小さなツナの缶詰。齧る。

小説・漫画・雑誌の感想が主です。

関田淳子『ハプスブルク家のお菓子 プリンセス達が愛した極上のレシピ』-パンがなければ・・・-

 

 

あら、

パンがなければお菓子を食べればいいじゃない。

 

 

 

そのお菓子とは何でしょうか。

 

 

関田淳子『ハプスブルク家のお菓子 プリンセス達が愛した極上のレシピ』(新人物往来社 2011年)の話をさせて下さい。

 

 

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【概要】

歴史を動かした甘美なるお菓子。

 

「『スウィーツ』というと、歴史とは遠い存在で、なんとなく軽視されがちだが、そこには時代の変遷と共に、ヨーロッパ食文化の流れが色濃く反映されている。特に世界史上で六百四十五年間んも続くという唯一無二の王朝ハプスブルクのお菓子は、さまざまな異国の食文化が互いに融合し、独自のスタイルを形成させていった」(p.6 はじめにより)

 

領土を拡大するとともに各地の甘味をもて中に収めたハプスブルク家。世界に君インしたロイヤルファミリーが愛したスウィーツとはどんなものだったのか。巻末にはハプスブルク家秘伝のレシピを再現、皇家の味をご家庭で。

裏表紙より

 

【読むべき人】

ハプスブルク家オタク

・ヨーロッパのケーキ屋に憧れを持っている人

・てかケーキ屋

・甘いものが好きな人

 

【主に登場するハプスブルク家の人々】

マリア・テレジア

エリザベート

(というか本書の7割がこの2人のお菓子について書かれているといっても過言ではない。マリーアントワネットの有名な台詞を冒頭に書いたけれども、そんなでてこない。)

マリー・アントワネット

・レオポルト一世

・フランツ一世一家

・フランツ・ヨーゼフ

 

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ぶっちゃけ初めて見る文庫出し初めて見る出版社だった。

 

【感想】

本書を手に入れたのは週末古本屋琵琶舎である。

ここの書店は、珈琲・紅茶・詩集・お菓子・糸井重里・食卓・パリ・レシピ本と、しゃれた食べ物の本が多いのだけれど、本書は僕の大学時代の専攻西洋史と絡んでいるのが気になって購入した。

 

ライトに読める西洋文化史といったところか。普通に面白かった。

ハプスブルク家の始祖・マクシミリアン一世が食べていたスウィーツ、マリーアントワネットがフランス王室にもたらしたスウィーツ、皇妃エリザベートが人生最期に口にしたスウィーツ・・・等々。

ハプスブルク家の華々しい歴史に名を連ねる人々が愛したスウィーツについて丁寧に解説されている。モノによっては巻末にレシピまで掲載している。(まぁどれもなかなか上級者向けでしたが・・)

 

でも一番面白かったのはハプスブルク家自体のエピソードではなく、ハプスブルク家に「まつわる」エピソード群。

ウィーンにカフェの文化が根付くまでの過程、「ウィンナー・コーヒー」の語源、「ザッハトルテ」の起源、現存しているカフェの写真、菓子職人のお給与等々。

例えば、「宮廷菓子部門」の支出は「宮廷料理部門」よりもかなり多かったらしい。その第一の理由がなんと「宮廷菓子部門」の職人のお給与。しかも毎日まかない(パンとワイン)付とのこと。お城に住む高貴なる方々にとっては、三度の飯よりお菓子ということか。

ちなみに、菓子部門唯一の女性職人だったテレジア・トイフルは、便秘に悩むエリザベートのためにスウィーツを開発したんだそうな。僕にも開発してくれ。

 

ただまぁこれはどうしようもないのだけれど、唯一残念と思ったのは、知っているスウィーツが少ないというところだ。

この本を読めば、何気なく食べているコンビニスウィーツ・・・、シュークリーム・ゼリー・プリン・アイスクリーム・バームクーヘン・ガトーショコラ等々を、少しロマンチックな気分で食べられるものかと思っていた。

ところがどっこい、当時の人々が愛したものとは、「ミルヒラーム・シュトゥリューデル」「ファッシング・クラプフェン」「フプフ」「トプフェン・トルテ」「シュマーレン」・・・いやいやいや、知らんのよ。

コンビニで「トプフェン」「クラプフェン」「フプフ」見ないのよ。

知っているのが「ザッハ・トルテ」「ラスク」くらいしかなかったのが残念。ラスクは、うまいぞ!!!

意外とケーキ屋とかやっている人が、楽しく詳しく読めるのかもしれない。

 

ぼかぁおとなしくシュークリーム食べてます。もぐもぐぅ!!もぐもぐぅ!!シュークリームもぐもぐぅ!!!おいし!!!もぐもぐぅ!!!シュークリームもぐもぐぅっ!!!くりーむしちゅーもぐもぐぅっっ!!!!!!上田も有田ももぐもぐぅっ!!!!!!!!!!!!

 

 

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これぐううまい。もうこれ売ってるという事実だけで上げ底やらソーセージケチる行為やらせこい殿様商売全部許せる。セブンイレブンは実質シュークリーム屋。

 

ちなみにシュークリームと言ったらこれ。

セブンイレブンのなんですけど、これがもう壊滅的においしいんですよ。130円とは思えない。コンビニとは思えない。

これ以外のなんか普通のシュークリームもあるんですけど、まぁそれは普通に大したことがないです。普通。

でもこれは美味い。多分これを食べたら、マリアテレジアもマリーアントワネットもエリザベートもトプフェンやらフプフやらラスクやラではなく毎日シュークリームになるのではないでしょうか。

え?お口に合わない?

それでしたら、プリンセス。

こちらのパティスリーのシュークリームはいかがですか?

 

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職場にて。これとあの瀬海野でローテすればもうね、コロナ収束します。(しません)

 

モンテールという歴史あるパティスリーのお菓子でございます。

そう、こちらはクリームが絶品。

ホイップとカスタード、2種類が贅沢に入っていてそれのホイップのところのみをなめてその後2つ合わせて舐めるとあ・・・あっ・・んっ・・・あ・・・あああああああっ!!!!!!!

お気に召しましたか?プリンセス。

 

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ザッハトルテは本書に出てくる一番有名な菓子。

 

以上である。

結構うまい具合にまとまっていて、初めて知ることも多くて、面白く読めた一冊だった。

まぁ強いて言うなら、マリアテレジアとエリザベートに偏り過ぎでは?くらいかなぁ。マリーアントワネットが食べてたお菓子とか知りたかったかも。なんかすごいお洒落で可愛いものばっか食ってそう。

あとマイナーな菓子多かったなぁ・・・。

 

ハプスブルク家に・・・もしくは西洋のお菓子の歴史に・・・興味があるなら必読すべき一冊である。

 

 ていうかそのどちらかに興味がないと多分つまらない一冊。