小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

山本崇一朗『それでも歩は寄せてくる1-2』-うるしちゃんかわいい!!でいいのに、つまらないことを考えてしまった。-

 

いつからか、

ヒロインに「つつかれる」時代から、

ヒロインを「つつく」時代に変わったよね。

 

山本崇一朗『それでも歩は寄せてくる1-2』(講談社 2019年)の話をさせてください。

 

 

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【あらすじ】

将棋部1年田中歩(運動神経抜群、剣道界で「不動の田中」として名をはせた)、

将棋部2年八乙女うるし(運動神経ゼロ、勉強は授業聞いてるだけで「3位」、かわいい)

の将棋部二人が部室できゃっきゃうふふする話だぞ!!

2巻では体育祭もやるぞ!!マキちゃんや図書委員等も出てきてちょっとにぎやかになるぞ!!

 

【読むべき人】

・日常系が好きな人

・アベックがいちゃつくのを延々見ていたい人

みなみけが好きな人

・癒されたい人

 

【感想】

からかい上手の高木さん』の山本崇一朗先生のツイッターで個人的に連載していた漫画が、商業化し書籍化した本である。すげぇ・・前代未聞だ。

きゃっきゃうふふツイッターで追っていた読者の一人だったので嬉しい限り。さんきゅー講談社

 

高木さんと、作品のニュアンスはほとんど変わらない。

メインの二人を「かわうぃい」「かわうぃい」と言いながら愛で、ごくたまに「うっひょ~」とときめく感じ。

脳を何度でも修復しちゃえるような、ラブアンドピースここに極まれり。みたいな。

ただ一つ違うのは男女の関係性。

西方が高木さんに「からかわれてた」のに対して、

田中がうるしちゃんを「からかう」のが本作の特徴。

女が男をつつくのか、男が女をつつくのか。

超絶ゆるふわやわらかSM・・・みたいな?

僕は後者が好きなので、今作を書籍で買った次第。

 

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登場人物全員可愛い。

まぁうるし先輩ぐうかわ。

ほぼ毎回照れてくれるんですよ。ちょろいな。かわ。

しかも口開けたり上目遣いだったり目をぐるぐるさせてたり。照れ1つでもバリエーション豊か。かわ。

笑顔もにかーって笑うんですよ。目を細め口を大きく開け。純粋そのもの。かわ。

「なんだと!?」みたいな時は口が真四角なるんですよ。は。かわ。

とにかくずっとかわいい。延々かわいい。

田中もかわいい。

将棋に買ったら告白するという自分で決めた掟に忠実。かわ。

ところがうるし先輩のかわいさのあまりに告白しそうになる。かわ。

先輩に喜んでもらうことならなんだってしちゃう。かわ。

一途なんですよね。かわいい。

二人まとめて愛でられます。

 

1巻はツイッター書籍化の延長戦だったからか、ほぼ二人で終わっているのですが、2巻からは登場人物増えて、それもまた全員かわいいんですよね。

マキちゃん凄く進んでるんだね、大人だね。かわ。

タケルくんすぐにアツくなる、友情も恋も一直線。かわ。

撫子ちゃん他人の目見られないんだねてかうわめっちゃわかる~~~~てかすぐすねちゃうのえかわかわかわかわかわたにえんくそかわ。

2巻では五人まとめて愛でられます。

おいおい・・・ここは動物園の「ふれあい広場」か?

 

あと「かわいい」と「かわいい」が織りなす、人間関係も尊い

表紙の体育祭もそうでしたけど、間接キスだったり、部室について話してたり・・・尊い~~~!!二人、尊い~~~~!!!

特に間接キスの回はやばかった。めっちゃキュンキュンした。

タケル君と撫子の関係性も尊いっちゃ尊いんですけどね・・・放課後の閑散とした図書室でのやりとりとかとてもいい。いいんですけど・・・メイン2人の尊さには負けるかな!3巻の活躍に期待!!

 

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ちなみに、先日読んだ「かぐや様は告らせたい」もそうだったんですが、

最近ヒロインを「つつく」のが、主流になってきてますね。

昔はヒロインに「つつかれる」のが王道だったじゃないですか。

涼宮ハルヒキョンを何やらやべえ世界に連れて行ったように、

真昼ちゃんが照れながら凄まじい威力のパンチを小鳥遊君にお見舞いしたように、

真紅が容赦なくツインテールでジュンをビンタしたように、

生徒会役員共で会長の発言に幾度となくモザイクがかかったように、

ヒロインが主人公を振り回すのが多かった。

最近ですよね。

毎期異世界では主人公を崇めるハーレムが作られ、

ヒロインが酷い目にあうリョナ系作品が度々話題になり、

今作のようなキャッキャウフフものであもヒロインは暴力をふるうことはおろか、

主人公の一挙一動にキュンキュンする。そして僕等読者はそのヒロインの「照れ」を楽しむ。

なんでだろうね。

うる星やつらとか魔法使いサリーとか、そこらへん思い出しても、

昔からずっと、主人公がヒロインに「つつかれる」ものが多かったと思うんですよ。ヒロイン主体に世界は廻っていて、主人公は振り回されるべき存在。

それが今じゃ逆になってる。

ヒロイン主体から主人公主体になっている。

女性主体が叫ばれる社会なのだから、二次元のヒロインはもっと主人公をもっと叩いて蹴って殴ってるのが自然じゃないか?

いや・・・三次元の女性と二次元の女性は常に相反すべきじゃないか?

手に入れられないものを期待するために、二次元は存在するわけであって・・・。

「女性は家にいるべき」時代だからこそ、外向的な男性・世界を振り回すヒロインが登場した。

「女性は社会にでるべき」時代だからこそ、内向的な男性を支える側に立つヒロインが登場した。

 

閑話休題

こんなむつかしい話はこんなシンプルでかわいい漫画には似合わない。

うるし先輩かわうぃ~~~!!これでいいじゃないか。

 

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後ろには名シーン。

以上である。

結構よかった。

ツイッターで読んでいた1巻部分はもちろん、

2巻部分も大いに楽しめた。特に撫子くそかわ。目見られないのくそかわがすぎる。

3巻出てるみたいだし買おうかなー・・・。

 

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