古民家カフェ。
いい響き。
今口に出して読みたい日本語ナンバーワンですね。
まして熱海にあるなら、なおさら。
古民家カフェ in 熱海。
CAFE KICHIさんの話をさせて下さい。
【行くべき人】
・熱海駅前で一息つきたい人
・古書が好きな人
【感想】
この本で知った。
『ことりっぷ伊豆』(昭文社 2018年)
懐かしのゴールデンウィーク伊豆旅行に備えて買った本である。
色々、旅行好きの女の子の心をくすぐるスポットが掲載されていて、
熱海のHaco CAFEなんかはこれで知って行ったわけだけど・・・
もう一軒、
その時は行けず、
ずっと行きたいと思っていたカフェがあった。
それがここ、CAFE KICHIである。
ことりっぷ先生曰く
「築50年を超える古民家を改装したカフェ。古材を使用したテーブルや手作りランプが心地いい空間を作り出している」p.20
素敵か。
というわけで、熱海に行く所用があってので、
早速足を運んだ次第。
商店街から一本路地に入り、
中に入ると・・・
若い男女の店員一人ずつ。
「一階にされますか?二階にされますか?」
にかい?
二階があるんですか?
足を運ぶと・・・
「おお・・・」
誰もいない空間でひっそりと佇むイスとテーブル。
古い材木を使用した床の沈黙は優しく、
ランプのほんのりとした優しさがそっと空間を照らす。
席をどこにしようか一瞬悩み、座ったのは一番奥。
メニューを見ると、お、いろいろ書かれている。
シフォン、レアチーズケーキ、スコーン・・・うーん、究極の三択。
何とか決めて頼み、さて・・・と見渡すと
「お!!!」
「本棚じゃーん!!!!!」
入っているのは古民家になじむ古書ばかり。
カフェを開くに至った参考書かな。
え〜どれ読もう〜。
悩んだ結果手に取ったのは、
「これ!!!!」
穂村弘『世界音痴』(小学館 2002年)
エッセイなんだけれども、1つ2つ3つ4つ読むとうんまぁどれも面白い。
なんかすごい詩人というイメージしかなかったけれど、
ほむほむの文章すごい好きだなぁ・・・。
ほむほむ・・・
ほむ・・・。
のんびり待っていると・・・・
「おまたせしました」
到着したのは
スコーン×2とコーヒー。
おしゃん。
悩んだけど小腹がすいていたので、一番腹もちよさそうなスコーンにした。
まずはスコーン。
クリームとジャムをつけ食べると・・・
「あ!!!美味しい!!!」
ぼそぼそ触感のスコーンに、
クリームとジャムが上手く絡み、
ふんわり口の中いっぱい広がる。
スコーン自体は少し固めで、
甘さかなり控えめで作られている。
そこに優しい甘さのクリームと、甘酸っぱさのブルーベリーが重なり、
味の三重奏。
そう、スコーンが土台のチェロならば、
クリームは寄り添う音色のヴィオラ、
ブルーベリーは花形のヴァイオリン・・・・。
そこにそっとコーヒー・・・そうコントラバスが重なれば・・・。
聞こえてくる。
そうそこは・・・ウィーン・・・・・。
お会計は木の札。
以上である。
とにかくコーヒーとよく合うスコーンでした。
スコーン自体も甘さが控えめで美味しかったです。
古本もあって雰囲気も良くて最高でした。
ちなみに、『世界音痴』、全然読み切れなかったので・・・
ブックオフオンラインで買いました。
この古書感が相まっていい感じ。
古民家でもカフェでもないけれど、
家でのんびりコーヒー啜りながら読みたいと思います。
カフェの踊り場。
この一冊のセレクトが、すごいセンスあるなと思いました。
***
20200710 一部加筆修正しました
「世界音痴」の感想てっきり書いたものかと思ってた。