小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

METAMUSE「tiffany tiffany/わがままぱじゃま」-弱くて脆い私も可愛い。-

 

 

まるのままでわがままでいたいし、

死にたいと思っている私こそおひめさまみたいでかわいーね。

 

 

 

METAMUSE「tiffany tiffany/わがままぱじゃま」(2022年)の話をさせて下さい。

 

 

 

 

【概要】

脆い感情さえ映えろ。

ZOCから突如改名を発表したMETAMUSEの1stシングル。

 

【聴くべき人】

・ZOC、大森靖子の世界観が好きな人

・ネガティブな女の子

 

今は6人です。

 

【感想】

もともと、大森靖子は大学時代ウォークマンにアルバムが数枚入っていて、卒業後もちらほら聴いて。特に「kiti×××gaia」は結構何度もリフレイン。横浜にいた時に見た深夜の音楽番組バズリズム、の音楽紹介VTRで、「ドグマ・マグマ」が流れててビビッときて、それが収録されたアルバム、それが「kiti×××gaia」。頭おかしー奴にこそガイア(夜明け)がくるって感じであとふつーに×××ってアルバム名に這っているのちょー格好いい。その他の曲もバチバチに良いのがあって何度も聞いてた。ニートの時は「非国民的ヒーロー」、その後は「コミュニケーション・バリア」、どの曲も好きだけど刺さった時期が曲ごとに違うのも凄いしそれでも私が一番好きなのは「ドグマ・マグマ」

ZOCも時々聞いてた。ただメンバーの入れ替わりが激しいのと、私は喪女だから断捨離刷る彼氏もいないしプリクラでちゅーをしたいとも思わなかったしヒアルロン酸注入は金額が先に気になる。そこまでして永遠が保証されない美を手に入れたいのか。まぁロンリーではあるけど。

でも鎮目のどか、が入った後の出したアルバムPvPLiBiDo FUSION」はキューンとなって結構何度もPV見てる。今も時々見る。最近じゃあ「CUTTING AGE」も今更ながらにぶっ刺さて来た。

「わがままぱじゃま」中毒でくらっときて、あと炎上。そう、春燃えてた。

2022年5月末吉良乃ジョナというメンバーが加入して最大風速で脱退したんだけれども、その理由が練習不足との旨。

大炎上。

「ステージに立つ限りは命を懸けろ。」

どこで見たか分かんない。覚えてない。もしかしたらインター・ネットか、私の脳味噌の捏造かもしれない。けど、その燃え盛るインター・ネットの中で言い放った大森靖子の言葉がすっごいよかった。きゅるきゅるした。眩暈。女神。

多分、技術不足だから脱退とかではないんだと思う。その活動に命を懸けられなかった、全力で取り組めなかったってことなんだと思う。それらを凝縮した4文字が「練習不足」。それじゃあ、届かない。見抜かれる。偶像として信仰できない。アイドルって偶像だから。*1

加えて同時期に、「METAMUSE」への改名も突如発表して大炎上。

でもまぁそこは納得。改名はありうるだろうなと私は思ってた。

ZOCというグループ名のコンセプトには、実験云々って聞いたことある。

実験、成功したんだ。

ちょーどいい命のかけ方、見極められた。

ホモ・サピエンスの心臓を撃ち抜く角度の発見。

CUTTING EDGE」「LiBiDo FUSION」、だから最近の曲はこんなに刺さるんだ。

これ以上実験する必要はない、ことはないけれど、ようやく次の段階に進める。第一段階の結果を拡散したい。届けたい。感染させたい。濃厚接触

次のフェーズ。

だから、改名したんだろう。と思う。

定着した名前が変わることは勿体ないなぁとは思ったけど、まぁそりゃそうなるよなと思った。執着をしない。変わり続ける。永遠なんてない。不変を選び進化を選んだ。とどまらないためにも、もしくはメンバーから反対意見が出て結果的にとどまることを防ぐためにも、実験主催者として責任をもって、一方的に改名宣言叩き出したのではないか。

ただ改名後の1stシングルが、加入に至らなかった幻のメンバー(担当色:水色)を叫んだ歌なのは完全想定外。

 

 

裏面はわがままぱじゃまのジャケット。

 

本作は、METAMUSEとしての一曲目tiffany tiffanyと、「わがままぱじゃま」が収録されてる。簡単にそれぞれの曲を聴いて想ったことを記しておく。両方とも作詞作曲は大森靖子

 

tiffany tiffany

生まれ変わったらアイドルになりたかったな

ならこの人生でやろうって決めてた

1番の最後が「決めた」になっているのに2番の最期には「て」が入って「決めてた」になることに鳥肌。じゃあどうして。季節が変わっても思わずにはいられない。

自殺。

自殺した人を生者が謳うことって何度も幾度も沢山あるけれども、自殺して死なないとその言葉は説得力がない。結局作者は生きてんじゃんになる。

でも逆に、自殺で死ねば、生前その発した言葉一文字一句が全て説得力を帯びる。結局自殺した人々の手記がこの世に蔓延って、且つそれが何度も何度も何度も読まれるのはそれが理由なんだと思う。八本脚の蝶が天空を何匹も舞い、かつて二十歳であった人々は原点を探す。彩ちゃんは永遠に21世紀冒頭・女子高生のまま。

私が死んだら

泣いてしまう人なんて大嫌い

大嫌い 大嫌い

そりゃそうだよねって笑ってよ

だから、今もフツーに生きて、毎日ツイッター「今日も何とか」言うとる大森靖子のここは凄いなって思った。生者が作ったか詩なのにこれほどまでに自死に逼迫する言葉があるとは・・・あー。死にたい自殺したいって思いながら生きてもいいし、そう思っている私達tiffany、無垢だから傷つくの、可愛い。 

あと、1stシングルの背景が全面的に水色なのは、それは、幻のメンバーが彼女自身の人生で果たせなかった理想のアイドル像をMETAMUSEとして実現させる、という意味なのかなぁとも思った。私は彼女について詳しくは知らないし、そのなりたいアイドルって言うのがどういうアイドルなのかもよく分からない。けれども、彼女に近しい存在で且つZOCのメンバーとして限定参加することを約束した大森靖子はそれについて少なからず詳しく聞いている筈で、

METAMUSE・・・「超える (音楽の)女神」

それをも跳躍するアイドルを、実験を繰り返して出来上がったこのメンバーでなら目指せる。

 

「わがままぱじゃま」

ら・めぞん・でゅ・悪苺

でもAメロがこれから始まるZOCZOC的歌詞世界観も本当に好き。ら・めぞん・でゅはフランス語で「~の家」の意。悪苺。イタいけど可愛いのが大好きで、ピンクと黒。バキューン!キューピッド爆発!!的な。厚底スニーカをリボンで結ぶ。

いつの間にかあたし おひめさまだったの

いつの間にか あたしなんにもできない

そこがかわいいのだろう?!

でも「CUTTIN EDGE」同様、全国の女の子のネガティブを「かわいい」に更新してく存在は確かにミューズ・・・女神、の方がしっくりくるかもしれない。

「ZOC」の黒とピンク、リストカット的世界観も大好きだけれども、でも、多分これから私によりぶっ刺さってくるのは「METAMUSE」の音楽。これからの彼女達が放つ音楽に期待。だって音楽の女神だし。パンプスの足跡代わりにひらめくのはリボン。

あ、あと、サビのところで裏でピアノの旋律がハイスピードで展開されるのは、凄いと思った。音楽としても繊細で綿密に作られているんだなぁと思った。

 

 

神様 許さない

tiffany tiffanyに出てくる歌詞。

私も本当に許さない。許せない。

ZOCで歌う彼女の、あの無垢で力強い歌声を聞きたかった。

し、少女のままで年を重ねていく彼女のその先を見たかった。

あと、冬春夏と季節が変わっても、彼女の死を知った時以来から彷徨えるこのやるせない気持ちの矛先を、定めてくれて、せーこちゃん、ありがと。まさかそれがZOC・・・METAMUSEから提示されるとは思わなかったけど。

 

・・・きゅるきゅる。

「ステージに立つ限りは命を懸けろ。」

話はジョナ炎上事件に戻るけれども、この大森靖子のスタンスがあったからこそ、脱退した戦慄かなの・香椎かてぃ等も目が離せない存在になってんだろうなぁと思った。

メンバーの入れ替わりは激しく実験は難航したけれども、彼女達が別のフィールドで面白い音楽・カルチャーを展開しはじめたっていうのは、ZOC。実験の成功の一つなんじゃないかと思う。想定外の長期間にわたる実験が末での想定外たる成功。

 

 

 

 

以上である。

なんかとにかくすっごいいい音楽だった。

し、これからの曲もすっごく気になる。

し、きゅるきゅる・・・ピンクメトセラ

ZOCという存在を、発案してくれてありがと、せーこ。

 

***

LINK

読んだことある自殺した人の手記は2冊。積読の中にも2冊ある。今月には2冊とも読んでおきたい。

 

tunabook03.hatenablog.com

tunabook03.hatenablog.com

 

 

*1:逆に、下手でも本気で取り組むからこそ、支持を集めていた典型的例として挙げられるのはけやき坂46時代の井口眞緒の「二人セゾン」のソロダンスだと思う