今日も今日とてひとりぐらしぃ!!!
※「ひとり」暮らしは、一人暮らしと独り暮らし、両方の意味が掛かってると思われる
玉置勉強『彼女のひとりぐらし2』(幻冬舎 2011年)の話をさせて下さい。
【あらすじ】
輿水理香、26歳独身。
高校時代はバスケ部しょぞく。
きそくただしかったせいかつが、たまに遠い昔のことの様に思う、
最下層フリーランナー。
今は、部活時代より継承した、部屋干しロープ張りの部屋で、
スポーツ観戦したり、妄想したり、飲酒したり、
気ままなひとりぐらしを満喫中!?
裏表紙より
【読むべき人】
・女性で一人暮らししてる方
・ゆるーい漫画が読みたい方
・つかれている人
【感想】
ブックオフオンラインがこの前、「少ない巻数でおススメの漫画50選!」みたいな企画をやっていたのですが、本シリーズが入っていてやっぱりブックオフオンラインのライター、ガチ勢だよなって再確認いたしました。
2巻!!です!!
といっても基本1巻と変わらず理香がだらだらと暮らしているだけ。男はいないしダイエットに励むし洗濯しようにも雨は降るし・・・。
でもやっぱり小さいこと一つ一つにおける理香の気持ちの機微を描くのがやっぱりめちゃくちゃ上手くて、なんかやっぱり他の生活系漫画とは一線を画するんですよね。やっぱり。
本書は実は初版ではなく、発売1年3か月後の3刷目ですが・・・このサイズの漫画にしては結構売れてる方、だと思うのですが・・・、帯も前回から引き続き豪華なメンツで描かれていますが、まぁ分かります。当時多くの人が本作に魅了されたっていうのは。
また、3巻で完結しているのもいいんですよね。多分刷り数を見れば、まだだらだら続けようと思えば出来ると思うんですよ。多くの生活系漫画も巻数多い傾向にあるじゃないですか。でも潔く3冊。
そういうところもまた逆に、惹かれるんだよなぁ・・・。
以下簡単に各話のあらすじとぐっときた台詞、感想を残しておく。
第13話:コインランドリー、部屋干しの話
理香「今はいてるのはえっと、2日目半だったり・・・」p.4
リアルさも絶賛している本作ですが、ここだけは異議申し立てたい。
意外と女子はパンツは毎日換えてる。どんなにずぼらでも基本毎日換えてる。
代わりに2日半つけちゃうのは、ブラですね。
パンツはまぁ汗以外の諸々でさすがに不潔を感じて自然と換えちゃう。コンビニにも売ってるし。
でもブラの方はまぁ基本汗だけじゃないですか。だからまぁいっかなって思っちゃう。特に冬だと。あと部屋着、とかね。
作者が男であることを忘れかけてた。
そやった、あまりにもリアルで忘れていたけど、玉置先生男だったわ。
そういう一話です。
第14話:プールの話
理香「安上がりでも安売りはしないっ!!」p.20
この台詞が掲載されている最後のコマ、曇天+雷の空の情景が描かれています。
ここが本作の面白い所。
別にど晴天でもいいし雨ざーざーでもいいわけじゃないですか。でもあえて中途半端なその天候を選んでいる訳ですよ。
その生半可感が、いかにも今の理香を象徴しているかのようで、面白かったですね。
センター試験の「漫画」で出るんじゃないでしょうか。
【問題】最後の1コマであるがここから分かる理香の心情を以下のアからエのうち一つ選びなさい
ア:モーリシャスに新婚旅行に行ったいこーを本当は妬ましく思っている
イ:市民プールでいっぱい遊んだことで生まれ変わった感覚になり、明るい未来を思い描いている
ウ:日々の鬱憤の合間の、一瞬のモノとは知りつつもその解放感に酔いしれている
エ:溺れかけたがミネラルウォーターが美味しかったので、再び市民プールで泳ぐことを決意している
・・・。
・・・。
・・・。
・・・正解、ウだと思うんですけど、どうでしょう?
第15話:ワールドカップ観戦
理香「世界中のいい男博覧会でもあるしっ!!はああ♡」p.25
クソみたいな台詞ですが、まぁちょっと分かるのが悔しいですね。同じ白人でも、東欧と西欧だと微妙に顔立ち違うんだなぁって思ったり、あこういう髪型ってありなんだ~でも似合ってる~とか思ったり、えやだ意外と南米かっこいいやんとか。結構面白いんですよね。
2011年のワールドカップだから、僕が高校3年の時のワールドカップですね。僕が初めて関心持って観戦したワールドカップでもあります。
女子サッカー部というのが僕の母校ありまして、所属する女子は所謂クラスの中心のイケイケ系女子だったんですよ。だから自然と皆関心持っちゃうっていう・・・。
わくわくしたなぁ。
サッカー観戦ってこんなに面白いんだ!と衝撃を受けた覚えがある。
それ以来、ワールドカップだけは日本の試合は見るようにしてます。まぁ全然詳しくないのですが・・・。
ついこの前まで「すげぇ!!新星や!!」て思ってた柴崎選手がもう中堅もしくはベテラン勢にいるあたり、時の流れの速さを感じます。
第16話:隣駅の実家へ帰省。彼氏を連れて親に挨拶にきた妹も帰省してた。
理香「しっかしーー昔は喧嘩ばっかだったのになーーー
歳食うと変わるねお互い ちょっとだけ」p.42
僕は未だに妹と仲悪いですね。
でも喪女喪女している間に、妹彼氏作ってたらしくてビックリした。大手企業務めらしいが東京転勤になるので遠距離になるそうだ。
でもまぁ、仲悪いので昔はそのまま喧嘩していましたが、今はお互いに限界ぎりぎりまで距離を取っています。家は愚か連絡先も知らないし。彼氏の情報も母から聞いたものなので。
そういったところは、輿水姉妹同様「ちょっとだけ変わった」ところなのかもしれない。
第17話:飲み会の翌日。
理香「よし粗相した形跡もないっ」p.48
記憶亡くすほど飲んで気づいたら朝・・・ってことは今のところ僕は無いですね。そこまで飲める程お酒強くないというのもありますが。
だから、まじの二日酔いってこういう感じなんだぁ~と勉強になった一話。
でも鍵開けたままにしちゃったからって合鍵屋に2万近くも払うのは、自意識過剰じゃないか輿水理香。
僕は時々、家出る前どうしても見つからないと、鍵開けたまま仕事に出かけることが多々あるので・・・。
第18話:こたつ購入。
理香「ダークラム・角砂糖あと無塩バター・・・はないから普通のバター
わたし流は砂糖多目にラム少な目
ほんとはシナモンとか入るんだけどそれもめったに使うもんじゃないから買わずにすます!!」p.60
こたつでだらつく理香の気持ちもまる分かり。
トイレすらめんどくさいよな分かるよ。
でも後半の、理香が作るダークラムが本当においしそ~となった。あとこういう風に作るんだという勉強にもなった。
バター。一人暮らし8年目にしてようやく僕の生活圏内に入って来た食べ物ではありますが、美味しいお酒を作る材料にもなるんだなぁって思いました。
あとまぁ分かるよ。だらだらネット見ている時間が人生でいっちばん楽しいよね。
理香はPCで見ております・・・ああ確かに僕も高校時代はずっとネットはリビングのノートPCだったなぁそれが今じゃぁ、一人暮らしのスマートフォン。プライバシー死守。
いい時代になったもんだ。
第19話:プリン頭になったので髪の毛を染める(セルフ)
理香「いいえ つつましく自宅作業です」p.70
世の中髪の毛染めている人全員エライと僕は思っております。
というのも染めた以上はどうしてもプリンが避けられないじゃないですか。僕それを埋める気力ないよ。絶対めんどくさーいだらーんで、プリンどころかあれ?頭頂部から石油湧いてます?にする自信があるよこんちくしょう。
あとネイル。あれもそう。どうしても爪延びるじゃん?以下略ですよ。
だーから喪っ女なのかなあー・・・。
なので、理香ち、黒髪だから男とヤッてるってのは一概にそうは言えないよ。
第20話:大掃除。
理香「・・・というか独り言が深刻に・・・
・・・やばい なおるのかなこれ」p.77
僕最近ひとりごとが深刻なのを、一周廻って開き直ってます。家では。
ただもう職場でも結構言うようになってて。もうやばい人扱いなんだろうなぁと思います。見ないでくれ。聞かないでくれ。著作権がある。
特に疲れている時、は結構口からぼろぼろこぼれておりますね。ぼろぼろ。
赤ちゃんか?ってくらい口周り汚いです。
誰かキスで塞いでくれ。
第21話:湯船にお湯をいれた。
理香「ドライヤー・・・あったあった めったに使わないけど今日は濡れ髪はやばいし。ぐっほ くっさ!!くっせ!」p.94
一応ドライヤーは毎日スイッチつけておりますね。簡単にですが乾かしてます。
中盤全裸で部屋の中を駆けまわる理香が自身を「芸人じゃないんだから!」とツッコんでいるシーンがありますが、僕はもう日常過ぎてなんとも思わない。何ならパンツさえ履いとけば一日そのままで過ごすことが出来ます。
パンツ一丁で独り言(多め)をこぼしまくる日々・・・。
もうこれ実質赤ちゃんでしょ。可愛いでしょ。
ベビーピンクでしょ。もう逆に可愛いでしょ。
何が「部屋着」だジェラピケがぁ!!!
第22話:マリッジブルーの妹が来た。
祐香「ほんとお人よしだなぁ・・・お姉ちゃん お人よしすぎるから男に縁がないんだよ」p.184
うすうす気づいてはいたのですが、玉置先生、姉妹萌えの性癖あるでしょこれ絶対。というか姉妹仲に夢を見過ぎている。
実際こんなに姉妹は仲良く無いです。天然記念物ですこんなの。
ぎりぎり距離保ってると先述しましたが、もっと汚いしもっと仲悪いです。
ワンチャン部屋に来ることがあってもここまで赤裸々に話すことはまぁまずないでしょうね。せいぜい何も言わず一緒に寝るのが限度というものではないのでしょうか。
男同士の兄弟のようにすべてざっくばらんにというわけにはいかないのですよ。
ていうか、輿水姉妹の仲がマジョリティーだったら、僕マグ・ロドンはマジの社会のあぶれ者になるので、勘弁してくださいまし候。
第23話:バーに行く。
理香「えっ・・・やだ な・・・に言ってんの勇太くん」p.115
理香のちょろさに衝撃の共感。分かる~。
普段から男っ気がガチでないとこんなちょっとしたことで、まじでときめいちゃったりするんですよね。
でもこういうのはだいたい賞味期限1か月くらいなのですが・・・。
僕も年に4回くらいこういうかっるいかっるい「恋」にも満たない恋はしております夜其の殿方の顔が浮かぶこともまぁあります。
だから神様・・・こんな哀れなる僕にもいい人をデスネ・・・。
第24話:同棲している親友の家で呑む。
理香(泥酔)「田舎って娯楽がセックスくらいしかないからーーーみんな早いって本当なんですかあれ?」p.122
こんな僕より男に飢えているのに、3巻通してどうやら男が出来なさそうな輿水理香26歳、哀れだ・・・。漫画なのに・・・。漫画だから・・・。
いやまぁでも、まぁそれでも&でもですよ、彼氏のいる理香ちもちょっと見てみたい気がする。
というか、本書発売から11年、37歳の理香ちの現在も見たい。
その時は「彼女のふたりぐらし」でお願いしたいのですが。もしくは「さんにんぐらし」無論旦那とね。子供とね。
果たして10年後どうなっているのか。
掲載誌(コミックバーズ)が休刊しているので再連載という我儘までは言いませんまぁそのツイッターで・・・ツイッターとかとかで、彼女の原罪の片りんを見せていただけないでしょうか・・・玉置勉強神・・・そして全国の「ひとりぐらしの彼女」に夢と希望と絶望を与えて孤独を埋め続けていただけないでしょうか・・・玉置勉教入信するので・・・。
以上である。
なんか10年たった今読んでも変わらないリアルさ生々しさ。
大きなことが起きないので、疲れていてもさっぱり読めるって言うのもいいんですよね。
だからといって後味までサッパリゼロ!というわけではなくどことなくじん、と余韻が残る終わり方。好き。
3巻もまとめ買いしたからあるけど、読んじゃおっかなー・・・あーでももったいないあなー・・・とも思ったり。
最高です。
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1巻。シンプルな線なんですけど、よくよく見ると人物のポーズのバランスに一切違和感がなくかなり高い画力が伺えます。