「・・・・・・・・・すげぇ」
ピーターラビット(ウィル・グラック監督 ソニー・ピクチャーズエンタイテインメント配給 2018年)の話をさせて下さい。

はちゃめちゃだった
【あらすじ】
マグレガーおじさん・・・の甥であるマグレガーが引っ越してきた家には、
庭にいたずらをかますウサギ達と
カラフルな絵を描く美しき隣人・ビアがいて・・・。
ドタバタ!!カントリーライフ!!
【見るべき人】
・家族で見れるコメディを探している人
・ピーターラビット好きな人
・映画『ペット』『SING』のようなドタバタしたノリが好きな人
【感想】
かなり面白かったです。
ポターの描くピーターラビットとはまたかなり違いますが・・・。
でもきちんとポターのピーターラビットを尊重しているところが良かったです。
原作と大きく違うのは、まずキャラクターですね。
ベンジャミンがだいぶ違います。
原作では確か・・・やんちゃみたいなイメージだったんですが、今回の映画ではおっとり系。
でもピーターの大事な友人である点は変わっておりません。
そして、ピーターの姉・カトンテール、モプシー、フロプシー。
原作では三匹とも赤い上着を着ていましたが、今回は赤・黄・緑。
性格もアレンジを加えることで、3匹の差別化を図っています。
でも「どちらが長女か」といった言い合いはいまだ健在。
新たな登場人物である、ビア。
ウサギと会話出来ると言い張ったり、自宅で絵ばっか描いていたりと、
原作の作者であるポターをモデルにしたキャラクターになっております。
同じく新たな登場人物、マグレガー(甥)。
目の前の敵にまっすぐになり熱中しすぎてしまうところは
原作に出てくるおじさんとそっくり。
特に序盤の彼の登場シーンは・・・爆笑しました。やべぇっすね。
だいぶ違ってはいますが、
原作をリスペクトしたうえでの変更であることがわかります。
一応「原作から×年後」みたいな設定になっているため、
ウサギも性格や好みが変わったのだ・・・と思えば一応説明はつくようになってます。
他にも、ネズミ、ブタ、アナグマ・・・
ピーターラビット以外のポターの原作に出てくるさまざまな動物が一気に出てくるのですが・・・
面白いですね。
今風に、個性豊かに描かれています。
ストーリーも原作とは趣がかなり違います。
ピーター達のイタズラがかなりやべぇ・・・って感じ。
畑は勿論、
部屋を占領したり電気を使ったり!やべぇ・・・。
イメージとしては映画の「ペット」もしくは「アウトレイジ」に近いです。アウトレイジは見たことないけど。
けれどクライマックスで
きちんと謝るべきところは謝れているところ、
またピーター達の活躍があってハッピーエンドに繋がっているところは
きちんと「おさえ」ています。
イタズライタズライタズラ・・・だけやったやん!!ただの悪ガキやん!!
が原作でしたが、
そこで終わらずきちんとウサギも正義のヒーローさせるところがいいなぁと思いました。
幼い僕は「ピータークソウサギ!!全員パイにされちまえ!!」と思っていたので・・・。
ちなみに、
原作に準拠したシーンもたくさんあるのですが、
絵本のイラストをそのまま動かしたかのようなアニメーションも今作には出てきます。
すごーい!!というのと、そこで出してくるか!!ベストタイミングでした。
僕は吹き替えで見ました。
周辺でも字幕より吹き替えでの公開が多いのですが、
吹き替えで全然問題なかったです。
主演のピーターの声優が千葉雄大さんですが・・・
しっかり演じられています。
棒読みとか下手とか・・・そういった悪い違和感はなかったです。
イメージとしては「ライオンキング2」の山本耕司さんや「わんわん物語2」の秋山純さんに近いです。
とにかく全然いい感じだよ、ってことです。
映画の華としての芸能人声優起用は数多くありますが、
本作は成功していると思います。
また、他のキャストさんも良かったです。
マグレガー(甥)を演じるのは浅沼晋太郎さん。
普段どことなくへにょっとしたキャラクターの声の印象が強かったのですが・・・
語調が強いマグレガーの声もなかなか素敵。
圧の強い声がいいですね。
ベンジャミン役の吉田ウーロン太さん。
今年のプリキュアの怪物・オシマイダーの声をあてられているのですが、
今作では全く違うちょっとおっとりした声。
よく聞いてみると・・・確かに声の出はじめのとことか声質はそんな変わってないのに全然違って聞こえる・・・。
「可愛い!声優誰?」
と普段全く声優のせの字も言わない母が気にしておりました。
他にはポケモンのルザミーネ役で有名な木下紗華さん、Free!大学生編楽しみ!!鈴木達央さんが出られてます。
木下さんの声は魔法使いの嫁でぐっときて・・・聞き分けようと思ったのですがわからんかたです・・・。
鈴木さんの声は見た後wikiで「ええーあいつかよ!!?」と知るという・・・。
個人的には吹き替えで見ても全然問題なかったです。
むしろ僕は以前「ファインディング・ドリー」を字幕で見た時があって、
字幕の文字も凝っていて面白かったのですが、
文字が追いつかなくて笑うところもいまいちわからず・・・みたいなことがあったので・・・。苦い思い出。
ちなみに、僕が一番好きなシーンはあれですね。
植木鉢を3つ並べて、マグレガー(甥)とピーターがかくれんぼするところ。
原作にあったシーンを見事に再現しております。
ついつい、懐かしくてな・・・。
あと、やっぱ最後の「おもちゃ屋」のシーンかなぁ・・・。
枕食べんなや!!!っていう・・・。
好きなキャラクターはマグレガー(甥)。
イケメンです。声もですが容姿も。
ぴっちりしてた黒髪がちょっとくしゃってなる感じが・・・ぐっときますね。
あと足なっが・・・・・。
ちなみにキャラクター性もあってか、
「若干堺雅人に似てない?」
母曰く「似てない」そうです。
以上です。
キャラクターもストーリーも大幅に変更はされてますが
原作をきちんとリスペクトして練られていたので、
見ていてとても面白かったよー。
こんな感じです。
そのおかげか、
wikiによると、アメリカやイギリスでは推定以上の興行収入が出ているそうです。
勿論批判的な意見もあります。
恐らく、原作をそのまま実写化しても数字は取れたと思うんです。
じゃぁ何故ここまで大胆なアレンジに挑戦したのか?
その動機がいまいちつかめないからだと思います。
僕もそこはよくわかりませんが(パンフレットも買ってないので)、
映画としては素晴らしい出来なんだと思います。
恐らくポターも今作見たら
苦笑いしながら太鼓判おしてくれるんじゃないでしょうか。