小さなツナの缶詰。齧る。

サブカルクソ女って日本語、すごく好きだったよ。

恩田陸『私の家では何も起こらない』-うるせえその屋敷俺がぶっ壊してやろうか!!-

 

 

何も起こりません。

簡単に言えば、幽霊屋敷のプロによる同人誌。

だから本当に、何も起こりません。

 

 

恩田陸『私の家では何も起こらない』(KADOKAWA 2016年)の話をさせて下さい。

 

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【あらすじ】

小さな丘に佇む古い洋館。

この家でひっそりと暮らす女主人の許に、本物の幽霊屋敷を探しているという男が現れた。

男は館に残された、かつて住人たちの痕跡を辿り始める。

キッチンで殺し合った姉妹、子供をさらって主人に食べさせた料理女、

動かない少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年ーー。

家に刻印された記憶が重なりあい、新たな物語が動き出す。

驚愕のラストまで読むものを翻弄する、

恐怖と叙情のクロニクル。

 

裏表紙より

 

【読むべき人】

恩田陸を読んだことがあって、且つよほど暇な人

・幽霊屋敷ものが好きな人

・読み易い文章の本が読みたい人

 

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【感想】※酷評です。注意。

恩田陸である。『朝日のようにさわやかに』は大学時代に読んだことがあるが、それ以来の2冊目である。

まああの短編集もぶっちゃけいまいちだった覚えがあるんだけども、本書も失敗したなと思った。

つまんなかった。

というか僕が恩田陸のホラーとそもそも合わないのかもしれない。

 

つまんなくても、僕には本書を買う必然があった。

昔から気にはなっていた。それこそ文庫化されて新刊書店に平積みされていた2016年当時からずっと。

ホラー大好き且つ短編集大好きといえば気にならないはずがない。

ところがどっこいこれまでずっと縁がなく、ブックオフオンラインである本を注文する際に「ああそういえば」と思って、合わせて注文したのだった。

そしてさくっと200ページ足らずの本書を読んだわけだけれども・・・いやあつまらない。まぁこういう感じで終わるんだろうな、と思った通りに終わった。つまんない。

 

本書は幽霊屋敷ものである。裏表紙にも紹介されいていた一編から始まって、どんどん歴史をさかのぼって、その時々の短編を読んでいく仕組み。

200ページ足らずの本書に20ページほどの10の短編が収録されている。

そのため、1編1編がまあ、薄い。

本当「おばばが子供のビン詰め作ってた」「双子の料理女が殺しあった」「少年が少女の幽霊の横で自殺した」事実をただ書いただけのような短編が続く。

じゃあなぜ「おばばが子供のビン詰め作ったのか?」「双子の料理女が殺し合ったのか?」「少年が少女の幽霊の横で自殺したのか?」

その答えとなる「怪異」の正体。

まぁこの調子じゃあぼんやりぼかすだけだろう、

と思ったらまじでぼんやりぼかすだけだった。ふざけんなよ。

昔からいわくつきの土地で、そこに建った家だから出てきたんだよ~。で終わりである。

いややっぱふざけんなよ。そんなん中学生でも考えられるわ。

ただそこは作家らしく、10編目「附記・われらの時代」・・・この一編はもう短編どころかただのおポエムなのだが・・・そこで「この幽霊屋敷に限らずどの土地でも人が死んでるからお前の土地も幽霊屋敷かもしれへんで~」みたいなことをそれっぽく書かれている。その中途半端な文章のプロとしての体裁もちが鼻につく。

知っとるわ。そんなん誰でも。

オカルト好きの妄想力をなめないでいただきたい。

 

あと本書は舞台が欧州・・・もしくはアメリカなのだが、その必要性も感じられなかった。本書が怪談雑誌「幽」の連載の単行本であり他の作家との差別化を図るための舞台設定とのことだったが、それを聞いてもええまあうんである。

というのも、「州」という言葉と登場人物を金髪碧眼それっぽくしとけばアメリカになるだろうという薄っぺらさ。

それ以外はまんま、舞台が日本じゃないと強烈に違和感を憶えるような文章ばかり。読んでいてきつい。

例えば美少年が通っていたのは「中学校」であるという。いやいや、中学校て。日本じゃないんだからさ。欧州・米国でそんな学校ないでしょ。

例えばこの幽霊屋敷は駅から遠く離れたところにあるという。駅から車で走らないと辿り着かない。いやいや、外国文学でそんなシーン読んだことない。日本の地方都市じゃないんだからさあ。

外国文学をほとんど読まない僕ですらなんだかイライラしてくる仕様である。普段嗜む人には、200ぺージ読むのも苦痛なんじゃないだろうか。

 

まぁそもそも、恩田陸・・・「朝日のようにさわやかに」も短編集であったが、彼女に短編集を期待するのが間違いだったのかもしれない。

「朝日のようにさわやかに」の地点で短編が決して得意分野でないことはなんとなく承知していたし、そもそも彼女の文章は短編にしては読み易すぎる。

平易な日本語で、しかし決して崩れない日本語で、つらつらと書かれているため頭に入ってきやすいのが彼女の文章の最大の特徴である。

ただそれが短編となるとあまりにも情報量が少なすぎてただのおポエムを読んでいるような気持ちになってくる。

 

だがしかし、読み易い文章を書く人≒短編不得手・・・ではない。

同じく、非常に読み易い文章を書くショートショートの名手はが思いつくだけで2人いる。

1人はみんな大好き阿刀田高。この人のショートショート集をブックオフの100円コーナーで買ってひたすら読む、というのに大学時代一時期ハマったことがあった。内容はしっかり覚えているのは少ないが、『奇妙な昼下がり』『猫の事件』・・・諸々、非常にどれも面白かった。表紙もユニークでなかなかたたずまいもかわいかった覚えがある。

1人は現代のショートショート作家・田丸雅智。この人の作品は2冊しか読んだことがないが、どちらも「なるほどー」と言うような作品だった。阿刀田さんと比べると確かに劣るが、児童文学から伸びてきたような妄想力爆発の短編はなかなか読んでいて愉快。オチも毎回決まっていてよかった。ちなみに僕は横浜在住時、下北沢の本屋「B&B」での彼主催のイベントに一度行ったことがあり、サイン本が家にある。

じゃあこの2人にあって、恩田陸にないもの・・・といえば、話の骨組みの工夫だと思う。

この2人はショートショート・・・10ページ程の短編でも、起承転結しっかり展開を考えたうえで書いている。あと「転結」もしくは「結」でいかに読者の予想を裏切るか練られていることが多い。

恩田陸はそこが甘い。

今まで書き慣れてきた文章力の延長線でなんとなるだろう、誤魔化せるだろう、というのが読んでいて透けて見える。

確かに手練れの作家であれば誤魔化せる部分はあると思う。ただそれは、文章自体に最大の魅力がある作家にしか通用しないと思う。小川洋子のように。

平易な文章がウリの作家がそれをやってしまうと、ただのおポエムになるのである。すらすらと頭に入ってきてそれで終わり、になる。小川洋子のように文章に「つっかえ」がないから読みごたえがない。

平易な文章を書くからこそ、読み易い文章を書くからこそ、もっと一編一編練ってほしかった。というか文芸雑誌に連載してたというが、編集は読者はよくこれを赦したなと思う。

 

長編なら活かされてるんだろうなとも思う。読むだけで情景がすらすら浮かぶ彼女の文章は、300400500ページある長編・・・それこそ蜜蜂と遠雷のように・・・、であれば読んでいるだけで場面が浮かんできてストレスなくすらすら読み進めることが出来るんだろうなあと思う。

要するに、恐らく彼女は短編向きの作家ではない。残念なくらいに、長編向きの作家なのだと思う。

まぁ彼女の長編読んだことないから何とも言えないところではあるんですが。

 

 

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表紙のデザインにこだわったらしく、巻末にデザイナーと対談しているけれど、僕がデザイナーだったらこんな作品「クソつまんなかったです」「恩田陸ってこんなもんなのかって思っちゃいました」って言っちゃいそうだからそんな仕事絶対断りますね。

 

それでも各短編、おっと思うフレーズはあった。

簡単にそれを書き残し、感想も付随しておく。

一番好きなのは「私は風の音に耳を澄ます」ネタバレ含む。

 

私の家では何も起こらない

字の沢山入っているハンカチというのは使いづらいものだ。p.8

これ全編の所謂プロローグ的なもので、10話目で同じ主人公が出てきて完結するんやろ!と思ったら違ったぜ・・・。

悪い意味で裏切られた。

この女の暮らし色々伏線貼ってあるだろうから見てやるぜ~え、をしていた僕がこれじゃあまるで馬鹿じゃん。

 

私は風の音に耳を澄ます

視界がかすかにゆれ、水を通して歪みます。p.50

この2フレーズのためにあるような短編。圧倒的に好き。

いや、だいたいのあらすじは序盤から見えているんですよ。ただ、それをさらに上回る最悪な結末が2つも用意されているとは何たる贅沢。

1編目と合わせてこの話読んで僕は戦後初期の日本を浮かべたのですが、3編目にさらっとでてくる漢字一文字「州」に総てを裏切られました。

 

 

我々は失敗しつつある

「もうすぐパイが焼ける。こんなところで何を?」p.65

この台詞の前半と後半の脈絡のなさがとても好きですね。もうすぐパイが焼ける。こんなところで何を?口に出して読みたい日本語。

ただ大まかなあらすじはううーん。もう大抵どっかで読んだような話ですよね、主人公が幽霊でした、なんて。

で、大抵出てくる幽霊の自我って大切なところ以外はピンボケしていて、で、永遠と同じことを繰り返している・・・というのが最近の定番ですよね。

1つくらい、裏切ってほしかった。

 

 

あたしたちは互いの影を踏む

ねえ、結局、勝負はつかなかったんだよ。p.92

微妙ですね。すっげー微妙。恵まれた設定からクソみたいな会話劇。

こういう、双子の内心で繋がっている会話劇みたいなの、どこかで読んだことあるんですよね。恩田陸の。「平成怪奇小説傑作集」だったかなあ。なんかバラの園の双子の女の子の赤ん坊が囁き合っていました。今作では双子の女のたくましい体格をしたばばあが囁き合っていますが。アップルパイが焼けるオーブンの前で。

イデアの限界を感じる。短編やっぱ苦手なのかなあ。恩田陸は。

比較して読んだら面白いのかもしれませんね。

まあ比較したところで、どうにもなりませんがね。

 

 

僕の可愛いお気に入り

自分の受け止められる以上のものを受け取ってしまった時、それを持ち続けられる人間はそういない。p.103

あらすじにもあった、美少年×軒下の美少女の死体の話ですね。少年が自分で「僕美少年です」と名乗る訳ないので途中まで気づかなかった。

美少年はなぜか、この幽霊屋敷に足を踏み入れることになるのですが・・・多分彼は「私の可愛いお気に入り」でもあった、ということでしょう。 というかタイトル自体「私の可愛いお気に入り」のが良かったと思う。

じゃあ少年が死んだ後どうなったのか。2人で軒下に並んで横になってるのかな、と思うとなかなかシュールっすね。

 

 

奴らは夜に這ってくる

さあ、泣き止んでくれ。そして、眠りにつくがいい。p.127

幽霊屋敷を幽霊屋敷たらしめる、諸悪の根源が登場する話ですね。ただ「這うもの」とまでしか言及されておらず、そこが僕は不満足。

いやいや何だよ。「這うもの」て。

その正体は。何故その屋敷の周囲を這うに至ったのか。

その理由が一切書かれていないのが不満。雰囲気が出てればいいんでしょうけれども、僕から見れば作品に対する怠惰としか思えない。もっと練って作れたはずだろう。

そこをどう練るかがプロとアマチュアの違いじゃないのか?正直この短編単体で言えばアマチュアレベルだと思います。noteに掲載されていても★そんなつかないでしょう。「恩田陸」が書いたから価値あるものなんですよね。きっと。はー、死ね。

 

 

素敵なあなた

どうしてでしょう。どうしていつも大人たちは、自分たちもかつては子供たちだったのに、子供たちのことが理解できないんでしょうね。p.140

どうしてでしょう。どうしていつも作家たちは、自分たちもかつては読者たちだったのに、読者たちのことが理解できないんでしょうね。

 

 

俺と彼らと彼女たち

な?悪さをするのは生きてる人間だけだろ?死んでる人間なんざ、可愛いもんさ。p.169

幽霊屋敷を修理に詩に来た大工の親子の話ですね。この1編だけ見れば、幽霊屋敷モチーフのコミックのよう。アダムスファミリー的な。作者もこの一編が気に入ってると言っていますがまぁそれもわからんこともない。

ただまあ・・・コミックのよう。うん。内容が幼稚すぎるかな。

児童書じゃないんだからさ。

 

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私の家へようこそ

この世に幽霊屋敷じゃない屋敷なんて、あるのかしらって。p.182

お。全部の謎回収すんのかな~?って思ったら先述した一行の通り、「お前の家も幽霊屋敷なんやで~」「幽霊屋敷じゃない屋敷なんてないんやで~」で終わる一遍である。

ふざけんな。

そんなの百も十も千も万も承知なんじゃ。

いかにも、怖いでしょ~?みたいな感じが凄い腹立つ。

オカルト好きだったら誰しもそんなん思い当たっているはずだし、別に真新しくも何もない何度も使い古された言説なんじゃ。

こんなん書ける紙幅があるなら、せめて幽霊屋敷周辺の歴史をまとめるであるとか、「這うもの」の謎についてふれるであるとか、もっと本編に絡んだことを書いてほしかった。

こんな子供だましの怖がらせは、読者をなめているとしか思えない。

恩田陸って名前聞くけど、こんなんばっかなの?

 

 

附記・われらの時代

人間にとって排泄の場所とは、孤独な上に無防備になることから、永遠に恐怖の対象なのだ。p.189

お?幽霊屋敷の歴史説明してくれるんか?と思ったら違った。「どこもかしこも幽霊屋敷やで」を補強する一篇だった。いらねえよ。「生者も死者も同じ次元院存在する」そんなん高校時代で読んだ日日日ちーちゃんは悠久の向こうでとっくにこっちは学んでんるんじゃヴォケ。

ダ・ヴィンチ文庫だったものを角川文庫にし直した短編集、っていうからてっきり期待したけど・・・こんなん埋もれさせたままで良かったと思う。というか角川つばさ文庫に収録した方がよかったのでは?

 

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よく見ると作品名より作家名のが大きく書かれてますね。この作品自体、よりかはこの作家に価値があります。とでもいうように。ブックオフの海にキャッチ&リリース不可避。

 

以上である。

読者をなめ腐ったような短編集で不快だった。「朝日のようにさわやかに」も非常に微妙だったけどそれをはるかにしのぐ微妙さ。クソ。本当にクソ。

いやでもまぁ文章自体の読み易さは凄いから、長編読んだら印象変わるのかなあ。どうなんだか。

でもまあもし次恩田陸読むときは六番目の小夜子にしろ夜のピクニックにしろ蜜蜂と遠雷にしろ、長編にしようと思った。短編作家としてはもう期待しない。

 


あとこの小説の設定そのまま踏襲して小川洋子大先生に短編書いてほしい。多分傑作生まれると思う。

 

 

***

 

LINKS

他の酷評記事。 このなかで圧倒的に許せないのは「夜行」。名作扱いされているため。おとなしく夜通し京都大学オタサーの姫のケツおっかけてろ。

 

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「大豆田とわ子と三人の元夫」前半(1~6話)-ここ数か月の人生の教科書(まじです。)-

 

 

 

 

最近の人生の教科書です★

 

 

 

 

 

「大豆田とわ子と三人の元夫」(脚本:坂本裕二 演出:中江和仁 池田千尋 瀧悠輔 制作:カンテレ)前半、第1話~第5話の話をさせて下さい。

 

 

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ああ~~かごめちゃん~~~。

 

【あらすじ】

大豆田とわ子はこれまでの人生で三度結婚し、

三度離婚している。

「あの人、バツ3なんだって」

「きっと人間的に問題があるんでしょうね」

そりゃ確かに、人間的に問題がないとは言わない。

だけど、問題のない人間なんているのだろうか。

離婚は一人で出来るものではなく、二人でするものなのだ。

協力者あってのバツ3なのだ。

そして今もまだ、大豆田とわ子は3人の元夫たちに振り回されている。

何かとトラブルを持ち込んでくるのだ。

 

どうやらみんなとわ子のことが好きで嫌いなのだ。

果たして、四人はそれぞれの幸せを見つけることができるのか?

 

公式HPより

 

【キャスト】

大豆田とわ子・・・松たか子

中村慎森・・・岡田将生

佐藤鹿太郎・・・角田晃広東京03

田中八作・・・松田龍平

 

三ツ屋早良・・・石橋静河

小谷翼・・・石橋菜津美

古木美怜・・・瀧内公美

 

綿来かごめ・・・市川実日子

大豆田唄・・・豊嶋花

ナレーション・・・伊藤沙莉

 

【見るべき人】

・アラフォー

・離婚歴がある人

・仕事に生きている人

東京03好きな人(角田がメインにいるだけあって結構かけあいが面白いです。そして毎回豪華な共演者の中で空回りする役としての角田が見られるので)

 

【感想】

人生二回目のドラマ視聴である。

 

僕はこれまで(恐らく)200本はアニメ見てきたけれども、もっぱらドラマは見ない人生をかれこれ27年送ってきた。

長い。まずドラマはこれ長いのである。1時間ある。僕はもうアニメの20分で結構限界である。1時間もあったらもう死ぬ。死んでしまう。耐えられない。

そしてもろ実写。いやドラマだから当たり前なんだけれども、アニメと違ってこうモロに訳者の顔が出てくると、その役ではなく演者を見てしまう。例えば、今作で言えば主演の大豆田とわ子は松たか子が演じているけれども、「大豆田とわ子」ではなく松たか子としてみてしまうのである。「おいおい、春はパン祭りと並行してドラマもやってんのかよ。こりゃー松ちゃん(まっちゃんではない。まつちゃん)大変だぜ。レリゴ~」くらい思ってしまうのである。

ところがどっこい。この前初めて1クール、1時間ドラマを見た。

「35歳の少女」*1という作品である。

27歳の少女である僕は設定に惹かれストーリーに惹かれ軽い気持ちで一話見たところ・・・

「おお・・・のぞみ・・・のぞみぃぃぃぃいいいい!!!!」

その眼差しはもはや柴咲コウではなく時岡望美を捕らえており、

「望美がこの先幸せに生きられるか見届けるしかない!!!!!」

になり、最終話には、

「のぞみぃ・・・夢を・・・夢を叶えたねぇ・・・1年で・・・えらいねぇ・・・」

になったのである。

一度くっついた後別れてその後再びくっつきながらも信じあってそれぞれの人生を生きていく結末が良かった。

あと最終回「36歳の少女」になるのが本当に良かった。あのシーン思い出すだけで泣けてくる。

そう、要するに27になって僕は初めて「ドラマを見ること」を覚えたのである。

 

 

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そしてそんな僕が人生2度目のドラマに選んだのが本作。

「大豆田とわ子と3人の元夫」。

まずなんか有名な脚本家が絡んでいるらしい、というところで興味を持った。

「35歳の少女」遊川和彦先生という著名な脚本家が手掛けた作品である。もうもろ感動してああ・・・やっぱすごい人ってすごくあるべくしてすごいんだなぁ・・・と思った。なんかちょー人生って感じだった。

そしてこの「大豆田とわ子と3人の元夫」坂元裕二先生・・・最近では「カルテット」「花束みたいな恋をした」、を手掛けた脚本家ということで興味津々だった。あれだけ騒がれて社会現象になったドラマである。映画である。今作も面白いに違いない。

そして、その作品に東京03の角田がメインで出ている。あとどうやらコメディ色が強そうだ。

加えてネット記事で「邦画風の演出が話題」と来た。

著名な脚本家+角田+邦画。まぁ面白くないはずはないでしょう絶対面白いでしょうと思い、ギャオで早速視聴をはじめた次第なんですけれども・・・

 

いやぁ~・・・最高に「人生」ですね。

 

「35歳の少女」も人生だったんですけど、この「大豆田とわ子」も人生を別の側面から切り取った感じというかなんというか・・・。

「35歳の少女」は生き方、「大豆田とわ子」はあり方、みたいな感じかなぁ。

2本見て(見きってないけど)、思ったのは

ドラマはどれだけ登場人物の人生を描けるか、に面白さが置かれている気がする。

「35歳の少女」「大豆田とわ子」も主人公の境遇だけ見れば結構非現実的ではあるが、そこからどうやって生きていくかは結構現実的にシビアにみっちり描かれている・・・気がする。逆にその非現実的な境遇については全く問題にされていない。例えば「何故25年後に目覚めることが出来たのか」とか「3度の離婚の理由」とか。

実写で、加えて数か月単位で放送するというドラマだからこそ、人生を描くと面白いのだと思う。

実写ではないアニメでやっても面白くないことはないけれども、やっぱり地味になってしまう。映画でやっても所詮は2時間であるから生き方まで人生まで描くには短い。

だから、あ~、27になってフリーターやって生き方迷ってる今になって、こんなにドラマが刺さるようになったのかな、とも思う。これからの人生本格的に考える時期だから。皮肉なことに、めでたいことである。クソ。

人生はクソ。

 

以下簡単に各話の感想を書いておく。

基本各話視聴した直後に書いた感想である。今読み返すと結構見当違いな感想もあるけれど赦してほしい。

また、ドラマに関してはマジのマジ初心者なので本当、ただの「感想」になっちゃうのは申し訳ない。解説とか解釈とか全然できない。岡田将生がカッコいいくらいしか僕には言えない。

ちなみに一番好きなキャラは、綿来かごめ(市川実日子古木美怜(瀧内公美

 

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この前読んだPOPEYEに古木さん役の瀧内さんが出ていた。

あ、素顔そんな感じなんだ~になった。

 

第1話

なかなか面白かったです。

 

角田が予想以上にいつもの角田で笑ってしまった。

あと岡田将生ロリコンのイメージしかなく、ドラマも映画も見ない私にとっては、「奇跡のロリコン認識だったのですが、やばかったっすね。めっちゃかっこよかった。本当かっこいい。凄いいい。

そして松田龍平今回は彼がメインでしたね。この人どこが格好いいんだと思っていましたがこうやって見るとまあカッコいい。カッコいい。岡田将生と違って演技も本当自然でそこら辺にいそうな感じがしてそれがいい。華があるのは岡田だけど。でも華が岡田程ないのがいい。

おいおい角田。ぼかぁキービジュアル見て、「お、これは角田×松たか子確定ルートか?」と思ったけどこの2人に勝てるのかよ・・・。

 

あとこのドラマはじめと最後に

大豆田とわ子「大豆田とわ子と3人の元夫!!」

と言うシーンがあるんですがそれがめちゃくちゃいいですね。

そして中盤の風呂のシーンと言い、EDの歌唱と言い、ミュージカル要素がふんだんに盛り込まれているのも良い。とわ子やっぱ普通に歌うめぇ。好き。

 

女社長×3人の元夫、っていくらでもどろどろできそうなもんなんですけど、「大豆田とわ子」という名前といい、角田の起用といい、

そういう題材をあえてコミカルにそして時には胸キュン挟んで描くのが目的なんでしょうね。

角田の男女の取引ドロドロシーンとか誰も見たくないよ・・・そんなん「ノンフィクション」でしょ・・・。

 

あとキャスト欄に市川実日子の名前があって「あ?いなかったが???」と思ったらあの怪しい友人市川実日子だったんか。

「満願」のドラマでしかイメージなかったから!!

あと常にあのおかっぱのイメージしかなかったからぁ!!!

びっくりした。

妙に平べったい顔してるけど美人だなぁとは思っていたけどさ!!

さすが女優ってやつですね。

ちなみに「満願」のときはおかっぱ×でこだし美人とあまりにも「市川実日子」すぎて好きじゃなかったですが、今回はへにょへにょヘア×ふらふら歩き本当「とわ子の親友のヤベーやつ」だったので大好きです。

 

今回の一番のベストシーンは・・・まぁ圧倒的に最後のブランコですよね。

八作(松田)、佐藤(角田)、慎森(岡田)3人が乗ってるシーンが可愛すぎる。なんだあれ。

からの、3人にもそれぞれ3人の女が寄って来ていて・・・。おいおい佐藤(角田)。お前カメラマンだったのかよ。てか佐藤に言い寄る女優は何考えてんだ。

 

とわ子は誰とくっつくのか。それとも誰ともくっつかないのか。

いやそもそもとわ子は幸せになれるのか。

楽しみですわね。うふふふ。

 

 

 

 

第2話

ああああああああ!!!!岡田将生カッコいいい!!!!!になりました。

もうこの回の前半で僕は岡田将生の虜になりました。

どれくらい虜になったかと言うともう視聴した翌日「大豆田とわ子ってドラマ見てます?あ、見てますぅ????岡田将生ちょーーかっこよくないですか!!!!!!」と職場の方々に出会う度に言い出す始末。

いや、こういうドラマに出てくる俳優ってかっこよくて当たり前なので、ときめかなかったんですよ。でも今回の岡田将生はやーばい。

カッコい云々の前にプライドがえげつなく高くて不器用な感じ、その人間臭みがよりカッコよさを増しているというか!!!

もう特にね、中盤のゼロ距離シーンは凄かったね。

オレンジのソファーが捨てられていることに気づいて怒った慎森(岡田)のゼロ距離。

慎森「ごめん、本当は思い出に出来ない」

 

あ、あとある有名なブログで一話で「オレンジが効果的に使われている」と書かれているのを見たのですが、「ああ~~~!!!本当だ~~~っ!!!」ってなった。

すきやきのシーンでも岡田だけひとりだけオレンジのソファーに座っているんですよね。ゼロ距離シーンの前でも、オレンジと蒼が波打った模様のブランケットがかかっていたり・・・。

多分オレンジ≒元夫との幸せな過去、ということなんでしょうか。

だから「思い出にできない」慎森は延々オレンジのソファに座り続けるしかない。

 

でも慎森は絶対大前田とくっつきませんね。

あの公園の女とくっつくのでしょう。

慎森「君が僕の弁護士になる」

守られる側から守る側へ?ってことなんでしょうか。でも恋愛って一方的に守る守られるじゃないしなぁ。結婚もしたことないしセッもしたことないし恋人もいたことないのでよく分かりませんが。

 

そういえば、最後佐藤(角田)がまさかのキスをしていましたね。

ビックリした。まさか2話で角田キスするとは思わないじゃんね。

古木「へたくそ」

2話で角田にキスした女優・・・、古木美怜(瀧内公美)、この物語で一番好きなキャラかもしれない。

でもまぁ2話でキスしたということは、この女優と角田はくっつかない気がするなぁ。

 

というかとわ子は誰とくっつくんだろう?

誰ともくっつかない、もしくは佐藤(角田)とくっつくとおもうんですが・・やっぱ誰ともくっつかないのかなあ。それはそれで予測がつきすぎる結末でつまらない。

 

ていうかエンディング!!!!毎回変わるんだ!!!って思った。最高じゃん。てかこれを見るために45分見ちゃうじゃん!!!

しかも慎森、お前も歌うんかーい!!!てなったよね?え?てことはじゃあ佐藤も歌うの?八作(松田)も歌うの??最高じゃん!!!

で、あの大事なサビをとわ子(松)がろうろうと歌うと。エモいよね~。

 

 

 

 

 

第3話

八作(松田)・慎森(岡田)と続いて佐藤(角田)回ですね。というか元夫の演者「田」で終わりがち。松田岡田角田!!ゴロが良すぎる。

閑話休題

結構展開ががったんがったん動き出して面白かった。

特にあの女優!!古木!!なんでこんなに接近したか?というのが分かって良かった。

そうだよなぁ、古木(瀧内)から見て佐藤が魅力的に見える(であろう)シーンが一切なかったんだよな。

 

とわ子「残念ですね!残念ですね!」

二人が付き合うまでの過去もやってましたが・・・この「残念ですね!」のシーンが今回で一番好きかもしれない。

好き、とは言い切れなけれど、悪く言われるのはムカつく。当時の恋愛に不器用なとわ子感が満載に感じられ台詞でもあったね。

 

あと二人が会社で踊るシーンは良かったですね。途中過去の社交ダンスのホールに切り替わってましたが、欲張り言えば会社で踊っているところもっと見てみたかったかな。

あとああいう大事なシーンだと、ダメですね。「優しげな眼差し」の表情が佐藤(角田)は舞台やってるのもあって、非常に大げさでちょっとウケた。

 

あと今まで出てきてたかもしれないけど、ガッツリ前にでてきはじめた人もたくさん出てきましたね。

例えば頼朝(弓削智久。あの人はあの人で会社にそれなりに愛着があってポリシーがあって働いていて・・・ていうね。

あの会社大豆田とわ子秘書(高橋メアリージュン)とあの謎のおっさんだけじゃないんやで~4人だけじゃないんやで~他にも社員居るんやで~というね。

あと若手デザイナー、演者、柳楽優弥かな?えでもなんか若くね?と思ったら神尾楓珠でした。名前と顔が初めて一致した。柳楽系ね。分かった。了解。

あと、佐藤(角田)の弟子みたいな女の子。釣り目の。

あの子wiki見たら「ゲスト」だったけどまた出てきてほしい。冷たくあしらうのがとても上手い。

 

終盤、物語がいよいよがったんがったん動き始めましたね。序盤から中盤へ、ということでしょう。

まず

古木「私たちを守ってほしいの」

何だこの展開。黒い服着てたから「ああ二人の恋は終わったんだな・・・」と思ったら、まさかの関係続くのかよ。これ途中真実の愛に目覚めるパターンか?

次いで小谷翼(石橋菜)の嘘。これ衝撃だった。え、お前もやましいとこあるの?

あと唄(豊嶋)の勉強しない宣言。学校のシーンって一切出てこないけど出てきたりするのかな。

そして早良(石橋静)。え?お前もう松田の家行ってんの!!??どういうことだ!!??どういうことだ!!!???

 

そして佐藤(角田)のラップ(笑)をはさんだ次回予告も、気になることがいっぱい。かごめの「あんたと会ったこととわ子には内緒にしてて」発言とか。どういうことだよ・・・え?かごめまさかお前まじで田中かごめになるのか・・・?え・・・?って思ったお。ぼかぁね。

3人の紹介回が終わって、第四話。いよいよ物語の本題へといったところなんでしょうなぁ。楽しみだなぁ。見ちゃうなぁ。これ。

あと3人の掛け合いが3話で完全に合致しはじめましたね。正直第1話とか不自然な部分多くなかったですか?僕等視聴者が斬新な「東京03」に見慣れていなかった、というのもあるかもしれませんが。でも今回はもう自然に見てられる。

楽しみすぐる。

 

最後は八作(松田)のこの言葉で締めましょう。

八作「人の嘘を補完し始めたら騙されている証拠ですね」

 

 

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スケッチブックに描いた。

 

 

第4話

うおおおお!!!!でした。うおおおお!!!

まず今回は名言が多かった気がするので、そこから適当に感想を記す。

 

とわ子「別に怒らない別れなんてないよ」

要するに別れの時は常に怒ってるってことだろ。

すげーわかる。これはわかる。

あとこのとわ子を睨むかごめの従兄の眼力にわらってしまった。

佐藤(角田)「だいじょうぶな演技はしちゃだめです」

これで古木さん即落ちしててワロタ。

まぁ分かるわ。落ちるわな。これは。

でもこの2人うまくいくのかな~?

早良「でも恋愛は違う。自分を有利に運んじゃないけない。一生負け続けてくれるのが最高の恋人だもん」

これ核を突いていませんか?多分今回の中で一番名言だと思う。

というか多分、この早良(石橋静)というキャラクターの一番の芯でもあると思う。

 

そう、てか、かごめ!!!

Twitterでね、バズってたのは知ってるんですよ。「綿来かごめ」がバズってたのは知ってる。

だから、てっきり「かごめ⇒松田」なのかな~って思ってたわけ!!

かごめ「恋愛が邪魔」

でも違った!!!!!!

八作「狐顔で、古風顔で、身長が150センチくらいの人」

八作!!!!!!!!おめー!!!!!!!!!!!

かごめのこと好きだったんかーい!!!!!!!!

もうさぁ、コロッケのシーンで明白だったよね。え。何八作(松田)めっちゃ好きじゃんって。すっごい好きじゃんって。ちょー好きじゃんって。あれ吃驚した。演技力というのもそうだけどなんというかなんというか!!一緒に首傾げたりさ~も~!!!

 

あと早良(石橋静)。今日は一段と悪い女でしたね~。

何回も家に来るのは本当凄いと思った。

早良「私のことタイプなんでしょ?」

というセリフを聞いた途端に、短髪・ぱっちりとした目・センター分け。と、とわ子にある程度似るよう意識してデザインされたキャラクターと思い知る。

八作「こんな女、別れた方がいいよ」

終盤友人に八作がこう言ったのはすっきりした。本当すっきりした。ガッツポーズとっちゃったし、パンツ一丁になっちゃった。

あと早良にドン引きさせるよう、ヒョウ柄・「女子力~」・「あれ?なんか太った?」・「おしっこ」言う八作ぐう面白かった。

 

あと思ったことは・・・

・小谷翼の履歴書。1995年生まれ。うおおお・・・僕より年下やん。この2人は唯一成就しそうですねぇ。

・今回しろくまハウジングのシーン一切なしでちょっとそれは寂しかった。でもかごめととわ子の関係性を描き切る回だから、しろくまのシーンがあると「会社のとわ子」が出てきて邪魔だったのかもしれない。

・かごめの過去を詳細にやろうと思えばやれるんだけれども、そんなつらい過去パートなんてただただつまんないだけじゃないですか。視聴者に察せるくらいにとどめておいてバッサリカットしているのはとても良かった。見ていてストレスがなかった。脚本力。

 

かごめ「ジャンケンで弱いのはジャンケンのルールが分かんない人」

これすっごい分かる。僕もいまいちルール把握しきれていない側だから。

とわ子とは決定的に違うんですよね。やれないんだよ。やれない。出来ない。不器用というのかんなんというのか・・・。

かごめのスーツケースに漫画道具が出てきたのは爽快でしたね。

要するに、これって「40超えて夢に再挑戦」じゃないですか。でもそういう描き方をせずに「漫画を描きたくなったから描く」っていう脱力して描写する脚本がいいなぁと思った。

 

あとオレンジが効果的に使われている説・・・、小谷のパーカーがオレンジだったのはやっぱり過去になんかあったからなんでしょうね。

あととわ子がかごめを追うシーンが夕日の中でしたね。あれも過去の2人のルーツに迫るシーン・・・っていうことなんだろうね。

 

あ、あと最後まさか夜の歩道橋で一人「大豆田とわ子と3人の元夫、また来週」が聞けるとは思わなかった。あれは素晴らしかったな。

 

ここまで見て思ったのは、「大豆田とわ子と3人の元夫」4人がどろどろの男女関係するのかと思ってたけど、4人で再出発する物語なんですね。

てか公式HPのあらすじよく見たら

どうやらみんなとわ子のことが好きで嫌いなのだ。

果たして、四人はそれぞれの幸せを見つけることができるのか?

て書いてある。

てことは、とわ子と元夫がくっつく可能性は低く、逆に終盤になって新しい男が出てくる可能性の方が高いってことですよね。

多分既存の人物だと思うんだけど、そうだとしたら誰だろう。今回の五条(浜田信也)とかその有力候補になりうると思うんですが。

 

 

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5話あたりからメモをとりはじめた。

 

 

第5話

なんか色々明らかになっていく回でしたね。

序盤の布団がふっとんだところから結構息のんで見いちゃった。

 

前半のクライマックス?ということで、やっぱりとわ子大活躍でしたね。

特に、このセリフが凄くいいセリフだと思った。

とわ子「人生に失敗はあったって失敗した人生はないと思います」

もうさ、これ高校生の道徳の教科書に載せようよ。自分も尊重できるし相手も尊重できる。素晴らしい言葉じゃないですか?

あとこのセリフも良かった。

八作と2人でカフェにいるシーンで、

とわ子「好きって言うのは考えるもんじゃないもん。考える前にあるもんだもん。

だから26の私は許せなかったんだよ。夫の片想いが」

ええー!!夫に片想い相手がいることは気づいていたんかい!!という衝撃の事実。そしてそれが恐らくダイレクトに離婚に直結したんでしょうね。

 

そしてその後の八作の表情で、その「片想い相手⇒かごめ」と気づくという・・・。

とわ子「わかった。状況は把握した」

とわ子はすっごいショックを受けるわけです。

僕この気持ちすっごい分かる。大学時代、ずっと好きだった同級生が、結局同学年で一番かわいい(とされている)娘と付き合ったことを知った時とか。もうショックでショックでショックで、深夜徘徊したもんね。3時間くらい。気づたら知らない駅に来てた。一時両想いと思われるような時期があった分だけ一層辛かった。あれほど純粋の「辛い」という気持ちにぶち当たったのはあの時くらいだったな。

状況は多少違うと言えど、とわ子も似たようなショックを受けたんじゃなかろうか。

想いを寄せていた相手が親友のことを好きだった。

なんと恐ろしいサプライズ。

 

そりゃ終盤とわ子も姿消すわ。

ただその後の慎森(岡田)の言葉が良かったです。

慎森「人を傷つけるのは他人だから慰めるのも他人でないと」

そう、人って自分で自分のこと慰めがちじゃないですか?そしてそれがうまくいかない時が多いからどんどんどんどん病んでいく。

理屈でしか考えられない彼だからこその物事の核心をついた言葉だと思う。

 

でも当時の八作の気持ちも分かるんですよね。

すっごい痛切な片想い相手(かごめ)より、良好な関係の女友達(とわ子)と結婚することを選んだってことですよね。

叶いそうもない片想い相手と結婚するより会話が弾む友達との結婚の方が、そりゃあうまくいきそうな気がするもん。幸せな未来が見えるもん。

それに、結婚すればさ、この片想いも消えるって思ったんじゃないかな。多分女友達の方をだんだんだんだん好きになっていくって思ったんじゃないかな。

でも、そうはならなかったんだよね。

しかも最悪なことに14年たってそのことが、女友達の結婚相手にばれてしまった。意図せず傷つけてしまった。

 

今回あと何気に一番ぐっときたのは古木(瀧内)さん。

古木「器の小さい恋がしたい」

くっそかわいかった。やばかった。それを無碍にする佐藤(角田)は本当にムカついた。なんだアイツ。何様なんだよ。クソメガネが。

でもなんかこの2人にも亀裂が入るシーンが見られましたね。どうなるんだ。

 

あと小谷(石橋菜)。

お前ホテルの従業員だったんかーい!!

なんかもっと深い複雑な過去の関係があったのかな?と思ったらめっちゃシンプルな関係だったから笑った。でも確かに、慎森の深い複雑な過去、とかやってたら、1クールのドラマとしてバランスがとれないもんね。そんな暇ないというかなんというか。

いやー。完全に盲点だった。

 

あとかごめ(市川実日子)。

序盤の海のシーンめっちゃ良かった。あと漫画描いているところも。

ああいうのがさー、絵になるのはさー、やっぱかごめ役の市川実日子がOliveのモデルを長年務めていたからだと思うのよ。

多分40が見えてきた彼女がTシャツの中に仕込ませるフリルに、報われている当時の読者は山程いるんじゃなかろうか。

 

あと取引先の社長。

演者最初沢村一樹か?違うショーンKか?と思ったら東京スカパラダイスオーケストラの人なんですね。

スカパラ「あなたみたいなかわいそうな人を見ると放っておけないんですよ」

スカパラ「(3回の離婚は)僕にとっては勲章みたいなものですけどあなたにとっては傷でしょ?」

ド最低な台詞をいい声で言うな!!!

でもまぁこう考えてそうなバツ野郎いそうで、非常に不快だったな。スカパラ社長許すまじ。

 

六坊(近藤芳正)さんも終盤いい出番貰ってましたね。

六坊「現場は社長の指示によって動くんじゃない。作業の完了に向かって動くんです」

凄くいい言葉。常に肝に銘じておきたい。

 

そして最後姿を消したとわ子・・・。

「大豆田とわ子と三人の元夫。また来週」がないのはちょっと寂しかったな。まあその後ラップしてくれたからいいけど。

 

 

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第6話

とわ子「一人で死んじゃったよ。死なせちゃったよ」

 

大豆田とわ子がいない6人のトークとかナニコレ絶対おもろいやーつじゃーん!!!と思ったら後半!!・・・後半!!!

かごめちゃん!!!お・・・お前・・・お前まさか死ぬんかよ!!!

衝撃だった。

人の死、まぁ特に心筋梗塞なんて突然来るものなんだろうけれどもそれにしても急すぎるでしょ!!衝撃だった。

そしてもうこの衝撃で正直1-2日はふらふらしていた。いやだって・・・、前回あんなに夕焼けに夢広げてくれてたかごめちゃんが・・・どうして・・・。

なんだろう。ストーリー上やっぱ亡くなる必要があったのかな。

離婚や友の死、恋愛等を切り抜けて生きていく「アラフォー」・大豆田とわ子を描くためにこの展開はやっぱり必要だったのだろうか。

それでも僕は悲しい。

生きていてほしかった。

そして最終話まで八作を一切振り向かないでいて、そして僕を失望させてほしかった。

こんな失望は・・・望んでないよ。あんまりだよ・・・。

 

そしてオダギリジョーお前出てくるの1年後かよ・・・。

でも確かに、序盤のナレーションがいつもは「今週こんなことがおこった」のところ、「長い夜こんなことがおこった」になっていたんですよね。

今回紹介していたのは「今週」のことではなかった。

ましてや「長い夜」。これはとわ子取り巻く6人がせめぎあう夜のことも言ってると思うんですけど、多分かごめの死やら何やら引っ張ていたとわ子の一年のこと言ってるのかなぁ・・・とも思ったり。

 

6人がせめぎ合う序盤は序盤で、結構見どころありましたね。

特に3人の女性サイド。

まず古木さん(瀧内)。

古木「北京ダック」

んな強く言わんでも。

古木「岩手出身」

岩手から成りあがった女優だったんかいお前。

古木「男を見る目と恋愛感情は敵対するもの」

凄い納得。確かに、一緒に慣れると確実に幸せになれるであろう異性だからといってその人に都合よくときめく訳ではないんだよな。人間って難しいね。

古木「いい恋愛は、2人でいる時も楽しいけど1人でいる時も楽しいもの」

1人でいる時病む恋愛はいい恋愛ではないということか。

う~ん。やっぱり、

古木さん好きだわ~。

 

そして小谷翼(石橋菜)。

小谷「恋愛においてロマンはごはんではなく、スパイスでいい」

納得がいく。ロマンチックばかりの恋愛は疲弊するだけだから。

小谷「モテないで普段妄想する人って、結局は誰でもいいんですよ」

やめて。童貞(メス)の僕に刺さる。

早良「妄想しかしないから実体化したら逃げたがる」

やめて。二人して襲い掛からないで。とどめをさそうとしないで。殺さないで殺さないでくださいああああああ。

とどめをさす女・早良(石橋静)の以下の言葉は一ぐっと来た。

早良「その人が優しいのは、優しくしとけばめんどくさくないから」

恋愛以外にも言えるよね。これ。優しくて詰まんない人って、大抵これな気がする。

 

そしてまさか、今回一の台詞が再び早良から出ようとは。

早良「どこを好きか言う時は、もうその恋を片付けると決めた時。

だってそれはせっかく自分だけが見つけた秘密なんだから」

ああ~~~になった。ああ~~~。

でも僕的に思うのですが、恋愛が終わる時というのはどこが好きか分かる時ではありませんか?僕は片想いしてる時、相手のどこが好きなのか。どこに惹かれるのか。分からないことが多いのだけれども。なんだる。僕がまだ幼稚ということでしょうか。先生。

あと以下のようなセリフもありました。

早良「片想いを長引かせないのが楽しく生きるコツ」

片想いが一番楽しくないですか?それは僕が童貞(メス)でモテない奴だからですか??

まぁ劣等感さておき、そこは早良と僕の「恋愛哲学」の違いということなのでしょう。

早良「私と付き合ったら楽しいと思うよ」

だから、それだけ恋愛に対する考え方が明確に描かれていた早良が八作に再び振られるシーンは、切なかったですね。

2人とも、涙目だった。

まぁさらにその後八作は、涙目の唄を抱きしめる羽目になるのですが・・・。

 

かごめちゃん・・・。

 

あ、でも、今回早良、八作に「口元ついてるよ」って口周りぬぐわれてましたね。

いいな~~~~~~~~~~~~僕も「ついてるよ」されてええよ!!!!!!!

なんだあの女!!!やっぱサイテーだわ!!!殺されてたまるか!!!!私が殺す!!!!!!

 

 

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1990年代のOliveは古書店「水曜文庫」で数冊購入しました。この頃の着こなしテクが「綿来かごめ」のコーデに活かされていてとてもいいなと思います。

 

 

以上である。普段どれだけ僕が楽しくこのドラマを視聴しているか…お判りいただけたであろうか。

オダギリジョー的な「新しい男」の登場の予感はしていたけれども、かごめちゃんが亡くなるのは全く予想がつかなかった。

でも確かになぁ。今になって思えば海のシーンとか夕焼けのシーンとか結構フラグびんびんだったもんなぁ。

 

第6話で一旦は「第一章終了」となり、第7話からは「第二章」となる。*2

この不器用でどうしようもない4人がどういった結末を迎えるのか。

しかと見届けたいと思う。

 

***

 

追伸

・職場の人も見ている人が多かった。視聴率低いはずなのになんでや・・・。

・職場でふとした時に手を止め、バッと顔を上げ、「大豆田とわ子と3人の元夫」と大豆田ごっこを付き合ってくれる42歳の同僚・小野さんは神。

・メモとってるので職場でも名言をそらで言える。

僕「人生に失敗はあるかもしれませんが、失敗した人生なんてありません。」

小野さん「いい言葉だ」

・でもさすがに「メモとってる」と言ったらちょっとひかれた。

 

***

 

LINKS

市川実日子といったら満願のイメージが強かったから今回のようなかごめちゃんはもうびっくりだったの!!

tunabook03.hatenablog.com

 

最近復刊したOliveの感想。

当時のファンが「これはOliveじゃない!」とブチギレレビューを某アマゾンでしてましたが、当時のOLive見るとその気持ちわかる。

別物の雑誌ムックとして考えれば悪くない。どちらかというと「装苑」に近い。

tunabook03.hatenablog.com

 

 Oliveの連載単行本。これで市川実日子がモデル出身だと知った。

tunabook03.hatenablog.com

 

*1:小5で植物状態になった少女が35歳で目を覚まし・・・という作品。前半では主人公時岡望美の成長、後半では現代に絶望した望美がまさかのユーチューバーデビューを果たす。

*2:35歳の少女も同じくこうやって前半後半別れていたのですが、最近のドラマはこういうのが多いんですかね?

安藤ゆき『町田くんの世界2』(集英社 2015年)-やさしいことはむつかしい。-

 

 

 

やさしいことはむつかしい。

 

 

安藤ゆき町田くんの世界2』(集英社 2015年)の話をさせて下さい。

 

 

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【あらすじ】

物静かでメガネ。

そんな外見とは裏腹に成績は宙の下。アナログ人間で不器用。

なのに運動神経は見た目どおりの町田くん。

そんな彼に弟が出来たり、告白する女の子が現れたり、

初恋の人が現れたり・・・。

人を愛し、人から愛される町田くんの第2巻です!

 

裏表紙より

 

どうでもいいんですが、こういう裏表紙の文章って編集者が書いていると思うのですが、本作は特に書き手の作品への愛が伝わってる・・・気がする

 

【読むべき人】

・癒されたい人

・不器用な人

・優しくありたい人

 

 

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【感想】

1-2巻を、古本市で購入し、1巻を読み「こりゃあ面白いぜ!!」になりそのまま間を開けずに読んだ。面白かった。素晴らしかった。

もうなんか、読んでいるだけで尊い・・・になる。何なんこの感情。尊い・・・。

というか愛おしい・・・。

 

基本この作品には、悪人が登場しない。基本みんな善人。

そして不器用な人が多い。というか基本みんな不器用。

全員善人不器用。

こんなんもう尊い通り越して愛しい不可避なのである。

でも同時に思うのは、現実も多分大差ない。

ごくごく一部の例外は除くし、

まぁ僕が恵まれてきただけなのかもしれないが、

現実の人間のほとんどが「善人で不器用にすぎない」ように思うのだ。

 

例えば、あたりが強い人。

その人は本当に「強く当たってやろう」と思って、強く当たるのだろうか。

単純に伝え方が分からないだけではないか。もしくは力の加減を知らないか。

その人があたりを強くしてでも伝えたいことはどこか別にあるはずだ。

例えば、不愛想な人。

その人は本当に「愛想ケチってやろう」と思って、無表情なのだろうか。

愛想を振りまかなくなったきっかけが過去に何らかあるのではないか。もしくは笑顔が下手か。笑うのが苦手か。

恐らくその人の表情が乏しい理由はどこか別にあるはずだ。

 

町田くんは、真摯に人に向き合う。純度100%の気持ちで向き合う。

だからその人をその人たらしめる、弱い部分を優しく掬いあげられる。

 

でも大抵の人がその「町田メソッド」で人と向き合おうとすると、疲れてしまうと思う。心はすり減り、自分の置きどころが分からなくなる。

強く当たられれば、自分は傷つく。その傷を無視してまで相手の真意をくみ取ろうとしつづければ、己の傷は疎かになり、ぐじゅぐじゅになり、鬱化していく。

無表情相手に、笑顔は疲弊する。まるで植物が育たないと分かっているコンクリートに延々と水をあげつづける感覚。手ごたえが一切無い作業に心はどんどん消耗していく。

しかし町田くんはしっかり芯をもって、自分の居場所は見失わない。

自分を大切にし、相手も大切にする。

普通にすごいし、これこそ「得意なこと」でもあると思う。

日本語にすると非常に複雑になってくるが、町田くんの得意な部分は「優しい自分でい続けること」。

 

 

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以下簡単に各話の感想を書いていく。ネタバレを含む。

 

第5話 ようこそ、この世界へ:町田くんのお母さんが出産予定日を迎える。町田くんは心配で心配で睡眠不足だ。お母さんの妹のカズミちゃんも手伝いに来てくれるが・・・

解消された睡眠不足

町田くん「つまり俺 カズミちゃんのことも お母さんみたいに思ってるんだ」

冴えわたる五感

pp.44-45

6人目の出産を控えている姉に対し、ぽろっりと自身の不妊について夫に愚痴をもらしてしまった叔母さんに対する町田くんの台詞なんですが、

その台詞自体よりも、

前後の言葉のが僕は好きですね。

「解消された睡眠不足。冴えわたる五感」

口に出して読みたい日本語。

話は変わりますが、不妊治療って本当に大変らしいですね。童貞(メス)なので「らしいですね」という完全他人事のようにしか言えないのですが。

僕の職場の上司もそれをされているようで、なんか身体的なことよりも精神的に辛いことなのかなあと思います。

卵巣に嚢胞もって、且つそれでピルを飲んでいる僕としては・・・、そういう立場になったら養子でいいかなあとか思うんだけど、話し合う人もそもそもいないし、その立場にならないと分からないこともたくさんあるんだと思うし、何とも言えないなあと思う。

でも今のところ、血が繋がっていても分かり合えないことはたくさんあるのだから、血の繋がりなんてそんな重視しなくてもいいんじゃないのかなあと思う。

いや。そういうことより、二人の愛の行為・・・まぁセッの末に生まれたという経緯が大切なのかなあ。

僕には全然分からない。

けれどこの町田くんの言葉にカズミちゃんが救われたのは分かる。

 

 

第6話 素敵なランチ:浮気癖のある彼氏と別れたばかりのツインテール・さくらを慰めた町田くん。するとさくらは町田くんに毎日猛アタックするようになり・・・猪俣さんの心が曇る。

町田くん「嫌になるまで好きでいても いいんじゃないかな

(中略)

何を幸せとするかは その人の自由だから」pp.84-85

この話でいいなあ、と思ったのは、メインヒロインの猪俣さん中心にではなく、フラれて町田くんに乗り換えたツインテール・さくらを中心にして描かれていることです。

大抵こういう風に登場する女子って、町田くんのどこかに何かしら理由をつけて勝手に絶望して「あーあ!」とか言って消えるのが王道だと思うんですが、そもそも「なぜ町田くんに切り替えたのか」その心理に逼迫して描いているのがいい。

こういう、ちょっと嫌風で、だけど本当はいい子、っていうポジションの代表的な娘って君に届けのくるみちゃんだと思うんですが、本作はそういうのを1話で片づけているのが好感触ですね。いやまぁ君に届けも好きなんですけどね。

にしても、心が曇ったメインヒロイン・猪俣さんもこれまた非常に表情豊かに描かれていていいですね。多分今までの話の中で一番表情くるくる変わっているんじゃないかな。

いやーでも最後の町田くんの台詞にはガクッときちゃったね。猪俣・・・お前は修羅の道を歩む女・・・。

 

 

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第7話 追憶の刺、祭の夜:町田くんが商店街でばったり出会ったのはニコの同級生ひなた。しばらく疎遠になっていた彼だったが、それには理由があるようで・・・。

ひなた「ほんとの義弟になれるようにがんばります」p.130

相手は気にしていなかったけど、本人のなかではちょっとしたことが足かせになってついつい避けちゃってた、みたいなことあるよね。後から確認すると相手は全然覚えてなかったりする。

なんだよ~と肩の力が抜けるけど、でもそれだけ気になっていた、ということは「その人が優しい」という逆説的証明にもなるわけで。

だってほんのちょっとしたことで相手を傷つけたかもしれない、と考えちゃうっていうのはそれだけ相手のことを気にかけている、それだけ相手の立場になって考えようとしているということでしょ。

多分そういう人ってたくさんいると思うんです。この現代社会には。山程。死ぬほど。そういう人達はこの話読んでちょっと「救われる」感じがするんじゃないかな。

君は優しい。

ちなみに僕もそういうタイプです。

君は優しい。僕も優しい。

 

 

第8話 初恋ウエディング:町田くんは初恋の保育園の先生と、結婚式の前撮りに参加することになる。

英子先生「だったらほんとは みんなを家族と思うのが 一番よね」p.163

この台詞自体、よりもこの台詞が掲載されている場面がとても好きですね。

シャッターの光が白黒誌面越しにいっぱいに、伝わってきて、何度でも見ちゃう。フラッシュは大きくなった町田くんの優しさと、英子先生の心の沈鬱を容赦なく照らす。

にしても、この婚活でこじらせた英子先生も・・・なかなか良いキャラしてますね。

差し迫る年齢と孤独と劣等感できっと心が荒んでたんでしょうね。ところがお花一つで一気にルンルンになっちゃったりする。かわいいとこあるね。

ちなみに僕は職場で「未婚のアラフォー」と結構触れ合いますが・・・、まじでみんなまんま英子先生。

弱い自分を見せたくない。

だから妙にさばさばした自分を演出し、ひとに強く当たる。

そして物事を達観した気になり、ある程度自分と世間にあきらめがついていると思い込む。

・・・まぁいいんですけど、「ひとに強く当たる」って言うのは本当辞めていただきたい。結構辛くてストレスになるので。だから「お局さん」という日本語が実在するわけで。

何なんですかね。

強く当たられたら僕もその辺の雑草の花毟って「そんなことしなくても、あなたは、素敵ですよ」とでも言えばいいんですかね。タンポポシロツメクサあたりなら許されそうな気がするけど、カタバミとかじゃ逆に怒られそうだな。

いやー、結婚したいね。したいよ。

前述したように童貞(メス)、且つ27歳なんですけど・・・。はぁー。

はぁ~・・・。

いや、結婚は無くても恋愛はしたい。それが片想いであろうが両想いであろうが偽装であろうが本気であろうが恋愛したことないまま年食った人間ほどつまらないものってないから。

 

 

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以上である。

とにかく優しい町田くんに癒される一冊であった。

自分を見失わずに人にやさしくできる町田くんは本当に凄いと思った。

僕には無理です。

道路で拾い集めたカタバミ職場にばらまくことからとりあえずはじめてみようかな。

 

 ***

LINKS

1巻の感想。おもしろくて一気に2巻まで読んじゃったよばっきゃろー。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

安藤ゆき『町田くんの世界1』-無意識に僕等は僕等をフォルダ分けして決めつける。-

 

 

同じ■■■■といえども、

まぐろどんの世界はそんなに綺麗じゃないよ。

 

 

安藤ゆき町田くんの世界1』(集英社 2015年)の話をさせて下さい。

 

 

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【あらすじ】

物静かでメガネ。

そんな外見とは裏腹に成績は中の下。

アナログ人間で不器用。

なのに運動神経は見た目どおりの町田くん

特異なことが何もないと本人は思っていますが

周りからは愛されています。

その理由とは・・・?

別マの新感覚連載、必見の第1巻です!!

 

【読むべき人】

・不器用な人

・ピュアな人

・優しい人

・が周りにいる人

・澄んだ気持ちになりたい人

 

 

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【感想】

しずおか一箱古本市*1にて購入した。1巻2巻。

「1冊200円・・・全何巻ですか?」

「うーん、9巻だったと思うけど・・・あ、調べたら7巻でしたね」

「なるほど・・・」

「・・・。」

「・・・。」

各々200円のところを100円に負けてもらった。

ありがとうございます。

 

作品自体の存在は昔から知っていた。「面白い漫画」として名前を聴くこともあったし、表紙の装丁が綺麗だかなんだかで目にしたこともあったし、なんか「発達障害」を自然に描いただのなんだの高尚な言葉を挟んで耳にしたりもした。気がする。なんか映画化かドラマ化。実写化もした。気がする。*2

そこまでならまあ、「気になる」の有象無象の漫画の中に溢れて一生手に取ることはなかっただろうが、こういうフェスの「ひとはこ」に入っていると気になって手に取ってしまうわけだから、やっぱりこういうイベントっていいよなあと思ったりする。

 

 

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しずおかひとはこ古本市の収穫品。

 

そして一通り読んだわけだけれども・・・成程。その「ひとはこ」の主人が、半額にしてまで誰か(僕)に売りたい気持ちが分かる作品だった。

要するに素晴らしい作品だった。

 

まず主人公の町田君。

少女漫画にして男性主人公、という点でも珍しいが、町田君はその中でもかなり珍しい方だと思う。

少女漫画の主人公なのに「イケメン」ではない。眼鏡。黒髪。

少女漫画の主人公なのに「弟」ではない。大人数兄弟の長男。ギャルくて弟にダルがらみする姉はいない。

そして、

少女漫画の主人公なのに「恋愛」に興味がない。

あくまで町田君が興味あるのは(1巻現在今のところ)人間全般、なのである。

 

だから彼と交流する人物は、クラスで浮いてるJK・・・だけでなく、

友達間で「いじられ役」になってしまう気の弱い同級生、

度々子供たちを一人暮らしの住まいに呼び寄せる老人、だったりする。

普通の少女漫画の主人公だったら、目にも留めないような存在。もしくは「脇役」どまりの存在。

しかし町田君は、ひとりひとり、一話一話かけて向き合い、そして彼等を理解しようと努めていく。

その真摯に向き合う姿が、ぐっとくるのである。

 

僕達は理解しようとして、誰かに真摯に向き合ったことはあるだろうか。

心の中でこの人は「友達だ」「家族だ」「楽しい人だ」「つまらない人だ」「優しい人だ」「面倒な人だ」「好きな人だ」「好きじゃない人だ」適当なフォルダにつっこんで、そして向き合っているフリをしている時の方が多いんじゃないか?

友達家族だからなんとなく考えていることが分かる。やっぱりこの人の言うことは面白いなぁ。やっぱりこの人の言うことはつまらないなぁ。この人は優しいからきっとこういう風に考えてるんだろう、見習わなくちゃ。ああ、この人は面倒な人だからきっとこうこう考えているんだろう。めんどくせえ。好きな人はきっとこう考えているはずだ。嫌いな人だからきっと私の意見を押しつぶすようなことしか考えてないのだろう。

せいぜい、このレベルですませていないか?

無意識に相手を決めつける。

しかし町田君は人間が好きだ。そして純粋だ。

そこからさらに一歩踏み込んで考える。

僕はどうだ。

その姿に、普段の他人との接し方を考えさせられてしまうのである。

 

町田くんの世界のように、

「まぐろどんの世界」も、君「■■■■■の世界」も、

「あの人の世界」も、「この人の世界」も、「あいつの世界」も、「こいつの世界」も、

「嫌いな人の世界」「好きな人の世界」も、

こんなに純粋で透明であればいいのに。

 

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その目はまっすぐ。

 

各話の感想を簡単に記しておく。

 

第1話 今日の町田くん:町田一(まちだはじめ)の一日

「町田くんは人を愛し また人から愛されています」p.41

町田君は人間が好きだから、どんな小さいことでも見逃さないんですよね。

そしてそれを純粋な気持ちで褒めちゃう。そりゃあ愛されるわけですよ。

あと、不器用は純粋ってこと。純粋は不器用ってこと。

なのかなあと思ったりする。

ほらだって、大人の世界になると「器用」って要するに「ずるいこと」でしょ?

 

 

第2話 不安な傷口:町田くんは保健室で猪原さんと出会う

町田くん「家と学校と その両方で 君は傷を深めていったの

俺には傷を癒す力なんてない

(中略)

不安な時に側にいることくらいならできるはず」pp.83-87

作品と全然関係ない話なのですが、

僕(童貞・メス・27歳)が最近結婚をすごいしたいなーと思う理由が総てこの台詞に詰まっている。

分かるよ。

別に君に僕の傷を癒してくれなんてそこまで期待していない。

ただ話を聞いてほしい。頷いてほしい。そして僕の手を握ってほしい。

それだけなんだ。

親の癌であるとか少ない収入であるとか鬱だとか発達障害(笑)だとかさあ

僕はもう不安なんだ。梅雨も手伝い、最近不安ではち切れそうなんだよ。

だからせめて僕の手を握っていてくれないか。

そして「まぐろどんは強いよ」。決して、その言葉を言わないでくれ。

脆いんだ。脆くなってしまったんだ。壊れそうなんだよ。

まぐろどんじゃなくて、「まちだどん」になっていいですか。

あ、ちなみにこの話の「不安な傷口」ってすごくいい題名だと思う。

 

 

第3話 ラブレターは突然に:町田くんの下駄箱に入っていたラブレターは、西野くんが間違えて入れたものでした

西野「ありがとう 今日ふたりに対等に向き合ってもらって俺 恋が実ったくらいの気持ちだ」p.124

分かる。僕も基本小学校時代から所謂不思議ちゃんで天然でいじられキャラ枠だったから分かる。対等に会話が成立するだけで凄く報われた気持ちになる。

いじられキャラ」をいじる行為は、距離を詰めるのに最も効果的な手段であるけれども、相手を真に理解するには最も難しい手段だと思う。

 

 「かわいい」と同性を褒める行為もそう。

そうやって枠に押し込むことで、踏み入らず踏み入らせず、いじられキャラのあいつやかわいいあのこは見えないところで孤立していく。

 

第4話 雨天日クライシス:町田くんの弟が知らないおじさんの家(一人暮らし・無職)に行き来していると聞き・・・

妹尾さん「さみしいのは愛する人がいるということだ

本当のひとりは孤独じゃない

誰かがいると思うからこそ孤独なんだ」

(中略)

町田くん「そばにいてもだけど 僕は孤独だと感じたことはないです」

妹尾さん「はは それは君がまだ誰も何も失ったことがないからだよ

失う恐怖がまた 人を孤独にさせるんだ」pp.154-156

この独居老人妹尾さんの台詞、僕も町田くんと同じ年齢・・・高校生の時だったらちんぷんかんぷんだったろう。

けれど、今・・・母親が肺癌で長らく闘病している今なら・・・この台詞がとてもわかる。

 

と、どの話も心にふっ、と入る場面や会話があって、

自身と比較し考えてしまう。

そして自身の在り方を考えてさせられてしまう。

 

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1巻でこの構図は攻めているけど、凄く良い表紙だと思う

 

以上である。

なんか1巻結構さくさく読んだんだけど、その割には心に浸透してくるような場面があって、染み入ってしまった。そんな感じ。

2巻も間髪あけず、さくさくっと読んでしまおうと思う。

 

***

 

LINKS

同じ7巻完結で思い出した。

5-7巻恐らく実家にあるんだけどまだ読んでないんだよなあ。読まなきゃ。

tunabook03.hatenablog.com

 

*1:新静岡駅周辺にて年2回行われる小さい古本フェスみたいなイベント。コロナのせいで小規模に開催。初めて参加した。楽しかった。

*2:調べたら映画化だった。2年前。

綿矢りさ『蹴りたい背中』-さびしさは鳴る。-

 

 

教室の10分休みの空気は、

寝たふりをして机に臥せって、

ただ過ぎるのを待つしかない。

 

 

さびしさは鳴る。p.7

 

 

 

綿矢りさ蹴りたい背中』(河出書房新社 2007年)の話をさせて下さい。

 

 

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【あらすじ】

”この、もの悲しく丸まった無防備な背中を蹴りたい”

長谷川初実は、陸上部の高校1年生。

ある日、オリチャンというモデルの熱狂的ファンであるにな川から、

彼の部屋に招待されるが・・・

クラスの余り者同士の奇妙な関係を描き、

文学史上の事件となった127万部ベストセラー。

史上最年少19歳での芥川賞受賞作。

 

カバー裏より 

 

【読むべき人】

・教室の、あの、外れ者の、孤独な重い時間を、経験、けい、けんしたことがある人

・ぼっち(現在進行形)

・ぼっち(過去形)

寂しい

 

【感想】

綿矢りさは比較的好きな作家に入る。

勝手にふるえてろの泥臭い口語文体に衝撃を受けて、

『かわいそうだね?』『ひらいて』『夢を与える』『憤死』と読んできた。『憤死』以外はどれも好き。

好き。

面白いかどうか、よりもこの人が書く暗喩比喩にまみれた口語的文章がとても好き。

多分音楽で言えば大森靖子が好きな人はほとんどハマると思う。

刺し口が違うだけで、概ねこの2人の「作家」が切り取ろうとするモノの根本は、大きく異なっていない気がする。

一つは午後一時を塗りつぶしたかのようなど水色。一つは突き詰められた末に心から溢れ出るドぴんく。

 

 

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先程述べたように4冊ほど読んできたけれど、思えばこの作者の一番有名な作品を読んでいなかったな、と思ったのは、

静岡の古本屋水曜文庫の店先につけられている、100円コーナー」を目にした時だ。

手に取る。

 

本書は「ぼっち」の立場に属する女子高生・長谷川初実が主人公である。

10分休憩が何よりも苦痛で机に伏せてやり過ごす。所属する陸上部でも誰かと話すわけではない。冒頭の、顕微鏡を使った理科の実習では、グループワークに参加せず、ひとり上の空でプリントを細かくちぎって時間をやり過ごす。

しかし、もうひとりのぼっちは、女性ファッション誌を見て実験の時間をやり過ごしていた。同じ教室で同じようにぼっちをしている男子高校生・にな川である。

ぼっちぼっちが出会ったらどうなるのか。

その化学反応を描いた作品である。

 

恋愛に達しますか?達しません。

ぼっちが解消されますか?されません。

思春期特有の分厚い感情を壁に孤独になる2人が、そんな滑らかに自然な大人になるとでも思うのですか?いいえ、なりません。

ただ、蹴りたくなるだけ。

 

 

 

「そうじゃなくて、なんていうの、私って、あんまりクラスメイトとしゃべらないけれど、それは”人見知りをしてる”んじゃなくて、”人を選んでる”んだよね」p.124

 

 

 

僕が本書を読んで一番ヒリついたのは、「ぼっち」という立場をとることを選択した、初実の言い訳だ。

上記の台詞をもう1ぼっちのにな川に吐く場面があるが、本当にこれが初実の本心の言葉か。違う

本当は、男女混合グループに属することまでは望まないが、ぼっちになることも望んでいない。

(ライブへ誘った絹代の答えが)「よかった。行ける。」という返事が、情けないくらい嬉しかった。p.131

彼女にとって中学時代からの友人・絹代は唯一本心を開けるかけがえのない存在で、別に彼女一人さえいればいい。

一人で戦う競技である陸上も決して嫌いではない。

アップランだけは譲れない。p.49

人間関係こそ多少億劫ではあるが走ることは決して嫌いではない。

心開ける親友がいて、そこそこ打ち込める部活さえあればいい。そこらへんが初実の本心な気がする。

しかし、

私は、余り者も嫌だけど、グループはもっと嫌だ。p.21

どうして私から離れたの?なんていう、飾らない質問を素直に聞く勇気が出ない。p.97

絹代は男女混合グループに属するようになり

お弁当は一人になるし、

「どいて」って言いたくない。できれば、部室のドアを一番に開ける役目も避けたい。p.100

部員たちは、先生の小さなミスをきゃっきゃ笑い、先生決死のギャグ(あまり冴えない)にもきゃっきゃ笑って応えることで、今年から顧問になった白髪で口が曲がっていて説教くさいこの先生を、「厳しいけど、ちょっと抜けてる先生」という市販品に仕立て上げることに成功した。p.52

奔るだけであればいいのに、

部活動である以上人間関係から逃れることは不可避。

だから、

 

「そうじゃなくて、なんていうの、私って、あんまりクラスメイトとしゃべらないけれど、それは”人見知りをしてる”んじゃなくて、”人を選んでる”んだよね」p.124

 

好きでぼっちをしているんだと言い訳をする。

他人に。

自分に。

そうして

 

 

 

さびしさは鳴る。p.7

 

 

 

 

「鳴る寂しさ」p.7から必死に耳を塞ぐ。

耐える。

 

ひたすら耐える。

心開ける友人はいない。部活動の同学年間でも孤立する。

恥ずかしい・・・より寂しい。

だから耐えるしかない。

虚構の孤高を着飾って。健気に。

 

 

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でも必死に耳を塞いでるのは決して女子高生だけじゃない。と僕は思う。長谷川初実だけじゃない。

例えば、とある会社のとある新卒。就職試験頑張ってなんとか中小企業に入社できたものの、やる気だけが空回りして職場で浮く。

例えば、とある新婚のとある主婦。新しい環境下で始まったママ友やご近所関係に翻弄され、心がすりっていく。

例えば、とある会社のとあるおじさん。唯一腹割って話せた同僚が辞め、自己と人間関係の狭間に苦しむ。

例えば、社員からパート労働となり職場が変わり、人も変わり、自分が何をするべきなのか役目を見失った昨年のの僕。

寂しい。

その時僕達は絶対に寂しいはずなのだ。

 

 

さびしさは鳴る。p.7

 

 

だけどそれを認めるのは悔しいから、

その前に、

「職場の奴等が低レベルなのだ。実際に俺の大学が一番偏差値高いわけだし」「社会に出て働いた経験がないから、そういった些細なマウントに女達は過敏になるのだ」「いい歳して若い子みたいなノリをしている彼等が幼稚なのだ。自分は内実共に大人だからついていけないだけだ」「今の店舗は前の店舗に比べて明らか熱意も集客もレベルが低い。そこに僕が合わせていけないだけなのだ」

とてきとーに周りを貶すことで己を正当化し、

孤独を貫く準備をする。

「自分から孤独を選んでいるんですよ」という虚構の孤高ぶってみる。

そうしないと、寂しさに耐えられそうにないから。

自分自身が、寂しさに崩されそうだから。

 

でも

 

 

さびしさは鳴る。p.7

 

 

耳を塞ぐ。

あえてのスタンス。あえて自分は孤独を選んでる。

しかし

 

 

さびしさは鳴る。p.7

 

 

うるさいくらいに鳴る。

その塞いだ指の隙間から、寂しさは、漏れ、出て、鼓膜を刺激する。

「何したらいいのか分からないがそれを聞ける先輩上司がいない、

家庭外唯一の人間関係といっていい主婦間の狭いコミュニティの中でなじめない、

職場で雑談一つ交わせる相手がいない、

自分の役目・立場が見つけられない、

寂しい。」

 

寂しさに打ちのめされる前に、虚構の孤高を築くこと。

気づけば身に付いてた切なるその性質は、一体いつ身についたのか・・・と思い返すと、やはり、それは。

中学高校6年間のどこか、ではなかったか。

だから「あえて一人を選んだ」自分を演出する初実に、127万人もの人々が共感したのではなかろうか。

初実の貫く虚構の孤高は、僕にしろ主婦にしろ会社員にしろ、誰もが思い当たる。まだ制服を着ていた時代に。必至に取り繕って。僕達は、健気だった。

 

 

さびしさは鳴る。p.7

 

 

これはこの小説の書き出しである。

でもこの一文に、200ページ蹴りたい背中の総てが、入っているのだと思う。

中盤、初実はにな川の背中を蹴る。

オリチャンオリチャンばっかりで近くにいても一切こちらを見ようとしない。異性として意識するどころか人として向き合おうとしない。

話をするようになった唯一のクラスメイトであるのに、そいつですら私を見ない。

何だよ。何なんだよ。

せっかく会話できる人がクラスにいたと思ったのに。

鳴り続ける寂しさから溢れ出る瞬時の憎しみのあまり、初実はにな川の背中を蹴ったのだと僕は思う。

 

ちなみに本書には「あとがき」ではなく「解説」が付随しているが、非常に陳腐。この小説はこうである、という読み方を完全に定義していて僕達がこの小説で感じた言葉にならない曖昧な感情を全部踏みにじる。

ので、解説は読まなくていいと思う。というかこんなことに紙幅を割くならば削って少しでも安くして、この小説で、一人でも多くの心の底に潜む寂しさに触れるようにすべきだと思う。

寂しさというのは、鬱も自殺も疲労も苦しみも四苦八苦もう嫌だもう何もかものネガティブな感情の底の底にのように流れているものだから。

うるさいね。

 

 

さびしさは鳴る。p.7

 

 

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きこえませんきこえませんあーあーあーあーあーあーあー

 

 

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以上である。

さびしさに耐えるために、虚勢の孤高を張る。

それを身に着けた中学時代高校時代を思い出す小説だった。

読んでて心がざわざわする。

・・・あの頃の自分を恥ずかしく思うと同時に、あの頃の自分を愛おしくも思う。

 

日本全国の高校生は間違いなく読むべきだと思う。

そしてこの小説を通して知ってくれ。

いくら耳を塞いでもさびしさは聞こえる。うるさいくらいに。常に。

 

だからしんでもいみないよ。

 

***

LINKS

同じく綿矢りさ先生の小説群の記事。

 憤死、これは正直駄作だったと思う。まぁ読んだのはもう3年も前でどういう小説だったかすらも覚えてないけど、びっくりするくらい駄作だったことは覚えている。

tunabook03.hatenablog.com

 

これは綿矢りさ先生の小説の映画化の感想。

「私をくいとめて」も見に行きました。感想書いてないけど・・・。

買ったパンフすらひらけてないけど。

 

tunabook03.hatenablog.com

 

 

 

櫻坂46「Nobody's fault」(TYPED)-あきぽ!・・・ほのの?-

 

 

 

 

最近プラスチックばっか食べてたから

マグロが食べたいなぁ。

 

 

 

 

櫻坂46「Nobody's fault」(TYPED)の話をさせて下さい。

 

 

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 櫻坂46「Nobody's fault 」(TYPED)

 

DISC1〈CD〉

【収録曲】

1.Nobody's fault 

2.なぜ 恋をしてこなかったんだろう?

3.Buddies

4.Nobody's fault -OFF VOCAL ver.-

5.なぜ 恋をしてこなかったんだろう?-OFF VOCAL ver.-

6.Buddies-OFF VOCAL ver.-

 

DISC2〈Blu-ray〉

1.Nobody's fault -Music Video-

2.Buddies-Music video-

【個人PV】

関有美子

田村保乃

松田里奈

森田ひかる

遠藤光莉

大沼晶保

増本綺良

 

※歌詞カードのグラビア:藤吉・菅井・原田・関・守屋麗奈 

基本的に写りは相変わらずいいけれども、強いて言うならば関会長の写真はもっといいのあったんじゃないか?と思う。他の歌詞カードと比べると、「お!!これは!!!」という写真も少ない。強いて言うならば藤吉の写真が一番いいかな?といった印象。あとは良くも悪くもいつも通り。

 

【聴くべき人】

・欅から離れてたけど櫻が気になる人(BuddiesのMV見よう)

・二期生の間で推しが決めきれない人(森田・田村の二大人気の個人PVが収録されている。ついでに新・副キャプのも)

・最近外国から日本に来た人日本語講座があるよ)

・田村保乃推し(個人PV最高だぞ)

 

※記事自体を書いたのは4月なので時系列的に相当時代遅れなことが書かれているかもしれないがだからといって殺さないで。

 

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ノバフォのジャケットの中で一番好きかもしれない。

 

【感想】

気が付けば、櫻坂1stシングルのこれ、Nobody's fault 」から四か月もたとうとしている。「BAN」の情報も公開されて久しくもう発売まで2週間切ってるんだね。時が流れるのは速い。恐ろしい。

なのにぴえーん。まだBlu-ray全然見られてないよ~~~というわけで、BAN発売前にコンプリート目指して円盤鑑賞★第二回である。

第一回はTYPECだった。推し、大園玲さんの個人PVが収録されているのでそれから見た。

そして今回はTYPED。もう一枚の、2期生・新2期生の個人PVが収録されているバージョンである。まぁ個人PVモノから見たから、個人PVモノのコンプリートから目指してやろう、ってワケ。個人PVモノって言うと途端にエロく感じるな。

まぁ個人PV、良かった。良かったけれども、全体を通しての満足度は推しの存在抜きにしてもTYPECの方が高かったかなぁ・・・。

TYPEDも悪くないんだけれど、おっさん濃度が高い。

関、田村、遠藤、大沼。7人中4人のPVにおっさんが出てきている。森田のも冒頭おじさんちょっと出てくるし。

悪くないが、なんか似通って感じられるんですよね。

なので個人PVを撮る監督全員に言いたいんですが、

オタクの代弁ができるからって安易にオッサン登場させるのやめましょうね。

別に幼女もショタも女の子も何ならそのアイドル自身もオタクの代弁できますからね。

そこを上手くアイドル自身に代弁させていたのが松平璃子「あの子の視線」だったかなぁ・・・と思うんですけどね。くそう。松平。元気でやれよ!!!

 

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謎の儀式やってる裏も好き。

 

以下簡単にCDの収録曲、そしてBlu-rayの感想を書いてく。

 

*CD*

【収録曲】

1.Nobody's fault 

2.なぜ 恋をしてこなかったんだろう?

は〈通常版〉のところで感想を書いたので略。

3.Buddies

山﨑天先輩のセンター曲ですね。無駄に雄大だけれども、聴き慣れてくると全然気にならなくなる曲Buddies。

 

Yo!元気かい?君に会いたかったよ

 

まずこの曲、歌いだしのこれがいいんですよね。

欅坂ファンは長年円盤が出ずずっと苦しんできた訳じゃないですか。そこにバーンとこの歌いだしですよ。凄い気持ちがいい歌詞だなと思った。

からの、

 

Yo!僕たちは あの頃と同じだろう?

 

ですよ。

「あの頃」・・・欅坂を好きだった心の熱度はそのままだろう?

少なくともこの映像を見ているお前は。

って語り掛けてくるわけですよ。確かに、欅から離れてそのままという人はたくさんいるだろうけれども少なくともこの曲・この映像を見ていてくれる君は、変わっちゃいないだろう?

からのサビ

 

We are buddies~We are buddies~

 

僕達は仲間~僕達は仲間~のサビ。くっさい歌詞なんですけど、この長年のブランクを経た今ではこれくらいくさくてちょうどいい。

そして公式から声明が出た訳です。

「櫻坂のファンをbuddiesと致します」

この流れ完璧だった。あー思い返しても最高。

もう俺たちはチェリーボーイってバカにされなくてもいいんだ!!の解放感。うぃあ~ばでぃ~ず~うぃあ~ばでぃ~ず~。

 

まぁ現在定着してんのかというと全くしてない訳ですが・・・。

やっぱメンバーに考えさせるのが一番だよな。「おひさま」なんて当時は凄いセンスだ・・・って思ったけどバッチリ定着してるわけだし。

でもいいと思うけどね。Buddies。

程よく櫻のクール感も感じられるし。

ただまぁ複数形なのが使いづらいのかなぁ・・・。

 

 

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ちなみにノバフォTYPEA-Dの生写真くじ結果。大園さん、光莉ちゃんと一推し二推しあててるので私は神。あと尾関、いつまでも待ってるから・・・!!

 

*Blu-ray*

1.Nobody's fault-Music video-

何度見ても最高のMVなんですよね。

てか見るたびに最高を更新している気すらする。

もうねぇ、「なぜ恋」で喜んでいるのは浅いオタクです。

深いオタクは「ノバフォ」MV一択だと思っております。

終盤のサビの天ちゃんの表情とか見てごらんよ。最高だぜ?

 

2.Buddies-Music video-

この曲もMV評価高いんですよね。僕も滅茶苦茶好き。

まず舞台が新宿というね。意外性を突く感じ。渋谷じゃないんだ!?っていうね。

そしてその見慣れきった新宿をドローンで眺めまわすように始まる映像とあの雄大な音楽の掛け合わせ、ワクワクしない人がどこにいようかいやいまい!!ワクワクてかてかですよ。

そしてそこで「Yo!!!!!!!」

青空に手を突き出し歌いだす天ちゃん・・・満点。

 

あとこのMVの欠点として、切り替わりが激しくて個人個人がいまいち誰か分からない(「なぜ恋」もそうだった)があるのですが、

Blu-rayってすっげぇやぁ・・・になりました。(今更)

YouTubeでは誰か分からなかったのが、誰か!!分かる!!!!

特に2番の歌いだしのところ、YouTubeもう誰が誰やらであわあわだったのですが、Blu-rayでは誰か!!分かる!!!

このMVは、すごい!!!

Blu-rayは、すごい!!!!

脳内ティモンディが出てくるほど、感動しました。

 

あとこう、流しで見ると、やっぱ大沼の顔面は強いですね。

可愛いっていうのも当たり前なんですけど、

YOUTUBEでは誰が誰だか・・・だったけれど大沼さんだけは何となくわかったし、あと何ならいい表情してんなくらいに思ったんですよ。

言っては悪いが、多分顔が少し大きいんですかね。

乃木坂でいうと最近の人気メンバー賀喜さんも顔大きめですよね。一期だと真夏さんとか。

するとこう、やっぱ自然に目が行くんですよね。

逆に守屋麗なとかは大沼より顔小さくて整ってるはずなんですけど記憶に残らない。

俳優は顔が大きい方がいい理論、結構アイドルにも通用すると思うんですがどうですかね?

 

あと衣装。Blu-rayで見ると、衣装の違いが分かりやすくてとても良かった。

特に齋藤。

同じくダンスが得意な遠藤がパンツだったので、齋藤もパンツなものかと思ってたけどスカート型の方だったかになった。スカート型の方だったか。

 

あー、あと松平が出てくる「坂道」のMVがこれが最初で最後だと思うとね・・・切ない。

でも凄いいい表情してたよ。Blu-rayだと明確に見分けられた。夕陽を見ている君の顔は美しかったよ。

さんきゅー松平。ふぉーえばー松平・・・うう。

 

 

 

*個人PV*

 

www.youtube.com

 

1.関有美子「日本講座」

関「本講座は日本という国での生活をよく理解してもらうための教材映像です(棒)」

カオス。類まれなるカオス。

真面目なお嬢様関会長に何たることをやらせてるんだ!ふざけるな!!!(歓喜になります。本当にふざけるな!!!(もっとやれ!!!!)

まず朝飯から寿司食ってるんですよね。普通に。そして醤油の容器がデカい。そんなデカい!?ってくらいデカい。お嬢様サイズなのか?

そしてそこから書道・相撲鑑賞・昼飯(寿司)・晩飯・花火と出てくるわけですが、まぁカオス。基本カオス。

ふざけて撮ってんのか?と思われそうな内容ですが、

でもまぁしっかり関さんも、可愛く撮っているんですよ。

相撲鑑賞しながら座布団を投げる関さんくっそ可愛い。無邪気に投げるんじゃない!!

そして鍋をただ食べるだけに徹する関さんくっそ可愛い。関さんのためなら灰汁いくらでもとります。

そして「晩飯」前の、謎の「関タイム(関さんの可愛さをただただ享受する時間)」が設けられているんですが、そこでの関さんめっちゃ色っぽい。

てかそもそも関さんで着物の映像を撮ろうとするその姿勢が評価に値するよね。

なのでカオスで楽しく、

且つ関さんを可愛く享受できる素晴らしい映像になっています。

 

あと、この旧二期生の個人PVは、だいたい2年前くらいに撮られた映像なんです。

シングル発売中止になっちゃったからね。仕方ないね。

で、その2年で二番目に垢抜けた・容姿に変化があったのが関さんだと思います。一番は武元。

なんか今も無論十分可愛いんですけど、

この入りたての頃の関さんもあどけなさが残っていてとても可愛い。

逆に2年たった今の関さんに、もっと日本のこと教えてほしいですね。

比較して見比べて変化を楽しみたいです(ニチャア・・・)

 

ただ、この映像唯一欠点があって、それはミカンに醤油をかけているところ。

ダメでしょ、食べ物を粗末にしちゃあ!!!

 

 

2.田村保乃「恋のラブアタック大作戦!!」

これめっちゃいいですね。

要するに田村保乃相手にギャルゲー風の選択肢を選びながらコミュニケーションとっていくんですが、そこに出てくる田村がいちいち可愛いんぢゃ!!!

特に

田村「ほのの?」

ってこれ絶対本人プライベートでやらない奴じゃんっていう田村の癖があるんですが、これがまためちゃくちゃ可愛い。田村なら許しちゃう。

初っ端のこんなん絶対あり得ないじゃんって言う自己紹介シーンとかもクサすぎて逆に好き。ロード画面でガッツリ田村のバレー要素を入れてきているのもいいですね。

 

でも田村は大学中退して欅入って来てるはずだから、「サインコサインタンジェントが分からないくらい馬鹿ではないと思うんだがなぁ・・・。

あとまぁネタバレになるのですが、

ロン毛の一人暮らしの部屋に田村がやってくるエンドに納得がいかない!!ので、結構良かったんですけど若干減点。

 

だけどテーマソングといい予告編といい、バロメーターの仕様、そもそも脚本といい、凄く制作側が力を入れて作っているのが分かる映像です。

多分二期生・新二期生の中で一番総合的に点数の高いPVなんじゃないでしょうか。

 

3.松田里奈「ある夏の日、放送室で。」

このPVも凄いいいPVだなー!!と思いました。

まず宮崎出身、言っちゃうと田舎出身のマツダの良さを生かして作られているのがとても良い。

そして放送室で、松田の当時の気持ちを代弁したかのような台詞(撮影されたのはおおよそ2年前)、からのという流れがとても良かった。

 

その歌声がまた素晴らしいんですよ。松田ってこんな可愛い声してたっけ?って声してる。え??こんな可愛い声してたっけ??

多分それを制作側は知って作ったんでしょうね。

後半はまるまる一曲をPV風にとった映像が続きます。

夏の学校を背景に撮影されているのですが・・・夏の学校×美少女。まあ王道スタンダード正解ですよね。

特に後半、随所に出てくる学校背景の松田の写真一枚一枚が凄く良かった。

この子は笑う時に眉間にしわが寄ってそれがとても良いのですが、それもバッチリ撮影されていて僕はうんうんと頷いておりました。

 

松田「でも、ふとどこからか風が吹いてきて次に進まなきゃいけないよって耳元で囁くの」

 

予告編にも出ていましたが、この台詞が出てきたとき涙腺が緩みそうでした。危ない。

多分松田って高校でも友達がいっぱいいるタイプで、

凄いいい子だったと思うんですよね。

多分アイドルとかやるタイプではなかった。

地元の銀行に就職してもそれなりにうまくやっていける。

そういう子がわざわざ東京に来る意味とは、とか考えさせられちゃった。

全松田推し、そして新副キャプテンなので、全櫻ファン推しにみてもらいたい映像ですね。

松田の良さがぎゅっと詰まってる。

 

 

4.森田ひかる「革命前夜」

だからまぁちょっと森田の映像ではまぁその、がっかりしたよね。

関、田村、松田とカオスだったり質が良かったりする個人PVが続いたので、

正直森田の個人PVはええ・・・と思った。ええ・・・。

いや、森田は悪くないんですよ。

むしろ可愛い。し、いい表情をしている。

色彩豊かな映像もついつい魅入る。

 

何が残念かって言うと・・・脚本が凄い残念。

ドラマ仕立ての割には、「え??結局だから何なの??」感が凄い強い。

あと森田ひかるが「森田ひかる」役として出てないんですよね。

なんで個人PVでわざわざ役名与えた!?ってなります。個人PVだぞ?名前覚えてもらうのが目的ではないのか?

それに、後半演技が難しいであろう電話のシーンとかもわざわざいれたりするし・・・。演技初心者のJKがやったらまぁそらこうなりますわな、という仕上がり。

う~ん??って思う。

こんな中途半端なドラマやるんだったら、普通に井上よろしくMVで良かったのでは?と思う。

モデル風としての森田が撮りたかったのなら、「一流モデル・森田ひかるの一日」とかさ。

なんかなー。って思う。なんかなー。

 まだ、「動く写真集」に徹していた守屋麗奈、「なんちゃってインディーズ邦画」に徹していた幸阪の制作陣の方が評価できるかな。

 

 

 

 5.遠藤光莉「夏、売ります!」

2020年の夏・・・そう、コロナの夏でしたね。

夏を満喫できなかったおかっぱ男がパソコンで開いたページは・・・という話。

凄いタイムリーな話題ですね。

且つ遠藤光莉×夏、という発想もわかる。小麦色×黒髪ロングの美少女と過ごしたいよな。夏。

でもそれはね、違うんですよ。遠藤のメッセ3か月撮り続けている遠藤玄人の僕ならわかります。遠藤が映えるのは冬です。本人が凄い照れ屋で、話しだすとすぐはにかんじゃうので、冬です。

なので、「冬、売ります!」も期待したいですね。

 

あと、「夏、売ります!」と言ってる割に映像の天気が青空一つ見えない曇天なのは笑ってしまった。絶対夏じゃないじゃん!!絶対9月か10月じゃん!!ってくらいの空で笑っちゃう。

でもスイカスカッと割るのは見ていて気持ちが良かったね。でもどこから仕入れてきたんだそのスイカ・・・。

 

あと、尺短かったかなぁと思う。5分ちょいなんですよね。

他のメンバーの映像の時間を見る限り多分10分以内だったら許されるはずなんですよね。

そして僕達オタクは遠藤と過ごす夏だったら10分でも20分でも1日でも3日でも365日でも何なら残りの寿命総てでもいいわけじゃないですか。

それをわざわざ5分ちょいにする理由が分からない。

 

そしてその5分ちょいの中でも、おかっぱ男の出番が多すぎる!!

もっと遠藤を出せ!!

おかっぱ男め!!ベッドで身もだえしやがって!!

これじゃ誰の個人PVか分からないじゃないか!!!!

 

オカッパ男「いいところでカキ氷食ってんな~」

それは、分かる!!!!(ティモンディ再び)

 

あと、遠藤の写りがあんまいいのなかったかなぁ・・・と思う。

写真写り、映像移りが遠藤(と大沼と幸阪)は今現在あんまよくないんですよね。基本。そこが改善されたらまたぐっと伸びると思うんですけど・・・とかぶーたらぶーたら言ってたら、

最後の路上での遠藤の微笑にやられました。

遠藤は、可愛い!!!!(ティモンディ以下略)

 

 

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店内に飾られた大沼さんの写真。

 

 

6.大沼晶保:晶保の車窓から

日に日にお母さんの顔がおっきくなってる気がするんだけど

私の気のせいかな?

この間釣りしてたらお父さんが釣れたんだよね。

 

私の性格ってウサギとパクチーを合わせたような性格だなぁ

タクシードライバー「筋肉タイムトラベラーでした。危うく轢くところでしたよ」

明日の撮影おじいさんが500人来るって言ってたけどどんな撮影なんだろう?

 

晶保「そういえば、台本ではこの後CGで宇宙に行くって書いてあったんですけど予算的に大丈夫ですかね?」

 

大沼晶保ちゃんがタクシーを呼び止めて乗るとそこはめくるめくCGゴリゴリの世界!!っていう個人PVなんですが、上記のように、

字幕付きで出てくる言葉が凄い!!!

いちいちすっごくいいんですよ!!

不条理というか不思議というか頭おかしいというか。

そこをまた、不条理というか不思議と頭おかしいというかもうただの亜空間やんけこんな映像ドラえもんくらいでしか見ないわ!!!って空間をタクシー走りながらやる訳ですよ。

そこで、「最近プラスチックばっか食べてたからマグロが食べたいなぁ」とあの大沼さん特有のもそもそした喋り声で言われたらもうそれは、最高ですよね。

乱雑に書かれたように見せかけて、プラスチック・マグロ・反復横跳び・パクチーとウサギ・ヤシの木、等々大沼さんの特徴を見事掬い上げて作ってる。

てかこの文章書いたの大沼さんかなと思ったら普通に違う人の名前書かれてて驚いてるレベル。

だから多分これ、相当練られた文章なんですよ。大沼さんの特徴を総て羅列しつつ大沼さんらしいぶっとび文章でつらつらと書く。この言葉回し考えた脚本家誰だろう??と思ったら、どうやら映像制作した会社THINGS.の一社員だそうで・・・やばっ!!!って思った。やばっ!!

だってこんな不思議な文章一般人が書いちゃうわけでしょ!?筋肉タイムトラベラーという概念を生み出しちゃうわけでしょ!?いくらクリエイティブ寄りと言ったってさ!!!やーばいでしょ。筋肉タイムトラベラー生み出しちゃう人娑婆に出してたらやーばいでしょ。

で、この会社の作品群見たらCY8ER「東京ラットシティ」作った会社なんですね。なるほど。CGゴリゴリはお手の物という訳か。

 

あと、終盤の大沼さんがめちゃくちゃ可愛いのが良かった。

あの、公園で自分で「宇宙を飛ぶタクシー」を再現している映像。どういう映像やねんと思うでしょ。まんまだから円盤買って見て下さい。

大沼さんの可愛さと不思議さがいっぱい詰まっていて最高でしたね。

 

 

7.増本綺良「綺良と綺良」

学校というシチュエーションはまぁ松田もとい藤吉もといありきたりな設定ではあるんですが、ここであえてのインタビューってのが新しいなと思った。

意外とメンバーのインタビューって映像で見ることなくないですか?

それをがっつりカバーした個人PV。

視点が違ってて、そこが評価できる。

 

そしてまぁ増本だから普通にインタビューしてても答えがいちいち飛び道具なんですよね。それを叶える、ていうのが本映像でもあるんですけど。

特に「教室にスーパーボールをぶちまける」っていうのは、見ていてこっちもおおっ!!となった。楽しそう。混ぜろ。

「屋上に行く」というのも、見ていてこっちもおおおっ!!となった。僕も行ったことない。楽しそう。混ぜろ。

 

あと自然と「許さない」のポーズが出てきてたのは笑っちゃった。

画伯だけどいちいちゆるキャラのように可愛いのも笑っちゃった。

あとやっぱり普通に美人で可愛くて笑っちゃった。

 

飛び道具だからこそ王道の個人PVがよく映えますね。

強いて言うなら別に「2人の綺良」という設定はいらなくない?って思った。え、いらなくない?

 

 

ちなみに以下、発売日の静岡のタワレコの写真です。

静岡県なので唯一の静岡県出身メンバー大沼さんを推しております。無論昔はオダナナ推してた。

そして露骨に絵が上手いスタッフがいる。

露骨に絵がうまいスタッフが、いる・・・!!!

オダの時はいなかったのですが・・・。

 

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売り場全景。

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3人のイラストめちゃかわなんじゃ~。

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センター3人のイラスト。めちゃくちゃ上手い。藤吉が似てるの凄い。

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大沼さんのイラストめちゃかわ。「あきぽ!」

 

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大沼さん直筆メッセ。

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イラスト描くスタッフが来てくれたからか、欅の時含めて、歴代かなり温度が高い売り場になっていたと思う。最高です。ありがとうございます。大園さんも描いてください


以上である。

今回の円盤もなかなか面白かった。

やっぱBlu-rayで見る映像は違うね!!

 

個人PVというのもこの度初めて見て、

TYPECTYPEDと、

二期生網羅したわけだけれども

楽しく面白くそして可愛く見られました。

 

推し贔屓なしでランキングするならば、

1位 井上梨名

2位 松平璃子

3位 大沼晶保

4位 関有美子

5位 田村保乃

って感じかなあ。

 

推し贔屓有なら

殿堂入り 大園玲

1位 井上梨名

2位 松平以下略

 

 

***

LINKS

通常盤の感想。

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 他諸々。

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櫻坂46「Nobody's fault」(TYPEC)-電波、発射!-

 

 

君がすピーーーーー。

 

 

櫻坂46「Nobody's fault」(TYPEC)の話をさせて下さい。

 

 

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櫻坂46「Nobody's fault 」(TYPEC)

 

DISC1〈CD〉

【収録曲】

1.Nobody's fault 

2.なぜ 恋をしてこなかったんだろう?

3.最終の地下鉄に乗って

4.Nobody's fault -OFF VOCAL ver.-

5.なぜ 恋をしてこなかったんだろう?-OFF VOCAL ver.-

6.最終の地下鉄に乗って-OFF VOCAL ver.-

 

DISC2〈Blu-ray

Nobody's fault -MUSIC VIDEO-

なぜ 恋をしてこなかったんだろう?-MUSIC VIDEO-

●個人MV

井上梨名・武元唯衣・藤吉夏鈴・松平璃子山﨑天

大園玲・幸阪茉莉乃・守屋麗奈

 

※歌詞カードのグラビア:小林・守屋茜・井上・武元・幸阪

相変わらず基本的に映りがいいです。初っ端の小林だけこちらと目が合うようになっていますが、それ以外のメンバーは視線をそらしているのもなんかエモいわ~(ちょろい)

特にこの冊子では、守屋茜が圧倒的に良いです。顔面力あるのとやっぱぐうエロいと思う。グラビアでその気になれば天下とれるし人気もぶり返すだろうけれども本人は絶対まあそんなことしないでしょうね。でもな、あかねん。内田理央とか高崎かなみとかモデルとグラビア両立し手成り上がるコースも最近多いんやで・・・。

 

【聴くべき人】

・欅坂の曲がずっと大好きであった人「最終の地下鉄に乗って」は欅坂全曲におけるアンサー曲であるので)

・個人的に映画を撮ろうと思っている人(個人PVは掌編映画っぽいものも多いので)

・発射された1億万リナヘルツを受信してしまっピーーーーーー。

 

※この記事は4月末にかきました。今更編集してあげております・・・ユルシテ・・・。

 

 

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左から五番目が大園さん。手の位置が一番美しい。

 

【感想】

いやぁ~やっと見ました。見れました。Nobody's fault」Blu-ray。

 全タイプ入手したはいいもののまだ一枚も見られていなかったんですよ。

もうこのまま見ないで死ぬんだろうか・・・。

これから大園玲さんとミーグリやライブ、隙あらば握手会等の接触イベントが待ち構えていると思われるけれどもそこで「え?大園さんのPV?見たよ。探偵のやつでしょ?最高だったよね~」みたいな嘘をついてしれっとした顔で推し続けていかなければならないのか。

そんなの・・・そんなの・・・僕は嫌だ!!!!

という訳で頑張って、奮って見ました。

大園さんとのオンライン通話控えてるので大園さんPVが収録されている本作から見ました。

 

いや~見てよかった。最高だった。

だって一時間強あるんだもん。Blu-ray。ちょっとした映画レベル。アニメで言えば3話レベル。そりゃ満足感もあるやわな。

 

以下簡単にこのTYPEC収録曲、収録映像の感想を書いていく。

 

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裏もいいジャケット

 

*CD*

※「Nobody's fault」「なぜ恋をしてこなかったんだろう?」は通常版の感想に書いたので省略

 3.最終の地下鉄に乗って

作詞:秋元康 作曲・編曲:aokado

欅坂で散々歌ってきた「僕」の一つのアンサーソングでしょう。

「僕」は結局大人に対する反抗心や自由を抱えたまま大人になり、「最終の地下鉄に乗って」いる。

終電だから、もう後戻りはできない。

戻りたくても戻れない。

だから、その反抗心や自由とやらは諦めるしかないのだ。

諦めて、生きていくしかないのだ。

 

僕はいつになれば

違う時間帯の

生き方を選べるんだろう

 

自分を、無理矢理、抑えて

 

これからの人生 期待なんかしてない

(歌詞より)

 

もう戻ることのできない人生という終電に乗らなければならない。

毎日毎日昨日の繰り返しに過ぎない毎日に、

疑問も抱かないふりをして、

完全にウケれいていくふりをして、

諦めて、手放して、

生きてくしかない。生きていくしかないのだ。

 

ただ、そうやって総てを諦めたはずなのに、

こんなに解放感溢れるのは何故なんだろう。

受け入れることが出来るようになった、

「大人」になることが出来た、成長を喜ぶかのような

幸福に溢れた美しいメロディーライン。

 

哀しみと喜びの合間を最終列車は走っていく。

 

この曲をパフォーマンスする時、メンバーは満面の笑顔で歌って踊る。

多分この曲の主人公は、

諦めて受け入れたことで解放された喜びの方が勝っていた。

そういう解釈の上でのパフォーマンスなんだろうと思う。

僕達ファンはその姿を見て、「ああ欅坂自体の孤独な「僕」は救われたんだ」と安易に安堵するけれども、

でも僕は僅かに絶望するのだ。

ああこの現代はやっぱり諦めて生きていくしかないのだと。それが「大人」の生き方なのだと。

じゃあ僕は、大人になりたくない。

大人になんて・・・なりたくないよぉ・・・・(27歳・喪女・フリーター)

 

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裏面アップ。センターの森田の目がいい感じ。


*Blu-ray*

 1.Nobody's fault-MUSIC VIREO-

いやぁ~何回も何回も聞いて曲の意味が分かったうえで見ると、めちゃくちゃ神MVだ~ってなりますね。神MVだ~。

当時改名しながらも、サイレントマジョリティー」「二人セゾン」「不協和音」等をモチーフにした映像に賛否両論でしたが、

ある意味1stでこれをやることで欅坂との「決別」を表現したかったんじゃないかなと思いました。

曲終了後山へみんな駆けあがっていくシーンがあるのですが、

それは欅坂からの脱皮、分離を表す。

そして最後に大きく「全員のメンバー名are櫻坂46」と断言をする。宣言をする。

と僕は、解釈しました。

 

この改名は、誰のせいでもない。

私達は櫻坂46として新たなる坂道を駆けあがっていくんだ。

 

全体の雰囲気として、無理してないカッコよさというか、洗練されたクール感みたいなのがあって僕はこのMV結構好きです。

「なぜ恋」「Buddies」とかも確かに素晴らしいんですけど、アイドル曲という土台の上での作品になっている。けれどこのMVはアイドル曲という土台すら取っ払って創られた感じがします。

 あとあと、やっぱBlu-rayって映像綺麗っすね。YouTubeと全然違うぜ。(今更)

 

2.なぜ、恋をして来なかったんだろう?-MUSIC VIDEO-

改めて見るとこのMVもやっぱいいMVっすね。

前半は櫻エイト、中盤の糸ダンス、そして一回ためてからの、終盤のエイト以外のメンバーの見せ場含めてのダンスシーン。

起承転結がはっきりしているので、見ていてとても心地が良い。

 

あとやっぱ見どころといったらあの糸ダンスだよね。

凄くない?凄いよねあれ。

黙って引っ張られていくメンバーの表情もまたいいのよ。

恋愛を見下していた過去の自分から解放され、己の気持ちと向き合っての、

最後のダンスはカタルシス感半端ねえ。

 

そして終盤の原田葵のワンカット。もうそこに全部詰まっているかのようなあのワンシーン。あの瞬間だけ、センター(主人公)は藤吉ではなく原田葵だと思うわ。マジで。

あの一瞬で、長年の活動休止期間による原田の亡者達は救われたのではないでしょうか。それくらい圧倒的ヒロイン力がある。

 

ただちょっと残念なのは場面の切り替わりが早すぎてメンバーの顔が見きれないというところでしょうか。

「増本が良い表情をしている」という風の噂で聞いたのですが、何回見ても増本見つけられねぇ・・・。何なら井上・関も見つけらんねぇ・・・え、いる?

まぁ曲自体が短いのと、曲もMVも中毒性を意識して作られたような印象を受けるので、全員の顔判別できるまでYouTubeで見ろ!!!ということなのかもしれませんが。

他2本は全員の顔結構映っているので、そこだけがちょっと残念かなあ、と思う。

 

でもそれを抜きにしても展開、見せ場、原田といい所はたくさんある素晴らしい作品だとは思うのですが。

 

 

 

*個人PV*

 

www.youtube.com

 

1.井上梨名「恋して♥りなウェーブ」

これ最高じゃないですか?映像も詞も曲も全部最高だと思うんですけど。

 

まず映像、予告編見ていただいたら分かるんですけど、深夜の放送休止中に出てくる映像がテーマになってるんですよ。

その発想がもうヤバイよね。

だってさ考えてみ?「坂道グループの新しいメンバーをPRする映像作ってちょんまげ」言われて「アイアイサー」でそこコンセプトにする発想、ある?

しかも指定されたメンバーが井上梨名。薄い顔立ち美少女のメンバーとなれば、多分邦画的な発想しかできないと思うんですよね。常人には。藤吉夏鈴とか山﨑天とかあそこらへんの。

でもこのカラーバー衣装着せてダンスさせるわけですよ。もうやーばいよね。伝説始まっちゃってるよね。陰謀論だよね。リナヘルツ発射だよね。

かと思いきやしっかりセーラー服も着せちゃってるからね。もうこれはね、リナーメーソンですよ。リナーメーソン。

 

そしてリナヘルツ「発射」

そう、この電波「発射」されているんですよ。発信ではない。言葉のセンスが凄いと思った。

個人PVのため円盤にすらならない曲なのですが、この曲意外と歌詞がスッゴク練られているんですよ。

電波を「発射」はじめ、

座右の銘はみんな違ってみんないい」「好きな言葉はありがとう」

「・・・んぅ?」

「君がすピーーーーーーーーーーーー」

「1億万リナヘルツ」

凄まじい日本語だ・・・。

 

そしてそれを中毒性のあるあのメロディーで歌うという・・・そりゃ再生回数エグいくらい上がりますわ。

だってこんなアイドル映像見たことないもん。

 2nd選抜入るあたりの井上の活躍ぶりは、

多分この映像によるリナヘルツ発射も要因の一つでしょうね。

 

 

2.武元唯衣「琵琶湖が生んだパワフルガール」

ワンカット撮影ですよね?多分これ。すげー。

 

あとリナヘルツに隠れがちですが、この曲もなかなか中毒性あって神曲ですよね。

作詞作曲見たら出てきた名前が「SANABAGUN」。どっか見たことあるなぁと思ったらヒプノシスマイク摩天狼のパピヨン作った人達だった。なるほど、ラップの中にちょっと気怠さというかレゲエ何感じがあるのは共通しているかもしれない。

「あだ名は四葉ちゃん」「早口言葉が得意」「ダンスが得意」「肉と果物が好き」「特にスイカには思い入れがある」「誕生日は3月23日の世界遺産デー」

等々、2回聞いただけなのですが、結構武元に詳しくなれるのはまさしくこれこそ「個人PV(プロモーションビデオ)」といったところでしょうか。

 

映像もこれ多分、同じフロアを一周してるんですよね。

うーん・・・、ちょっとせっかくワンカットやるならもうちょっと映像に変化があってもいいかなあと思った。

文字の出し方とかは一時期の初音ミクのMVよろしく非常に工夫してあってバッキバキで面白いんですけど、背景が地味すぎるんじゃあ・・・。あといくらワンカットといえども歌は収録ならば「すげー」で終わってちょっとやっぱ地味なんじゃあ・・・。

惜しいかなーって作品。

 

あとこれ見てびっくりしたんですけど、武元わっかいすね。これ撮った時。

あとまだまだ遠慮してますね。

多分、この映像から1年半たった今の武元だったらもっとバチバチにラップしてバキバキに踊って早口言葉ももっと長い奴生で言えるんじゃないでしょうか?*1

リベンジしてほしいわぁ。 

 

 

3.藤吉夏鈴「藤吉さんを笑わせたい」

ガッツリ邦画っぽいPVでしたね。

「百瀬、こっちを向いて」を思い出した。見たことないけど。

 

共演者の男の子がめちゃくちゃ身体張ってて笑ってしまった。EXITからの「鬼瓦」、まさかハリウッドザコシショウまでやるとは思わないじゃんかよ・・・。

そして藤吉の笑顔がこれまた可愛いんだ。でも多分このタイプの笑顔は写真だけでは伝わらない・・・、動画じゃないと伝わらない・・・からの「藤吉さんは笑わせたい」の発想に至ったのでしょうね。

そして終盤まさかの展開はシンプルに驚いた。

まさかこの世界線の藤吉さんが「■■■■になるね」というとは思わないじゃんか。

 

藤吉夏鈴・・・クラスの一番二番の可愛い子に名前は上がらないけれど・・・あのちょっとミステリアスな雰囲気に惹かれている男子生徒がいたはずだ・・・そして彼女は東京でアイドルやることになり引っ越していくその後姿を心惜しく眺めていた男子生徒が一人教室に絶対いたはずなのだ・・・という監督の目論見を感じる。うん僕もいたと思う。そういう男子。

 

 

4.松平璃子「あの子の視線」

予告編とギャップが一番大きかったのはこの作品ですね。

予想以上に良かったです。滅茶苦茶良かった。

 

まず映像がセピア感ある可愛い感じに仕上がっている。

松平璃子のか細い少女感のある可愛さを伝えるかのように。

ノローグは少女小説のよう。

二期の中でも一番乙女感ある松平璃子の繊細さを表すかのように。

そこに重なるのはピアノの旋律。

松平璃子のどこか危うげなところを奏でるかのように。

生徒を女子しか出さないのも良くわかっている。

松平璃子は美人だがなんか男子には潔癖そう。

監督がきちんと「松平璃子という人物を分析把握したうえで作った作品というのがよく分かる。

 

そして2人の松平のギャップ。

これはクラスメイトの「璃子さん」を愛でる作品と見せかけて、眼鏡をかけたツインテールの「私」を愛でる作品ですね分かります。

このダサい松平がまた可愛いのよ。

ビデオカメラが中途半端に大きかったり眼鏡が本当にダサいフォルムのやつだったり、

途中体操座りしてカメラをじーっと眺めるシーンがあるんですがそこが一番かわいかった。

 

からの、終盤2人が屋上で映画を撮るシーンはなんだかもう、魅入ちゃったもんね。

個人PVのなかで一番魅せられたシーンかもしれない。

意外と松平演技いけちゃうっていう・・・。

 

是非これは全編で見てもらいたい作品。そして松平卒業おめでとう・・・ぼかぁさびしいよ・・・(27歳・女性・フリーター)

 

 

5.山﨑天「蒼天」

天と蒼がインスタをやっているのは、天ちゃんがカメラに興味あるからなんですかね。ブログに掲載する写真いい写真多いよね。

 

田舎暮らしの「天」は我々が想像する山﨑天で、

等身大の彼女の魅力が見られて良かった。

強いて言うなら田舎暮らしという設定ならば、もう少しスカートは長くしてほしかった。

一方で都会暮らしの「蒼」は我々が今まで見たことない山﨑天で、

演技に挑戦する彼女が見られて良かった。

蒼・天「孤独になりたくない!」

2人が叫ぶシーン、そこを蒼として天として演技分けしているのも凄く良かった。

 

ただまぁいきなりインスタにDM送って即返ってきてしかも悩み打ち明けてくる・・・っていうのはちょっと脚本都合よすぎないかと思った。まぁ尺考えたらしゃあないか。

でも終盤「キミガイナイ」の歌詞を用いた展開はなかなかぐっときました。

 

 

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大園玲さん ジャケット衣装 アクリルスタンド。

 

 6.大園玲「メモ探偵」

蒼と天のLINE云々の都合の良さがどうでもなるくらいの都合よさぎっしり詰まった大園さんのPV。まず「妖精」一言でクマの居場所なんてあてられるわけがないしそもそもクマのぬいぐるみもっている男の子なんて2021年現代何処にもいないしそもそもそんなかわいい男の子道端に普通居ますかね!?え!?いますかね!?え!?

でもいいんです、大園さんの魅力を最大限に詰め込んだ良作、

大園さんの素晴らしい魅力×最大限に生かす作品⇒最高傑作!

 

大園さんの素晴らしい魅力。

いや外見声色全部可愛い、のはそうなんですけど、

今回突出して素晴らしかったのは歌声。これです。歌声。

BGMに書き下ろされた曲を歌っていたんですけど、その声が凄く可愛いかった。

普段はロートーン気味でしゃべるんですけど、歌う時はちょっと女の子よりになる喉に華が開くような声になるんですよね。

それで「Promise you」「Promise you・・・」ってずっと流れるんですよ。

あなたに約束しましょう。

物語進行上では「クマを見つけること」なんですけど、

視聴しているとこの「you」≒私に思えてくるわけですよね。

Promise・・・約束、

この先もファンのあなたの希望となることを約束しましょう。

みたいな。まぁ僕の勝手な自己解釈なんですけど。

そしてあえてサビのみを耳に残すように作曲・編曲している方も策士だなと思いました。

 

そして映像の雰囲気も最高でしたね。

特にアンティーク店で大園さんが座って考えているシーンが挟まっているのが良かった。あのシーン自体が美しい、というのもあるんですけど・・・でもあれがあるだけで一気に「メモ探偵」界の密度がぐっと濃くなったというか何というか。

考えているポーズ、あれは両手版の櫻ポーズですよね?

都合よすぎ良すぎ展開ですけどあのなんちゃってシャーロックホームズ感嫌いじゃない。あと、「Promise you」だけじゃなく「シャーロックホームズ!」の歌詞もあえて聞き取りやすく曲を流していましたね。

そして最後に撮影後の大園さんの本物のメモを採用したのも良かった。

ステーキがおいしかった

ならよかったよ~。

 

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大園さんのアクリルスタンドは今まで3つ出てるのですが年々大きくなっています。いいぞこの調子だ。


 6.幸阪茉莉乃「相談に乗せ師」

幸阪の肌の白さや、独特のあのテンション、大きい瞳、魅力がぎゅっと詰まった良作だとは思います。

ただ若干「個人PV」よりかは、「幸阪主演の短編映画」に近かったかなという印象。監督の色が強く出すぎているというかなんというか。

 

藤吉・山﨑、松平とはまた違った邦画のトーンでしたね。言うならばカメラを止めるな!かのようなコンコルド人間」かのような。ちょっとアングラ感のある邦画、みたいな。

独特な設定とかもみっちり作りこまれていて、より邦画感があったかなあという印象。正直そこらへんはもうちょっとぼんやりしていてもよかったんじゃないかなあ。

 

あと、脇役が出すぎるのよ。いちいち顔面が濃いのよ。

藤吉の作品のようにそういったポジションが1人ならいいんだけど、さすがに2人3人となってくると・・・・うーんとなってくる。

一通り見たときに、いや存在感はあったよ?あったけれども幸阪より、あのちょっとブサイクな彼氏の顔芸の方が浮かんでくるのよ。

 

あと幸阪で当時唯一の櫻坂のJKだったんですよね。

普通に制服着ている作品が見たかったかなぁ・・・。

 幸阪の魅力を引き出す、よりかは監督が幸阪を使ってやりたいことを優先した感の強い作品。悪くはないんだけどね。

 

 

7.守屋麗奈「麗しき世界」

かといって、キャラも何も設定せずただ映像を流すだけだと物足りないんですよ本当。

多分守屋の顔面の良さを最大に活かした「動く写真集」みたいなことがやりたかったんでしょうね。

でも、映像に起承転結もくそも何もなくただワントーンで「光」「ひがつながっている」「夢」とか言っているだけだから見終わった後ちょっと物足りないんですよ。せめて起承転結くらい緩やかでもいいからつけてほしかった。

シャンプーのCMじゃないんだからさ。

 

誰が考えたか分からないポエムもどうなんだと思った。

じゃあ井上や武元、大園さんのように歌わせた方がファンは喜ぶんじゃないか。

「夢と繋がる現実」

まぁ、なんとなく言いたいことは分かるんですけど。要するに紆余曲折を経て新二期として入ってきた。「アイドル」という夢が実現している、という旨をそれっぽく書きましたということですよね?

 

守屋は全く悪くないんだけど、ちょっと監督どうなんだろうなと思った。

もう二度と個人PVには関わってほしくないですね。

 

 

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櫻坂カフェの大園さん。二ッとした笑顔が可愛い。

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欅坂自体の大園さん。確かにこれはちょっと小さいなあとは思った。


 

概ね個人PVについては以上である。

うーん。全体を通して言えば80点くらい?

りなウェーブ、あの子の視線、メモ探偵の3つが結構良かったかなぁ。

後は作品としてちょっと物足りなかったり邦画に寄りすぎてしまったりした印象。だからといって決して悪い作品ではないし、全部良作だとは思うんですけれども。

 

 

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生写真アルバムも「欅坂」「櫻坂」分けるために購入した。というかこの写真がとても好きというのもある。BANもわるかないんだけどね。

 

そして、この円盤を見た後に控えていたオンライン通話・・・そうミーグリ!!

3枚分使いました。「全握」に該当するミーグリでしたが、ほとんど「個握」の時間と変わらなかったかなあ。むしろ若干「個握」3枚分より長く感じたくらい。

 

以下簡単にレポートを記しておく。

 

3月13日(土)第4部

※全握代替ミーグリ

大園さん「きこえるー?」

(この時接続が悪く、3度目のチャレンジでようやく繋がった)

僕「聞こえるー!!聞こえます!!!」

大園さん「わー、まぐろどん(←すぐニックネーム呼んでくれる、最高)

僕「え・・・ええ~~!?ツインテール!!!??かわいい!!!!!(この日赤いリボンの飾りでツインテールしてくれていて可愛すぎてしぬかとおもった)

僕「ふ・・・ふたつ結び!!??かわいいです!!!(かわいすぎて日本語が上手くしゃべれなかった)

大園さん「ありがとー」

僕「あ!えと、ブロディ読みましたー!!」

大園さん「ありがとう~!」

概ねこんな感じ。

 

・接続が微妙。自宅のWi-Fiでも端末の接続でも微妙だった模様。

・でもブロディ読んだこととツインテがかあいいことを伝えられたので僕は満足。

・そのため、スタッフさんとの接続確認しても、2回程繋がらず3度目のチャンスで繋がりました

・待機時間は全くなかった。これは逆に焦った。個握振り分けミーグリの時は、待ち時間30分くらいあったので・・・。

・その割に、「個握3枚分」と今回の「全握3枚分」は殆ど時間に差がないように感じた

・意外とこのミーグリ、穴場なのかもしれない

・とにかく私はイヤホン付きマイクを買わなければならない*2

 

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以上である。

曲も勿論良かったし、個人PVも結構良かった。そして全握も意外と時間が長くて大満足。100点満点の円盤だった。

 

2ndシングルBANが公開されましたね。*3

大園さんが1stの時よりはっきり写っていて良いMVだったと思います。ただ、ノバフォの方が好きかなあ。華やかさでいえばBANなんだけど、一度見たらもういいかなあ・・・となってしまう。ノバフォはなんか謎の「深み」があったよね。考察の余地というかなんというか。あと、世界感も唯一無二で好き。BANはちょっとアンビバレントの世界観と被るんだよなあ。

 

 

***

LINKS

通常盤の感想。

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ノバフォ期間の雑誌の感想。

 

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*1:と思ったら、やっぱりこの前の「そこさく」でレッツゴーの言い方後悔してるって言ってましたね。

*2:この後「BAN」ミーグリイヤホン付きマイクとスマホスタンドでミーグリのぞんだのですが、凄く接続も良くなりスムーズになりました。絶対買うことお勧めします。

*3:書いたのは春だったんだ・・・ユルシテちょんまげ