あんなー。1巻はなー、推し・櫻坂46大園玲さんが好きな漫画ということで「尊い!!」「お兄ちゃんから「これおもろいで(鹿児島弁)」と言われて何気なく借りて読み始めて面白い・・・!!になった大園玲ちゃん(高校生)かわいい尊いああああ!!!!・・・ああああ!!!西暦何年だ!?2016年!?くらい!?私がブラック塾講師に就職して是枝ぜえ言ってた頃だねぇ!!!でも僕が横浜でアヘアへしていた頃に鹿児島で一人の女子高生の心をこの漫画がともしたことについて。ああ~~なんでこの頃漫画熱下がってたんだろ!!リアタイで追っていたらそれはもうそれはもう!!!ああーーー。あー。あー。でも待って!?え!?セトウツミって2013年からやってんのか!?そしたら私が毎日ゼエゼエいいながら八王子の山を登っていた頃!?その頃鹿児島に黒髪いや、バスケ部の時はショートカットだったって言ってたから黒髪ロングとは限らないか、でもまぁ黒髪の美少女美少女美・・・美少女中学・・・ああ~~~!!!中学生をそういう目で見るのは良くな
あー。
ああー。
此元和津也『セトウツミ②』(秋田書店 2014年)の話をさせて下さい。
【あらすじ】
関西の、とある河原。
瀬戸と内海。「喋るだけ」の放課後。
猫と遊んだり、トランプしたり、話したり、
男子高校生、瀬戸と内海のクスっとして笑えてクセになる放課後トーク10編。
裏表紙より
【読むべき人】
・リアル系雑談漫画を探している人
・猫アレ
【感想】
大学時代、そう2013年はまさしく1993年生まれん僕は絶賛花の女子大生時代だったんだけれどもその頃は一人暮らしをはじめて部活やってたからバイトもしなかったので生活費基本カツカツで、一瞬で終わる漫画なんてもってのほか、コスパがいい108円小説をブックオフで毎日漁るような日々を送ってたんですよ。高校の時は買い集めて全部読んで最盛期数えたら700冊はあったのですが、一部売り飛ばしたので実家にあるの含めて400冊くらいかなぁ、閑話休題。とにかく大学時代漫画熱下がっててしばらくずっと下がってたんですよ。
馬鹿。もうほんとうに馬鹿。
何故本屋でこの表紙を見てピンとこなかったのか。
こなかったのか!!!
この頃鹿児島県で尊い女子中学生大園玲ちゃんが本作を読んでいたというのに僕は!も~う!!
という訳で、今滅茶苦茶個人的にアツい漫画ナンバーワン!のセトウツミ。
読みました。読みましたよ。
CD複数枚買って、大園さんとのオンライン通話(ミーグリ)の話のタネになるかなって思って。6巻までまとめ買いしてたけど、まぁ1巻しか読めてなかったから急いで前晩読みましたよ、2巻。
そこで思ったのは、
「・・・あれ?とても面白い?」
いやね、知ってた。
だってさ、大園玲さんが唯一ファンに「好きな漫画」として挙げた本作ですよ。面白くない訳がない。
でもね、正直ね、まぁ1巻がピークだろうなと。出オチ感ある漫画だろうなと。だから比較的短く(全8巻)で終わったんだろうと思ってましたよ。
いやいや、違ったね。
2巻になったら、さらに面白くなった。
もうね、「面白い!」「尊い!」「面白い!」「尊い!」「面白い!」「尊い!」のせめぎ合いですよ大変ですよチョー忙しい!!
漫画を見る目がまだまだだなと、思わずため息ついちゃうセトウツミ、②。
・・・待って。瀬戸と内海が会話して「セトウツミ」ということは、大園玲さんとオンライン通話をしているこの数十秒間はまさしく「ゾノロドン」・・・っていうことなのでは。え、もしくは「マグゾノ」・・・?いややっぱ「ゾノロドン」・・・ひゃだ。ひゃ・・・ひゃだ!!!きゃー!!!!きゃぁーーーーあ!!!!きゃっ!!!
・・・あー。
あー。
以下簡単に各話感想を書いていく。一番刺さったのは第16話。
第8話 サンドイッチとおにぎり
瀬戸「男子高校生にはボリュームが不足しているのとスマートな感じが華につくけどたまごとマスタードがあってて美味いな」p.6
瀬戸「次これ食べよ 大学芋かな 大学進学を応援するお母さんからのメッセージやな」p.7
昼ごはん飽きたから弁当交換しようぜという話です。意味わかるけど分かんねぇな。
前半は瀬戸の、「内海の弁当」のグルメリポートなんですが、そこがめちゃくちゃ面白い。
特に上記の二か所。内海は手作りサンドイッチの弁当なのですがそこを「鼻につく」といけしゃあしゃあと言うところ。分かる。僕の母も弁当になった途端に献立が一気に減ってまぁサンドイッチなんて出ないですよ。18年間母の弁当食べてきましたが、まぁ見たとしても食べたとしても1回か2回くらい。皆既日食と同じくらいの頻度。だからもう弁当でサンドイッチ食べてるクラスメイトは心底羨ましかった!!なんだよその!レタス!トマト!チーズ!!うわとろけるちーずをとろけさせずにそうやってまいていいんかい!!逮捕されんのかい!!それは日本で赦されんのかい!!
そして内海の弁と言うには大学芋が入っているのですがそれに対する瀬戸の所見。すっごい適当なところがたまんねぇよな。大学芋なんて弁当どころか家でも出ないからな。28年間母の食事弁当をもそもそ食べてきましたが、母の手作りの大学芋なんて一回も食べたことが無い。まぁそりゃね、おやつにしたら大がかりだし、だからといってご飯のおかずになるわけでもないしすっごいコスパ悪い料理じゃないですか、大学芋。それがね、弁当に入ってたらそりゃあもう「いい大学頑張っていけやのおかんのメッセージやな」くらいは静岡県民の僕の口からでも、出ます。どんだけ弁当に時間とお金と愛情、そう愛情。もうさぁ、母さん、ウインナーと卵焼きはこりごりだよ~。
なので未だに僕はウインナー、自分で調理する時は焼かないですね。茹でます。焼いたのはもう一生分食べたので。弁当箱で。バーベキューでのウインナーや、フランクフルト等例外は除く)
あとオチ、オチが秀逸ですね。僕もよく出し忘れてました、弁当箱。
第9話 表とジョーカー
内海(今確かに見た 一瞬の狼狽 間違いない
一瞬見せたあの表情に安堵の光は一切無かった
一度目は怒りにも似た悔恨
二度目は報われなさに対する絶望
つまりこっちが・・・)p.27
内海(まさかメガネの反射 いや・・・瀬戸の角度 田中君の角度 どっちも微妙に光が)p.31
瀬戸と内海のババ抜き、内海目線である。
学業優秀、川原やった後は塾へ直行の内海である。
考えすぎ・・・!!
まさしくこの話しだけ読んでる感覚「DEATHNOTE」。月と書いてライトと読む。内海と書いてウツミと読む。
特に(間違いない)の時の表情が最高に内海月で最高でしたね。なんでこの作者半笑いの表情だけ滅茶苦茶画力高いの。最高だろ。
メガネの反射まで考え始めてのはもう凄いなと思ったね。あのポテトチップスの袋の中にモニター入れてる場面あるじゃないですか。あれを初めて見た時と同じ衝撃を受けた。その発想はなかった。
でも、この話で一番面白かったのは
内海(そもそもなんでおんねん 参加したらええやん
ババ抜き三人でやったほうがええやん)p.30
ババ抜きの審判をしている、田中君に対するツッコミのところですね。確かになんでおんねん。
第10話 裏とババ
瀬戸(え ババ来てるやん
ああええわ こんなもんは運や
考えたってしゃあない
ババをこうしといたら取るやろ 内海意外とアホやから)p.37
瀬戸(ていうかなんでジョーカーのことババって言うんやろ
そういえば馬場ってやつおったな確か)p.38
瀬戸「なあ内海 今度早く来てオセロかチェスやろう」p.50
瀬戸と内海のババ抜き、瀬戸目線である。
あれこれ内海が考えすぎであったということが、つまびらかになるまさしく「裏」の回。
ジョーカーのことを、内海は終始丁寧に「ジョーカー」と呼びますが瀬戸は「ババ」と呼ぶんですよね。だから「表とジョーカー」「裏とババ」。扉絵もまたなかなか良い。
しかも途中でババから「馬場」、昔同じ部活だった馬場のエピソードを思い出す始末。瀬戸が内海ポジになるくらい、馬場君アホでおもろかった。僕の同級生にも馬場っていましたが、彼もなかなか見ごたえのある人間だったよ。
あと最後の台詞の伏線回収は見事だなぁと思った。提案したものが「チェス」「オセロ」と、徹底して不参加表明、審判としてのプライドを見せた田中真二。普通にダイヤモンドゲーム提案しろやて。この男もなかなか見ごたえがある。
第11話 人間と動物
生物の木沢先生「そして我々人類のDNAはゴリラやチンパンジーとほぼ一緒やねんけど最近の研究成果で我々人類の全遺伝情報の15%は実はちんぱんじーよりもゴリラ寄りやということがわかってきたんや つまり我々ゴリラは」pp.56-57
の言い間違いから始まる話である。
こういうしょーもない言い間違いがツボに入ること、ある~!を描いた一話。我々ゴリラは。
てか、全遺伝情報の15%がゴリラに似ているんだ。豚とかなら納得いくけど。あーでも職場のクソババア、あれはブタとゴリラ、50%50%遺伝情報似てると思うわ。
あとこの話では、内海が描いたゴリラ君が出てくるのですが、そのキャラデザがENEOSのキャラクターエネゴリ君からインスパイアされたものでノスタルジー。エネゴリ君、今何しているのだろうか。調べたら2007年初登場。約15年前。初登場時が新卒で22だとすると37歳、そろそろ中間管理職といった頃合いか。そろそろウホッで誤魔化せなくなってきた。きっと会議かなんかでホワイトボードの前に立って、こういっているに違いない。「我々ゴリラは」
第12話 人と人
内海「コミュニケーションなんて演技力やん 親しくない奴と喋っててそんなに興味もないし驚いてもないのに えっ!そうなんですか!?って言える奴がコミュ力高くて可愛がられんねん」
瀬戸「なんか嫌やなそういうの」
内海「でもそれが大人になるってことなんちゃう?」p.83
エッモ。エモエモエモのエモスキー。唐突のエモはあざといわぁ。あざとい。
ちなみに僕はコミュ力あんまないので、其処で演技は致しません。僕が「えっそうなんですか」って言ってるときは大抵心の中も(えっそうなんですか)、僕が「え~すご~い」とそれっぽく言ってるときも大抵は(えーすごーい)と思ってます。
でもそれはそれでその度に心が動くから疲れるんですけどね。
だから最近言葉に心がこもってないことが多い。「えーすごーい」「そうなんですか?」「さすがですね」「申し訳ないです」。
でもそういう時は自分の中でかなり大げさに、10倍20倍くらい大げさに言えばそれっぽくなると気づいた。
「え!!すごーいっ!!!」「そうなんですかぁ!?」「さすがですっ!!!!さすが!!!」「申し訳ございませんでしたぁ!!!!!」
半沢直樹。あれは大げさな顔芸がウケたとよく言われてますが、社会人の多くが実際心の中では半沢直樹並みの顔芸やってるんだと思うんですけどね。それでようやく上っ面のコミュニケーションが滑り出すというかなんつーか。
だからこういう「セトウツミ」、あの頃の何気ないしょーもない、半沢直樹にならなくてもいいやりとりが、面白く感じられて懐かしく感じられて、どっかのお偉い「半沢直樹」の心を射とめて、映画かドラマ化されたんじゃあないですかねぇ。
第13話 出会いと別れ
瀬戸「うちの猫死んでん」p.90
バルーンさん「ここへきてウツミの引きの弱さ何なん」p.96
内海「ミーニャンがお別れを言いに来たんちゃう?」p.99
瀬戸の誕生日と言うことで祝う気まんまんだった内海とバルーンさん。バルーンさんは1巻で出てきた無言で風船アートを作っていたあのシュール極まるピエロである。懐かしのバルーンさんもうきうきで風船アートを作る。だがしかしといった話である。瀬戸の両親の離婚の種になりかけていた飼い猫の死を告げられる。気まずい。気まずいぞ。
そこをとりつくろうとする内海が見どころ。彼なりに瀬戸を精いっぱい思いやった唐突のエモ(もしくは第12話から続く連続のエモ)の言葉を口にしたり、ただいつも通り普通に二人で座っていたり。特に後半の「ミーニャン(死んだ猫)が会いに来た」なんていつもの内海じゃあ絶対口にしない言葉だろう。
んだけれども、まさかの第13話。
ここへきて喋るバルーンさん。お前こそ何なん。
しかもめっちゃ流暢にしゃべるやんけ。
第14話 ストレスとペットロス
瀬戸「よしお前はミーニャンに似てるから名前は今日からニダイメや」p.102
内海「俺んちそのどこの家庭にもある軟膏ないわ多分」p.105
瀬戸「なんでファーブル的な観点からやねん」p.107
ミーニャンが死んだのでそのまま「ニダイメ」。いいですね。とてもネーミングセンスがあるぞ、瀬戸。今まで1000匹以上のポケモンにニックネームをつけてきた私が言うのだから間違いない。
中盤、内海が「軟膏ない」と言う時の表情が見えていないんですよね。絶対なんかせっつねぇ顔ぶちかましてるわ。
そして終盤の瀬戸の「虫けらを見るような顔」とそれに対する内海のツッコミp.107これ、本書でいっちばん笑った。というか爆笑。何回見ても素晴らしい。瀬戸の今まで見たことのないなんともいえない表情。と、そこからくるぅ!?的な内海の「ファーブル的」という語彙力が見事にベストマッチした素晴らしいシーンだと思います。
ちなみに僕は大園玲さん関連のあらゆるモノを見る時にファーブル的表情になります。
第15話 カスタマーとセンター
内海「シリアルナンバー?ちょっと待ってください」
内海「F2MJ96B17M39C」
瀬戸「なんかの天才か なんかわからんけど」p.125
携帯の調子が悪いのでカスタマーセンターに懸けるという話です。まぁニダイメ登場回の跡なのでぶっちゃけちょい薄味。内容も、この話だけ改めて見てハッキリ思い出した。後の話はなんとなくは覚えてたんだけど。
そう、それはまさしく・・・この話に登場している馬場、馬場の顔のような存在感の話。
ちなみにみんなは形態のシリアルナンバー伝えるときどうしてる?僕は一回一回シリアルナンバーメモしてお伝えしてました。偉くね?
クレジットカードのセキュリティコードもこれだけ長かったら私の通販の買い物癖も幾分かよくなるのではなかろうか。
番外編
一期「樫村一期(かしむらいちご)17歳 由緒あるお寺の長女として生まれました 一つ下の妹は一会
そう一期一会」p.136
一期ちゃん視点のセトウツミである。
一期ちゃん、可愛いですね。顔も可愛いけど中身も可愛い。なんとなく瀬戸が惹かれて内海は全く惹かれないの、分かる。
目がきゅるんきゅるんしてる。
一期、ていう名前いいですね。樫村一期。響きも可愛い。イチゴという名前は某死神漫画の主人公でそれ以降なんか見ていない気がするのですが、でもこの漢字あてがうのは初めて見たなぁ。
というか、妹は一会と言っているけれども、妹じゃなくて弟だったらご両親どうするおつもりだったんだろうか。
樫村一会(かしむらいちえい)。
樫村一会郎(かしむらいちえろう)。
樫村一会進(かしむらいちえしん)。
長子の長女に「一期」と名付ける両親坊主の癖にやること結構ギャンブラーだなと思う。
あとルーベンスの絵、瀬戸が知っていることに驚き。知らないでいてほしかった。
第16話 ヒエラルキーとシンメトリー
田中(僕は二人の会話を聞くのが好きだけど話すのは苦手です バドミントン対決で瀬戸の卑劣な行為を目の当たりにし内海と二人で帰宅した際共通の敵をもって結束したかのような錯覚に陥りたくさん話をしました)p.154
日本漫画界屈指の審判キャラ、田中真二が、女手一つで育ててくれた母親に向けてひっそり河原で手紙を書くという話です。時節現れるニダイメがいい味出してる。
この手紙自体も凄い名文です。例えば上記。3人だと自分は確実に余り者の中で、2人が険悪になった時ついつい「共通の敵をもって結束したかのような錯覚に陥る」とありありと書いている訳です。高校生でここまで書けたら審判より芥川賞目指せよ。そう云いたくなるような、綺麗な日本語で人間の醜い部部分をありのままにきりとった田中君、お母さん、田中君はね、確かに「ヒエラルキー自体にも属さない人間」p.146かもしれませんけれどもね、しっかりしっかり育っていますよ。
でも、この名文にをうわまわる、内海の言葉がいい。
内海「心配せんでもそれなりにみんなそれぞれ不幸やから」p.155
短い分鋭く研ぎ澄まされている。
みんなそれぞれ不幸。
心配しなくても。
不安になんなくても。
みんな不幸。
だから大丈夫。
凄いなと思った。
以上である。
ぶっちゃけ出オチ作品かなと思ったら、巻ごとにどんどんおもしろくなる作品で堪らなかった。最高だった。特に田中君というキャラクターが母親への手紙と言う形で深堀されるとは思わなかった。
あとセトウツミは、リアル寄りの絵、もそうなんだけれども、リアル寄りの性格が描かれているから、人を選ぶんだろうなぁと思う。
この漫画を面白いと思える感性、大園さんと似た感性を自分が持っていることを、誇らしく思う。
ああー。
僕も大園玲さんに手描きのお手紙書こうかなあー。
でも手書きだときもがられるかなぁー。
アプリのメッセージ機能引き続き使った方がええんかなあー。
あー。
ああー。あー。
あー。
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ぁー。