めっちゃ良かったよね。アニメ。
平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ1-2』(徳間書店 2016年)の話をさせて下さい。
【あらすじ】
岡山県で活動するマイナー地下アイドル【chamjam】の内気で人見知りな人気最下位メンバー【舞菜】に人生すべてを捧げて応援する熱狂的ファンがいる。
収入は推しに貢ぐので、自分は高校時代の赤ジャージ。
愛しすぎてライブ中に鼻血ブーする・・・・・伝説の女【えりぴよ】さん!
舞菜が武道館のステージに立つ日まで・・・えりぴよの全身全霊傾けたドルオタ活動は続くっ♡♡♡
『まんがの作り方』の平尾アウリ・・・待望の最新作!
1巻裏表紙より
【読むべき人】
・アイドルオタク(メジャーアイドルオタクでも十分楽しめると思う)
・ゆるい百合が好きな人(ゆっりゆっっららららららら・・・・)
・逆にアイドル嫌いな人
・地下アイドルという文化に関心がある人
【感想】
この漫画を知ったのはかなり前だったと思う。
「推しが武道館いってくれたら死ぬ」というタイトルが結構話題になり、
ネットニュースやまとめサイトで取り上げられていたのを見たのだったのだと・・・思う。
ヴィレッジヴァンガード等で時たま見かけてはいたけれど、
アニメ化かよ・・・。
しかも主役ファイルーズあいちゃんかよ・・・。筋肉演技が神ってた女声優・・・。
見るしかないと思い見たけど、
めっちゃくちゃ良作でしたよね。
演技も良かった。
ファイルーズさんの筋肉アニメとは違った低い声の演技も神で素晴らしかった。ピカチュウ声のほかにこんな声が出せるのは強くない?
前野智昭さんのデブオタク演技も凄かった。普段のイケメン演技からは想像のできない声。もともと結構うまい人だなとは思ったけど、実力再認識。ご結婚おめでとうございます。
立花日菜さんの演技も自然でとても良かったし、市ノ瀬さん×黒髪ボブが現在におけるアニメキャラクター造形界の神であることも確認できた。
テンポも作画も脚本も良かった。
ひとりひとりダンスの踊り方が微妙に違うのは凄いと思った。うまかったりちょっと微妙だったり、非常にこだわりを感じた。
作画もぬるぬる動くような神作画というわけではなかったが、ダンス等抑えるとこは抑え、うまく全体的にフォローできていた。
脚本も良い。というか、赤尾でこ先生は漫画原作があるといい仕事するよね・・・。「ノラガミ」もすごく良かったしさぁ・・・。アニオリだと本当ダメなんだけど・・・。きゃろちゅー・・・。
閑話休題。
とにもかくにもめちゃくちゃエンジョイできたアニメだったので、
原作もエンジョイしたろうと買い始めたのである。
いやあ・・・原作も原作で良いですね。
まずイラスト。
アニメとは違ったすごく繊細なイラストなんですね。
沙村広明的な、味があるというか個性があるというか。
それで1コマ1コマ本当可愛いんですよ。こだわって描いてるんだろうなと思います。
あと、えりぴよも可愛いんですよね。
アニメのえりぴよは確かに美人だけどネタ要素が強いじゃないですか。
でも原作のえりぴよは美人。ネタ要素もふんだんに入ってるけど、結構な美人。
そら舞菜ちゃんもほほ赤らめますわな。
あとオタク達・・・。
1コマ1コマ本当キモいんですよ。こだわって描いてるんだろうなと思います。
あと、扉絵。
ほとんど白黒なんですよ。背景など描きこみもそこまでされてない。
ただなんか・・・いいんですよね。語彙力の完敗。
制服だったり水着だったり・・・僕は1巻第六話の扉絵が好きです。BELLRING少女ハートがモデルか?
あと巻末に加えて表紙の中まで、描きおろしのカラーイラストあるのは・・・・ありがとう。平尾先生、ありがとう・・・。
あとあと、カバーめくるとメンバーのオフショットとブログが掲載されているんですが、1巻に比べて2巻のブログの記事数がしっかり増えている小技を聞かせているのは・・・ありがとう。平尾先生、ありがとう・・・。
今時こんなに描いてくれる漫画家は・・・なかなか・・・おりません・・・。
巻末にメンバーのプロフィールが掲載されているのですが・・・結構細かいところまで練られているのですね。まさか出身が「岡山県××市」まで決められてるとは思わないじゃん・・・。
あと年齢が結構ばらつきがあるのは初めて知った。最年少、舞菜ではなく優佳・・・お前だったのかよ。
あとえりぴよ意外と若いな!?同じくらい・・・27歳くらいだと思ってたわ。人生まだまだやんけ。
ちなみに1巻だと、ジャージになる前のえりぴよの私服も見れます。意外とおしゃれやんけ・・・お前しまむらじゃないんか・・・。
以下、chamjam各メンバーごとに徒然書く。
五十嵐れお:「武道館だよ!わたしたちは武道館にいこう」2巻p.120
グループ愛が強いところが本当健気でよい。舞菜や他メンバーに対して優しくて、「武道館」と言い切る姿は、まさしくリーダー。日向坂のささくさんを思い出した。
あと、過去に振り回されそうになるけれどそれでもアイドルを頑張っていく、という姿勢は本当にエモい。地下アイドル特有のエモ。
くまささんに向けたポーズがあるんだけど、そのポーズを毎回きちんと全力でやってくれる可愛い最高れおちゃん。
松山空音:「だってわたしにはちゃむしかないんだもん」2巻p.134
えりぴよさんもアニメ原作間の違ったけど、空音も結構違ったかもしれない。原作だとこう顔立ちが色っぽい。肩幅も結構あるのね。テニスやってたからか。
あと「わたしのこと好きでいてくれる人のことが好き」が口癖なのですが、それに対する真意がエモい。地下アイドルはエモくてなんぼ。
担当声優の長谷川育美さんはなんだか売れそうですね。確かに空音の声は印象に残って今でも思い出せる、いい声だったもんなぁ。
伯方真妃:「自分で・・・買ってる」2巻p.97
ぱいおつほんとにでっかいんですね!!!1巻巻末のショットセクシーでびっくりしちゃった。
百合のいわゆる「攻め」って貧乳が多い気がするんですが、おおきいのはそれはそれでいいんだなと思いました。百合よく分からんけど。
あとwikiで「みちょぱ」をモデルに描いてると書かれてたのですが・・・確かに見ると似てる。ていうかインタビュー記事わざわざwikiに掲載するほどのオタクがいる漫画なんだな、やっぱ本作。わかりみ。
水守ゆめ莉:「ファンの人が泣いてくれたの あんなの初めてだったから・・・」2巻p.96
今のところ正直一番存在感はないかなぁ・・・。
確かに2巻で百合回が入ってるんだけど、百合要素意外特に浮かばないというか。ダンスはアニメでもばっちり上手かったけど。
ただプロフィール見るとひとりだけ神奈川県出身なんですよね。
この後何か深堀りあるのかしら。
寺本優佳:「いたのか!ふみくんはもう優佳の列いすぎて空気みたいなもんでしょ!」1巻p.138
和多田美咲さんが演じてましたね。声が特徴的で可愛かった。
彼女もまだあまり深堀がされていない類に入るのかな。
でも舞菜がついつい自分と比べちゃうのはわかるなぁ・・・。こういう天然で明るい人になれないんだけどついつい憧れちゃうよねわかるよ。舞菜より年下な分見ちゃうんだろうな。
ちなみに日向坂だと僕は影山優佳ちゃんが一番好きです。名前一緒。
横田文:「わたしに1票ずつ入れてくれたらここに来たこと黙っててあげる」2巻p.64
この一言でやられましたね。アニメでもやってましたが、かわいいなコイツと思いましたもん。「うはっ!」くらいは小さい声出てましたもん。chamjamのなかで「推し」を作るとするならば、あーや。君だ!!
あと「あや」って彩とか綾とかだと思ったらまさかの文なんですね。ちょっとびっくり。
小柄でつべこべ言ってくるのはすごいかわいい。あと全体的意味て多分結構細身なんですよね。かわいい。
市井舞菜:「わたしのことなんて誰も待ってないと思ったから」1巻p.76
多分、えりぴよさんのなかの「一位」で「マイナー」アイドルだから、この名前なんですよね。
原作の白黒だと髪が黒なので、だいぶ原作と印象が違うのですが、2冊も読めばそのギャップは埋まりますね。
ただまぁ・・・本当えりぴよのこと好きすぎでしょ。でもそれを表に出せないのがかあいいね。
表紙見てもわかるけど、いちいちポーズぎこちないのもかわいいね。
日本のアイドルに惹かれる理由を総結集したようなキャラ。ダンスとか歌とか正直二の次で、一生懸命に頑張る君が好きなんだよ。
おまけ
玲奈:「わたしアイドルのライブってはじめて見に来ました」1巻p.140
容姿最初期・・・それこそサイレントマジョリティー前後の平手友梨奈に似てると思った。モデルなのかな。
以上である。
アニメも最高だし原作も良かった!
思ったよりイラストが繊細でびっくり!きらきら!かわいい。
あと僕の持論なのですが、
日本のアイドルは「かわいい・歌ダンスが上手い」より、どれだけ「エモい」があるかだと思うんです。
特に地下アイドルだとその傾向は顕著になると思います。
今作は、各エピソードそういった「エモい」が凝縮されているからこそ、アイドル好きに響く漫画になったのだと思います。
6巻まででてるそうですが・・・このエモい、最後まで見届けたいと思います。