。ツイッターしててもいいんだよ・・・。
2巻も引き続き私を包んでくれた。
1巻があまりにも良かったから、あとこういうSNS発漫画ってなんだかんだ売れないって聞くから、2巻以降はダレるかなと思ったけど、そんなことはなかった。
むしろ2巻の方が「濃い」。
理由は主に2つ。
パロディネタが多くなった。
読者のサブカルクソ女なら必ず知っているであろう映画・キャラのネタが盛り込まれるようになり読んでいてニヤニヤ。
やっぱり六つ子の映画いいっすか!?僕も次男推しで、でもまだ見てないので、やっぱ見なきゃだよなあ・・・。ぼやぼやしてたら3期始まっちゃうし。
あと聖地巡礼ネタは笑った。一人で浸っているのが最高に楽しい。最後のコマが秀逸。ああああ。
アラサーの「寂しい」によりフォーカスした。
大学時代薄く想いを寄せた相手とのデートや、逆にや〇マンである黒田の満たされない想い、アラサー教師の充実しながらもソシャゲで一日潰える休日・・・。
多分誰もが思い当たる、「寂しい」。
それと上手く折り合いをつけて生きる彼女は、やっぱり最強で自由で「師匠」なのかもしれない。
「寂しい」に翻弄される我らがショートさんとは真逆の存在。
でも多分彼女も人間だから多分抑えられない「寂しい」があるはずで、
そこが後々の展開に出てくれば嬉しいけれど、どうなんだろう?
ショートさんと互いの「寂しい」を埋め合うレズ同人誌もあれば嬉しいけれど、どうなんだろう?
「奇抜も普通も好きだよ 素敵かそうじゃないかだけが問題さ」p.77
以下簡単に各話について記す。
ショートさんと焦り:地方在住者なので、こういうエピソードのが刺さったりする。
ショートさんと髪:なんだかんだお洒落な美容院に恐怖心を抱いているのでこういうすたれた美容院の安心感に癒されたりする。
ショートさんと先輩:諦めがついていて、別に今更振り返っても嬉しいわけではなくて、でも胸に痛みが走るのは、なぜ。
ショートさんと巡礼:ひとり聖地巡礼ごっこ、やったことないけど滅茶苦茶楽しいのは分かる。
ショートさんとエアコン:僕もここ一か月エアコンのリモコンなくしていて、ペンを使って本体の電源直接プッシュしている。早く見つけたい。
ショートさんと2本立て:よく見ると、師匠の服はちょっとダサいところにこだわりを感じる。流行にとらわれない自由・・・。
ショートさんと師匠:サブカルクソ女が言われたい言葉ランキング1位「おもしれー女」。外見はもう上には上がいて諦めたからせめて内面で評価されたいンゴ。でもよく考えたら評価されるべき内面でもなかったンゴ。
ショートさんと小説:最近小説書いてない。おもしれー女必修単位なので、いい加減書かなければならない。
ショートさんと承認欲求:この日は尚更盛り上がりそう。
ショートさんとショートヘア:一番好きな回。そう、こうやって自分を必死に取り繕うための脆弱な自己肯定はちょっとしたことで風と共に去りぬ。
ショート弟と海:常に太平洋を嗜んでいるので、いい加減そろそろ日本海やっとかないとな。
ショートさんと触れ合い:こういった炬燵でショートさんは、スマホじゃなくてちゃんと本を読んでいるから、偉いと思う。
ショートさんとガラケー:僕はこうはならなかったな、ひたすらに気持ち悪かった。てか君達双子だったんかーい!
ショートさんと映画:定期的に感動があるから、やめらんねえんだよな。
ショートさんと感想:こういった評価にショートさんは、感化されることなくちゃんとキレられるから、偉いと思う。僕はこういったブログで一度吐き出さないと感化されちゃう。
ショートさんと夏:こういう友達欲しかった。今年も孤独に暑さを凌ぐ。
ショートさんとダイエット:すでに腹が出ている僕にスキはない。
ショートさんと独り身:共感しかない。恐らく今年のクリスマスもこう。
ショートさんと本:この回を読んで、僕は単行本買った。未読の本は本棚に並べない派ですね、僕は。
黒田と独り身:ビッチにはビッチの寂しさがあることを知る。
佐久間先生とスマホ:こういうタイプって、ひたすらに隠しているのになんでかオタクってバレるんだよね。あれなんで?
佐久間先生と現代っ子:「大人」という存在がファンタジーであることを近年痛感する。
ワタシネ:多分黒田も作者お気に入りのキャラなんだと思うが、今巻のように1冊で10ページ前後くらいで丁度いい。これ以上出てくると、「違う」になると思う。多分メインの読者層は、二次元文化を捨てられない女子がメインであって、多分そういった彼女達のほとんどが、男性とは遠い生活を送っていると思うので。ビッチの気持ち分かるけど共感は出来ないんで。あくまで黒田はわき役の方向でお願いします。絶対3巻で半分くらい黒田のサイドストーリーとかやるなよ!!まじでやるなよ!!ショートショートショートさんなのだから、あくまでメインはショートさんでお願いしたい。但しオタクの佐久間先生はよしとする。ヨシ!
おまけページのエンディング、味がある。
こんだけ書いた、
褒められたい‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼
「もし面白くないとしたら面白くなるために色んなこと経験しなきゃいけないんです」p.51
あと多分今のツイッターって、こういうショートさんが8割くらいなんじゃないかなあ・・・。
インスタとか流行とかにはもうついていけなくて、
仕事自体に大きい不満はないけれど大きいやりがいを感じることもなく、
読書やアニメや映画等部屋で出来ることに休日を捧げ、
じじいばばあでもないけど若いとも言い切れない、
けれど心のどこかに抱えるモラトリアムに蓋をして、
食べ寝て生きてるアラサー。
どこかやるせない気持ちを抱きながらも、毎日を淡々と過ごしていくアラサー。
そんなツイッター世代に、「それでいいじゃないか」と現れたのが本作。ツイッターでバズったからこうして紙媒体で僕の手元に届いたわけだけれど、これがインスタやピクシブ違うSNSだったら反響はここまで大きくなかったと思う。
ツイッターの中央値に近い主人公だったからこそ、バズって書籍化したのではないか。
漫画、映画、書籍、
どの主人公にもなれないから、寂しいの。
以上である。
サブカルクソ女なら間違いなく楽しめる一冊。
特に前巻と比べて、「寂しさ」が結構良い距離で描かれているんじゃないかなと思う。
結婚したいけどしたくない。
独りがいいけど孤独はいやだ。
ツイッター、やっぱそーいうウチらが担っていかないと。
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