小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

「さんかく」-一人の成人男性が女子中学生に手を出す経緯は無論異常。-


男は馬鹿なのだ。

「ももは強い人好きだよ。好き」

「さんかく」(監督:吉田恵輔 制作:日活・テレビ大阪 配給:日活 主演:高岡蒼甫 2010年)の話をさせて下さい。



【あらすじ】
30歳のフリーター・百瀬と、
29歳の恋人・佳代が同棲する部屋に、
佳代の妹・が泊まりに来るが・・・・?

桃に心惹かれていく百瀬と、
自分から気持ちが離れていくのを感じる佳代、
そして実家へ帰る日が近づく桃・・・。

三人の行く末は!?

一部wikipediaより

【見るべき人】
・ダメ男につかまった経験がある人
・恋愛の苦い経験がある人
・女たらし
だめんずうぉーかー

【感想】
男が美女・美少女に囲まれて、
どっちにいくが悶々と悩む・・・ハチャメチャ♡ラブストーリー!!!
なパッケージの本作なのだけれど、
「どんでん返しがすごい映画」に挙げられていて、
ほほう、どうどんでん返すんねん、返すもんなら返してみいや!どんでんどんでん!と見てみることにした。

なるほど。
これは・・・予想外の予想外ですわ。

以下ネタバレ若干しつつ感想でも書いていく。
結構面白かった。

ストーリー:★★★★★
星5。
「さんかく」らしからぬ、まさかの3段階ふんでのストーリー。

いや、冒頭30分は予想通りなんですよね。

「ももは強い人好きだよ。好き」

舌ったらずで甘くささやいてくるんですよ!!
女子高生が!!
ヤバくないですか?!ヤバいですよね!!
ないはずの下半身がふっくらしちゃいますよね!!まあないんですけど!!
ある意味ここは、桃役のAKB全盛期のなかでトップの人気を誇った全盛期・小野恵令奈(16かそこら)を堪能するターンでもあります。

なんで桃が百瀬に色目を使ったのかは、
最初の最初で明白。
片想いしていた、東京に行った先輩を追ってきたんですよね。
「俺、そんなこと言ったっけ・・・?」
ただ、その先輩にはすでに彼女がいて、桃なんか視野に入ってなかったわけです。
そこでむしゃくしゃした桃が、
ちょっとした悪戯心、そして夏のちょっとした思い出として、
姉の彼氏に手をだしたわけです。
あくまで彼女にとっては夏のアバンチュールにすぎなかったわけでごぜーます。

そこを勘違いした百瀬が、
桃の留守電に
「もしもし・・・?桃ちゃん?」
とメッセを何回も何回も留守電に入れるキモさといったら!!!

2ターン目、
ここからの百瀬のクズっぷりがヤバい。
ヤバいんだけど、その百瀬をストーカーする佳代もヤバい。
ヤバい男とヤバい女の追いかけっこが始まるわけですよ。

「見てんじゃねーよ!!!コノヤロー!!!!」

ここからがもうとにかくカオス。
引っ越しても百瀬の部屋のドアに弁当をひっかける佳代、
とうとう侵入する佳代、
車にへばりつく佳代、
トイレにも出てくる佳代・・・。

「わかれんのいやだよぉ!!!やだやだやだあやだーーー!!!!!!(車窓バンバンバンッ!!!!!)」

そしてその逃げ場を

「んもしんもしぃ・・・?桃ちゃん??」

女子高生に求める百瀬もキメェ!!!

カオスオブザカオスのターンも、
百瀬のケガで終わり・・・

百瀬の車が道路を走り・・・
街を抜け、
田舎へ・・・

「ねえ、桃ちゃん、どういう理由でキスしたの?」

そして、3ターン目。
桃に直接会いに行く。
まさかの2人の実家編。

そこで、
桃の彼氏に殴られ蹴られ、
百瀬の桃に対するこびへつらう笑みといったら、

「だって桃、15だよ?」

もうサイテーすぎて、逆に最高でしたね。
ここまでくると、もう逆に。

予想外の展開、というよりは展開自体が予想外といった印象。なにいってるかわからん
多分脚本も書いた吉岡監督は、
「漫画等でよくある三角関係のその先」

を描きたかったんだろうなぁ。
実際本作が面白いのは2ターン目からだし。

演出:★★★★★
まさかの星5つ。

カオスの展開でも面白いのって、
会話劇がめちゃくちゃ面白いからだと思うんですよ。

例えば、

「うあ!?なんだよお前!!!」
「ごめん(猫なで声)」


とか言いながら、佳代は百瀬の車にへばりついてるんですよ。

他にも結構
佳代が自分のストーカー行為をアメリみたいでいいかな」と言ってマルチの友人をドン引きさせてたり、
序盤もりもり食べていた桃が好きな人の前では「少食なんで・・・」とウソついてたり、
序盤の序盤喫茶店から出てきた百瀬と佳代がさらっと背景に出てきた非常に趣味の悪い改造車に乗ったり、
笑えるところ多々。
それもちょっとシニカルな。

このやりとり・・・というかコメディ部分がこの映画を「面白い映画」たらしめてるんじゃないかなぁ。

あと終盤の終盤。

最後、なぜか百瀬は二人の実家に再びやってきて、
視線を交わし合うんですよね。

3人の、安定しない、
さまよう視線・・・。


そこで最後に観客に問いているような気もするわけです。

軽い気持ちで姉の彼氏に悪戯した桃、
それに靡いて毎日ストーカーのように電話をする百瀬、
裏切られた後ストーカー、マルチ商法にも手をだすメンヘラな部分も持ち合わせる佳代

あなたは誰が悪いと思いますか?
あなたは誰に共感しましたか?


男女で感想は違ってくると思うし、
恋愛遍歴でも感想はかなり違ってくると思うんですよね。

漫画とかでよくある三角関係を、
あなたはどうとらえていますか?

監督からの問いかけのようにすら思います。

ちなみに僕は桃が一番悪いと思います。


ふざけはんぶんでひとのかれしをとるなんて、いけないことだと思います!(25さい もじょ)

演者:★★★★★
文句なしの星5つ。
ということは満点映画ですね。めでたい。

百瀬:高岡蒼甫
主演男優賞をこれでとってます。
でしょうね。
めちゃくちゃ良かったです。

とくに2ターン目は百瀬のターンで、
とにかく「なんだよ!!」「コノヤロー!!!」と佳代に強く出ておきながら、
「んもしんんもしぃ・・・?桃ちゃん?(ねっとり)」に下手に出る、
声のトーン、視線のさまよい、
その使い分けが上手すぎて、
キモすぎて、
なんかもう笑っちゃうんですよ。
「いやいやいや!!」とか口にだしてツッコミながら見入っちゃうんですよね。

なんか濃い顔も10年前にはやったてもみ上げのびーる髪型も全部チャラくてクズで
めちゃくちゃ良かったです(2回目)。

多分彼のクズ男演技が輝いていたからこそ、
ストーリーも演出も輝いた映画になったんだと思います。
ここで中途半端なイケメン使ってたらまぁ間違いなくダメでしたでしょうね。

ちなみにこの高岡さんってまぁその宮崎あおいの元夫だったんですね。
当時は「名前も知らないしどうせ売れてない俳優だったんだろうなー」て思ってたんだけど、
ここまで素晴らしい俳優だとは思わなかったぜ・・・。

いや・・・ぎゃくにリアルのクズだから離婚していい演技ができたのかな・・・。

この人が犯罪者役した映画とかちょっと見てみたいですね。
めっちゃいい演技すると思う。

桃:小野恵令奈
エッロいです!!!
僕とタメなんで、当時10代中盤なんですけどまあ結構攻めてきます。
1ターン目は桃を堪能するターンといっても過言じゃない。

もうね、すごくエロくないんですけど、エロイんですよ。
10代特有の若さ溌剌とした身体、
ほどよく細い太もも、
ふに、としたくなる顔、
それらを惜しげもなくさらすタンクトップと短パン。

よく女子高生に手を出して捕まる教師いるじゃないですか。
ちょっとその気持ちがわかってしまう。

あと演技もなかなか良かったです。
確かに、滑舌いまいちなところもありますが、
AKBとは思えない。すごく現実味がある。

でもえれぴょんって検索したら芸能界引退してたんですね・・・うーん。切ない。

佳代:田畑智子

メンヘラ素質がもともとある女が、
メンがヘラっていく様子がいいですねー。

序盤から、栗田さんだから「クリちゃん」とためらいなく呼んだり、
クリちゃんのマルチ商法の話にうんうん頷いて聞いてたり、
東京に友達がクリちゃんひとりしかいないなかで百瀬をかくまっていたり・・・。

無理に綺麗な自分を保とうとしてて、
信心深く優しくて、
そして孤独。


メンヘラ素質ある女なんですけど、
実際こういう女は東京にごまんといるんじゃないかと思うわけです。

2ターン目からメンがヘラるわけですが、ここもなかなか面白かったです。
特に「百ちゃん」と百瀬へのねこなで声を使いつつも、

「別れんのいやだよおだやだやだあやだーーーーー!!!!!!!!!!」(車窓バンバンバンッ!!!!!!)

はなかなか見もの。
もう若干ホラー入ってるんですけど、ドン引きしつつも、ちょっと笑えます。

そりゃもう、クリちゃんとマルチで繋がってしまった今は、
もう百瀬しか頼る人物がいないわけで・・・。

そして3ターン目に、

「ううんいい、あんまり一緒にいるとアレだから」
「こういうのがいやなんだね、ごめんね」

と百瀬から無理に距離をとろうとする感じもリアルでしたね。

「知ってるよ。百ちゃんが馬鹿なとこ。
でも馬鹿なとこも好き。」
「佳代の手、あたたかい・・・・。」


以上である。

えれぴょん、エロい!!!!!!

まぁ、ざっくりそんな映画でした。