小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

bookaholic認定2017年度の国内ミステリー・ベスト10選定会議-ベスト10のきめかたきになる-


マンガ、小説、何かしら。
面白いものを探そうとすると、すぐにぶつかる。
「ベスト10」
僕は思った。
「こういう順位ってどうやってつけてるんだろう」

すると、
ミステリ書評家・杉江松恋さんが某SNSで呟いていらっしゃる。

12/20(水)この候補作の中からベストを決めます。ぜひご来場を→bookaholic認定2017年度国内ミステリーベスト10候補作発表!

僕は思った。
「行ってみよう!!!bookaholic認定2017年度の国内ミステリー・ベスト10選定会議!!」
ミステリなんて初心者of初心者なのに・・・。
でも我孫子武丸『殺戮を至る病』(講談社 1996年)で2017年最大の衝撃受けた僕は思ったわけ。
「こういうすごい本もっともっと読みたいな」
少し遠いけど行って参りました。

結果。
面白かったです。
2018年読みたい本が山ほど。



杉江松恋先生、若林踏先生、千街晶之先生の3人が今年読んだ10冊をハイスピードで紹介してくんだけど、でるわでるわ、面白そうなミステリー
特に僕が来年読むぞと思ったのはこの5冊。どーん。
貴志祐介『ミステリークロック』(KADOKAWA 2017年)
似鳥鶏『彼女の色に届くまで』(KADOKAWA 2017年)
東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』(文藝春秋 2017年)
山本巧次『開化鐵道探偵』(東京創元社 2017年)
池上栄一『ヒストリア』(KADOKAWA 2017年)

書評家が選んだ5冊で、且つ話聞くだけで「面白そう」思ったんだから、読む価値は保証されてる、はず。
ただ当たり前of当たり前なんだけれども、全部単行本なんだよな。早く転職先見つけなければ。ひしひしと帰りながら僕は心に刻む。

その5冊で特に僕が気になったのは、千街先生が挙げた『彼女の色に届くまで』。美術部の少年少女による謎解きミステリの連作短編集。ただ高校⇒芸大⇒その後と、1冊で時間がかなり進む、らしい。特に最後の話は、今までの伏線すべて回収してくれる、らしい・・・。
え、やばくない?
高校卒業、大獄卒業後まで追うなんて、絶対それ切ないやん。おもしろいやん。読んでてキュンキュンしてくるやん。
同じく「時間が進む」という点で、東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』も気になる。
桜庭一樹『私の男』文藝春秋 2010年)を読んでからというもの、弱いんだよな。こういうやつ。
この2冊は絶対読むぞ。

閑話休題
トークの中にあふれ出る書評家達の言葉もユニークだった。
例えば若林先生の
「ミステリの価値は、割り算をしたときに出る余りを楽しむものだと思っていて」
問題:トリックと、答え:解決の、その余り。
青春ミステリ」、「後味悪い話」、「ゴシックミステリ」エトセトラ。確かにそうなのかも。ミステリにはミステリでないところに、大きい付加価値があるのかも。
だから「氷菓」はあれほど人気が出たのかな。読んでないけど。
千街先生の
「刊行したミステリで僕が読んでないというのはありえないと思ったので」
てことは、この方今年「ミステリ」として刊行されたものはすべて読破されているというわけで。
すごい。これが書評家なのか。感嘆。
身の回りに本を読む人がいないからと言って、「どくしょすきー、ほんしゅきー、うふふ」とふみふみ言ってた自分が恥ずかしい。無職だし。きゃー。
こういう書評家の言葉が生で聞けるのはとても興味深くて、面白かった。interesting、まさに。


本題の、決まったベストテンは以下。
1位:『ミステリークロック』貴志祐介KADOKAWA
2位:『地獄の犬たち』深町秋生KADOKAWA
3位:『ホワイトラビット』伊坂幸太郎(新潮社)
4位:『狩人の悪夢』有栖川有栖KADOKAWA
5位:『スウィングしなけりゃ意味がない』佐藤亜紀KADOKAWA
6位:『ヒストリア』池上永一KADOKAWA
7位:『機龍警察 狼眼殺手』月村了衛早川書房
8位:『名探偵は嘘をつかない』阿津川辰海(光文社)
9位:『いくさの底』古処誠二KADOKAWA
10位:『開化鐵道探偵』山本功次(東京創元社
次点:『僕が殺した人と僕を殺した人』東山彰良文藝春秋

『ホワイトラビット』の位置に悩んだり、各々思う「ミステリ」に微妙に差異があったりして、審議も見ていて悩ましく楽しかった。こうやって、悩んで悩んで楽しんで悩んで、ベスト10は決まるんだなぁ。

また、親交会もぽろっと参加してしまった。初心者なのに、あわあわ。
あわあわ。
あわあわ、していてろくに何話したか覚えてないぞ。
でも「いしもちあさみ」という作家名は覚えたのでこれはぜひとも探すしかない。

上級者の方が圧倒的に多くて、自分の読書の狭さ・浅さに辟易しつつも、
でもまだ読んだことない・触れたことない、面白い本にたくさん出会えて、勇気出して行って良かったと、とても思う。
来年行くか否かわからない、けれども、時間さえ合えば是非行きたい。
ふみふみの僕に、衝撃を。

ちなみに帰り、駅を探して夜の新宿をさ迷ったのは言うまでもない。夜の新宿。死ぬかと思った。