小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

「anan特別編集 Olive」-瞬間最大風速的永遠少女、永遠ガーリー、ずっと・・・。-

 

「こうあるべきである」等唾を吐いて捨ててしまえ。

 

流行にも左右されない。

社会にも左右されない。

 

そう思う一瞬、

 

瞬間最大風速的に私は無敵。

 

「anan特別編集 Olive」(マガジンハウス 2020年)の話をさせて下さい。

 

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【概要】

かわいい&ロマンチック&ラブリーだけじゃない!

ときにパンキッシュに、ときにふてぶてしさもまじえ、

1982年の創刊から、2003年の休刊まで、

時代ごとにその時どきの気分を盛り込んで、

いろんな顔をみせてきたOlive.

 

今回のOliveはというと、

とにかくみんんあの色とりどりの好きを詰め込みました!

それぞれに色も形も違っても

好きって気持ちは集まるときっとパワーになり、

それが多分Oliveになる!そう信じて!!

 

はじめましての人も、久しぶりの人も、

ひとまずね、SEE YA!!!

p.127

 

【読むべき人】

・乃木坂、日向坂、平手友梨奈、美少年など好きなタレントが掲載されている人

・古着等が好きな人

・誌面をめくった時に、「ああいいな」と思った人

 

【感想】

オリーブ、は存在は知っていたが、読んだことはなかった。

2003年に廃刊した雑誌。

当時僕は小学3年か4年で、ちゃおを追うのに毎日必死で、オリーブという植物の存在すら知っていたかどうか危うい。知らなかったかもしれない。

けれど、結構大人になってからことあるごとに聞く雑誌の名前だった。ポパイやアンアンを読んでいた時、よく行く古着屋の店長さんと会話する時、オリーブ少女という言葉、等々。

一冊限定の復刊と聞き、まぁ表紙が平手さんなのはちょっと気に食わなかったけど、買った。

 

結構悪くなかった。

ページをめくると心拍数上がる誌面。目くるめく登場するは普段目にすることのない美男美女がお洒落な服を着ているぞーピンク。サングラス、映画、イラストからのふと立ち止まると、昭和のレトロなクッキーの写真、最後の白背景の夏帆の横顔は凛、としている。凛。

CMがないからだと思う。最近の雑誌は広告で始まり広告で終わる。結構大手の雑誌でも中盤にいきなり外国人女性の顔が大きく出て化粧品の広告が挟まったりする。雑誌の流れを断ち切る異物で、僕はどうもあの「広告」という文化が好きになれない。

けれどこの雑誌をぺらぺらーっとめくっても色とりどりの服カラフル美男美女の流れは途絶えることがなく脈々と続く。広告はない。感じない。

そして、自由。最近僕が読む雑誌には「結婚」「転職」「メイク」「美容」それがぎっしり掲載されていて全てが供用されているように感じて一瞬目の前真っ暗になるようにすら思えたけれど、表紙は語る。「好きなものを好きでいさせて」。この一冊にその感覚の片りんは感じられない。

そういった自由の雑誌は大抵モデルが金髪碧眼の女の子だったりする。それはそれで別に構わないのだけれど同時に「自由を求めることはおとぎ話なのですよ」。説教されている気がする。非現実感。パリジェンヌってなんだよ。ほんとうにいるのか。ほんとうにあるのか。パリ。ぱりんこなら知ってる。

けれどこの雑誌美男美女とはいえどアジア顔で自由してくれるから、僕はそれを夢見ることができる。夢見ることが許される。ぱりんこしか語ることが出来なくても許される。

 

 

 

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美しいドールの写真を見ているとき、可愛いアイドルの動画を見ているとき、古着を一着一着見ているとき、好きなものを見る時と同じ眼差しで僕はこの雑誌を見ている。

好き。

好きなもの、ずっと好きでいさせて。

20代後半に笹井かかる中でこの言葉の切実さを知る。

というかこの言葉は一体誰に向けて言っているのだろう。社会に対して世間に対して雑誌に対して家族に対してインターネットに対して人間に対して自分に対して。

インターネットとはもはや水のようなライフネットワークになりつつある中で、メインストリーム・流行と言うものはもはや意味をなさなくなっている。テレビジョン・新聞が発するものは正解とは限らなくてむしろ僕たちは受信するだけじゃなくて発信する、受動的ではなく能動的存在でありなさい。全員が全員発信しなさいという義務ではない、国民三大義務に労働納税発信とあるわけではないけれど、もはやだれもが発信することが可能になった今、僕等は何を信じればいいのだろう。目を閉じても致死量の情報が流れ込んでくる。

その答えに僕は「好き」があると思う。己の好きを信じろむしろそれしか信じてはいけないよ。好きってなんだろう。好きって。

結局、このオリーブが今出た理由ってそこなんじゃないかと思う。

流行が流行の意味をなさなくなりつつある中で何が好きで何が嫌いかすべて自分で決めなくてはいけない今だからこそ、流行に左右されず独特の路線つっきったオリーブを復刊させることで、君の「好き」を考えて。

ラブリー・キューとだけじゃないときにパンキッシュにふてぶてしく君の好きを考え

君の「好き」が君を君たらしめるのだから。

私を私たらしめるのだから。

人は一生をかけて好きをかき集めかき集めかき集め最後に空高く投げて死んでいく。

君の好きが、君の答えだ。

 

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以上である。

とにかくこの一冊が好き。これに尽きる。

某大手通販書店サイトでは非常に評価が芳しくないが、アイドルが好きじゃない人には確かにアイドルが多く感じられて、「好きじゃない」かもしれない。万人の最大公約数の「好き」って何だろう。