何もない私を、きっとママは愛してくれない!!!!
「ハッチング-孵化-」(2022年 監督:ハンナ・ベルイホルム 主演:シーリ・ソラリンナ 配給:ギャガ)の話をさせて下さい。
【ストーリー】
北欧フィンランド。
12歳の少女ティンヤは、完璧で幸せな自身の家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすために全てを我慢し自分を抑え、体操の大会を目指す日々を送っていた。
ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。
家族に秘密に詩ながら、その卵を自分のベッドで温めるティンヤ。やがて卵は大きくなりはじめ、遂には孵化する。
卵から生まれた”それ”は、幸福な家族の仮面をはぎ取っていく・・・。
ちらしより
【見るべき人】
・長女
・かつて反抗期を迎えた女性
・娘を持つ保護者
・凄い演技力を持った金髪碧眼少女を見たい人
・エクソシスト好きな人
・少女漫画が好きな人
【ためらうべき人】
・エイリアン無理な人:結構思ったよりエイリアン。
【感想】※ネタバレ含みます
結構良かったです。
ただホラー、かというと微妙ですが。
でも、12歳になり、思春期・反抗期に突入した少女の複雑な心情を巧みに切り取っています。
少女心理サスペンス。といったところでしょうか。
本作を知ったのは「静岡サールナートホール」のTwitterでした。
静岡サールナートホールとは、静岡のなんか文化的な施設で、そこに小さい映画館があるんですよ。詩で唯一ミニシアターで公開される作品が放映されている訳です。
そこのTwitterが積極的にガシガシ公開作品を紹介してくれるのですが、今年の2月だか3月に本作が紹介され、僕はもう超絶関心持って、超絶見るのを楽しみにしていたのであります。
そして季節は移り変わり花粉が増え花粉が消えGW終わり無事5月になり、僕はワクテカワクテカしながらもうボックスステップで、2022年5月の終わり、ホールに行ってみてきたのであります。
結論としては、良い。
想像とはちょっと違った方向だった。けど、満足度が高い。
どこらへんが違ったかというと二つ。
まずエイリアン。エイリアン要素が強い。
孵化するのは本作の四分の一だとサートナーホールのTwitterであらかじめ知っていたのですが、その孵化するのがまぁうん、結構エイリアンなんですよ。
結構序盤から、もう一人のティンヤなんだろうなぁという予想はつくのですが、人間体になかなかならない。エイリアン期間が長すぎる。
しかも結構ヌチョヌチョしていて本格派なんですよね。
抑圧した心の闇を具現化した姿、なんでしょうが、まぁぬちょってる。
しかもズルいのが、予告にこのエイリアンの姿が一切出てこないんですよね。人間体になったところしか出てこない。
だから多分見て「思ったのと違う」「思ったより湿度が高い」「森林からの物体X」てなった人は多いと思います。
もう一つ。キービジュアルにもなっている紙の仮面。
主人公が心を閉ざした時に見える家族の顔なのかな?って思うじゃないですか。結構出てくるのかな?って思うじゃないですか。
いうなれば漫画(アニメ)「聲の形」の×印みたいに。
違います。ほっとんど出てこない。
両親も当たり前にキービジュアルではつけていますが、実際に本編で着用しているのは弟だけです。加えて着用時間も多分3分無いんじゃないかな・・・。
おいおいまじかよ~!!!になりました。そこは。
おいおいまじかよ~!!
確かに、
母「全世界から羨ましがられたい。実際に家族が大事かどうかはどうでもいい」
父「体裁上の家族があり、仕事も趣味も時間が割けられるのであればどうでもいい」
弟「ままのおっぱいちゅぱちゅぱ。ままのおっぱいちゅぱちゅぱ」
と、各自自分本位のとんでもないえっぐい本音を作中一貫して隠している、という意味では確かに、この仮面はティンヤ以外の家族は初めから終わりまでずっと被っていた、とも言えるのですが、もっとこう・・・物理的に見たかったです。そういう心を研ぎ澄まさないと見れませんみたいなシステムだとは思わなかった。さすがムーミンの国だぜ・・・。
【ストーリー】:★★★★★★
じゃあなんで満足度が高いのか、っていうと、ストーリー。
めっちゃくちゃ良いです。
「少女心理サスペンス」と捉えると物凄く良い。且て少女だった女性、そして特に長女はこの物語ぶっ刺さるのではないでしょうか。僕も長女なので滅茶苦茶ぶっ刺さった。
序盤。
まず鳥が突然幸福な家庭にパーン!!!とやってきます。結構な大暴れをかましてくれます。やりすぎリビングシャンデリアを割るシーンは特に良かった。
多分、今まで「良い子」であった少女に訪れる、親に対する懐疑や反抗心の訪れを暗示した場面だと思うんですよね。
ある日突然、信じられなくなる。
ある日突然、「親が全て正しい」が崩れてゆく。
そしてその突然現れた鳥が生んだのが、このフィンランド式たまごっちです。
ある日突然抱いた違和感は、どんどんどんどん大きくなる。
自分の意見が確立され、今まで一神教の神のように鎮座していた母はただの人間であることが見えてくる。
ねぇ。ママ。ママが全て正しいのでは、なかったの?
どんどんどんどん大きくなる。
ママは、神様じゃない。
でもね、ママ。ああ、ママ。ママ。
私はママが大好きなの。
ママが全て正しいと崇めることは出来なくなったけれどもそれでも大好きなの。
だから私は無理矢理、幼い頃からずっと一緒にいたテディベアに、卵を埋めて隠したの。
かつての私でいられますように。今まで通り良い子でいられますように。ママが一番でママからも一番愛される私でいられますように。良い子でいられますように。
ママが神様で、私は無邪気に言う事を聞いてただ良い子でいればよかった、あの頃・・・今まで通りの自分でいたい。何も知らない私でいたい。いい子であり続けたい。こんな気持ち嫌だ。こんな気持ちを持っている自分がとても醜悪に感じる、ママに好かれたりママが大好きママが、ママがね、ねぇ私はママが、ママが大好きなの!!だからいい子でいたいの!!!!!!!
だから、かつての幼少期に無理矢理、突如生まれた私を揺さぶる感情・・・醜い私自身を埋めて隠した。見るのも嫌だった。。
・・・卵はあまりにもたやすく肥大化し、テディベアは脆くもあっさり破れ去る。
中盤。
めでたくエイリアンが孵化します。
抑圧されたママへの愛を爆発させたエイリアン・・・ティンヤの分身。
だからティンヤからママの愛情を奪おうと思う存在は、襲撃です。
ママは体操で一番の私じゃないと愛してくれないだろう。だからエイリアンは私より体操が巧い女の子を襲ったの。
ママは本当は愛などとうにないパパとの間の娘である私より、不倫相手の娘の方が自然と愛おしくなるだろう。だからエイリアンはあの赤ん坊を襲ったの。
無論ティンヤ自身の分身でもあるため、ティンヤに危害を加えるものは容赦しない。
犬が突然噛んできたの。びっくりしたい痛かったわ。
また、エイリアンがティンヤの分身だからこそ、隣人の少女の息の音を止められなかったのでしょう・・・本当に親友になれると思える存在だから、殺せなかったの。
そしてママがティンヤにあげたブラシで、髪の毛をとかされているエイリアン・・・。
大切なママのプレゼントを使っているのはティンヤではなくエイリアンなわけです。
もうこの地点で、本当のティンヤはエイリアンだったのかもしれません。
そして全編通して随所に見られた分身、であることを暗示させる描写がこれまた気持ち悪かったですね。ティンヤが嘔吐したものしか食べないという・・・嫌悪感。しかしティンヤエキスを取り入れることでどんどんエイリアンはどんどんティンヤになっていくわけです。
エイリアンからティンヤの姿になり、そして・・・。
終盤。
血液をも飲み込んだエイリアンはティンヤと無事同化するわけですね。
やったね!
神ではなくなったママ。
それでも尚、私はママを愛することが出来る。
最後の最後のシーンは、幼少期との決別を図った、成長を暗示させるシーンだと思います。
幼少期のティンヤはもういない。
ただの子供のティンヤは消え、そこには大人でもない子供でもないティンヤがいる。
・・・成長。
・・・要するに、僕達もどこかで、幼き僕達を殺したのではないか。
ただ、本作では実際ティンヤを殺したのは、エイリアンではなくママなんですよね。
結局ティンヤに、今までのいい子であることしか求められなかった。
聞き分けのいい子であるティンヤ、賢く体操が得意な自慢の長女であるティンヤ、愛おしい長女。娘。
成長して言う事を聞かないティンヤなんてそれはもうティンヤではないし、自分の娘と認められないから。
いい子でなければそれはティンヤではないから。
娘を認められなかった。
最後まで成長し続ける娘を認められなかったからこそ、ママはティンヤの殺害に至ってしまったのでしょう。当然の帰結。
幼少期「いい子」であることを捨てたのは、
僕達がかつての幼き僕達を殺したのは、
親に絶望をしたからではなかったか?
この一連の流れにすっごい共感。
あ~分かる~になる。ティンヤは12歳とのことですが・・・まぁそうですね、中1とかこういう感情にひっちゃかめっちゃかで、結局高校卒業直前までずっとひっちゃかめっちゃかでした。
僕の場合体操に合致するのが勉強で、分からない問題があるとパニックになってた。
中学受験をしたのも高校受験がない、というのが第一の理由ですがどこかで「親の自慢の子になりたい」という企みもあったと思います。
うんまぁ、要するに、たまごっち。日本でも少女がみんなこぞって持ってたたまごっちは、フィンランドでもどうやらめちゃくちゃ流行していたようです。
なるほどフィンランドのたまごっちは、持ち主と合体するんですね。異文化。
話はそれますが、日本では、人間と同化するたまごっちは出てきませんでしたがデジモンは1年そういうシリーズがありましたね。あれからヒロイックな部分をごっそり抜き取って、女子のリアルをみっちり詰め込んでフィンランドに送ってムーミンがもしゃもしゃ消化して、ぶりぶり出てきたのが本作です。
また、本作90分ちょいあるにも関わらず父親と弟は一切エイリアンの襲撃を食らっていないんですよね。
それはママが「パパよりも弟よりも私を一番愛している」という自覚がティンヤにあったからでしょう。
大きな声では言えませんが、第一子・長女として僕もそれは感じることはあります。恵まれたことに親は第一子も第二子もほっとんど同等に愛していると思いますが、その「ほっとんど」の数ミリたる部分・・・。その僅かな差があるがために、弟や妹達は我儘が赦され末っ子であることが赦されているのだと思います。
本当に長子第二子共に平等に愛している人は、「お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんなんだから」という言葉を一切口にしないのかもしれない。まぁ僕は夫は愚か彼氏もいたことがない喪女・まぐろどんなんでよく分かんないですが・・・。
あとまぁシンプルに互いに興味が無さ過ぎた、っていうのもあると思います。
あと、生理を神聖視していないのも良かった。
こういう複雑な時期の少女を描写する作品は数多くあるんですが、まぁだいたい出てきます。初潮、もしくは生理。
もうね、うんざりってくらい出てきます。あきあき。
多分観客や読者に凄く分かりやすく主人公の成長を提示できる小道具だからだと思うのですが・・・。
でも身体の成長と心の成長って必ずしも一致しませんよね。
生理がほっとんど出てこないのは本当良かったです。ティンヤちゃんの経血すすって成長するエイリアンはあまりにも変態でキモいから却下されたのかもしれない。
ちなみに、娘のシーツが汚れていて「あ・・・(察し)」に逃げてそれ以上介入しない父親は凄いリアルだなと思った。関心持ってくれ。せめて新しいシーツだけでも持ってきて来てくれ。だから娘から「だめだこりゃ」にしか映らないし、だから中盤から愛人の家に娘も足を運ぶようになるんだぞ。
また、身体的第二次性徴的要素を排することで、ティンヤの内的部分に自然とフォーカスしていったので構成的にも正解だったと思います。
【登場人物】:★★★★★★
ティンヤ:シーリ・ソラリンナ
凄いです。
映画とーしろ、ましてやフィンランドなんてとーしろのとーしろである僕でも、彼女の演技が凄いことはめちゃくちゃ分かった。
表情が凄い豊かなんですよね。基本ネガティブな表情しか求められないのですが、その「ネガティブ」の多様さといったら。多種多様な泣き方をするし、多種多様な絶望をする。目が離せない。
14歳とかそこらかなぁと思ったら12歳、何ならメイキングのYouTubeで見たオーディションの映像では11歳と言っていて、僕は失禁しました。高校2年で二次関数にぶち当たりそれこそパニック起こしていた時に彼女がそこでやっと生まれてえもう孵化しちゃうん?たまごっち?時の流れが最近ますます早くて早くて・・・。
また、途中から分身・・・エイリアンも演じます。人間離れした動き表情を見せるわけですが、これまた凄い。動画でも取り上げられていましたが、やっぱ愛人の家での四つん這いのシーンは凄かったね。「エクソシスト」のブリッジのあの女の子のシーンを思い出した。
あと最後の最後の最後の、エイリアンが完全にティンヤと同化したシーン・・・救いのあるような絶望しかないような何とも言えないあの表情・・・鳥肌がたちました。どういう表情だったか。具体的には覚えていないんですよ。円盤出たら買おうかなぁ・・・。
本作の公式HPには「1200人からオーディションで選ばれた主人公」とでかでかと書かれていて、「乃木坂なんて万単位やぞ。1200人でそんなに宣伝することか?」と思ってましたが、視た後なら分かります。
凄いです。
凄い。
ママ:ソフィア・ヘイッキラ
その凄まじい演技力を持った少女には、ベテランで経験豊富の女優をぶつけんだよ!!って感じのキャスティング。
終始おっぱいまるだしなんですけど、一切エロさを感じないんですよね。はしたなさしか感じさせないのは凄いと思った。そこに自撮り棒ですからね。マジで見てられないよ。
特に印象に残った場面は、車でヒステリーを起こす場面です。
クラクションに頭をガンガンぶつけ、
「あなたも私を幸せにしてくれないのね!!!」
(劇場で見たので僕の記憶頼り。不正確)
みたいなことをティンヤに言うんですよ。
幼き頃、ティンヤにとってママは神でした。
ママにとっても、いい子であるティンヤは神だった。
いい子である自慢の娘というのは、ある種親の希望であり唯一神に似た存在であることが一気に分からせられる、あのセリフと場面は最高でしたね。
あと、シンプルに、僕の母親も車の中であれより3倍くらい酷いヒステリー頻繁に起こしてたんで共感ですね。
パパ:ヤニ・ヴォラネン
何気にこの俳優も演技すげぇ・・・ってなった。
特にギターをいじっているところをティンヤが突入する場面があるのですが、あの時に何となく誤魔化した場面、あの演技は神だと思ったね。ちょっとコメディ感を出す、演技をするんですよ。そのコメディ感の演出で、今までてきとーに「いい父親」気分だったんだろうな、っていうのが分かる。小説とかでは絶対無理ですね。映画だからこそ演技だからこそ出来る数秒の名シーンだと思います。
あと水やりの場面とかね。何も考えてないんだろうなぁという平和ホンワカパッパな水やり最高でしたね。
テロ:レイノ・ノルディン
ママの愛人ですね。イケメン。
グレイテスト・ショーマンの主演に似ているなぁと思った。
演技上手いとは思うんですが、まぁ・・・普通かなぁといった印象。
ティンヤの理解者ポジションの為、欠点があまり描写されていないんですよね。演技力が光るのって大抵登場人物の欠点だから、印象に残らなかったというのもあるかもしれませんが・・・うまいけど無難。
弟:芦田マナ太郎(仮)
に対して、ティンヤの弟も弟でこれまた凄かったですね。
マザコンなんですよ。ぽっちゃりしてて。
そんでもうすっごい見ていてムカつくように作られている訳です。
演者の男の子は、自分がどういう役で演じているのか・・・分かってる・・・んでしょうね。多分10歳にも満たないと思うのですが・・・。
それともマジのそこら辺の生意気なガキをぶちこんだんでしょうか。
中盤から、もはや僕達無関係!!とでも言わんばかりのパパと似たペアルックが似合ってましたね。
愛人テロのキャスティングが名前がwikiでも広告でも明確に公開されているのに対して、彼の名前が掲載されていないのはちょっとなぁ・・・と思います。ちょっとなぁ・・・。なので僕がつけます。
お前の名前は今日から、芦田マナ太郎です。
隣人の親友:ベッキー♭(仮)
隣に引っ越してきたティンヤと同級生の女の子ですね。
同じロングヘアなのですが、黒髪でふと眉で、絶対いい子じゃん!!って感じの笑顔がたまらなく可愛い。
ママの買ってきた白ワンピ一倒のティンヤと違って、服装も今っぽかったですね。GUにも売っていそうな。フィンランドのティーンってこういう服着てるんだ~って思った。
ちなみに本作で一番怖かったシーンは、彼女がティンヤの腕を掴むところです。
エイリアンが物凄くグロテスクな容貌をしているにもかかわらず、其処を抑えての断トツのトップ。ちょっとあそこはビビったね。
ちなみに演者の名前もこれまた分からない。ちょっと昔のベッキーに似てたのと、あとなんか中盤からかわいそうなことになっていたので、音楽活動名義のベッキー♯文字って、ベッキー♭としておきます。
「あなたは正しく孵化できましたか?
私は正しく孵化できませんでした」
【演出】★★★★☆
音楽がいいですね。冒頭の水鳥の歌、というのが繰り返し出てくるのですが・・・この悲しいメロディがとてもいいんだ。
エイリアン。気持ち悪さ95%可愛さ5%の絶妙な配合で、エイリアンに対して愛情を捨てきれないティンヤへの共感を呼び覚ます感は見事だなと思った。
ただ、他・・・は結構難解なんですよね。
例えば本作は「あえて不自然な感じで作った。それは、登場人物達がドールハウス的な場面でうんぬんかんぬん」と監督が語っているのですが、全く気付かなかった。確かに隣人の親友の両親出てこねぇなとは思っていましたが。
また、キービジュアルにもなっているこの仮面。弟がティンヤの部屋に忍び込む数分のシーンだけつけているんですけど、なんでここでつけているのかよく分からなかった。
フィンランド映画、北欧の映画自体がそういう難しい作りをしているのでしょうか。
それとも僕が単に鈍感なのでしょうか。
パンフ売り切れてたんですけど、やっぱメルカリか何かで買おうかなぁ・・・。
拾いきれなかったなというところが多いので、個人的感覚として★4。
以上である。
ストーリーがとにかく共感できた。
多分男性で、特に次男坊とか三男坊に生まれた人は面白くないんじゃないかなぁ、と思う。共感の上で成り立つスリリングだと思うので。
見て良かったですね。
あの頃の、どうしようもない、もう爆発しそうなエネルギーを思い出す。
私達はかつて、私達を殺した。