最近春秋と見せかけて季節ずれていることが多々ある。
「夜にも奇妙な物語 2022年夏の特別編」の話をさせて下さい。
【概要】
オムニバス4作品と短編で構成される『世にも奇妙な物語』
斬新で多様なラインナップを揃え、おなじみのストーリーテラータモリと、豪華キャストか「奇妙な世界」へいざなう。
【見るべきだった人】
・ウーバーイーツに関わってる人
・乃木坂1期推し(生田絵梨花、あと樋口日奈ちゃんが出てます。バリ主役級で)
・基本的人権の尊重
・おジャ魔女世代
・山本美月さん結婚されて年相応の役をやるようになってからより一層綺麗になられた。そう、多部未華子も同様に。
【感想】
録画忘れた~!!!!と思っているそこのお前!!!「夜にも奇妙な物語」は2021年秋からは放送後1週間は動画配信サービスでも配信しているよ!!!
泣いてその場で諦めないように!!!
てか、僕も配信されているのを知ってから、また追うようになりました。
リアタイ厳しいし。あと録画を見るって作業、なんだかんだ面倒なんですよね。
Twitterで前評判聞いてから視聴したわけですが、僕は十分楽しめます。お前は知りませんが。
今はもう公開してないです。
以下簡単に各話のざっくりした概要、主演、あと感想を書いていく。
順位をつけるとしたら、1位から順に「何だかんだ銀座」「オトドケモノ」【越えられない壁】「電話をしてるふり」【越えられない壁】「メロディーに乗せて」。
後半失速感が否めなかったのが残念。
「オトドケモノ」
主演:北山宏光(Kis-My-Ft2)
お姉さん(ひなちま)「おとどけものでぇ↑す♡♡♡」
凄かったですね。
原作がジャンププラスの公募と聞いて、早速ざっくり読んだんですよ。確かに拙いところはあるんですけどでも話としてはまとまっていてとても面白かった。特に最初と最後の語りが皮肉になるところが良かったです。
で、視聴したわけなんですけれども・・・「死んだ母親」「亡くなった妻の形見の時計を大切にしているじじい」等多少の改変はあれど概ね内容は同じ。
でも、結構秀逸で。
まず、テンポ。
ゆかり「100万円頼んでみない?」
タクヤ「ほんっとお前は楽観的だなwwwwwwwwwよしやろう」
のところはドラマの方が圧倒的に良かったですね。
ハワイにもびゅんびゅん行ってたり犬が出てきたりコンサート(ミュージカルだったか?)に行ったりと、あれやこれやがぴょんぴょん起きる。
主人公達がアプリにどんどんわくわく夢中になったように、視聴者もどんどんわくわく夢中になっていきました。
テンポよく前半で原作を消化しきると後半時間が余る、のですが、それでもぎゅっと前半詰めてテンポよく展開したのは正解ですね。
こんなに見ててワクワクした「夜にも奇妙な物語」、久々だよ。
じゃあ、その後半。余った時間をどうするのか。
CM後、オリジナル展開に突入します。
え!?あれだけ綺麗に完結した作品がこれからどうなんの!!???釘付け。
特に最初タクヤが提案した脱出方法にはなるほど!!と思ったのですが、その上を行くゆかりの脱出方法になるほどなるほど!!!でした。
まさか、あの形見の時計じじいエピソードがここに活きてくるとは思わなかった。ここ最高にアツかった。オリジナルならではの無駄なエピソードか?と思ってたら全然そんなことなくてまさか伏線になるとは思わなかったです。
その後の市役所のシーン。
ゆかりの三白眼が最高でしたね。
加えてタクヤも脱出を試みていて・・・どうなるどうなる、どっちが勝つ、タクヤの勝利に終わるのか・・・!???からのさらにその先をゆく展開。
そこが、凄い良かった。
タクヤの敗北か決定した瞬間、
え、どうなんの、え、え、え、ええ?話聞いてないけど?どうなんの、えどうなんだよぉ!!!???になりました。
お姉さん(ひなちま)「ありますよ。出られる方法1つだけ」
からの・・・まさかの転職展開は笑っちゃいました。ちょっとまぁ・・・他の配達員全員ひなちま、というのは確かにビジュアル的には凄くインパクトあるんですけど、そこは別に同じくして出られなくなった人で良かったような気も。
とか思っている隙に、最後の最後ですからね。
ぶつっ・・・・さぁ、この先どうなる?ってところで終わるところがまたにくい。
一方で、後半完全にオリ展開になりつつも、
原作最初の心情、
俺は在宅のウェブディレクター 稼ぎは多くないがやりがいがあり仕事は充実している
を繰り返すのは原作リスペクトが感じられてとても良かったです。
ただまぁ・・・。
1つだけ不満があって。
最後の配達は、ポメラニアンも連れててほしかったですね。
配達するのに犬がいるのは非現実的ですが、でもそうした方がゆかりは切羽詰まると思うので。
あとキャスティングも神でしたね。
ジャンプ特有の名前も顔も若い主人公をジャニーズの北山君、普通さを兼ね備えたルックス加えて惜しみなくすっぴんをさらしたゆかり役。メインの2人はどちらもぴったりはまっていたと思います。
でも、この作品で一番輝いていたのは、やっぱひなちまですね。
お姉さん(ひなちま)「おとどけものでぇ↑す♡♡♡」
漫画での「オトドケモノでぇす♡♡♡」をどういう感じで言うのかなと思ったのですが、そういうイントネーションか!!!ってなった。でぇ↑す、がたまらなくいい。
監督(演出)の指示なんですかね?それともひなちまの役作り?
後半だったらもう立派な女優ですよ。でも寂しくなるからまだちょっといてくれ乃木坂に。
あと多分原作を読んだ人は、「あー俺の家にもこんな美少女がすぐ来てくれたらなw」って思うんですよ。そこに2022年現在、「美少女」の代名詞となっている乃木坂のメンバー持ってきたのは大正解だったと思います。露出度的には多分グラドルとかの方が自然、だったとは思うんですけど、でも誰か分からないグラドルあがりだと主演がジャニーズなので負けてしまうんですよね。だからといって、吉岡里帆とか脱げる女優を持ってきても主演のキャスティングを食ってしまいますし・・・。「演技力がある有名過ぎない乃木坂46」を持ってくるという絶妙なセンス、脱帽です。
北山君も顔芸を頑張っていましたが、ちょっと中途半端に終わってしまったな感。最後はやっぱり「オトドケモノでぇ↑す♡♡♡」って言うべきだったろ。
・・・というより、まって。
中盤、生のひなちまのお腹に頬っぺた、寄せてましたよね?
許せネェ・・・・・俺・・・・許せネェよ!!!!!!
・・・ひなちまっ!!!!!!!!!!!!!
「何だかんだ銀座」
パパ「今の時期のお金持ちたちは、株主総会が近いから警戒心が強いんだ」
一番初っ端のこのパパの台詞が一番面白かった。
株主総会が近いから警戒心強いって何。株主総会出るのがこんなとこでハチミツ嘗めてていいのかっていう・・・。
世界観、謎極まってる。
からの、いかにも初恋の相手っぽいヒロイン、悪ガキ、と色々出てきて、且つひとつひとつキャラがたっていて秀作だったと思います。
主人公の男の子、演技上手かったですね。ていうか最近の子役全員上手い説まであるな・・・。「世にも奇妙な物語」とかいう秀逸子役発見装置。連ドラと違って一回きりだから今後芸能活動続けない、という選択肢をしても、人生の思い出にもなりそうだしね。
ヒロインの女子高生、もこれまた演技上手かった。んだけど、成城で捕まえた二ホンコガネモチちゃんもなかなか良かったですね。ボルゾイとかスパニエルを思わせる品の良さ。特に落ち込んでいる主人公を励ますヒロインの横で、そっと寄り添っているさまはなんか笑っちゃったよ。こことオオカネモチが恋関係になるのか?って思ったけどならなかったね。
悪ガキ、着ているTシャツがいちいちぎらついていて面白かった。多分演者の子自体は普通は主演やるような子、要するにいじめられるよりいじめられるような役の子、だと思うんですよ。オーディションおちか?でもしっかり演じられていたし、ギラつくライオンのスパンコールのTシャツや、BLASTOFF!!!*1と描かれたTシャツなどバッチリ似合ってましたね。
それにくっついている二ホンアブクゼニも面白かったですね。特に
悪ガキ「おい!!サーフィンはこの前やったろ!!」
のくだりは可愛かったです。
で・・・、
視聴者も世界観にも慣れ、
最後オオカネモチと涙の別れをし、
そして数年後・・・
ようやく・・・
となる訳ですが、
いやぁ、笑っちゃいました。
悪いお金持ちだったか~~~!!!
確かにね、序盤のね、もうねハチミツに群がっているオカネモチ達を見た地点で薄々ね、
「お、人権はく奪しているな~。ゴールデンなのに攻めてるな~。クレームきそうだな~。」
とは思ってたんですよ。有田という芸人のキャスティングにすることで、そういう道徳的問題を見て見ぬふりしている脚本なのかなって思ったんですよね。最近のフジテレビだと。
だから、それを見事に裏切るスパッとした切れ味の結末にはあっぱれでした。
後味の悪さで後をひくのは勿論、やっぱり人が人を操ろうとしちゃあダメだよね。というまさかの深い道徳を突き付けられるとは思わなかった・・・。
特に「人が人を操ろうとする」、の最たる例がやっぱりそう、僕も大嫌いでした。
就活なんですよね。
学生(社員)を人として見ずモノとして見る。
10年後、ではなく12年後に設定し就活で終わったのは凄かったです。
オカネモチを人として見ずモノとして見てきた、主人公の最後・・・。
いやでもさあ、主人公は頑張って世話してたじゃーん!って思っちゃうけど、でもそれも一方的な訴えかけに過ぎず、ブラック企業のやりがい搾取に似たものを感じますね。
色々考えさせられる。
近年の中で一番、深い作品だったんじゃないでしょうか。
ただタイトルがちょっと意味わかんなかったかなぁ・・・。あとなんで「ギャラクシー銀座」といい「銀座」がつく作品はカオス(実は深い)作品が多いのか。
どうでもいいこととしては・・・有田髭やめたんですね。あれ似合ってなかったんで良かったです。あと変な茶髪じゃないのも良かった。
あと、成長したゆうすけ、はじめしゃちょーに似すぎだろ。
最後に、ぐっときたオオカネモチ+ゆうすけの、ふれあいシーンベスト3をあげて終わります。
1位 ゴルフのシーン:キャバレーゆうすけがめちゃくちゃかわいかった。
2位 乗馬のシーン:「予約なかなかとれなかったんだよ!!」と叫ぶゆうすけがめちゃくちゃかわいかった。
3位 フォアグラのシーン:フォアグラを食べるオオカネモチをにこにこしながらみるゆうすけがめちゃくちゃかわいかった。
「メロディーにのせて」
主演:生田絵梨花
ううーん。なんか一番微妙に感じた。
発想自体はいいと思う。「脳内メロディー症候群」。脳内を駆け巡るメロディーに合わせて行動しないと死に至る病。
主演は生田絵梨花。乃木坂出身屈指のミュージカル女優である。
そこに「メロディーをのせて」というタイトル・・・。
ラブストーリー、もしくはコメディを期待するでしょ。
そこに、変な伏線回収欲とバッドエンド欲が絡んだらうんまぁ・・・こうなるよね。
普通に奇人と付き合って最後までハッピーエンド、で良かったと思うんですよね。
というか、最近の「世にも奇妙な物語」、バッドエンドなら良い話になるだろう、って思っている節あるよね。やめろ。結構最近バッドエンド率高いぞ滅んで。
「オトドケモノ」のように収束する終わり方だったり、「なんだかんだ銀座」のように問題提起する終わり方であればいいんだけれども、ただ安直にくっつけたバッドエンドはどうなの?と思う。
てかこの話は多分・・・逆算的に、最後に世にものメロディーで終えたいがために書かれた感じもするんだよな。それだったら「なんだかんだ銀座」のようにコメディ一色にして結末との落差をつけるか、「墓友」「鏡子」よろしく不穏な匂いをいっぱいいっぱい漂わせておいて作品としてまとめておかないと。
脚本が最悪でしたね。
で、その基盤がちゃんとしてないからか何もかも全部が中途半端になってしまった印象。
キャスティング。この主題で主演を生田絵梨花にするならば、周囲をミュージカル俳優一色に染め上げないと負けちゃうんですよね。例えば、あの「カメラを止めるな!」の俳優を医者に持ってきたのはダメでしたね。主演がミュージカル俳優で演技が大きくて存在感出してナンボの世界だから、中途半端な俳優だとまけちゃうんですよね。
テンポ。微妙でしたね。「オトドケモノ」がこの先どうなるの?どうなるの?と分からないままぐいぐい進む感じがたまらなかったのに対して、妙に本作は間延びしてた。そのシーンいる?みたいな部分が多かった印象。例えばランチのシーンとか。「オトドケモノ」はそういったところも殆どを回収していたんですが本作は・・・。
うーん。やっぱ脚本かなぁ。
といっても、本作が今回唯一のオリジナル脚本なんですよね。
がっかりです。
世にも奇妙な物語の隠れた名作「3人死ぬ」へのオマージュを捧げました(笑)
って笑っている脚本家の鼻っ面をぶん殴ってやりたい。お前含めて4人死ぬんだよ!!!!
あと思うことがあるとすれば、ディナーのシーン。
奇人の彼氏「運命なんだ」
と生田絵梨花に言って手を握り合う場面があります。
く~ぅ。ミュージカル俳優になればCD買わなくてもアイドルと握手できるのかく~ぅっ!!!く~っ!!!!とか思っていたんですが、ふと、
あれ・・・・?これ生田絵梨花がキャスティングされているけど大園玲さんだったらどうなんだ・・・?
え・・・大園玲さんと私が手を握り合って
大園玲さん「世界で3人の奇病なんだって・・・まぐろどん」
とか言って来たらえ!!!???えええええ!!!????ど・・・・どどどどどどどど、どうなんだ!?!!??
え・・・!!????
えええええ・・・・!!!!???
と別の意味ですっげぇ興奮しました。
どっちかというと生田絵梨花よりその相手の俳優・稲葉友の方が大園玲さんに似ているんだけどね。顔立ち的には。
生田さんは笑顔が可愛いのも勿論なんですけど、部屋の前で怯えている表情が一番良かったです。何が言いたいかと言うと是非本格邦画ホラー映画のニューヒロインとしてだな・・・。
「電話をしてるふり」
最後の話ですね。
4話構成、加えて最近4話目が短い傾向にあって寂しいです。
悪くなかったんじゃないでしょうか。
SNS見る限り、原作ある「オトドケモノ」「なんだかんだ銀座」+本作の中で、本作だけが原作に忠実に終わったようですね。
ただ、最後の話がいい話だとなんか物足りないのも事実。
順番が悪かったと思います。僕だったら「メロディーにのせて」→「電話をしてるふり」→「なんだかんだ銀座」→「オトドケモノ」にするかなぁ。
あと、冗長なオリジナル作品見せられるより、これくらいの長さの方が見やすいって言うのもあります。要するに「メロディーに乗せて」クソ脚本の上に長すぎるということです。ただスタッフロール見ると同じ脚本家のようですね。頼む。もうお前は原作ありきで書いてくれって感じ。
演者もまぁあっさりしていて悪くなかったです。強いて言うならば序盤に出てきたナンパ男の演技が、スマホ渡す時に画面を拭いていたり別れ際に敬礼をしたり、結構小技利かせていたなぁ、といった印象。正解ですね。話自体がまとまり・・すぎているところもあるため、序盤これくらいしてくれないとあまりにも起伏が無さ過ぎだったでしょうし。
あと、不満点があるとすれば、多分主人公が結婚したのって、あのツナマヨおにぎりを食べてた同僚だと思うんですよ。あいつと結婚したことを明確に示唆する描写があれば、より綺麗な後味で終われたかなぁ。
最後、「2022年秋の特別編」が予告されましたね。やったぜ。
ただ毎回楽しみにしていたあの安っぽいエンディングの映像・・・ぐるぐる灰色が渦巻く中で茶色いドアがぽかんと浮いていて黒い蝶がはためくあの映像・・・がなかったのが残念です。あれを見るために私は「世にも奇妙な物語」を見ている節があるので。
以上である。
うーん。まぁ良くもなければ悪くもない。
「なんだかんだ銀座」「オトドケモノ」と、秀作が2作あったため満足度高かったけれども、それでもちょっと後半の失速は否めなかったかなぁと言った印象。
オリジナルが書けないのであれば、バンバン今回のように原作ありきでもいいような気がします。
短編小説って、もうほとんどの人が読まない時代になっちゃたじゃないですか。読書が趣味の一つと化し、そのなかで更に「奇妙な短編」となってくると・・・。読んだことある人が日本にどれくらいいるのかっていう話。
良作短編小説を、映像で紹介するブックテラーとして振り切ってもいいと思います。外国の小説だって権利さえ得られればもう日本化して流していいと思う。「夏への扉」のように映画じゃないんだからこけてもTwitterで貶されて終わりでしょうし、今更駄作になったってこれ以上離れる視聴者もいないでしょう。
そりゃあ昔はオリジナルでも素晴らしい作品がバンバン生まれていましたけれども、原作ありきが前提になったとしても、それは時代に合わせた変化と言えるでしょう。
中途半端な作品を出し続けるよりは。
ただ、「恋の記憶とまらないで」、あれをオリジナルで書いた脚本家諸橋隼人さんが、「恋の記憶」同じく2019年秋の特別編で書いた「ソロキャンプ」も古き良き世にも奇妙な台本で結構良かったんですよね。
オリジナルには彼を継続的に起用し、加えて原作ありきの短編。
これならもう5年くらいは比較的質を保ったまま続けられると思うんですけど、どうですかね。
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LINKS
振り返りを観たら2020年「夏」「秋」2021年「春」未視聴であることが判明。
単純に一時期熱下がったというのもあるけれども、鬱っぽかった時期でもあるかも。
2021「秋」は見て感想も書いているのでまたあげます。
この作品に結構心掬われたところがあったので尚更つらかった。
「カメラを止めるな!」はおもしろいぞ。
*1:飛び立つという意味だそうな。飛び立つ!!!