小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

「ミュシャ展 運命の女たち」-120年たっても僕たちは、恋に落ちる-


美は時を越える。

ミュシャ展 運命の女たち」の話をさせて下さい。


静岡市美術館入口。

【概要】
19世紀から20世紀初頭のアール・ヌーヴォーを代表する画家アルフォンス・ミュシャ
同郷の医師であるズデニェク・チマル博士の親子三代にわたる膨大なコレクションの中から約150点を厳選。
静岡展特別出品として静岡市在住のミュシャ作品収集家・尾形寿行氏「OGATAコレクション」約100点も展示致します。

【行くべき人】
ミュシャが好きな人
・少女趣味を兼ね備えている人
・尻フェチ

【感想】
去年東京の国立新美術館大々的なミュシャやってたんすよ。
横浜にいた僕は「行きたいなー」とずっと思ってたんだけど、
結局行かなかった。
そういえば、一昨年やっていたルノワール展」もあってそれも「行きたいなー」と思っていたけどまぁ行かず、
どうしようもない後悔をずるずる引きずってしまった。
それ以来、気になる美術展は「行きたいなー」ではなく「行かなきゃ!!!」と思うようにしている。
その超個人的義務感に突き動かされて、
来たのが今回のミュシャ展。
4年越しの屈辱を晴らした。ワールドカップったのである。


左:エッシャー展、右:ルドン展の図録。

静岡市美術館というのは、駅前にある葵タワーというビルの中にある美術館。
といっても割とガッツリ展示室があって、
綺麗で中規模の美術館。
この美術館で開かれた展示会では僕は今までに
ルドン展エッシャーに行ったことがある。
ルドンといえば「キュプクロス」の画家である。後変な版画。
エッシャーといえば錯覚を用いた絵が特徴で、
現在上野の森美術館エッシャー展が行われている。
欅坂46の最推し石森虹花ちゃんも足を運んでいるため
僕はもう超絶行きたくて行きたくてたまらないんだけれども超絶我慢している次第。
虹花ちゃんが足を運んだプーシキン美術館展も行きたいんだけれども。
あーマネ≪草上の昼食≫というおーい、磯野すっぽんぽんで外でピクニックしようぜ!!!という痴女万歳の大傑作が展示されていてあー見たい。見たすぎる。
閑話休題
とにかく、静岡市美術館で開催された両展示はどちらも満足度高い展示会だったと記憶している。


うっひょー!!

エスカレーター上がると・・・
静岡市美術館、綺麗っていうのもあるんだけど
まぁロビーがセンスあるんすよ。
入っていきなり目に入る旗。
高まる。

今回も音声ガイドを使ったんですが、
なんとアルフォンス・ミュシャ自身」がガイドを担当!!
そ・・・すぉーれはもうふふふふふフランス語でべらべら話すもんだから、
フランス語がわかるぼぼぼ僕みたいな教養のあるき・・・貴婦人でないともうわからん。
敷居高い展示会なのである。
嘘である。
声優の井上悟さんが演じている。日本語で。
これがまぁなかなかいい声で。
中低音で自然で良い。
発音等もとても聞き取りやすい。
一番初めに流した時から、「あ、もうこれは」と。
ミュシャの世界に入り浸りですよ。

大抵美術展のナレーションって、
俳優芸能人が務めていることが多いんすよ。
声優を使う時も補足説明のナレーション目的で使うことが多く、
声優自身が「演じる」ということは基本ない。
こうやって終始声優の演技+ナレーションで進む音声ガイドはだったんで新鮮でござんした。
井上悟。覚えておこう。

展示内容はまぁ、素晴らしかったです。満足。
展示順は画家展としてはスタンダード。
幼年期青年期壮年期・・・そして晩年。
一番初めに至っては中学生の時の作品が展示されていてびっくり。
植物の絵001なんですが
このころからミュシャのポスターデザインに通じる繊細さがよく表れていて驚いた。
あとミュシャなぜ女性ばかり描くにいたったのか
その理由を解き明かすかのような家族写真。
見て「なるほどー」だった。

その後は、パリ滞在中に手掛けた作品が並びます。
所謂ミュシャ!!」って感じの、作品。
いやー・・・生で初めて見たんですけど素晴らしい。
生で見て気づいたんですけど、
本当描かれている女性って表情が豊かなんすよ。
睫毛の先に触れたくなるような美しい横顔、
物思いにふけるような憂鬱な視線、
そしてこちらをじっと見つめて微笑む彼女・・・。

一人一人が美しい。
120年前の作品とはとても思えない。

特に息をのんだのは、中盤現れる
約2メートルに及ぶサラ・ベルナールの6つのポスター。090-095
サラ・ベルナールは当時のフランスの国民的女優で、
彼女の演じる劇のポスターを手掛けることでミュシャは地位を確立したんだそうな。
でそのポスターが6枚、並べられて飾られてるんですが・・・まぁこれが凄いのなんの。
圧巻。
どのポスターの彼女も非常に美しくて・・・・ポストカード思わず買っちゃった。てへぺろ


ポストカードは095ポスター「悲劇の物語デンマーク王子ハムレット

あとビスケット会社のカレンダーの作品が僕はもうぐっときちゃいましたね。ぐっ。
金髪太眉の美女がなんかちょっと自慢気にこっち見てるポスターなんだけどそれがまた可愛いんだよねー。023,033
あとちょっと「ビスケットっぽさ」があって、
企業やニーズに合わせて作品を描く画家の技法を堪能できる作品。

この展示で初めて知ったんすけど、
ミュシャって2つの画法を持っていたんだそうな。
1つは、所謂ミュシャ!!」って感じの線ではっきり描く技法。
よく見ると、人物の外側にはっきり線を描くことで存在を強調している
そのはっきりとした線の色によっても、
人物への印象が変わるわけで・・・興味深かった。
もう1つは、今までの西洋美術を引き継いだかのような少し写実的な画法。
の使い方がセンスありますね。
特に021カレンダー「パリスの審判」の展示はいきなり色彩ひらけてとても印象深かった。
こちらの画風の作品も、
大作が拝見できるのがなかなか嬉しい。

後半はアメリカ滞在、そして母国(チェコ)へ帰国後の作品。
アメリカ滞在中、使ったモデルの写真が2点展示されてるんですが・・・どちらも現代でも通じる美しさ。
凛としていて、本当NYLONとかに掲載せてそうで・・・なんか不思議な感覚(語彙力)。
ミュシャが手掛けた、有名なおしゃれ石鹸筆頭の「サヴォン」石鹸パッケージも展示されている。
終盤には表題作である146「≪スラヴ叙事詩≫展」が展示。
帰国後に行った展示会のポスターだそうで・・・それが時を超えて本展のポスター・チラシに使われてるんだから・・・なんか不思議な感覚(語彙力)。
美は時を超えちゃうね。

チェコ帰国後もポスターを多く手掛けますが、
パリ滞在期の作品とは少し趣が違う。
2つの画法が合体したかのような画法。
ちょっと写実に寄せたデザインになっている。
あと斜視にすることで、表情に奥行きが出ていて深い。
若かりし頃のポスターのデザインは、見る人を魅了する!!てな感じ。
だけどこの頃のポスターのデザインは、見つめれば彼女達に飲み込まれてしまうような。
前者が華やかな美しさというならば
後者は深き美しさ、といったところか。


チケットの半券。ポスター同様「≪スラヴ叙事詩≫展」が使われている。

本展はサブタイトルが「運命の女たち」とあるように、
今作ではモデルとなった女性の写真も出てきて簡単に紹介。
ミュシャ初恋の相手であったり、パリ時代の恋人、妻、子、
先述した国民的女優サラ・ベルナールアメリカ時代のモデル群・・・。
実際に、布だけまとってモデルしてる写真もあるのはなんか・・・照れちゃうな。
ちなみに「≪スラヴ叙事詩≫展」の彼女はなんとミュシャ×××。
いやー・・・美人さんだー・・・まさかそんな人だったとは。

あと本展はミュシャの手掛けた作品を使った品々も同時に展示。
表紙を描いた雑誌楽譜、デザインを引用したポストカードカレンダー等々。
最後のOGATAコレクションでは、
ミュシャの絵を使った香水まで展示されていて・・・!!
100年前のフランスでの香水の瓶って・・・理科室やんけ!!!!


強いて言うなら裏表紙も対の作品施してほしかった。

今回も図録を買ったった。
ミュシャ展~運命の女たち~」(青幻舎 2018年 古谷可由監修)
通常の図録と比べると、2000円というリーズナブルな値段。
サイズも小さめであんまりがっつりした図録・・・といった感じではないけど、
まぁやっぱ2000円は嬉しいよね///
ちなみに千足伸行教授が今回冒頭で書いているんですが・・・
感激しちゃって!!!!
というのも卒業論文書くときに彼の論文読んでて参考文献にも名前連ねてるんすよ!!!
いやー、買ってよかったと思ったね。

以上である。
良い展覧会であった。
図録買ってテンション爆上げ。
そんな感じ。


引力。

ちなみに、
本展通してみて思ったのは、
ミュシャ尻フェチっすね。
なんか胸は見ていてエロくないんですけど、
腰から尻のラインがね、美しくなんかやっぱエロいんすよ。
特に性欲高かりしころであろうパリ滞在期における描いた女性の、が。
どうなんでしょう。
どうなんですかね。